JP2528292B2 - コンバイン - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は例えば刈取部で刈取った穀稈を脱穀部に全量
投入し、該脱穀部の軸流形扱胴により脱穀処理するコン
バインに関する。

「従来の技術」 従来、実公昭37−13237号公報、または実開昭61−123
54号公報に示す如く、扱胴を扱室に内設させると共に、
扱胴下方側に落下する脱粒物を選別する選別機構と、該
選別機構から二番還元物を取出す二番還元コンベアを設
ける技術がある。

「発明が解決しようとする課題」 前記従来技術は、扱室の側面に二番還元コンバインの
送り終端を連結させていたから、扱胴の回転によって発
生する扱室内部の脱粒物及び空気の渦巻流が二番還元コ
ンベア内部に入り込む逆流現象が生じ易く、そのため二
番還元コンベアの送出圧力を大きくして逆流現象並びに
コンベア詰りなどを防ぐ必要があると共に、二番還元コ
ンベアから二番還元物を扱室に大きな圧力で送出するこ
とにより、扱室内部の脱粒物の流れが乱され、扱胴の脱
粒効率を低下させたり、扱室内部で藁屑の塊が形成され
て詰り易くなる等の不具合がある。

「課題を解決するための手段」 然るに、本発明は、扱胴を扱室に内設させると共に、
扱胴下方側に落下する脱粒物を選別する選別機構と、該
選別機構から二番還元物を取出す二番還元コンベアを設
けるコンバインにおいて、前記扱室の前部外側に二番還
元室を設け、二番還元室に前記二番還元コンベアを連結
させると共に、前記二番還元室を扱室内部に前面側から
連結させたことを特徴とする。

「作用」 従って、扱胴の回転によって扱室の前部から後方に脱
粒物が送られるから、扱室前面の二番還元室連結部に脱
粒物が入り込むのを容易に防止し得、二番還元コンベア
での二番還元物の詰りを容易に防止し得ると共に、二番
還元物を扱室に送出する圧力を従来よりも容易に低減し
得、扱室への二番還元物の還元による脱粒効率の低下並
びに扱室内部での詰りなどを容易に防止し得るものであ
る。

「実施例」 以下本発明の一実施例を図面に基づいて詳述する。

第１図は扱胴カバー部の部分外観説明図、第２図は全
体の側面図、第３図は同平面図であり、図中（１）は走
行クローラ（２）をトラックフレーム（３）に装備する
機台、（４）は軸流式のスクリュ形扱胴（５）及び選別
機構（８）を備えていて前記機台（１）に搭載する脱穀
部、（７）は揚穀筒（８）を介して取出す脱穀部（４）
の穀粒を溜める穀物タンク、（９）は前記脱穀部（４）
の下部前方に油圧シリンダ（10）を介して昇降可能に装
設する刈取部、（11）は運転席（12）及び運転操作部
（13）を備えていて前記穀物タンク（７）の前方に固設
させる運転台、（14）は前記穀物タンク（７）の後方に
備えていてエンジン（15）を内設するエンジン室、（1
6）は前方穀物タンク（７）内の穀粒を取出す穀粒搬出
オーガである。

そして前記刈取部（９）は、未刈り穀稈を取入れる穀
物ヘッダー（17）と、該ヘッダー（17）の後部略中央に
連結させて刈取り穀稈を脱穀部（４）に送給する供給室
（18）によって構成すると共に、デバイダである分草板
（19）．往復駆動型刈刃（20）．穀稈搬送機構である上
部及び下部搬送ケース（21a）（21b）及び穀稈掻込オー
ガ（22）とを前記穀物ヘッダー（17）に備え、前記ヘッ
ダー（17）に取込まれる刈取穀稈を供給室（18）に内設
する供給チェンコンベア（18a）を介し脱穀部（４）に
送り込んで脱穀処理するように構成している。

また前記脱穀部（４）の左外側には二番還元コンベア
である二番還元筒（23）を突出状に配備させていて、二
番処理物を扱胴（５）の前部上方に戻し再脱穀するよう
に設けている。

第４図に示す如く、前記スクリュ形扱胴（５）は、脱
穀部（４）前後長と略等しい長さの胴部（24）と、この
胴部（24）外周に巻装して放射状に立設させるスクリュ
形扱歯であるスクリュ羽根（25）と、前記胴部（24）の
後端外周に設ける茎稈飛散板（26）とを備えるもので、
前記スクリュ形扱胴（５）を機体前後方法に軸支し、前
記供給室（18）に連通する扱口である扱室（27）前後投
入口（28）に扱胴（５）前端部を、また扱室（27）後側
の排塵口（29）に前記飛散板（26）を臨ませると共に、
扱胴（５）下側に受網（30）を張設し、供給室（18）を
介して刈取り穀稈を全量投入して脱穀するように構成し
ている。

