JP2528157B2 - 過電流検出装置 - Google Patents

過電流検出装置

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JP2528157B2 JP63017978A JP1797888A JP2528157B2 JP 2528157 B2 JP2528157 B2 JP 2528157B2 JP 63017978 A JP63017978 A JP 63017978A JP 1797888 A JP1797888 A JP 1797888A JP 2528157 B2 JP2528157 B2 JP 2528157B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、例えば回路遮断器等に組み込まれる過電
流検出装置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来のこの種の過電流検出装置は、第10図に示すよう
に、商用交流電源51から引き出された電路52に流れる電
流Iを検出し、電流Iが閾値を超えた時に所定の時延特
性を持って回路遮断器の引き外しコイル59に通電し、こ
れによって回路遮断器の主接点60を開かせるものであ
る。
このために、従来の過電流検出装置は、回路遮断器の
主接点60の負荷側の電圧を定電圧回路58に加えることに
より、定電圧回路58から比較回路56および出力回路57に
一定の動作電源電圧VCCを加え、電路52に流れる電流I
を変流器53を介して電流検出器54で検出し、この電流検
出器54の出力を時延回路55で積分することによって、所
定の時延特性を持たせて比較回路56に加え、比較回路に
て閾値と比較するようにしている。
上記の電流検出器54は、変流器53の二次側から出力さ
れる第11図(a)に示すような電流iをその振幅に比例
した電圧値を有する第11図(b)に示すような直流電圧
v1に変換して出力する。
また、時延回路55は、電流検出器54から出力される電
流電圧v1を積分して第12図に示すような電圧V2を出力す
ることになる。さらに、比較回路56は、第13図(a)に
示すように、時延回路55の出力電圧v2を閾値電圧v3と比
較し、電圧v2が閾値電圧v3より高くなったときに第13図
(b)に示すように、出力電圧v4を高レベルにする(過
電流検出信号を発生する)。比較回路56から高レベルの
出力電圧v4が出力回路57に入力されると、出力回路57
は、回路遮断器の引き外しコイル59に引き外し電流を流
して主接点60を開かせる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来の過電流検出装置は、電路52に例えばモータ
や電源平滑用コンデンサが接続されている場合におい
て、モータの起動時や電源平滑用コンデンサの充電開始
時に過大な突入電流が流れることにより、時延回路55の
出力電圧v2が閾値電圧v3を超えることがあり、この場合
に過電流検出信号を出力する(誤動作)という問題があ
った。
また、定格電流を僅かに超えた過電流状態における時
延回路55および比較回路56による限時動作特性に基づく
遮断時間が閾値電圧v3の僅かなばらつきによって大きな
影響を受けるという問題があった。これは、定格電流を
僅かに超えた過電流状態における時延回路55の出力電圧
v2が、比較的緩やかな勾配で上昇して閾値電圧v3に対し
て小さい角度で交差するためであり、例えば第14図に示
すように、闘値電圧v3がv30,v31,v32と僅かにばらつい
た場合、過電流が流れ始めてから電圧v2が閾値電圧v30,
v31,v32を超えて過電流検出信号が出力されるまでの遮
断時間がt0,t1,t2と大きく変動することになる。
また、時延回路55および比較回路56による限時動作特
性が一定で、任意に変更することができなかった。
この発明の目的は、突入電流による誤動作を低減する
ことができ、定格電流を僅かに超えた過電流状態におけ
る遮断時間のばらつきを少なくでき、さらに限時動作特
性を任意に変更することができる過電流検出装置を提供
することである。
〔課題を解決するための手段〕
この発明の過電流検出装置は、電流検出器で電路に流
れる電流を検出して電路に流れる電流の振幅に比例した
電圧値を有する直流電圧を電流検出器から出力し、電流
検出器から出力される直流電圧を時延回路で積分してい
る。この場合、時延回路は、電路への電圧印加直後は出
力電圧の抑制量が大きくその後時間の経過とともに抑制
量が小さくなる特性を有して前記電流検出器から出力さ
れる直流電圧を積分する。
