JP2528574B2 - 希土類ボンド磁石の製造方法 - Google Patents
希土類ボンド磁石の製造方法Info
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- JP2528574B2 JP2528574B2 JP3224924A JP22492491A JP2528574B2 JP 2528574 B2 JP2528574 B2 JP 2528574B2 JP 3224924 A JP3224924 A JP 3224924A JP 22492491 A JP22492491 A JP 22492491A JP 2528574 B2 JP2528574 B2 JP 2528574B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転電機等に組み込ま
れて使用される希土類ボンド磁石の製造方法に関する。
れて使用される希土類ボンド磁石の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、比較的安価でしかも良好な磁
気特性を備えたボンド磁石の開発が種々行われている。
例えば、特開昭59−211549号公報には、希土類
−鉄−ホウ素系磁性粉末を接着剤で固化してなるボンド
磁石が提案されており、また特開昭61−174364
号公報には、ミッシュメタル−遷移金属−ホウ素系磁性
粉末をバインダーと混合してなるプラスチック磁石が提
案されている。さらに特開昭63−274114号公報
及び特開昭63−287003号公報には、希土類磁性
粉末とフェライト磁性粉末との混合物を用いたプラスチ
ック磁石が提案されており、特開平2−22803号公
報には、希土類磁性粉末どうしを混合してなるボンド磁
石が提案されている。
気特性を備えたボンド磁石の開発が種々行われている。
例えば、特開昭59−211549号公報には、希土類
−鉄−ホウ素系磁性粉末を接着剤で固化してなるボンド
磁石が提案されており、また特開昭61−174364
号公報には、ミッシュメタル−遷移金属−ホウ素系磁性
粉末をバインダーと混合してなるプラスチック磁石が提
案されている。さらに特開昭63−274114号公報
及び特開昭63−287003号公報には、希土類磁性
粉末とフェライト磁性粉末との混合物を用いたプラスチ
ック磁石が提案されており、特開平2−22803号公
報には、希土類磁性粉末どうしを混合してなるボンド磁
石が提案されている。
【0003】このようなボンド磁石は、磁性粉末を混練
によって樹脂バインダー中に分散してなるものである
が、その製造方法が例えば特開昭60−164313号
公報に記載されている。当該公報に開示された製造方法
によれば、磁性粉末とシラン系カップリング剤とを樹脂
バインダー中に少量ずつ混合しつつ、ミキシングロール
を用いて混練を行っている。得られた混練物は、一旦粉
砕された後に圧延され、シート状になされる。そのシー
ト状の磁石素材には水蒸気による熱処理が施され、これ
により圧延工程にて生じた歪の除去が行なわれ、あるい
は加硫が行なわれている。
によって樹脂バインダー中に分散してなるものである
が、その製造方法が例えば特開昭60−164313号
公報に記載されている。当該公報に開示された製造方法
によれば、磁性粉末とシラン系カップリング剤とを樹脂
バインダー中に少量ずつ混合しつつ、ミキシングロール
を用いて混練を行っている。得られた混練物は、一旦粉
砕された後に圧延され、シート状になされる。そのシー
ト状の磁石素材には水蒸気による熱処理が施され、これ
により圧延工程にて生じた歪の除去が行なわれ、あるい
は加硫が行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところがこのようなボ
ンド磁石において、可撓性を有する樹脂バインダー中に
希土類磁性粉末を分散させることによって可撓性の希土
類ボンド磁石を得る場合に、上述のような熱処理を行っ
ても内部まで十分な加硫を行い得ないことがあり、磁石
に剛性不足を生じることがある。特にNd−Fe−B系磁
性粉末の場合に対しては加硫を行いにくく、剛性不足を
生じ易い。
ンド磁石において、可撓性を有する樹脂バインダー中に
希土類磁性粉末を分散させることによって可撓性の希土
類ボンド磁石を得る場合に、上述のような熱処理を行っ
ても内部まで十分な加硫を行い得ないことがあり、磁石
に剛性不足を生じることがある。特にNd−Fe−B系磁
性粉末の場合に対しては加硫を行いにくく、剛性不足を
生じ易い。
【0005】そこで本発明は、可撓性のボンド磁石に対
する加硫を良好に行うことができるようにした希土類ボ
ンド磁石の製造方法を提供することを目的とする。
する加硫を良好に行うことができるようにした希土類ボ
ンド磁石の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明にかかる希土類ボンド磁石の製造方法は、可撓性
を有する樹脂バインダー中に、希土類−遷移金属−ホウ
素系の磁性粉末を分散してなる希土類ボンド磁石の製造
方法において、少なくとも、(a)希土類−遷移金属−ホ
ウ素系の磁性粉末と樹脂バインダーとを混練する混練工
程と、(b)上記工程により得られた混練物を粉砕した
後、シート状に圧延する圧延工程と、(c)シート状に圧
延された磁石素材を、125〜180℃の温度条件で6
0〜180分間放置して熱処理する熱処理工程と、(d)
熱処理されたシート状磁石素材を切断する切断工程と、
(e)切断後のシート状磁石素材を、100〜180℃の
恒温槽中に20〜180分間放置して再度の熱処理をす
る再熱処理工程とを備えた構成を有している。
本発明にかかる希土類ボンド磁石の製造方法は、可撓性
を有する樹脂バインダー中に、希土類−遷移金属−ホウ
素系の磁性粉末を分散してなる希土類ボンド磁石の製造
方法において、少なくとも、(a)希土類−遷移金属−ホ
ウ素系の磁性粉末と樹脂バインダーとを混練する混練工
程と、(b)上記工程により得られた混練物を粉砕した
後、シート状に圧延する圧延工程と、(c)シート状に圧
延された磁石素材を、125〜180℃の温度条件で6
0〜180分間放置して熱処理する熱処理工程と、(d)
熱処理されたシート状磁石素材を切断する切断工程と、
(e)切断後のシート状磁石素材を、100〜180℃の
恒温槽中に20〜180分間放置して再度の熱処理をす
る再熱処理工程とを備えた構成を有している。
【0007】
【作用】このような構成を有する手段においては、切断
によって現出された磁石の新生面に対して、熱処理が再
度加えられることとなり、熱処理による加硫が磁石内部
まで良好に進行される。
によって現出された磁石の新生面に対して、熱処理が再
度加えられることとなり、熱処理による加硫が磁石内部
まで良好に進行される。
【0008】上記手段のより具体的な構成を説明する
と、まず超急冷法により希土類−遷移金属−ホウ素系磁
