JP2527919B2

JP2527919B2 - 流体吹付装置

Info

Publication number: JP2527919B2
Application number: JP6003487A
Authority: JP
Inventors: 村弘今
Original assignee: 今村弘
Priority date: 1994-01-18
Filing date: 1994-01-18
Publication date: 1996-08-28
Anticipated expiration: 2011-08-28
Also published as: JPH07204548A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ワークの塗装、メッキ
等を行う面の塵埃や水滴等の除去すなわち清掃に使用さ
れる流体吹付装置に係り、特に、自動化と均一で密度の
高い流体をワークに吹付けるための流体吹付装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】機械や装置の部品には、塗装やメッキ等
が施されるが、塗装やメッキを施す場合に部品の表面に
塵埃や水滴等が存在すると塗装やメッキが密着せずに剥
離することがあり、そのために塗装やメッキ等を施すべ
き部品の表面に対する塵埃や水滴等を除去する清掃作業
は不可欠な作業となっている。

【０００３】そして、従来、塵埃や水滴等を除去する清
掃作業には、通常、コンプレッサから流体ガンを介して
供給される流体が使用されたり、固定式の複数の流体吹
付ノズルから多量の流体を連続供給して塵埃や水滴等を
除去することが行われている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかるに前記の清掃作
業のうち、流体ガンによるものは人手により行うので部
品に均一に流体を吹付けることがむづかしく作業者の熟
練を必要とし、しかも長時間を要するので作業効率に問
題がある。

【０００５】また、複数の流体吹付ノズルで流体を吹付
けるものは、流体吹付ノズルが多いために流体の吹付け
圧力が低下するとともに、流体吹付ノズルへ流体が連続
して供給されるので、流体の流れが一定となる。したが
って、塵埃や水滴は流体の量が一定で圧力が低いために
残る等の問題があった。

【０００６】本発明はこれに鑑み、自動的に塵埃や水滴
等を完全に除去することのできる流体吹付装置を提供す
ることを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記従来技術の課題を解
決するために、本発明の流体吹付装置は、フレームと、
このフレームの側部に沿って往復移動自在に支持される
流体吹付ヘッドと、この流体吹付ヘッドを往復移動させ
る駆動機構とを有し、前記流体吹付ヘッドは、本体と、
この本体に装着される複数の流体吹付ノズルと、この流
体吹付ノズルを前記流体吹付ヘッドの往復移動に連動さ
せて回転させる回転機構と、前記本体に設けられる固定
軸と回転軸とに本数の異なる半径方向の流体の流路を形
成し、固定軸と回転軸との流体の流路が一致したときに
その流体吹付ノズルから流体を噴射させる噴射機構とを
備えている。

【０００８】

【作用】本発明の流体吹付装置においては、本体に装着
される複数の流体吹付ノズルは、流体吹付ヘッドの往復
移動に連動して回転するとともに、流体は、流路の一致
した流体吹付ノズルからのみ噴射機構によりタイミング
をずらして断続的に噴射される。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の流体吹付装置において流体を
エアとした場合の一実施例を図１〜図４を参照して説明
する。

【００１０】エア吹付装置１は、ベース２と、このベー
ス２に立設されるフレーム３と、このフレーム３の側部
に沿って往復移動自在に支持されるエア吹付ヘッド４
と、このエア吹付ヘッド４を往復移動させる駆動機構５
とを有している。

【００１１】ベース２は、長方形形状で長手方向の両側
部近傍にはガイドロッド６が平行に配設されている。そ
して、これらのガイドロッド６の間の中央にはガイドロ
ッド６に平行に送りねじ軸７が軸受部８により軸支され
ている。そして、送りねじ軸７の一端にはハンドル９が
設けられている。

【００１２】フレーム３は、下部取付板１０と、上部取
付板１１と、２本の柱１２とを備えている。

【００１３】下部取付板１０は、長方形形状でその短辺
側の両側部にはそれぞれ一対のスライダ１３が固着さ
れ、これらのスライダ１３にはガイドロッド６が挿通さ
れている。また、下部取付板１０の上面の中央には送り
ねじ軸７に螺合するねじ部材１４が固着されている。

【００１４】このようにしたことにより、送りねじ軸７
のハンドル９を回動するとガイドロッド６，６に案内さ
れて下部取付板１０はベース２上を移動するようになっ
ている。

【００１５】柱１２は、パイプ材よりなり、ガイドロッ
ド６とねじ部材１４との間に２本平行に立設され上部に
は上部取付板１１が固着されている。

【００１６】エア吹付ヘッド４は、本体１５と、エア吹
付ノズル１６と、このエア吹付ノズル１６を回転させる
回転機構１７と、噴射機構１８とを備えている。

【００１７】本体１５は、図２及び図３に示すように、
固定軸１９と、回転軸２０と、歯車２１と、ブロック２
２とを備えている。

【００１８】固定軸１９は、軸芯にエアの導入路２３が
形成されており、この導入路２３の先端側（図２におけ
る右側）には例えば１２０°の間隔で３つの流路２４が
放射状に形成されている。そして、導入路２３の後端側
（図２における左側）には図示しないコンプレッサから
のホース２５が接続されている。

【００１９】回転軸２０は中空で、固定軸１９に対し軸
受２６を介して回動自在とされており、固定軸１９の流
路２４に対応する軸線方向の位置には図３に示すように
例えば１８０°間隔で２つの流路２７及び噴射部取付部
２８が形成されている。また、固定軸１９と回転軸２０
との間には０リング等のシール部材２９が装着されてい
る。そして、回転軸２０には歯車２１が固着されてい
る。