一方、閾値電圧発生回路より一定の閾値電圧を発生さ
せている。
そして、比較回路において、時延回路の出力電圧と閾
値電圧発生回路から発生する閾値電圧とを比較し、時延
回路の出力電圧が閾値電圧を超えた時に比較回路より過
電流検出信号を発生させるようにしている。
〔作 用〕
この発明の構成によれば、時延回路を、電路への電圧
印加直後は出力電圧の抑制量が大きくその後時間の経過
とともに抑制量が小さくなる特性を有して電流検出器か
ら出力される電流電圧を積分するようにしているので、
電路への電圧印加直後に電路に突入電流が流れて電流検
出器から出力される直流電圧が異常に上昇しても、この
ときは時延回路の出力電圧の上昇勾配が小さく抑えられ
ることになり、突入電流によって時延回路の出力電圧が
閾値電圧を超えることが少なくなり、突入電流による過
電流検出信号の出力(誤動作)を低減することができ
る。
また、時延回路に上記のような特性を持たせたことに
より、時延回路の出力電圧が閾値電圧に対し大きい角度
で交差することになり、定格電流を僅かに超えた過電流
状態における閾値電圧のばらつきによる遮断時間のばら
つきを少なくできる。
また、時延回路に上記のような特性を持たせたことに
より、限時動作特性を任意に変更することができる。
〔実施例〕
この発明の第1の実施例を第1図ないし第5図に基づ
いて説明する。すなわち、この過電流検出装置は、例え
ば回路遮断器に内蔵され、商用交流電源1から引き出さ
れた電路2に流れる電流Iを検出し、電流Iが閾値を超
えた時に所定の時延特性を持って回路遮断器の引き外し
コイル9に通電し、これによって回路遮断器の主接点10
を開かせるものである。
このため、この実施例の過電流検出装置は、回路遮断
器の主接点10の負荷側に接続された降圧用抵抗12から得
られる降圧電圧を定電圧回路8に加えることにより、定
電圧回路8から比較回路6,出力回路7および閾値電圧発
生回路11に一定の動作電源電圧VCCを加え、電路2に流
れる電流Iを変流器3を介して電流検出器4で検出し、
この電流検出器4の出力を、電路2への電圧印加直後は
出力電圧の抑制量が大きくその後時間の経過とともに抑
制量が小さくなる特性を有する時延回路5で積分するこ
とにより、所定の時延特性をもたせて比較回路6に加
え、閾値電圧発生回路11から出力される閾値電圧v3と時
延回路5の出力電圧v0とを比較回路6で比較するように
している。
上記の電流検出器4は、電路2に流れる電流Iを検出
し、電路2に流れる電流Iの振幅に比例した電圧を出力
するもので、具体的には従来例と同様に変流器3の二次
側から出力される電流iをその振幅に比例した電圧値を
有する電流電圧v1(この場合、抵抗Rおよびダイオ
ードD1,D2,D3,D4により全波整流した電圧になる)に変
換して出力する。
閾値電圧発生回路11は、抵抗R2と抵抗R3との直列回路
からなり、定電圧回路8からの動作電源電圧VCCを分圧
して抵抗R2と抵抗R3の接続点より閾値電圧v3を出力す
る。
また、時延回路5は、電流検出器4から出力される直
流電圧v1′が両端間に印加される抵抗R1,負特性のサー
ミスタRTHおよびコンデンサCの直列回路からなり、サ
ーミスタRTHおよびコンデンサCの接続点から出力電圧v
0を出力する。この時延回路5は、特にサーミスタRTH
降圧用抵抗12の発熱により温度上昇してその抵抗値を低
下するようにしている。これらのことから、時延回路5
は、電路2の電圧印加直後は大きくその後時間の経過と
ともに小さくなって定常値で安定する時定数を有するこ
とになり、この時定数の変化により、電路2への電圧印
加直後は出力電圧の抑制量が大きくその後時間の経過と
ともに抑制量が小さくなる特性を持つことになる。
ここで、時延回路5全体として、その動作をみれば、
遮断器の主接点10を閉じて降圧用抵抗12に電圧が印加さ
れると、降圧用抵抗12に電流が流れ、これに伴い降圧用
抵抗12が発熱し、その熱が時延回路5のサーミスタRTH
に伝えられ、サーミスタRTHの温度が上昇することにな
る。
この場合、サーミスタRTHの温度は、回路遮断器の主
接点10が閉じた直後は室温で、その後時間の経過ととも
に上昇し、あるところまで上昇すると平衡する。このサ
ーミスタRTHの温度変化に伴い、サーミスタRTHの抵抗値
が初期値から徐々に低下していき、あるところで平衡す
ることになる。
この結果、前記したように時延回路5から出力される
電圧v0は、第2図に示すように初期は零から小さい勾配
で上昇し、ある時間から大きな勾配で上昇し、定常値で
安定することになる。
さらに、比較回路6は、時延回路との出力電圧v0を闘