また前記選別機構（６）を構成する揺動選別盤（31）
を備え、揺動リンク（32）（33）を介して前後方向に揺
動自在に前記選別盤（31）を支持すると共に、前記扱胴
（５）前部下方に位置させるフィードパン（34）と、該
フィードパン（34）後方に設ける第１チャフシーブ（3
5）と、そのチャフシーブ（35）下方に設ける一番選別
盤（36）と、前記チャフシーブ（35）後側に連設するふ
るい線（37）と、前記ふるい線（37）下方に設ける第２
チャフシーブ（38）と、一番及び二番流穀板（39）（4
0）とを、前記選別盤（31）に備える。

さらに、前記一番流穀板（39）に選別風を供給する唐
箕ファン（41）と、一番流穀板（39）からの穀物を受取
って揚穀筒（８）に送出する一番樋（42）及び一番コン
ベア（43）と、二番流穀板（40）からの還元物である二
番処理物を二番口（44a）を介し二番還元筒（23）に送
出する二番樋（44）及び二番コンベア（45）と、前記選
別盤（31）後端を臨ませる三番口（46）とを備え、一番
樋（42）の穀物をタンク（７）に、また二番樋（44）の
還元物を二番還元筒（23）を介して扱室（27）前方に送
出するように構成している。

第５図乃至第６図に示す如く、前記二番還元筒（23）
の上端投入口（47）は、前記扱室（27）の前面外側に設
ける二番還元室である二番還元横コンベア室（48）に臨
ませるもので、該横コンベア室（48）の左端部に投入さ
れた二番還元物は、該室（48）に内設する二番還元横コ
ンベア（49）の横送り作用でもって左端部から右端部に
配設する二番還元スロワ（50）のスロワ室（51）に送り
込まれると共に、該スロワ室（51）に送り込まれた還元
物は前記コンベア（49）と一体回転するスロワ（50）の
跳出し羽根（52）によってそのスロワ吐出口（53）より
扱室（27）前部の右側上方に投出されるように構成して
いる。前記スロワ（50）はケーシングを上部及び下部ケ
ーシング（54a）（54b）に分割形成していて、前記跳出
し羽根（52）を包囲する下部ケーシング（54b）を下部
ボックス（55）を介し脱穀部（４）本体側機筺（4a）に
固設すると共に、スロワ吐出口（53）を形成する上部ケ
ーシング（54a）を上部ボックス（56）を介し開閉可能
な扱胴カバーである扱室上部カバー（57）に一体支持さ
せ、本体側とカバー（57）間に架設する油圧シリンダ
（58）の伸張操作でもって扱室上部カバー（57）を回動
軸（59）を中心として開放するとき前記上部ケーシング
（54a）も同時に開放状態とするように構成している。
上記から明らかなように、扱胴（５）を扱室（27）に内
設させると共に、扱胴（５）下方側に落下する脱穀物を
選別する選別機構（６）と、該選別機構（６）から二番
還元物を取出す二番還元コンベア（23）を設けるコンバ
インにおいて、前記扱室（27）の前部外側で略左右全幅
に二番還元室である二番還元横コンベア室（48）を設
け、二番還元横コンベア室（48）の左側端部に前記二番
還元コンベア（23）を連結させると共に、前記二番還元
横コンベア室（48）の右側端部を扱室（27）内部に前面
側から連結させている。

また上部ケーシング（54a）の上側内面は緩やかな彎
曲面（Ｃ）を形成して扱室（27）前面に開設する二番還
元口（60）よりその吐出口（53）を扱室（27）内に臨ま
せている。第７図乃至第８図に示す如く前記還元口（6
0）は、正面視扱胴（５）上部を包囲する上カバー（5
7）より上部左外側に開口させるもので、前記カバー（5
7）は入口側より適宜距離上部左傾斜面（57a）を角形に
拡張させて出張面部（61）に形成し、該出張面部（61）
内に前記還元口（60）からの還元物二番還元経路（62）
を形成すると共に、前記出張面部（61）の経路（62）出
口側を傾斜面（57a）に順次沿わせるべく折曲面（63）
に形成し、前記二番還元口（60）を介し二番還元経路
（62）内に投入された二番還元物をこの経路（62）出吐
出側で本来の傾斜面（57a）に沿う状態に順次方向転換
させるように構成している。

