JP2558312B2 - 過電流検出装置 - Google Patents

過電流検出装置

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JP2558312B2 JP63017980A JP1798088A JP2558312B2 JP 2558312 B2 JP2558312 B2 JP 2558312B2 JP 63017980 A JP63017980 A JP 63017980A JP 1798088 A JP1798088 A JP 1798088A JP 2558312 B2 JP2558312 B2 JP 2558312B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、回路遮断器に組み込まれる過電流検出装
置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来のこの種の過電流検出装置は、第8図に示すよう
に、商用交流電源51から引き出された電路52に流れる電
流Iを検出し、電流Iが閾値を超えた時に所定の時延特
性を持って回路遮断器の引き外しコイル59に通電し、こ
れによって回路遮断器の主接点60を開かせるものであ
る。
このために、従来の過電流検出装置は、回路遮断器の
主接点60の負荷側の電圧を定電圧回路58に加えることに
より、定電圧回路58から比較回路56および出力回路57に
一定の動作電源電圧Vccを加え、電路52に流れる電流I
を変流器53を介して電流検出器54で検出し、この電流検
出器54の出力を時延回路55で積分することによって、所
定の時延特性を持たせて比較回路56に加え、比較回路56
にて閾値と比較するようにしている。
上記の電流検出器54は、変流器53の二次側から出力さ
れる第9図(a)に示すような電流iをその振幅に比例
した第9図(b)に示すような直流電圧v1に変換して出
力する。また、時延回路55は、電流検出器54から出力さ
れる直流電圧v1を積分して第10図に示すような電圧v2
出力することになる。さらに、比較回路56は、第11図
(a)に示すように、時延回路55の出力電圧v2を閾値電
圧v3と比較し、電圧v2が閾値電圧v3より高くなったとき
に第11図(b)に示すように、出力電圧v4を高レベルに
する(過電流検出信号を発生する)。比較回路56から高
レベルの出力電圧v4が出力回路57に入力されると、出力
回路57は、回路遮断器の引き外しコイル59に引き外し電
流を流して主接点60を開かせる。
また、前記従来例の他にこの種の過電流検出装置とし
て、第13図ないし第15図に示すものが提案されている。
第13図に示す過電流検出装置は、前記従来例と同様に、
例えば回路遮断器に内蔵され、商用交流電源1から引き
出された電路2に流れる電流Iを検出し、電流Iが閾値
を超えた時に所定の時延特性を持って回路遮断器の引き
外しコイル9に通電し、これによって回路遮断器の主接
点10を開かせるものである。
このため、この過電流検出装置は、回路遮断器の主接
点10の負荷側に接続された降圧用抵抗12から得られる降
圧電圧を定電圧回路8に加えることにより、定電圧回路
8から比較回路6,出力回路7および閾値電圧発生回路本
体11aに一定の動作電源電圧VCCを加え、電路2に流れる
電流Iを変流器3を介して電流検出器4で検出し、この
電流検出器4の出力を時延回路5で積分することによっ
て所定の時延特性を持たせて比較回路6に加え、閾値電
圧発生回路本体11aおよび降圧用抵抗12からなる閾値電
圧発生回路11から出力される閾値電圧vaと時延回路5の
出力電圧v2とを比較回路6で比較するようにしている。
上記の電流検出器4は、電路2に流れる電流Iを検出
し、電路2に流れる電流Iの振幅に比例した電流電圧v1
を出力するもので、具体的には前記従来例と同様に変流
器3の二次側から出力される電流iをその振幅に比例し
た電圧値を有する直流電圧v1に変換して出力する。