値電圧v3と比較し、出力電圧V0が閾値電圧V3より高くな
ったときに出力電圧v4を高レベルにする(過電流検出信
号を発生する)。比較回路6から高レベルの出力電圧v4
が出力回路7に入力されると、出力回路7は、回路遮断
器の引き外しコイル9に引き外し電流を流して主接点10
を開かせる。
この過電流検出装置は、時延回路5が電路2への電圧
印加直後は出力電圧の抑制量が大きくその後時間の経過
とともに抑制量が小さくなる特性を有して電流検出器4
から出力される直流電圧v1′を積分するので、電路2へ
の電圧印加直後に、電路2に例えばモータの起動時や電
源用コンデンサの充電開始時の突入電流が流れて電流検
出器4の出力が異常に上昇することがあっても、時延回
路5の前記時定数により時延回路5の出力電圧v0の上昇
の上昇勾配が小さく抑えられることになり、突入電流に
よって時延回路5の出力電圧v0が閾値電圧v3を超えるこ
とが少なくなり、突入電流による過電流検出信号の出力
(誤動作)を低減することができる。
また、時延回路5に上記のような特性をもたせたこと
により、時延回路5の出力電圧v0が閾値電圧v3に対し大
きい角度で交差することになり、定格電流を僅かに超え
た過電流状態における閾値電圧のばらつきによる遮断時
間のばらつきを少なくできる。
この点を第3図に基づいて説明する。従来例の場合
は、閾値電圧v3がv30,v31,v32とばらついたときに過電
流が流れ始めてから時延回路55の出力電圧v2が閾値電圧
v30,v31,v32をそれぞれ超えて過電流検出信号が出力さ
れるまでの遮断時間は、t0,t1,t2となる(第14図参
照)。これに対し、実施例の場合は、従来例と同じ幅で
閾値電圧v3がv30,v31,v32とばらついたときに過電流が
流れ始めてから時延回路5の出力電圧v0が閾値電圧v30,
v31,v32をそれぞれ超えて過電流検出信号が出力される
までの遮断時間は、t0′,t1′,t2′となる。
したがって、従来例と実施例とを比較すると、実施例
における遮断時間t0′,t1′,t2′のばらつきT′が従来
例における遮断時間t0,t1,t2のばらつきTに比べて少な
くなっていることが明らかである。
また、時延回路5に上記のような特性をもたせたこと
により、限時動作特性を任意に変更することができる。
この点を第4図および第5図により説明する。
第4図は、変流器3の二次電流がi1,i2,i3のときの従
来の時延回路55の出力電圧v2(i1),v2(i2),v2(i3
の変化と、実施例における時延回路5の出力電圧v
0(i1),v0(i2),v0(i3)の変化を示している。この
第4図において、従来例の時延回路55の出力電圧v
2(i1),v2(i2),v2(i3)は、閾値電圧v3とそれぞれ
時間t11,t12,t13で交差し、実施例における時延回路5
の出力電圧v0(i1),v0(i2),v0(i3)は、それぞれ時
間t21,t22,t23で交差している。
この第4図の関係を、時間を縦軸にとるとともに電流
iを横軸にとったグラフ上に限時動作特性として示す
と、第5図に示すように、従来例の場合は実線A1で示す
ようになり、実施例の場合は実線A2で示すようになり、
実施例の場合は時延回路5の出力電圧v0の勾配を変える
ことにより、上記した通り限時動作特性を任意に変更す
ることが可能となる。
また、この実施例では、時延回路5に感熱素子である
サーミスタRTHを用いているので、電路2に流れる電流
Iを検出する電流検出素子(変流器3および電流検出器
4の構成要素)に温度依存性があって周囲の温度上昇に
よって電流検出器4から出力される直流電圧v1′のレベ
ルが変化する場合であっても、サーミスタRTHの温度特
性でもって電流検出器4の出力直流電流v1′の温度依存
性を補償することになり、限時動作特性の温度依存性を
軽減することができる。
この発明の第2の実施例を第6図ないし第9図に基づ
いて説明する。
この過電流検出装置は、時延回路5に代えて、時延回
路13を用いており、その他の構成は第1の実施例の降圧
用抵抗12を除いたものと同様である。
この時延回路13は、前記実施例の時延回路5のように
電路2に接続される降圧用抵抗12の発熱を利用して時延
回路の出力電圧v0の抑制量を変化させるものとは異な
り、CRタイマ用いて時延回路の出力電圧v0の抑制量を変
化させるものであり、前記実施例と同様に、電路2への
電圧印加直後は出力電圧の抑制量が大きくその後時間の
経過とともに抑制量が小さくなる特性を有し、零から最
初は小さな勾配で上昇しその後大きな勾配で上昇して定
常値で安定する出力電圧v0を出力するものである。