性粉末を得る。超急冷法の一例としてはジェットキャス
ティング法がある。このジェットキャスティング法にお
いては、インゴッド状に形成された磁性合金が受皿内に
収容され、不活性環境下で上記合金が高周波等によって
溶融される。溶融状態となった磁性合金はノズル付きの
湯溜りに注入され、ノズルを通して回転ホイール上に落
下される。回転ホイールは水によって冷却されており、
ここで急速冷却が行なわれる。急冷された磁性合金は、
リボン状の磁性粉末に凝固されて下方に落下していき、
容器内に収集される。
と、まず超急冷法により希土類−遷移金属−ホウ素系磁
性粉末を得る。超急冷法の一例としてはジェットキャス
ティング法がある。このジェットキャスティング法にお
いては、インゴッド状に形成された磁性合金が受皿内に
収容され、不活性環境下で上記合金が高周波等によって
溶融される。溶融状態となった磁性合金はノズル付きの
湯溜りに注入され、ノズルを通して回転ホイール上に落
下される。回転ホイールは水によって冷却されており、
ここで急速冷却が行なわれる。急冷された磁性合金は、
リボン状の磁性粉末に凝固されて下方に落下していき、
容器内に収集される。
【0009】ここで希土類−遷移金属系磁性粉末を用い
る場合の希土類としては、ランタノイドのうち一種また
は二種以上が用いられ、遷移金属としては、Fe,Co,
Niのうち一種または二種以上が用いられる。この希土
類−遷移金属系磁性粉末には、ホウ素を含ませて希土類
−遷移金属−ホウ素系(R−T−B)磁性粉末とするこ
とができる。具体的には、Nd−Fe−B系磁性粉末とし
て、Nd−Fe−B,Nd−Fe−Co−B,(Nd,Pr)
−Fe−B,(Nd,Pr)−Fe−Co−B等が用いら
れ、(Ce,La)−Fe−B系磁性粉末としては、(Ce,L
a)−Fe−B,(Ce,La)−Fe−Co−B,MM−Fe−
B,MM−Fe−Co−B等が用いられ、さらにSm−Co
系磁性粉末としては、Sm−Co,Sm−Co−Fe,Sm−
Co−Mn等が用いられる。
る場合の希土類としては、ランタノイドのうち一種また
は二種以上が用いられ、遷移金属としては、Fe,Co,
Niのうち一種または二種以上が用いられる。この希土
類−遷移金属系磁性粉末には、ホウ素を含ませて希土類
−遷移金属−ホウ素系(R−T−B)磁性粉末とするこ
とができる。具体的には、Nd−Fe−B系磁性粉末とし
て、Nd−Fe−B,Nd−Fe−Co−B,(Nd,Pr)
−Fe−B,(Nd,Pr)−Fe−Co−B等が用いら
れ、(Ce,La)−Fe−B系磁性粉末としては、(Ce,L
a)−Fe−B,(Ce,La)−Fe−Co−B,MM−Fe−
B,MM−Fe−Co−B等が用いられ、さらにSm−Co
系磁性粉末としては、Sm−Co,Sm−Co−Fe,Sm−
Co−Mn等が用いられる。
【0011】つぎに図1に示されているように、希土類
−遷移金属−ホウ素系磁性粉末が、磁石全体に対して5
5〜96重量%となるように計量される。磁性粉末を磁
石全体に対して96重量%以下とするのは、磁性粉末の
割合が96重量%を越えた高充填率となると、磁性粉末
に対するバインダーの量が不足状態になり、磁石自身の
磁力にバインダー強度が負けて磁石の倒壊を招き、ある
いは磁石が硬くなり過ぎになってシート状に成形できな
くなったり、可撓性が不足し製品への組込が不可能にな
るからである。一方磁性粉末を磁石全体に対して55重
量%以上とするのは、磁性粉末の割合が55重量%より
少ないと、磁力不足が生じて高磁力を目的とする希土類
磁性粉末の有用性がなくなるためである。なお磁性粉末
を磁石全体に対して93重量%より少なくした場合に
は、磁性粉末の充填率が低くなり過ぎて磁石に変形を生
じ易くなる。
−遷移金属−ホウ素系磁性粉末が、磁石全体に対して5
5〜96重量%となるように計量される。磁性粉末を磁
石全体に対して96重量%以下とするのは、磁性粉末の
割合が96重量%を越えた高充填率となると、磁性粉末
に対するバインダーの量が不足状態になり、磁石自身の
磁力にバインダー強度が負けて磁石の倒壊を招き、ある
いは磁石が硬くなり過ぎになってシート状に成形できな
くなったり、可撓性が不足し製品への組込が不可能にな
るからである。一方磁性粉末を磁石全体に対して55重
量%以上とするのは、磁性粉末の割合が55重量%より
少ないと、磁力不足が生じて高磁力を目的とする希土類
磁性粉末の有用性がなくなるためである。なお磁性粉末
を磁石全体に対して93重量%より少なくした場合に
は、磁性粉末の充填率が低くなり過ぎて磁石に変形を生
じ易くなる。
【0012】このとき希土類−遷移金属−ホウ素系(R
−T−B)磁性粉末を用いる場合には、磁性粉末の粒度
をメジアン径で78μm以下の微粉、例えば42μmに粉
砕することが上記充填率を得る上で好ましい。磁性粉末
の調整は、ボールミルやロール等を用いて行うこととす
る。
−T−B)磁性粉末を用いる場合には、磁性粉末の粒度
をメジアン径で78μm以下の微粉、例えば42μmに粉
砕することが上記充填率を得る上で好ましい。磁性粉末
の調整は、ボールミルやロール等を用いて行うこととす
る。
【0013】また特に磁石の要求磁気力が小さく設定さ
れている等の場合に、磁性粉末の投入量が少なく所定の
充填率を達し得ないことがある。その場合には、ホワイ
トカーボン等の非磁性の粉体を、磁性粉末とともにバイ
ンダー(後述)中に補強材として用いればよい。このよ
うな混入フィラーを用いれば、磁石中のいわゆるフィラ
ー充填率を必要値まで高めることができ、それによって
磁石の変形性を改善し、磁石の剛性を高めることができ
る。このときの充填率の範囲は、磁性粉末と混入フィラ
ーを合わせたフィラーの全体で、73〜50体積%、特
に希土類−遷移金属−ホウ素(R−T−B)系磁性粉末
を用いる場合には、磁性粉末と混入フィラーの全体で7
3〜50体積%かつ磁性粉末の範囲は71〜13体積%
が適切であり、混入フィラーの範囲は、60〜2体積%
とする。
れている等の場合に、磁性粉末の投入量が少なく所定の
充填率を達し得ないことがある。その場合には、ホワイ
トカーボン等の非磁性の粉体を、磁性粉末とともにバイ
ンダー(後述)中に補強材として用いればよい。このよ
うな混入フィラーを用いれば、磁石中のいわゆるフィラ
ー充填率を必要値まで高めることができ、それによって
磁石の変形性を改善し、磁石の剛性を高めることができ
る。このときの充填率の範囲は、磁性粉末と混入フィラ
ーを合わせたフィラーの全体で、73〜50体積%、特
に希土類−遷移金属−ホウ素(R−T−B)系磁性粉末
を用いる場合には、磁性粉末と混入フィラーの全体で7
3〜50体積%かつ磁性粉末の範囲は71〜13体積%
が適切であり、混入フィラーの範囲は、60〜2体積%
とする。
【0014】上記非磁性の混入フィラーとしては、上述
したホワイトカーボンの他に、タルク、カーボンブラッ
ク、カーボン繊維、フェライト粉等の化学的あるいは物
理的に安定な粉体を使用することができる。また混入フ