また、時延回路5は、前記従来例と同様に電流検出器
4から出力される直流電圧v1を積分して電圧v2を出力す
る。
また、閾値電圧発生回路11は、電路2への電圧印加直
後は閾値電圧vaを定常値より高い値にし、その後時間の
経過とともに閾値電圧vaを下降させて定常値で安定させ
るものであり、上記したように閾値電圧発生回路本体11
aと降圧用抵抗12とからなり、閾値電圧発生回路本体11a
の具体的回路構成例としては、第14図に示すようなもの
がある。
この閾値電圧発生回路本体11aは、ダイオードの順方
向電圧降下が温度に対して負特性をもっていることに着
目して考えられた回路で、第14図に示すように、定電圧
回路8から出力される電圧VCCが両端間に印加される抵
抗R3およびダイオードD1,D2の直列回路を示し、抵抗R3
およびダイオードD1の接続点から閾値電圧vaが出力され
る。この閾値電圧発生回路本体11aは、特にダイオードD
1,D2を降圧用抵抗12に近接して配置し、降圧用抵抗12の
発熱によりダイオードD1,D2が温度上昇してその順方向
電圧降下を低下するようにしている。
したがって、この場合の閾値電圧発生回路11全体とし
ての動作は、遮断器の主接点10が閉じて降圧用抵抗12に
電圧が印加されると、降圧用抵抗12に電流が流れ、これ
に伴い降圧用抵抗12が発熱し、その熱が閾値電圧発生回
路本体11aのダイオードD1,D2に伝えられ、ダイオード
D1,D2の温度θが第15図(a)に示すように上昇するこ
とになる。
この場合、ダイオードD1,D2の温度θは、主接点10が
閉じた直後は室温で、その後時間の経過とともに上昇
し、あるところまで上昇すると平衡する。このダイオー
ドD1,D2の温度変化に伴い、ダイオードD1,D2の電圧値が
初期値から徐々に低下していき、あるところで平衡する
ことになる。
この結果、前記したとおり閾値電圧発生回路本体11a
から出力される閾値電圧vaが第15図(b)に示すように
定常値より高い初期の値から徐々に下降していき、定常
値で安定することになる。
さらに、比較回路6は、時延回路5の出力電圧v2を閾
値電圧vaと比較し、出力電圧v2が閾値電圧vaより高くな
ったときに出力電圧V4を高レベルにする(過電流検出信
号を発生する)。比較回路6から高レベルの出力電圧v4
が出力回路7に入力されると、出力回路7は、回路遮断
器の引き外しコイル9に引き外し電流を流して主接点10
を開かせるようにしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来の過電流検出装置は、電路52に例えばモータ
や電源平滑用コンデンサが接続されている場合におい
て、モータの起動時や電源平滑用コンデンサの充電開始
時に過大な突入電流が流れることにより、時延回路55の
出力電圧v2が閾値電圧v3を超えることがあり、この場合
に過電流検出信号を出力する(誤動作)という問題があ
った。
また、定格電流を僅かに超えた過電流状態における時
延回路55および比較回路56による限時動作特性に基づく
遮断時間が閾値電圧v3の僅かなばらつきによって大きな
影響を受けるという問題があった。これは、定格電流を
僅かに超えた過電流状態における時延回路55の出力電圧
v2が、比較的緩やかな勾配で上昇して閾値電圧v3に対し
て小さい角度で交差するためであり、例えば第12図に示
すように、閾値電圧v3がv30,v31,v32と僅かにばらつい
た場合、過電流が流れ始めてから電圧v2が閾値電圧v30,
v31,v32を超えて過電流検出信号が出力されるまでの遮
断時間がt0,t1,t2と大きく変動することになる。
また、時延回路55および比較回路56による限時動作特
性が一定で、任意に変更することができなかった。
また、過電流検出装置の提案例は、第8図の従来例の
欠点を解消することを目的とするものであるが、電路2
の回路遮断器の主接点10の負荷側にコンタクタ等を有
し、遮断器の主接点10を閉じてから長時間経過後にコン
タクタ等を閉じてモータの起動や電源平滑用コンデンサ
