JP2528555Y2 - 車両用エアバック装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は車両用エアバック装置に係り、特にステアリ
ングホイールに取付けられる車両用エアバック装置に関
する。

［従来の技術］ 従来からエアバック装置に関しては、折畳まれたバッ
ク内にガスを瞬時に充満させ膨張させるが、バックの膨
張の後に乗員を過度に圧迫しないように、空気孔（いわ
ゆるベントホール）等を設けて、バック内のガスを排出
して減圧を行なう技術が提案されている。

［考案が解決しようとする課題］ 上記従来技術によれば、バック展開時に発生するガス
は、バックのベントホールから車両室内に放出されるこ
ととなり、衝突のショックから乗員を保護することがで
きても、膨張途中の余分なガス或は衝突時におけるバッ
ク内の減圧のための排出ガスが車両室内に常時流出し、
このガスの影響を受けることがあった。

本考案の目的は、折畳まれたバックが展開され膨張す
るときの、余分なガスが車室内に流出するのを防止し、
さらにエアバックの膨張後に乗員を過度の圧迫から防止
するためにエアバック内のガスを抜いて減圧をするに際
して、エアバック内のガスが車室内に流出し充満しない
ようにできる車両用エアバック装置を提供することにあ
る。

本考案の他の目的は、衝突時に、ステアリングホイー
ル側からの部品の破片等が乗員側に飛散するのを防止で
きる車両用エアバック装置を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 本考案に係る車両用エアバック装置は、ステアリング
ホイールに取付けられる車両用エアバック装置であっ
て、ステアリングホイールのボス部に取付られたインフ
レータと、乗員側に位置する布片とインフレータを囲む
ように取着される布片とを合せるようにして接合して形
成されたメインバックと、該メインバックのインフレー
タ側の布片に接合されたサブバックと、を備え、該サブ
バックは少なくとも１つの孔によって前記メインバック
と連通してメインバックの展開時にステアリングホイー
ルより車体側でステアリングホイールの外周を包みこむ
ようにドーナツ状に膨出することを特徴とする。

［作用］ 本考案に係る車両用エアバック装置によれば、メイン
バックの展開時にステアリングホイールより車体側にド
ーナツ状に膨出するサブバックが形成されているので、
エアバック膨張の後でメインバックとサブバックによ
り、ステアリングホイール側を包み込むようにでき、衝
撃によるステアリングホイール側からの破片等が、乗員
側へ飛散するのを防止する。またこのサブバックは少な
くとも１つの孔によってメインバックと連通してなるの
で、メインバックの過膨張を防止するために余分なガス
を孔を通してサブバック内へ移動させることができ、ま
たエアバックに乗員が衝突したときに、孔を通してメイ
ンバックからサブバックへガスを流入させて、メインバ
ックの減圧をすることができる。そしてインフレータか
ら発生したガスは、すべてサブバック内に移動するの
で、車室内に放出されることがなく、ガスによる乗員の
影響を防止することができる。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。
なお、以下に説明する部材，配置等は本考案を限定する
ものでなく、本考案の趣旨の範囲内で種々改変すること
ができるものである。

第１図乃至第３図は本考案の１実施例を示すものであ
り、図中、記号Ｓは車両用エアバック装置、符号１はス
テアリングホイール、符号２はインフレータ、符号３は
メインバック、符号４はサブバック、符号５は連通孔を
示すものであり、本例の車両用エアバック装置Ｓは、ス
テアリングホイール１のボス部６にインフレータ２が取
付けられ、このインフレータ２を囲むように展開可能な
メインバック３が折畳まれて、図示しないアウターカバ
ー内に取着されている。メインバック３は乗員側に位置
する布片3aとインフレータ２を囲むようにインフレータ
２に取着される布片3bとを合わせるようにして接合して
形成されており、このメインバック３のステアリングホ
イール１側の布片3bには、膨張の時にドーナツ状のサブ
バック４が連通孔５を介して接合されている。本例の連
通孔５は４か所形成されているが、この連通孔５の形成
個数は、孔の大きさと共に、メインバックの大きさ等を
考慮して適宜形成することができるものである。

そして、第１図で示すように、衝突等によってインフ
レータ２が作動してガスがバックに充満して、メインバ
ック３が膨張するときに、連通孔５から流出するガスは
サブバック４内に収容され、車両室内に拡散することが
ない。また第２図及び第３図で示すように、乗員がメイ
ンバック３と衝突すると、衝撃を和らげるために、メイ
ンバック３内を減圧させるべく、連通孔５を通してサブ
バック４へメインバック３内のガスが移動する。この時
も、ガスは車両室内に拡散することがない。

またサブバック４は、ステアリングホイール１の外周
を包み込むように膨張し、メインバック３と共にステア
リングホイール１側を包み込むために、衝撃によるステ
アリングホイール１側からの破片等が、乗員側へ飛散す
るのを防止することができる。

［考案の効果］ 本考案は上記のように構成されているので、エアバッ
クが展開され膨張した後、余分なガスが車室内に拡散す
るのを防止でき、またエアバックの膨張後に乗員を過度
の圧迫から防止するためにエアバック内のガスを抜いて
減圧をするに際して、エアバック内のガスが車室内に充
満しないようにできる。またエアバック膨張の後でメイ
ンバックとサブバックにより、ステアリングホイール側
を包み込むようにできるので、衝撃によるステアリング
ホイール側からの破片等が、乗員側へ飛散するのを防止
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の実施例を示し、第１図はエ
アバックの膨張状態を示す概略断面図、第２図は乗員の
衝突状態を示す説明断面図、第３図は第２図の側面図で
ある。 １…ステアリングホイール、２…インフレータ、３…メ
インバック、４…サブバック、５…孔（連通孔）、６…
ボス部、Ｓ…車両用エアバック装置。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ステアリングホイールに取付けられる車両
   用エアバック装置であって、ステアリングホイールのボ
   ス部に取付られたインフレータと、乗員側に位置する布
   片とインフレータを囲むように取着される布片とを合せ
   るようにして接合して形成されたメインバックと、該メ
   インバックのインフレータ側の布片に接合されたサブバ
   ックと、を備え、該サブバックは少なくとも１つの孔に
   よって前記メインバックと連通してメインバックの展開
   時にステアリングホイールより車体側でステアリングホ
   イールの外周を包み込むようにドーナツ状に膨出するこ
   とを特徴とする車両用エアバック装置。