ィラーの粒度は、メジアン径で78μm以下とする。
したホワイトカーボンの他に、タルク、カーボンブラッ
ク、カーボン繊維、フェライト粉等の化学的あるいは物
理的に安定な粉体を使用することができる。また混入フ
ィラーの粒度は、メジアン径で78μm以下とする。
【0015】さらに磁性粉末としてNd−Fe−Bを用い
る場合には、上述した非磁性の混入フィラーの代わり
に、(Ce,La)−Fe−B系磁性粉末を用いることが好ま
しい。これは、Nd−Fe−Bを用いた磁石が加硫(後
述)しにくく、必要な剛性を得にくいという問題がある
からである。加硫を行い易い希土類−遷移金属−ホウ素
系(R−T−B)磁性粉末を混入れば、加硫が磁石内部
まで促進されて、磁石の剛性が高められ磁石の変形を防
止することができるものである。この場合の混入希土類
−遷移金属−ホウ素系(R−T−B)磁性粉末として
は、(Ce,La)−Fe−B、ミッシュメタル−Fe−B等
を採用することができる。
る場合には、上述した非磁性の混入フィラーの代わり
に、(Ce,La)−Fe−B系磁性粉末を用いることが好ま
しい。これは、Nd−Fe−Bを用いた磁石が加硫(後
述)しにくく、必要な剛性を得にくいという問題がある
からである。加硫を行い易い希土類−遷移金属−ホウ素
系(R−T−B)磁性粉末を混入れば、加硫が磁石内部
まで促進されて、磁石の剛性が高められ磁石の変形を防
止することができるものである。この場合の混入希土類
−遷移金属−ホウ素系(R−T−B)磁性粉末として
は、(Ce,La)−Fe−B、ミッシュメタル−Fe−B等
を採用することができる。
【0016】また磁性粉末どうしの混合割合は、残留磁
束密度Brが6300G以下となる割合ならば、どのよ
うな割合でも採用することができるが、特にNd−Fe−
B系磁性粉末と(Ce,La)−Fe−B系磁性粉末とを混合
させる場合には、(Ce,La)−Fe−B系磁性粉末を、磁
性粉末全体に対して5重量%以上に配合すれば、所定の
剛性を得ることが可能である。
束密度Brが6300G以下となる割合ならば、どのよ
うな割合でも採用することができるが、特にNd−Fe−
B系磁性粉末と(Ce,La)−Fe−B系磁性粉末とを混合
させる場合には、(Ce,La)−Fe−B系磁性粉末を、磁
性粉末全体に対して5重量%以上に配合すれば、所定の
剛性を得ることが可能である。
【0017】次に所定量の防錆剤及びエポキシ主剤が混
合され、酸化膜、エポキシ樹脂膜及び防錆被膜の形成が
行われる(被膜形成工程)。すなわちまず混合装置中に
不活性ガスが注入され、該混合装置中の空気が、酸素濃
度0.08〜3%となるようにガス置換される。混合装
置としては、ボールミル、V型ブレンダー、ダブルコー
ン型ブレンダー等が用いられる。また不活性ガスとして
は、アルゴンガス(Ar)、窒素ガス(N2)、炭酸ガス(C
O2)などが用いられる。
合され、酸化膜、エポキシ樹脂膜及び防錆被膜の形成が
行われる(被膜形成工程)。すなわちまず混合装置中に
不活性ガスが注入され、該混合装置中の空気が、酸素濃
度0.08〜3%となるようにガス置換される。混合装
置としては、ボールミル、V型ブレンダー、ダブルコー
ン型ブレンダー等が用いられる。また不活性ガスとして
は、アルゴンガス(Ar)、窒素ガス(N2)、炭酸ガス(C
O2)などが用いられる。
【0018】このようにしてガス置換が行なわれた混合
装置中には、希土類−遷移金属系磁性粉末、エポキシ主
剤及び防錆剤が投入され、約2時間程度にわたって混合
が行なわれる。混合では、まず混合装置中に僅かに残留
している酸素によって上記磁性粉末の表面上に酸化膜が
形成され、さらにその上にエポキシ樹脂膜及び防錆被膜
が形成される。酸素濃度を0.08%〜3%としておく
のは、酸素濃度が0.08%より小さいと、酸化膜を形
成することができなくなるか、あるいは形成されても極
めて薄いものにしかならず、また酸素濃度が3%を越え
ると、酸素による発火の危険を生じるからである。
装置中には、希土類−遷移金属系磁性粉末、エポキシ主
剤及び防錆剤が投入され、約2時間程度にわたって混合
が行なわれる。混合では、まず混合装置中に僅かに残留
している酸素によって上記磁性粉末の表面上に酸化膜が
形成され、さらにその上にエポキシ樹脂膜及び防錆被膜
が形成される。酸素濃度を0.08%〜3%としておく
のは、酸素濃度が0.08%より小さいと、酸化膜を形
成することができなくなるか、あるいは形成されても極
めて薄いものにしかならず、また酸素濃度が3%を越え
ると、酸素による発火の危険を生じるからである。
【0019】上記エポキシ主剤としては、ビスフェノー
ル系、フェノキシ系、ノボラック系、ポリフェノール
系、ポリヒドロキシベンゼン系あるいはこれらの誘導体
等の一種または二種以上が用いられ、また防錆剤として
はソルビタンモノオレエートと鉱物油または合成油の混
合物等が用いられる。
ル系、フェノキシ系、ノボラック系、ポリフェノール
系、ポリヒドロキシベンゼン系あるいはこれらの誘導体
等の一種または二種以上が用いられ、また防錆剤として
はソルビタンモノオレエートと鉱物油または合成油の混
合物等が用いられる。
【0021】酸化膜、エポキシ樹脂膜及び防錆剤の被膜
が形成された磁性粉末は、取り出されて計量された後、
加圧式ニーダー等により可撓性を有する樹脂バインダー
と数分にわたって混練される(混練工程)。このときエ
ポキシ樹脂の硬化剤及び硬化促進剤が添加される。硬化
剤及び硬化促進剤をこの段階で添加するのは、磁性粉末
の混合物を取り出した直後から直ちに磁性粉末が硬化し
てしまうのを回避するためである。このような混練工程
により、希土類−遷移金属系磁性粉末は、可撓性を有す
る樹脂バインダー中にほぼ均一に分散される。
が形成された磁性粉末は、取り出されて計量された後、
加圧式ニーダー等により可撓性を有する樹脂バインダー
と数分にわたって混練される(混練工程)。このときエ
ポキシ樹脂の硬化剤及び硬化促進剤が添加される。硬化
剤及び硬化促進剤をこの段階で添加するのは、磁性粉末
の混合物を取り出した直後から直ちに磁性粉末が硬化し
てしまうのを回避するためである。このような混練工程
により、希土類−遷移金属系磁性粉末は、可撓性を有す
る樹脂バインダー中にほぼ均一に分散される。
【0022】このときの可撓性を有する樹脂バインダー
としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(I
R)、ブダジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン
ゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プ
ロピレンゴム(EPR)、エチレン−酢ビゴム(EV
A)、ニトリルゴム(NBR)、アクリルゴム(A
R)、ウレタンゴム(UR)等が、一種または二種以上
にわたって用いられる。すなわちこれらの樹脂バインダ