の充電を開始する場合において、電路2に過大な突入電
流が流れることにより、時延回路5の出力電圧v2が閾値
電圧vaを超えることがあり、この場合に過電流検出信号
を出力する(誤動作)という問題があり、突入電流によ
る誤動作を充分に抑制することができなかった。
これは、電路2に電圧が印加されるのみで電路2に電
流が流れない状態が長時間続く場合において、降圧用抵
抗12に電圧が印加され、降圧用抵抗12が発熱し閾値電圧
発生回路本体11aのダイオードD1,D2の温度が上昇し閾値
電圧Vaが下降して定常値で安定しているため、回路遮断
器の主接点10を閉じてから長時間経過後にコンタクタ等
を閉じて電路2に電流が流れた時に、電路2に過大な突
入電流が流れて時延回路5の出力電圧v2が異常に上昇し
閾値電圧vaを超えることがあったためである。
この発明の目的は、起動時などの突入電流による誤動
作を充分に低減することができ、定格電流を僅かに超え
た過電流状態における遮断時間のばらつきを少なくで
き、さらに限時動作特性を任意に変更することができる
過電流検出装置を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
この発明の過電流検出装置は、電流検出器で電路に流
れる電流を検出して電路に流れる電流の振幅に比例した
直流電圧を電流検出器から出力し、電流検出器から出力
される直流電圧を時延回路で積分している。
一方、閾値電圧発生回路に回路遮断器の主接点の負荷
側で電路に接続された抵抗の発熱で昇温するとともに電
路に流れる電流による電路の回路遮断器内の部分の発熱
で昇温する感温素子を設けたことにより、電路への通電
直後の感温素子の低温時は閾値電圧発生回路より定常値
より高い値の閾値電圧を発生させ、電路への通電開始後
は閾値電圧発生回路より電路の発熱による感温素子の温
度上昇とともに下降して定常値で安定する閾値電圧を発
生させている。
そして、比較回路において、時延回路の出力電圧と閾
値電圧発生回路から発生する閾値電圧とを比較し、時延
回路の出力電圧が閾値電圧を超えた時に比較回路より過
電流検出信号を発生させるようにしている。
〔作 用〕
この発明の構成によれば、閾値電圧発生回路に回路遮
断器の主接点の負荷側で電路に接続された抵抗の発熱で
昇温するとともに電路に流れる電流による電路の回路遮
断器内の部分の発熱で昇温する感温素子を設けたことに
より、電路への電圧印加直後の感温素子の低温時は閾値
電圧発生回路が発生する閾値電圧を定常値より高い値に
し,電路への通電開始後は電路の発熱による感温素子の
温度上昇に応じて閾値電圧発生回路が発生する閾値電圧
を下降させて定常値で安定させるようにしているので、
電路への電圧印加直後に電路に突入電流が流れて時延回
路の出力電圧が異常に上昇することがあっても、このと
きは閾値電圧も高い状態にあるため、突入電流によって
時延回路の出力電圧が閾値電圧を超えることが少なくな
り、突入電流による過電流検出信号の出力(誤動作)を
低減することができる。
また、閾値電圧発生回路に回路遮断器の主接点の負荷
側で電路に接続された抵抗の発熱で昇温するとともに電
路に流れる電流による電路の回路遮断器内の部分の発熱
で昇温する感温素子を設けたことにより、電路に電圧が
印加されるのみで電路に電流が流れない状態が長時間続
く場合において、抵抗の発熱の影響で感温素子の温度が
上昇して閾値電圧が下がってもその値は定常値までは下
降せず、その後電路に通電されたときに閾値電圧がさら
に下降して定常値に達するので、遮断器の主接点が閉じ
たのち長時間経過して主接点の負荷側にあるコンタクタ
等を閉じて負荷に給電するような場合の突入電流に対し
ても、時延回路の出力電圧が閾値電圧を超えることが少
なくなり、突出電流による過電流検出信号の出力(誤動
作)を充分に低減することができる。
また、感温素子が回路遮断器の主接点の負荷側で電路
に接続された抵抗の発熱のみで昇温する場合に比べて閾
値電圧の電路への電圧印加直後の値を高く設定すること