また、前記上部カバー（57）の内周面には、前記還元
経路（62）の入口側右部を覆う還元物案内板（64）と、
前記投入口（28）より扱い室（27）内に投入された処理
物を扱胴（５）上方で入口側より出口側に向け前記経路
（62）側に案内する処理物リード弁（65）と、該リード
弁（65）の処理物出口側部で且つ前記経路（62）の出口
側に扱胴（５）の回転でもって移動する処理物を下方向
に案内する処理物下方向案内板（66）を垂下させ、前記
出張面部（61）と各案内板（64）（66）との間の空間部
に前記二番還元経路（62）を形成し、該経路（62）内の
還元物がその出口側に至るとき徐々に方向転換し前記リ
ード弁（65）及び案内板（66）に案内される処理物に良
好に合流するように構成している。

本実施例は上記の如く構成するものにして、前記二番
樋（44）上に落下する二番還元物は前記二番還元筒（2
3）及び横コンベア（49）及びスロワ（50）を介し還元
口（60）より二番還元経路（62）に送り込まれた後該経
路（62）の出口側で扱室（27）内の新規の処理物と合流
し再脱穀されるものである。而してこの場合前記還元口
（60）は扱胴（５）を包囲する上部カバー（57）の包囲
面より外側に開口され、しかも二番還元経路（62）に投
入された直後の還元物は各案内板（64）（66）で、また
扱室（27）内に投入された直後の処理物はリード弁（6
5）及び案内板（66）でそれぞれ案内され出口側に向け
移動するもので、このため還元口（60）に投入された直
後の還元物は、扱室（27）内の処理物に邪魔されず適宜
離還元経路（62）を移動した後前記折曲面（63）で順次
方向転換して案内板（66）で下方向に案内される処理物
にスムースに合流しその再脱穀が行われるものである。
このような結果還元物が還元口（60）付近で詰まるなど
の事故もなく、また投入直後周速の高いスクリュ羽根
（25）によって急激に打穀されることによる損傷粒の発
生や供給室（18）側へ逆流するなどの不都合も解消され
良好な還元物の再脱穀処理が行われるものである。なお
前記折曲面（63）は彎曲面も含まれるものである。

「発明の効果」 以上実施例から明らかなように本発明は、扱胴（５）
を扱室（27）に内設させると共に、扱胴（５）下方側に
落下する脱穀物を選別する選別機構（６）と、該選別機
構（６）から二番還元物を取出す二番還元コンベア（2
3）を設けるコンバインにおいて、前記扱室（27）の前
部外側に二番還元室（48）を設け、二番還元室（48）に
前記二番還元コンベア（23）を連結させると共に、前記
二番還元室（48）を扱室（27）内部に前面側から連結さ
せたもので、扱室（５）の回転によって扱室（27）の前
部から後方に脱粒物が送られるから、扱室（27）前面の
二番還元室（48）連結部に脱粒物が入り込むのを容易に
防止でき、二番還元コンベア（23）での二番還元物の詰
りを容易に防止できると共に、二番還元物を扱室（27）
に送出する圧力を従来よりも容易に低減でき、扱室（2
7）への二番還元物の還元による脱粒効率の低下並びに
扱室（27）内部での詰りなどを容易に防止できるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は扱胴カバー部の部分外観説明図、第２図はコン
バインの全体側面図、第３図は同平面図、第４図は脱穀
部の側面説明図、第５図は横コンベア部の断面説明図、
第６図は二番還元スロワー部の断面説明図、第７図は扱
胴カバー部の正面説明図、第８図は同断面平面説明図で
ある。 （４）……脱穀部 （５）……扱胴 （23）……二番還元コンベア （27）……扱室 （44a）……二番口 （57）……扱胴カバー （60）……還元口 （62）……二番還元経路 （63）……折曲面 （65）……リード弁

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】扱胴（５）を扱室（27）に内設させると共
   に、扱胴（５）下方側に落下する脱粒物を選別する選別
   機構（６）と、該選別機構（６）から二番還元物を取出
   す二番還元コンベア（23）を設けるコンバインにおい
   て、前記扱室（27）の前部外側に二番還元室（48）を設
   け、二番還元室（48）に前記二番還元コンベア（23）を
   連結させると共に、前記二番還元室（48）を扱室（27）
   内部に前面側から連結させたことを特徴とするコンバイ
   ン。