具体的に説明すると、この時延回路13は、回路遮断器
の主接点10の負荷側に接続された定電圧回路8から出力
される動作電源電圧VCCで充電を行う時定数回路13bと、
電流検出器4の出力直流電圧v1′を積分する積分回路13
aと、積分回路13aの出力と時定数回路13bの出力を掛算
する掛算器13cとからなる。
この場合、積分回路13aは抵抗R11とコンデンサC1の直
列回路からなり掛算器13cの一方の入力端に接続し、時
定数回路13bは抵抗R13と抵抗R14の直列回路と、抵抗R14
に並列に接続したコンデンサC2とからなり、抵抗R13
抵抗R14およびコンデンサC2の共通接続点を掛算器13cの
他方の入力端に接続している。
この時延回路13は、回路遮断器の主接点10が閉じて電
路2に電圧が印加されると、積分回路13aが電流検出器
4からの出力直流電圧v1′を積分して第7図に示すよう
な電圧Vaを出力し、また、時定数回路13bは、第8図に
示すような零から緩やかな勾配で上昇し、その後定常値
で安定する電圧vbを出力し、掛算器13cで積分回路13aの
出力電圧vaと時定数回路13bの出力電圧vbとを掛け合わ
せることにより、電路2への電圧印加直後は出力電圧の
抑制量が大きくその後時間の経過とともに抑制量が小さ
くなる特性を持たせ、零から最初は小さな勾配で上昇し
その後大きな勾配で上昇して定常値で安定する出力電圧
v0を出力する。
この実施例は、前記第1の実施例における電流検出素
子に対する温度補償の効果を除き、前記第1の実施例と
同様の効果を有する。
なお、上記実施例では、過電流検出装置が回路遮断器
に内臓されると説明したが、過電流検出装置を単体で設
ける場合も当然考えられる。
〔発明の効果〕
この発明の過電流検出装置によれば、時延回路を、電
路への電圧印加直後は出力電圧の抑制量が大きくその後
時間の経過とともに抑制量が小さくなる特性を有して電
流検出器から出力される直流電圧を積分するようにして
いるので、電路への電圧印加直後に電路に突入電流が流
れて電流検出器から出力される直流電圧が異常に上昇し
ても、このときは時延回路の出力電圧の上昇勾配が小さ
く抑えられることになり、突入電流によって時延回路の
出力電圧が閾値電圧を超えることが少なくなり、突入電
流による過電流検出信号の出力(誤動作)を低減するこ
とができる。
また、時延回路に上記のような特性をもたせたことに
より、時延回路の出力電圧が閾値電圧に対し大きい角度
で交差することになり、底格電流を僅かに超えた過電流
状態における閾値電圧のばらつきによる遮断時間のばら
つきを少なくできる。
また、時延回路に上記のような特性をもたせたことに
より、限時動作特性を任意に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の第1の実施例の構成を示すブロック
図、第2図は時延回路の出力電圧の時間的変化を示すタ
イムチャート、第3図は実施例と従来例とにおける遮断
時間のばらつきの違いを示すタイムチャート、第4図お
よび第5図はそれぞれ実施例と従来例とにおける限時動
作特性の相違を示す特性図、第6図はこの発明の第2の
実施例の構成を示すブロック図、第7図は第6図の時延
回路における積分回路の出力電圧の時間的変化を示すタ
イムチャート、第8図は第6図の時延回路の時定数回路
における出力電圧の時間的変化を示すタイムチャート、
第9図は第6図における時延回路の出力電圧の時間的変
化を示すタイムチャート、第10図は従来例の構成を示す
ブロック図、第11図,第12図および第13図はそれぞれ第
10図の各部のタイムチャート、第14図は従来例における
遮断時間のばらつきを示すタイムチャートである。 2……電路、4……電流検出器、5……時延回路、6…
…比較回路、11……閾値電圧発生回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電路に流れる電流を検出しその振幅に比例
    した直流電圧を出力する電流検出器と、前記電路への電
    圧印加直後は出力電圧の抑制量が大きくその後時間の経
    過とともに抑制量が小さくなる特性を有して前記電流検
    出器から出力される直流電圧を積分する時延回路と、閾
    値電圧を発生する閾値電圧発生回路と、前記時延回路の
    出力電圧と前記閾値電圧発生回路から出力される閾値電
    圧とを比較して前記時延回路の出力電圧が前記閾電圧を
    超えた時に過電流検出信号を発生する比較回路とを備え
    た過電流検出装置。
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