ができ、上記感温素子が主接点の負荷側で電路に接続さ
れた抵抗の発熱のみで昇温する場合に比べて突入電流に
よる過電流検出信号の出力(誤動作)を一層低減するこ
とができる。
また、閾値電圧を上記のように変化させるようにした
ことにより、時延回路の出力電圧が閾値電圧に対し大き
い角度で交差することになり、定格電流を僅かに超えた
過電流状態における閾値電圧のばらつきによる遮断時間
のばらつきを少なくできる。
また、閾値電圧を変化させる構成により、限時動作特
性を任意に変更することができる。
〔実 施 例〕
この発明の実施例を第1図ないし第7図に基づいて説
明する。
この過電流検出装置は、回路遮断器に内蔵され、商用
交流電源1から引き出された電路2に流れる電流Iを検
出し、電流Iが閾値を超えた時に所定の時延特性を持っ
て回路遮断器の引き外しコイル9に通電し、これにって
回路遮断器の主接点10を開かせるものである。
このために、この実施例の過電流検出装置は、回路遮
断器の主接点10の負荷側に接続された降圧用抵抗21から
得られる降圧電圧を定電圧回路8に加えることにより、
定電圧回路8から比較回路6,出力回路7および閾値電圧
発生回路本体20aに一定の動作電源電圧Vccを加え、電路
2に流れる電流Iを変流器3を介して電流検出器4で検
出し、この電流検出器4の出力を時延回路5で積分する
ことによって所定の時延特性を持たせて比較回路6に加
え、閾値電圧発生回路本体20aおよび降圧用抵抗21から
なる閾値電圧発生回路20から出力される閾値電圧v0と時
延回路5の出力電圧v2とを比較回路6で比較するように
している。
上記の電流検出器4は、電路2に流れる電流Iを検出
し、電路2に流れる電流Iの振幅に比例した電圧値を有
する直流電圧を出力するもので、具体的には従来例と同
様に変流器3の二次側から出力される電流iをその振幅
に比例した電圧値を有する直流電圧v1′に変換して出力
する。また、時延回路5は、従来例と同様に電流検出器
4から出力される直流電圧v1′を積分して電圧v2を出力
することになる。
また、閾値電圧発生回路20は、電路2への電圧印加直
後は閾値電圧v0を定常値より高い値にし、時間の経過と
ともに閾値電圧v0を下降せ、その後電路2に通電された
ときに閾値電圧v0をさらに下降させ定常値で安定させる
ものであり、上記したように閾値電圧発生回路本体20a
の具体回路構成例としては、第2図および第3図に示す
ようなものが考えられる。
まず、第2図の例は、定電圧回路8から出力される電
圧VCCが両端間に印加される抵抗R20,負特性のサーミス
タRTHおよび抵抗R21の直列回路を示し、抵抗R20および
サーミスタRTHの接続点から閾値電圧v0が出力される。
この第2図の閾値電圧発生回路本体20aは、特にサーミ
スタRTHを降圧用抵抗21および電路2の回路遮断器内の
部分に近接して配置し、降圧用抵抗21の発熱および電路
2に流れる電流Iによる電路2の回路遮断器内の部分の
発熱とによりサーミスタRTHが温度上昇してその抵抗値
を低下するようにしている。
したがって、閾値電圧発生回路20全体として、その動
作をみれば、遮断器の主接点10が閉じて降圧用抵抗21に
電圧が印加されると、降圧用抵抗21に電流が流れ、これ
に伴い降圧用抵抗21が発熱し、その熱が閾値電圧発生回
路本体20aのサーミスタRTHに伝えられ、サーミスタRTH
の温度が上昇することになる。この場合、サーミスタR
THの温度は、主接点10が閉じた直後は室温で、その後時
間の経過とともに上昇し、あるところまで上昇すると平
衡する。このサーミスタRTHの温度変化に伴い、サーミ
スタRTHの抵抗値が初期値から徐々に低下していき、あ
るところで平衡することになる。
そして、遮断器の主接点10が閉じた後長時間経過し
て、主接点10の負荷側にあるコンタクタ等(図示せず)
が閉じて負荷に給電を開始し電路2に電流Iが流れる
と、これに伴い電路2の回路遮断器内の部分が発熱し、
その熱が閾値電圧発生回路本体20aのサーミスタRTHに伝