ーは、いわゆる3元ゴムであり、極性がないゴム成分
(例えばIIR)と、極性が強いゴム成分(例えばNB
R)とが、ハロゲンを含有するゴム成分(例えばCR)
を介して良好に混合されている。極性がないゴム成分は
耐油性・耐候性に難点があり、また極性が強いゴム成分
は非常に硬く伸展油または可塑剤の添加を要する。そこ
でハロゲンを含有するゴム成分を介して両ゴム成分を混
合させることとすれば、それぞれのゴム成分の難点を補
い合うゴム成分どうしが容易に混合され、耐油性・耐候
性の改善が行なわれるものである。
としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(I
R)、ブダジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン
ゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プ
ロピレンゴム(EPR)、エチレン−酢ビゴム(EV
A)、ニトリルゴム(NBR)、アクリルゴム(A
R)、ウレタンゴム(UR)等が、一種または二種以上
にわたって用いられる。すなわちこれらの樹脂バインダ
ーは、いわゆる3元ゴムであり、極性がないゴム成分
(例えばIIR)と、極性が強いゴム成分(例えばNB
R)とが、ハロゲンを含有するゴム成分(例えばCR)
を介して良好に混合されている。極性がないゴム成分は
耐油性・耐候性に難点があり、また極性が強いゴム成分
は非常に硬く伸展油または可塑剤の添加を要する。そこ
でハロゲンを含有するゴム成分を介して両ゴム成分を混
合させることとすれば、それぞれのゴム成分の難点を補
い合うゴム成分どうしが容易に混合され、耐油性・耐候
性の改善が行なわれるものである。
【0023】上記ハロゲンを含有するゴム成分として
は、クロロプレンゴム(CR)、ハイパロン(CSM)、
塩素化ポリエチレン等の塩素を含有するものが一種また
は二種以上にわたって用いられる。この場合、当該ハロ
ゲン含有のゴム成分は、樹脂バインダー全体の重量に対
して15重量%以下、好ましくは6.2重量%以下に設
定する必要がある。ハロゲンを含有するゴム成分が樹脂
バインダー全体重量の15重量%を越えて含まれる場合
には、塩素ガス(Cl2)や塩酸ガス(HCl)が発生する
こととなり、例えばモータの場合には整流子腐食や磁石
の錆及びコア錆の原因となるからである。またハロゲン
を含有するゴム成分が樹脂バインダー全体重量の6.2
重量%を越えて含まれる場合には、磁石が硬くなり過ぎ
て脆性状態となり、シート状に成形できなくなったり、
可撓性が不足し製品への組込が不可能になるとともに、
外力あるいは自己の磁力によって破壊し易くなるからで
ある。
は、クロロプレンゴム(CR)、ハイパロン(CSM)、
塩素化ポリエチレン等の塩素を含有するものが一種また
は二種以上にわたって用いられる。この場合、当該ハロ
ゲン含有のゴム成分は、樹脂バインダー全体の重量に対
して15重量%以下、好ましくは6.2重量%以下に設
定する必要がある。ハロゲンを含有するゴム成分が樹脂
バインダー全体重量の15重量%を越えて含まれる場合
には、塩素ガス(Cl2)や塩酸ガス(HCl)が発生する
こととなり、例えばモータの場合には整流子腐食や磁石
の錆及びコア錆の原因となるからである。またハロゲン
を含有するゴム成分が樹脂バインダー全体重量の6.2
重量%を越えて含まれる場合には、磁石が硬くなり過ぎ
て脆性状態となり、シート状に成形できなくなったり、
可撓性が不足し製品への組込が不可能になるとともに、
外力あるいは自己の磁力によって破壊し易くなるからで
ある。
【0024】上記硬化剤としては、脂肪族ポリアミンや
芳香族ポリアミン等のポリアミン、無水フタル酸等の酸
無水物、ポリアミド樹脂、ポリスルフィッド樹脂、三フ
ッ化ホウ素等のアミンコンプレックス、フェノール樹脂
等の合成樹脂初期縮合物あるいはこれらの誘導体の一種
または二種以上が用いられる。硬化促進剤しては、トリ
スジメチルアミノメチルフェノール等のアミン、1−イ
ソブチル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾールあ
るいはこれらの誘導体の一種または二種以上が用いられ
る。
芳香族ポリアミン等のポリアミン、無水フタル酸等の酸
無水物、ポリアミド樹脂、ポリスルフィッド樹脂、三フ
ッ化ホウ素等のアミンコンプレックス、フェノール樹脂
等の合成樹脂初期縮合物あるいはこれらの誘導体の一種
または二種以上が用いられる。硬化促進剤しては、トリ
スジメチルアミノメチルフェノール等のアミン、1−イ
ソブチル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾールあ
るいはこれらの誘導体の一種または二種以上が用いられ
る。
【0025】この混練工程において、加圧ニーダーは冷
却されており、95℃以下、好ましくは50〜60℃の
温度条件下で混練が行なわれる。この温度設定により、
混練工程における発火の危険性が回避される。すなわち
95℃を越えて混練が行なわれると発熱より発火を生じ
る危険があり、また40℃以下ではゴムの可塑化が進ま
ず十分な混練が行なわれない。
却されており、95℃以下、好ましくは50〜60℃の
温度条件下で混練が行なわれる。この温度設定により、
混練工程における発火の危険性が回避される。すなわち
95℃を越えて混練が行なわれると発熱より発火を生じ
る危険があり、また40℃以下ではゴムの可塑化が進ま
ず十分な混練が行なわれない。
【0026】以上の混練工程により得られた混練物とし
ての磁石素材は、加圧式ニーダーから取り出され、直ち
に10kg以下の小ロットごとに小分けされる。これらの
小分けされた各磁石素材は、密閉容器内にそれぞれ封入
されて保存され、磁石素材の温度が室温に低下するまで
そのまま放置される(保存工程)。この保存工程による
放熱によって発火の危険が回避される。
ての磁石素材は、加圧式ニーダーから取り出され、直ち
に10kg以下の小ロットごとに小分けされる。これらの
小分けされた各磁石素材は、密閉容器内にそれぞれ封入
されて保存され、磁石素材の温度が室温に低下するまで
そのまま放置される(保存工程)。この保存工程による
放熱によって発火の危険が回避される。
【0027】上記保存工程によって十分な放熱が行なわ
れた混練物としての磁石素材は、取り出されて粒度5mm
以下の大きさに砕かれる(粉砕工程)。この粉砕工程
は、アルゴンガス(Ar)、窒素ガス(N2)、炭酸ガス(CO
2)などの不活性ガスの流動による冷却下で行なわれ、
温度条件は95℃以下に設定される。粉砕には回転刃等
が使用される。すなわちこの粉砕工程では、不活性ガス
による空冷が行なわれることとなり、ほぼ大気中での粉
砕が可能になっている。
れた混練物としての磁石素材は、取り出されて粒度5mm
以下の大きさに砕かれる(粉砕工程)。この粉砕工程