えられ、サーミスタRTHの温度が降圧用抵抗21の発熱に
より上昇し平衡した温度からさらに上昇し、あるところ
まで上昇すると再度平衡する。このサーミスタRTHの温
度変化に伴い、サーミスタRTHの抵抗値が、前記主接点1
0が閉じてサーミスタRTHの抵抗値が平衡したときの値か
らさらに低下していき、再度あるところで平衡すること
になる。
この結果、前記したとおり閾値電圧発生回路本体20a
から出力される閾値電圧v0が第7図に示すように、遮断
器の主接点10を閉じた直後は定常値より高い初期の値か
ら徐々に下降していき、その後ある値で安定し、そし
て、時間T1後に主接点10の負荷側にあるコンタクタ等が
閉じて負荷に給電を開始すると、閾値電圧v0は前記安定
値からさらに下降していき、定常値で安定することにな
る。
つぎに、第3図の例は、ダイオードの順方向電圧降下
が温度に対して負特性をもっていることに着目して考え
られた回路で、定電圧回路8から出力される電圧VCC
両端間に印加される抵抗R22およびダイオードD20,D21
直列回路を示し、抵抗R22およびダイオードD21の接続点
から閾値電圧v0が出力される。この第3図の閾値電圧発
生回路本体20aは、特にダイオードD20,D21を降圧用抵抗
21および電路2の回路遮断器内の部分とに近接して配置
し、降圧用抵抗21の発熱および電路2の回路遮断器内の
部分の発熱とにより、ダイオードD20,D21が温度上昇し
てその順方向電圧降下を低下するようにしている。この
場合の閾値電圧発生回路20全体としての動作は第2図の
場合と同様である。
さらに、比較回路6は、時延回路5の出力電圧v2を閾
値電圧v0と比較し、電圧v2が閾値電圧v0より高くなった
ときに出力電圧v4を高レベルにする(過電流検出信号を
発生する)。比較回路6から高レベルの出力電圧v4が出
力回路7に入力されると、出力回路7は、回路遮断器の
引き外しコイル9に引き外し電流を流して主接点10を開
かせる。
この過電流検出装置は、閾値電圧発生回路20に回路遮
断器の主接点10の負荷側で電路2に接続された降圧用抵
抗21の発熱で昇温するとともに電路2の回路遮断器内の
部分の発熱で昇温する感温素子であるサーミスタRTH
ダイオードD20,D21を設けたことにより、電路2への電
圧印加直後のサーミスタRTHやダイオードD20,D21の低温
時は閾値電圧発生回路20が発生する閾値電圧v0を定常値
より高い値にし、電路2への通電開始後は電路2の遮断
器内の部分の発熱によるサーミスタRTHやダイオード
D20,D21の温度上昇に応じて閾値電圧発生回路20が発生
する閾値電圧v0を下降させて定常値で安定させるように
しているので、電路2への電圧印加直後に電路2に突入
電流が流れて時延回路5の出力電圧v2が異常に上昇する
ことがあっても、このときは閾値電圧v0も高い状態にあ
るため、突入電流によって時延回路5の出力電圧v2が閾
値電圧v0を超えることが少なくなり、突入電流による過
電流検出信号v4の出力(誤動作)を低減することができ
る。
また、閾値電圧発生回路20に回路遮断器の主接点10の
負荷側で電路2に接続された降圧用抵抗21の発熱で昇温
するとともに電路2に流れる電流Iによる電路2の回路
遮断器内の部分の発熱で昇温するサーミスタRTHやダイ
オードD20,D21を設けたことにより、電路2に電圧が印
加されるのみで電路2に電流が流れない状態が長時間続
く場合において、降圧用抵抗21の発熱によりサーミスタ
RTHやダイオードD20,D21の温度が上昇して閾値電圧v0
下がってもその値は定常値までは下降せず、その後電路
2に通電されたときにはじめて閾値電圧v0がさらに下降
して定常値に達するので、遮断器の主接点10が閉じたの
ち長時間経過して主接点10の負荷側にあるコンタクタ等
を閉じて負荷に給電するような場合の突入電流に対して
も、時延回路5の出力電圧v2が閾値電圧v0を超えること
が少なくなり、突入電流による過電流検出信号v4の出力
(誤動作)を低減できる。
また、サーミスタRTHやダイオードD20,D21が主接点10
の負荷側で電路2に接続された降圧用抵抗21の発熱のみ
で昇温する場合に比べて閾値電圧v0の電路2への電圧印
加直後の値を高く設定することができ、上記サーミスタ
RTHやダイオードD20,D21が主接点10の負荷側で電路2に
接続された降圧用抵抗21の発熱のみで昇温する場合に比
べて突入電流による過電流検出信号v4の出力(後動作)
を一層低減することができる。
また、閾値電圧v0を上記のように変化させる構成にし
たことにより、時延回路5の出力電圧v2が閾値電圧v0
対し大きい角度で交差することになり、定格電流を僅か
に超えた過電流状態における閾値電圧v0のばらつきによ
る遮断時間のばらつきを少なくできる。
この点を第4図に基づいて説明する。従来例の場合
は、閾値電圧v3がv30,v31,v32とばらついたときに過電
流が流れ始めてから時延回路5の出力電圧v2が閾値電圧
v30,v31,v32をそれぞれ超えて過電流検出信号が出力さ
れるまでの遮断時間は、t0,t1,t2となる(第12図参
照)。これに対し、実施例の場合は、従来例と同じ幅で
閾値電圧v0がv00,v01,v02とばらついたときに、過電流
が流れ始めてから時延回路5の出力電圧v2が閾値電圧v
00,v01,v02をそれぞれ超えて過電流検出信号が出力され
るまでの遮断時間はt0,t1′,t2′となる。したがって、
従来例と実施例とを比較すると、実施例における遮断時
間t0,t1′,t2′のばらつきT′が従来例における遮断時
間t0,t1,t2のばらつきTに比べて少なくなっていること
が明らかである。
また、閾値電圧v0を変化させる構成により、限時動作
特性を任意に変更することができる。
この点を第5図および第6図により説明する。第5図
は、変流器3の二次電流がi1,i2,i3のとき時延回路5の
出力電圧v2(i1),v2(i2),v2(i3)の変化と、従来例
における閾値電圧v3および実施例における閾値電圧v0
変化を示している。この第5図において出力電圧v
2(i1),v2(i2),v2(i3)は、閾値電圧v3とそれぞれ
時間t11,t12,t13で交差し、閾値電圧v0とそれぞれt21,t
22,t23で交差している。
この第5図の関係を、時間を縦軸にとるとともに電流
iを横軸にとったグラフ上に限時動作特性として示す
と、第6図に示すように、従来例の場合は実線A1で示す
ようになり、実施例の場合は実線A2で示すようになり、
実施例の場合は閾値電圧v0を勾配を変えることにより、
上記した通り限時動作特性を任意に変更することが可能
となる。
また、この実施例では、閾値電圧発生回路本体20aが
感温素子であるサーミスタRTHやダイオードD20,D21を用
いているので、電路2に流れる電流Iを検出する電流検
出素子(変流器3および電流検出器4の構成要素)に温
度依存性があって周囲温度の上昇によって電流検出器4
から出力される直流電圧v1′のレベルが低下する場合で
あっても、サーミスタRTHやダイオードD20,D21の温度特
性でもって閾値電圧v0が周囲温度の上昇に伴って低下し
て直流電圧v1′の温度依存性を補償することになり、限
時動作特性の温度依存性を軽減することができる。
〔発明の効果〕
この発明の過電流検出装置によれば、閾値電圧発生回
路に回路遮断器の負荷側で電路に接続された抵抗の発熱
で昇温するとともに電路を流れる電流による電路の回路
遮断器内の部分の発熱で昇温する感温素子を設けたこと
により、電路への電圧印加直後の感温素子の低温時は閾
値電圧発生回路が発生する閾値電圧を定常値より高い値
にし、電路への通電開始後は電路の発熱による感温素子
の温度上昇に応じて閾値電圧発生回路が発生する閾値電
圧を下降させて定常値で安定させるようにしているの
で、電路への電圧印加直後に電路に突入電流が流れて時
延回路の出力電圧が異常に上昇することがあっても、こ
のときは閾値電圧も高い状態にあるため、突入電流によ