は、アルゴンガス(Ar)、窒素ガス(N2)、炭酸ガス(CO
2)などの不活性ガスの流動による冷却下で行なわれ、
温度条件は95℃以下に設定される。粉砕には回転刃等
が使用される。すなわちこの粉砕工程では、不活性ガス
による空冷が行なわれることとなり、ほぼ大気中での粉
砕が可能になっている。
【0028】ついで上記粉砕工程により得られた粉砕物
に対してロール等による圧延が施され、シート状のボン
ド磁石が得られる(シート形成工程)。このとき圧延ロ
ールの表面温度は、20〜80℃に維持されており、こ
れによって上記シート状磁石素材の引っ張り強度が巻き
取り可能な範囲に良好に維持されるとともに、磁性粉末
の酸化が抑制され磁気特性の劣化が防止されるようにな
っている。
に対してロール等による圧延が施され、シート状のボン
ド磁石が得られる(シート形成工程)。このとき圧延ロ
ールの表面温度は、20〜80℃に維持されており、こ
れによって上記シート状磁石素材の引っ張り強度が巻き
取り可能な範囲に良好に維持されるとともに、磁性粉末
の酸化が抑制され磁気特性の劣化が防止されるようにな
っている。
【0029】この場合特に希土類−遷移金属−ホウ素系
(R−T−B)磁性粉末を用いた磁石においては、圧延
後の密度が4.9〜5.8となるように磁性粉末等のフィ
ラー充填率を調整しておく必要がある。磁石の密度が
4.9より小さい場合には、磁石の剛性不足が生じて変
形し易くなってしまい、製品への組込が不可能になるか
らであり、また磁石の密度が5.8を越えると、磁石の
脆性が大きくなって割れ等の発生が起き易くなってしま
い、着磁によって磁石が崩れる等の問題を生じるからで
ある。
(R−T−B)磁性粉末を用いた磁石においては、圧延
後の密度が4.9〜5.8となるように磁性粉末等のフィ
ラー充填率を調整しておく必要がある。磁石の密度が
4.9より小さい場合には、磁石の剛性不足が生じて変
形し易くなってしまい、製品への組込が不可能になるか
らであり、また磁石の密度が5.8を越えると、磁石の
脆性が大きくなって割れ等の発生が起き易くなってしま
い、着磁によって磁石が崩れる等の問題を生じるからで
ある。
【0031】さらに上記圧延工程によって得られたシー
ト状磁石素材は、予熱された後に熱処理が施される。予
熱工程によって、シート状磁石素材中に不可避的に含ま
れている水分やガス等を外部へ発散させるためである。
この予熱工程における温度条件及び時間条件は、30℃
〜70℃及び6時間以上に設定される。このときシート
状磁石素材に対する空気の巻き込みは予め極力抑えられ
る。
ト状磁石素材は、予熱された後に熱処理が施される。予
熱工程によって、シート状磁石素材中に不可避的に含ま
れている水分やガス等を外部へ発散させるためである。
この予熱工程における温度条件及び時間条件は、30℃
〜70℃及び6時間以上に設定される。このときシート
状磁石素材に対する空気の巻き込みは予め極力抑えられ
る。
【0032】一方予熱後の熱処理工程における温度条件
及び時間条件は、125℃〜180℃及び60分以上1
80分以内に設定されており、シート状磁石素材は、例
えば上下各3段に鉄板を積層してなる加熱装置、あるい
は蒸気缶等からなる高温恒温槽中に60〜180分間放
置される。これによって加硫が行われると、所定の引っ
張り強度が付与される。このときにもシート状磁石素材
に対する空気の巻き込みは予め極力抑えられている。こ
のような高温加熱を行う場合において、シート状磁石素
材中の水分やガス等は、上述した予熱工程によって予め
発散させられているため、加熱工程中においてシート状
磁石素材に空気発泡等の不具合を生じることはない。
及び時間条件は、125℃〜180℃及び60分以上1
80分以内に設定されており、シート状磁石素材は、例
えば上下各3段に鉄板を積層してなる加熱装置、あるい
は蒸気缶等からなる高温恒温槽中に60〜180分間放
置される。これによって加硫が行われると、所定の引っ
張り強度が付与される。このときにもシート状磁石素材
に対する空気の巻き込みは予め極力抑えられている。こ
のような高温加熱を行う場合において、シート状磁石素
材中の水分やガス等は、上述した予熱工程によって予め
発散させられているため、加熱工程中においてシート状
磁石素材に空気発泡等の不具合を生じることはない。
【0033】この加熱時において、加熱温度が180℃
を越えると、磁性粉末の酸化が顕著となって磁気特性の
劣化を招来するとともに、加熱温度が125℃以下であ
ると加硫が進まず、必要な引張強度が得られなくなる。
同様の理由から、加熱時間として60〜120分間を要
する。
を越えると、磁性粉末の酸化が顕著となって磁気特性の
劣化を招来するとともに、加熱温度が125℃以下であ
ると加硫が進まず、必要な引張強度が得られなくなる。
同様の理由から、加熱時間として60〜120分間を要
する。
【0034】加熱処理が行なわれたシート状磁石素材
は、適宜の寸法に切断されてシート状磁石になされる
が、切断後に恒温槽中で100〜180℃、20〜18
0分間の条件で再び熱処理が行われる。切断後の再熱処
理によって、元々の表面のみならず切断面により現出さ
れた新生面からの加硫が促進されることとなり、磁石の
剛性が高められるものである。この再熱処理工程におい
ては、恒温槽中がN2ガス雰囲気等の不活性雰囲気にな
され、これによってシート状磁石素材の酸化が防止され
るようになっている。また恒温槽中を不活性雰囲気とし
ない場合には、シート状磁石素材の表面ができるだけ大
気に触れることのないように、周囲をアルミホイルで包
む等の手段が施される。
は、適宜の寸法に切断されてシート状磁石になされる
が、切断後に恒温槽中で100〜180℃、20〜18
0分間の条件で再び熱処理が行われる。切断後の再熱処
理によって、元々の表面のみならず切断面により現出さ
れた新生面からの加硫が促進されることとなり、磁石の
剛性が高められるものである。この再熱処理工程におい
ては、恒温槽中がN2ガス雰囲気等の不活性雰囲気にな
され、これによってシート状磁石素材の酸化が防止され
るようになっている。また恒温槽中を不活性雰囲気とし
ない場合には、シート状磁石素材の表面ができるだけ大
気に触れることのないように、周囲をアルミホイルで包
む等の手段が施される。
【0035】上記再熱処理後のシート状磁石素材は、希
土類−遷移金属−ホウ素系(R−T−B)磁性粉末の場
合に、ショアー硬さDが45°以上になされるととも
に、引張強度が4.5Kg/mm2以上になされる。また撓み
量は60mm以内になされる。ここで撓み量とは、横断面
寸法が2.55mm×2.45mm、長さ寸法が205.5mm
の寸法及び形状に成形された試験片の基部側50mmを水
平台上に固定し、この試験片の自由端が15秒後に自重
で撓んだ量を、雰囲気温度15〜25℃で測定した量と
定義する。上述したような加熱温度条件の範囲内になけ
れば、磁気特性の低下を招くか(温度範囲を越えた場
合)、あるいは加硫が進まず(温度範囲を下回った場