って時延回路の出力電圧が閾値電圧を超えることが少な
くなり、突入電流による過電流検出信号の出力(誤動
作)を低減することができる。
また、閾値電圧発生回路に回路遮断器の主接点の負荷
側で電路に接続された抵抗の発熱で昇温するとともに電
路を流れる電流による電路の回路遮断器内の部分の発熱
で昇温する感温素子を設けたことにより、電路に電圧が
印加されるのみで電路に電流が流れない状態が長時間続
く場合において、抵抗の発熱により感温素子の温度が上
昇して閾値電圧が下がってもその値は定常値までは下降
せず、その後電路に通電されたときに閾値電圧がさらに
下降して定常値に達するので、主接点を閉じたのち長時
間経過して主接点の負荷側にあるコンタクタ等を閉じて
負荷に給電するような場合の突入電流に対しても、時延
回路の出力電圧が閾値電圧を超えることが少なくなり、
突入電流による過電流検出信号の出力(誤動作)を低減
することができる。
また、感温素子が主接点の負荷側で電路に接続された
抵抗の発熱のみで昇温する場合に比べて閾値電圧の電路
への電圧印加直後の値を高く設定することができ、上記
感温素子が主接点の負荷側で電路に接続された抵抗の発
熱のみで昇温する場合に比べて突入電流による過電流検
出信号の出力(誤動作)を一層低減することができる。
また、閾値電圧を上記のように変化させる構成にした
ことにより、時延回路の出力電圧が閾値電圧に対し大き
い角度で交差することになり、定格電流を僅かに超えた
過電流状態における閾値電圧のばらつきによる遮断時間
のばらつきを少なくできる。
また、閾値電圧を変化させる構成により、限時動作特
性を任意に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例の構成を示すブロック図、第
2図および第3図はそれぞれ閾値電圧発生回路の具体構
成を示す回路図、第4図は実施例と従来例とにおける遮
断時間のばらつきの違いを示すタイムチャート、第5図
は実施例と従来例とにおける限時動作特性の相違を示す
各電圧のタイムチャート、第6図は実施例と従来例とに
おける限時動作特性の相違を示す特性図、第7図は第1
図の閾値電圧発生回路の出力電圧の特性を示すタイムチ
ャート、第8図は従来例の構成を示すブロック図、第9
図,第10図および第11図はそれぞれ第8図の各部のタイ
ムチャート、第12図は従来例における遮断時間のばらつ
きを示すタイムチャート、第13図は提案例の構成を示す
ブロック図、第14図は第13図の閾値電圧発生回路本体の
具体構成を示す回路図、第15図はダイオード温度および
閾値電圧の時間変化を示すタイムチャートである。 2……電路、4……電流検出器、5……時延回路、6…
…比較回路、20……閾値電圧発生回路、21……降圧用抵

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電路を主接点で遮断する回路遮断器に内蔵
    される過電流検出装置であって、 前記電路に流れる電流を検出しその振幅に比例した直流
    電圧を出力する電流検出器と、この電流検出器から出力
    される直流電圧を積分する時延回路と、前記主接点の負
    荷側で前記電路に接続された抵抗の発熱で昇温するとと
    もに前記電路に流れる電流による前記電路の回路遮断器
    内の部分の発熱で昇温する感温素子を有し,前記感温素
    子の低温時は閾値電圧を定常値より高い値にし前記抵抗
    の発熱および前記電路の回路遮断器内の部分の発熱によ
    る前記感温素子の温度上昇に応じて前記閾値電圧を下降
    させて前記定常値で安定させる閾値電圧発生回路と、前
    記時延回路の出力電圧と前記閾値電圧発生回路から出力
    される閾値電圧とを比較して前記時延回路の出力電圧が
    前記閾値電圧を超えた時に過電流検出信号を発生する比
    較回路とを備えた過電流検出装置。
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