合)、硬度の低下、引張強度の低下及び撓み量の増大を
生ずるものである。
土類−遷移金属−ホウ素系(R−T−B)磁性粉末の場
合に、ショアー硬さDが45°以上になされるととも
に、引張強度が4.5Kg/mm2以上になされる。また撓み
量は60mm以内になされる。ここで撓み量とは、横断面
寸法が2.55mm×2.45mm、長さ寸法が205.5mm
の寸法及び形状に成形された試験片の基部側50mmを水
平台上に固定し、この試験片の自由端が15秒後に自重
で撓んだ量を、雰囲気温度15〜25℃で測定した量と
定義する。上述したような加熱温度条件の範囲内になけ
れば、磁気特性の低下を招くか(温度範囲を越えた場
合)、あるいは加硫が進まず(温度範囲を下回った場
合)、硬度の低下、引張強度の低下及び撓み量の増大を
生ずるものである。
【0036】以上のようにして得られたシート状磁石に
は、所定の方向に着磁が行われる。このとき希土類−遷
移金属−ホウ素系(R−T−B)磁性粉末を用いた磁石
の圧延面に対して着磁が行われる場合には、表面磁束密
度の範囲が350G〜1400Gになされるとともに、
希土類−遷移金属−ホウ素系(R−T−B)磁性粉末を
用いた磁石の圧延面に直交する面に対して着磁が行われ
る場合には、表面磁束密度の範囲が40G〜1400G
になされる。圧延面に対して着磁が行われる場合は、例
えばモータ駆動用の主着磁として行われる場合であり、
また圧延面の直交面に対して着磁が行われる場合は、例
えばモータ回転検出用のFG着磁として行われる場合で
ある。
は、所定の方向に着磁が行われる。このとき希土類−遷
移金属−ホウ素系(R−T−B)磁性粉末を用いた磁石
の圧延面に対して着磁が行われる場合には、表面磁束密
度の範囲が350G〜1400Gになされるとともに、
希土類−遷移金属−ホウ素系(R−T−B)磁性粉末を
用いた磁石の圧延面に直交する面に対して着磁が行われ
る場合には、表面磁束密度の範囲が40G〜1400G
になされる。圧延面に対して着磁が行われる場合は、例
えばモータ駆動用の主着磁として行われる場合であり、
また圧延面の直交面に対して着磁が行われる場合は、例
えばモータ回転検出用のFG着磁として行われる場合で
ある。
【0037】表面磁束密度が1400Gを越えて着磁さ
れた場合には、磁石中のバインダーが磁力に打ち勝って
磁性粉末を固定することができなくなり、磁石に崩れを
生じる。一方圧延面に対して例えばモータ駆動用の主着
磁が行われる場合において、表面磁束密度が350G以
下であると、磁束密度が小さ過ぎて希土類−遷移金属−
ホウ素系(R−T−B)磁性粉末を用いる有用性がなく
なる。350G以下の磁束密度の磁石は、生産コストの
安いフェライト系磁性粉末を用いれば十分であるからで
ある。また圧延面の直交面に対して例えばモータ回転検
出用のFG着磁が行われる場合において、表面磁束密度
が40G以下であると、磁束密度が小さ過ぎて必要なF
G波形が得られなくなる。
れた場合には、磁石中のバインダーが磁力に打ち勝って
磁性粉末を固定することができなくなり、磁石に崩れを
生じる。一方圧延面に対して例えばモータ駆動用の主着
磁が行われる場合において、表面磁束密度が350G以
下であると、磁束密度が小さ過ぎて希土類−遷移金属−
ホウ素系(R−T−B)磁性粉末を用いる有用性がなく
なる。350G以下の磁束密度の磁石は、生産コストの
安いフェライト系磁性粉末を用いれば十分であるからで
ある。また圧延面の直交面に対して例えばモータ回転検
出用のFG着磁が行われる場合において、表面磁束密度
が40G以下であると、磁束密度が小さ過ぎて必要なF
G波形が得られなくなる。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。 実施例1 磁性粉末としては、ゼネラルモーターズ社製MQPを湿
式ボールミルにより予め粉砕し粒度調整したNd−Fe−
B磁性粉末を用いた。この磁性粉末は、超急冷法により
形成したままでは粒度2mm以下の磁性粉末であるため、
これを粉砕して粒度70μm以下としたものを用いた。
防錆剤としては、花王社製レオドールSP−O10を用
い、エポキシ主剤としては、油化シェル社製エピコート
828を用いた。
式ボールミルにより予め粉砕し粒度調整したNd−Fe−
B磁性粉末を用いた。この磁性粉末は、超急冷法により
形成したままでは粒度2mm以下の磁性粉末であるため、
これを粉砕して粒度70μm以下としたものを用いた。
防錆剤としては、花王社製レオドールSP−O10を用
い、エポキシ主剤としては、油化シェル社製エピコート
828を用いた。
【0039】そしてボールミル容器の中に、磁性粉末、
エポキシ主剤、防錆剤及びアルミナボールを入れ、容器
内の空気をN2ガスで、酸素濃度が1.2%となるように
ガス置換した後、1時間の混合を行ない磁性粉末表面
に、酸化膜、エポキシ樹脂膜及び防錆膜を形成した。
エポキシ主剤、防錆剤及びアルミナボールを入れ、容器
内の空気をN2ガスで、酸素濃度が1.2%となるように
ガス置換した後、1時間の混合を行ない磁性粉末表面
に、酸化膜、エポキシ樹脂膜及び防錆膜を形成した。
【0041】つぎに上記のようにして得られた混合物と
ゴムバインダーとを、硬化剤及び硬化促進剤とともに加
圧式ニーダーで7分間にわたって混練した。上記硬化剤
及び硬化促進剤としては、油化シェル社製のYH−30
2及びIBMI−12を用いた。
ゴムバインダーとを、硬化剤及び硬化促進剤とともに加
圧式ニーダーで7分間にわたって混練した。上記硬化剤
及び硬化促進剤としては、油化シェル社製のYH−30
2及びIBMI−12を用いた。
【0042】さらに得られた混練物を、4kgずつの小ロ
ットに小分けしてビニール袋に入れ、直ちに口元を縛っ
てから密閉容器内に収納した。その後適当時間放置して
密閉容器から混練物を取り出し、粉砕機で粒度約2.6m
m程度に粉砕した。粉砕機には朋来鉄工所製U−140
回転刃式を用いた。
ットに小分けしてビニール袋に入れ、直ちに口元を縛っ
てから密閉容器内に収納した。その後適当時間放置して
密閉容器から混練物を取り出し、粉砕機で粒度約2.6m
m程度に粉砕した。粉砕機には朋来鉄工所製U−140
回転刃式を用いた。
【0043】シートを得るために用いられる圧延ロール
の表面温度を約50℃に維持しながら圧延を行ない、シ
ート状磁石素材を得た。ついでこのシート磁石素材を約
50℃の温度条件下で約8時間にわたって予熱した後、
約170℃に加熱してゴムバインダーの加硫を行った。
そして所定の寸法に切断した後に周囲をアルミホイルで
包み、130℃で60分間の再熱処理を行って可撓性を
有するシート状磁石を得た。
の表面温度を約50℃に維持しながら圧延を行ない、シ
ート状磁石素材を得た。ついでこのシート磁石素材を約
50℃の温度条件下で約8時間にわたって予熱した後、
約170℃に加熱してゴムバインダーの加硫を行った。
そして所定の寸法に切断した後に周囲をアルミホイルで
包み、130℃で60分間の再熱処理を行って可撓性を
有するシート状磁石を得た。
【0044】本実施例における配合を次表1に示す。
【表1】 上表中のNd−Fe−B磁性粉末は、磁石全体に対して、
94.5重量%に設定されたものである。このような配
合実施例によれば、磁力による磁石の倒壊を生じること
なく、しかも例えばモータに必要で十分な磁力を得られ
ることが確認された。
94.5重量%に設定されたものである。このような配
合実施例によれば、磁力による磁石の倒壊を生じること
なく、しかも例えばモータに必要で十分な磁力を得られ
ることが確認された。
【0045】この実施例の混練工程において、予め形成
された防錆被膜によって磁性粉末表面の活性度が低下さ
れていること、及び素材内への空気巻き込みがほとんど
生じないことが確認された。さらに混練物は、粉砕工程
により不活性ガスの流動下で所定の小粒径に粉砕され、
これによりつぎの圧延工程においても空気の巻き込みは
ほとんど生じることがないことが確認された。
された防錆被膜によって磁性粉末表面の活性度が低下さ
れていること、及び素材内への空気巻き込みがほとんど
生じないことが確認された。さらに混練物は、粉砕工程
により不活性ガスの流動下で所定の小粒径に粉砕され、
これによりつぎの圧延工程においても空気の巻き込みは
ほとんど生じることがないことが確認された。
【0046】また圧延工程においては、圧延ロールの表
面が所定の温度に維持されたため、シート状磁石の引っ
張り強度が巻き取り可能な範囲に良好に維持され、かつ
磁性粉末の酸化が抑制されて磁気特性の劣化を生じるこ
とはなかった。
面が所定の温度に維持されたため、シート状磁石の引っ
張り強度が巻き取り可能な範囲に良好に維持され、かつ
磁性粉末の酸化が抑制されて磁気特性の劣化を生じるこ
とはなかった。
【0047】さらにつぎの高温加熱においては、シート
状磁石素材に空気発泡等の不具合を生じることがないこ
とが確認された。なお加熱温度が180℃を越えると、
磁性粉末の酸化が顕著となって磁気特性の劣化を招来
し、加熱温度が125℃以下では加硫が進まず、所定の
引っ張り強度を得ることができなかった。また再熱処理
工程においては、アルミホイルによって磁石表面が空気
から遮断されることにより、磁石の酸化が防止されるこ
とが確認された。なお再加熱温度が180℃を越える
と、加硫が進行しすぎて可撓性が不足になり、再加熱温
度が100℃以下では、加硫が進まず所定の引張強度を
得ることができなかった。
状磁石素材に空気発泡等の不具合を生じることがないこ
とが確認された。なお加熱温度が180℃を越えると、
磁性粉末の酸化が顕著となって磁気特性の劣化を招来
し、加熱温度が125℃以下では加硫が進まず、所定の
引っ張り強度を得ることができなかった。また再熱処理
工程においては、アルミホイルによって磁石表面が空気
から遮断されることにより、磁石の酸化が防止されるこ
とが確認された。なお再加熱温度が180℃を越える
と、加硫が進行しすぎて可撓性が不足になり、再加熱温
度が100℃以下では、加硫が進まず所定の引張強度を
得ることができなかった。
【0048】また本実施例では、混合工程に、エポキシ
樹脂を投入して混合し、そこで磁性粉末にエポキシ樹脂
被膜を形成しているから、空気の巻き込みは一層低減さ
れた。エポキシ樹脂を混練工程で加えることとしても同
様の作用・効果が得られた。
樹脂を投入して混合し、そこで磁性粉末にエポキシ樹脂
被膜を形成しているから、空気の巻き込みは一層低減さ
れた。エポキシ樹脂を混練工程で加えることとしても同
様の作用・効果が得られた。
【0049】なお本実施例により得られた磁石の磁気特
性は、Br=5.5[KG]、iHc=9.9[kOe]、bHc=4.5[k
Oe]、(BH)max=6.2[MGOe]であった。また得られた磁
石を60℃、90%RH雰囲気中に80時間放置したとこ
ろ、表面に発錆はみられなかった。さらにブラシ付きD
Cモータの駆動用磁石として用いたところ、60℃、2
00時間の連続回転後も、ブラシ材質(Ag-Pd)とコミ
ュテータ材質(Ag-Cd)に腐食の発生はなかった。
性は、Br=5.5[KG]、iHc=9.9[kOe]、bHc=4.5[k
Oe]、(BH)max=6.2[MGOe]であった。また得られた磁
石を60℃、90%RH雰囲気中に80時間放置したとこ
ろ、表面に発錆はみられなかった。さらにブラシ付きD
Cモータの駆動用磁石として用いたところ、60℃、2
00時間の連続回転後も、ブラシ材質(Ag-Pd)とコミ
ュテータ材質(Ag-Cd)に腐食の発生はなかった。
【0051】実施例2 磁性粉末としては、MM14(Fe0.9Co0.1)79B7なる組成
の合金を単ロール法によって超急冷リボンとし、湿式ボ
ールミルにより粉砕し粒度調整したものを用いた。防錆
剤としては、花王社製レオドルSP−O10と米国テネ
コケミカル社製アンデロール456との混合液とを用い
た。以下上述した実施例1と同様にしてシート状の可撓
性磁石を得た。
の合金を単ロール法によって超急冷リボンとし、湿式ボ
ールミルにより粉砕し粒度調整したものを用いた。防錆
剤としては、花王社製レオドルSP−O10と米国テネ
コケミカル社製アンデロール456との混合液とを用い
た。以下上述した実施例1と同様にしてシート状の可撓
性磁石を得た。
【0052】この実施例による混練工程においても、予
め形成された防錆被膜によって磁性粉末表面の活性度が
低下されていること、及び素材内への空気巻き込みはほ
とんどないことが確認された。さらにこの混練物は、粉
砕工程により不活性ガスの流動下で所定の小粒径に粉砕
され、これによりつぎの圧延工程においても空気の巻き
込みはほとんど生じることがなかった。
め形成された防錆被膜によって磁性粉末表面の活性度が
低下されていること、及び素材内への空気巻き込みはほ
とんどないことが確認された。さらにこの混練物は、粉
砕工程により不活性ガスの流動下で所定の小粒径に粉砕
され、これによりつぎの圧延工程においても空気の巻き
込みはほとんど生じることがなかった。
【0053】また圧延工程においても、圧延ロールの表
面温度が所定値に維持され、所定の引っ張り強度を得
た。さらに磁性粉末の酸化も同様に抑制され、磁気特性
の劣化を生じることはなかった。つぎの高温加熱におい
ても、シート状磁石素材に空気発泡等の不具合を生じる
ことはなかった。再熱処理工程においても、磁石の酸化
はほとんど生じることがなかった。
面温度が所定値に維持され、所定の引っ張り強度を得
た。さらに磁性粉末の酸化も同様に抑制され、磁気特性
の劣化を生じることはなかった。つぎの高温加熱におい
ても、シート状磁石素材に空気発泡等の不具合を生じる
ことはなかった。再熱処理工程においても、磁石の酸化
はほとんど生じることがなかった。
【0054】なおこの実施例2により得られた磁石の磁
気特性は、Br=4.6[KG]、iHc=7.0[kOe]、bHc=3.
1[kOe]、(BH)max=4.0[MGOe]であった。さらに得ら
れた磁石を60℃、90%RH雰囲気中に80時間放置し
たところ、表面に発錆はみられなかった。さらにブラシ
付きDCモータの駆動用磁石として用いたところ、60
℃、200時間の連続回転後も、ブラシ材質(Ag-Pd)
とコミュテータ材質(Ag-Cd)に腐食は発生しなかっ
た。
気特性は、Br=4.6[KG]、iHc=7.0[kOe]、bHc=3.
1[kOe]、(BH)max=4.0[MGOe]であった。さらに得ら
れた磁石を60℃、90%RH雰囲気中に80時間放置し
たところ、表面に発錆はみられなかった。さらにブラシ
付きDCモータの駆動用磁石として用いたところ、60
℃、200時間の連続回転後も、ブラシ材質(Ag-Pd)
とコミュテータ材質(Ag-Cd)に腐食は発生しなかっ
た。
【0055】このように本発明によるシート状の可撓性
ボンド磁石は、回転電機等に対して好適に取り付けられ
使用されることが確認された。なお永久磁石粉の代わり
に、鉄粉、鉄合金等の高透磁率を有する金属粉を用いる
こととすれば、可撓性を有する高透磁率材を形成するこ
とができる。
ボンド磁石は、回転電機等に対して好適に取り付けられ
使用されることが確認された。なお永久磁石粉の代わり
に、鉄粉、鉄合金等の高透磁率を有する金属粉を用いる
こととすれば、可撓性を有する高透磁率材を形成するこ
とができる。
【0056】
【発明の効果】以上述べたように本発明による可撓性ボ
ンド磁石の製造方法は、加熱処理が行なわれた後に適宜
の寸法に切断されたときに現出するシート状磁石の新生
面に対し、恒温槽中で100〜180℃、20〜180
分間の条件で再熱処理を施すこととしたものであるか
ら、切断前の元々の表面に加えて切断による新生面から
の加硫を促進させることができ、希土類ボンド磁石の磁
石の剛性を高めることができる。特にNd−Fe−B系磁
性粉末を用いたボンド磁石に対しては顕著な効果を得る
ことができる。
ンド磁石の製造方法は、加熱処理が行なわれた後に適宜
の寸法に切断されたときに現出するシート状磁石の新生
面に対し、恒温槽中で100〜180℃、20〜180
分間の条件で再熱処理を施すこととしたものであるか
ら、切断前の元々の表面に加えて切断による新生面から
の加硫を促進させることができ、希土類ボンド磁石の磁
石の剛性を高めることができる。特にNd−Fe−B系磁
性粉末を用いたボンド磁石に対しては顕著な効果を得る
ことができる。
【0057】また再熱処理工程を、空気を遮断した恒温
槽中で行うこととすれば、シート状磁石素材の酸化を防
止することができ、一層良好な加硫を行うことができ
る。
槽中で行うこととすれば、シート状磁石素材の酸化を防
止することができ、一層良好な加硫を行うことができ
る。
【図1】本発明にかかる可撓性ボンド磁石の製造工程を
表わしたフロー図である。
表わしたフロー図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 可撓性を有する樹脂バインダー中に、希
土類−遷移金属−ホウ素系の磁性粉末を分散してなる希
土類ボンド磁石の製造方法において、少なくとも次の工
程を備えていることを特徴とする希土類ボンド磁石の製
造方法。 (a)希土類−遷移金属−ホウ素系の磁性粉末と樹脂バイ
ンダーとを混練する工程。 (b)上記工程により得られた混練物を粉砕した後、シー
ト状に圧延する工程。 (c)シート状に圧延された磁石素材を、125〜180
℃の温度条件で60〜180分間放置し熱処理する工
程。 (d)熱処理されたシート状磁石素材を切断する工程。 (e)切断後のシート状磁石素材を、100〜180℃の
恒温槽中に20〜180分間放置して再度の熱処理をす
る再熱処理工程。 - 【請求項2】 請求項1に記載の希土類ボンド磁石の製
造方法において、再度の熱処理工程は、空気を遮断した
恒温槽中で行うようにしたことを特徴とする希土類ボン
ド磁石の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載の希土類ボンド磁石の製
造方法において、希土類−遷移金属−ホウ素系の磁性粉
末が、Nd−Fe−B系磁性粉末であることを特徴とする
希土類ボンド磁石の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3224924A JP2528574B2 (ja) | 1991-08-09 | 1991-08-09 | 希土類ボンド磁石の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3224924A JP2528574B2 (ja) | 1991-08-09 | 1991-08-09 | 希土類ボンド磁石の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0547576A JPH0547576A (ja) | 1993-02-26 |
JP2528574B2 true JP2528574B2 (ja) | 1996-08-28 |
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ID=16821306
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3224924A Expired - Fee Related JP2528574B2 (ja) | 1991-08-09 | 1991-08-09 | 希土類ボンド磁石の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2528574B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6387294B1 (en) | 1999-10-15 | 2002-05-14 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Rare earth resin magnet, magnet rotor, magnet motor using the same, and its manufacturing method |
US7381280B2 (en) | 2002-04-25 | 2008-06-03 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Manufacturing methods of flexible bonded magnet and motor using the same |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1289772C (zh) * | 2005-01-14 | 2006-12-13 | 四川升达林产工业集团有限公司 | 磁性保健强化木地板 |
-
1991
- 1991-08-09 JP JP3224924A patent/JP2528574B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0547576A (ja) | 1993-02-26 |
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