【００２０】ブロック２２は磁性材よりなり、直方体形
状で長手方向の両端部近傍には上下方向にフレーム３の
柱１２が挿通されている。そして、長手方向の一側面に
はエア吹付ヘッド４の本体１５が水平に装着されてい
る。

【００２１】なお、３０は本体１５に対応するためのバ
ランスウエイトを示している。

【００２２】エア吹付ノズル１６は、パイプ材よりなり
Ｌ型形状で図２及び図３に示すようにエア吹付けヘッド
４の本体１５の噴射部取付部２８に噴射部３１が本体１
５の軸線に対し平行となるように装着されている。

【００２３】回転機構１７は、本体１５の回転軸２０に
固着される歯車２１と、この歯車２１に歯合するラック
３２とで構成されており、ラック３２は、フレーム３の
上部取付板１１と下部取付板１０とに固着されている。

【００２４】噴射機構１８は、固定軸１９と回転軸２０
の処で述べたように固定軸１９に形成される流路２４の
数に対して回転軸２０に形成される流路２７の数を少な
くしたものであって、回転軸２０が回転して回転軸２０
の流路２７が固定軸１９の流路２４に合致した場合に固
定軸１９の流路２４から回転軸２０の流路２７を通り１
つの噴射部３１からエアが噴射されるようになってい
る。

【００２５】駆動機構５は、フレーム３の柱１２をシリ
ンダーチューブとしブロック２２に対応する位置の柱１
２内に磁性体よりなる円筒形形状のピストン３３を設け
るとともに、切換弁３４と、コンプレッサー３５と、モ
ーター３６とを備えている。そして、切換弁３４と柱１
２の上部と下部との間は配管３７で接続されている。こ
のようにしたことにより、例えば、モーター３６を駆動
してコンプレッサー３５を駆動し、圧縮エアを切換弁３
４を介して柱１２の上部から圧入するとピストン３３は
下降し、ピストン３３の下降とともにブロック２２も下
降するようになっている。反対に柱１２の下部から圧縮
エアを圧入するとピストン３３の上昇とともにブロック
２２も上昇する。

【００２６】なお、３８は上部リミットスイッチ、３９
は下部リミットスイッチであって、切換弁３４に接続さ
れており、当接板４０が上部リミットスイッチ３８又は
下部リミットスイッチ３９に当接すると切換弁３４が切
り換わるようになっている。

【００２７】なお、４１はケーシングを示しており、エ
ア吹付ヘッド４は上下方向に形成されたスリット４２に
沿って往復移動できるようになっている。

【００２８】次に、このエア吹付装置１の作用を説明す
る。

【００２９】先ず、ハンドル９を回してエア吹付ノズル
１６を図示しないワークに対して進退させ、エア吹付ノ
ズル１６の噴射部３１とワークとの間隔を最適に調節す
る。そして、調節が終了したらエア吹付ノズル１６にエ
アを供給しながらモーター３６を起動する。ここで、エ
アは、固定軸１９の導入路２３、流路２４を経て回転軸
２０の流路２７と一致しておればエア吹付ノズル１６の
噴射部３１からエアは高速で噴射される。また、モータ
ー３６の起動によりコンプレッサー３５が駆動され、高
圧エアは切換弁３４を通って、例えば、柱１２，１２の
上部から圧入されると、柱１２内のピストン３３は下方
へ移動し、したがって、このピストン３３に磁力により
吸着されているブロック２２も下方へ移動を開始する。
すると、エア吹付ヘッド４の歯車２１がラック３２と歯
合しているので回転し回転軸２０が回転する。すると、
エア吹付ノズル１６も回転し固定軸１９の流路２４と回
転軸２０の流路２７とが一致した噴射部３１からのみエ
アが噴射される。このエアは噴射部３１が旋回している
のでサイクロイドを画きつつ、まわりのエアを巻き込ん
で高圧力でワークに一気に噴射される。しかも、２つの
噴射部３１のうちの１つからのみエアが噴射されるの
で、密度の高い吹付けが行われる。

【００３０】そして、ブロック２２が下降して、ブロッ
ク２２に設けられている当接板４０の下部が下部リミッ
トスイッチ３９に当接すると下部リミットスイッチ３９
はＯＮとなり切換弁３４が切換って柱１２，１２の下部
から高圧エアが圧入されるので、ピストン３３は上方へ
移動する。そして、当接板４０の上部が上部リミットス
イッチ３８に当接すると上部リミットスイッチ３８がＯ
Ｎとなり切換弁３４が切換って柱１２，１２の上部から
高圧エアが圧入される。

【００３１】このようにして、エア吹付ノズル１６は回
転しながら上下に往復移動し、ワークはエアに万遍なく
曝され、その表面に付着している塵埃や水滴等は完全に
除去される。

【００３２】なお、本実施例では、エア吹付ヘッドの駆
動機構をピストン機構としたものについて説明したが、
リニアモータ、送りねじ機構等でもよい。また、エア吹
付ノズルの数はワークの形状等に応じて適宜に決めてよ
く、さらに、エア吹付ノズルは、ブロックの両側に設け
てもよくこれらに限定されるものではない。

【００３３】また、本実施例では流体をエアとしたもの
について説明したが水またはエアと水を混合したもので
もよい。また、回転機構１７は歯車２１をエアモーター
で回転させてもよく、これらに限定されるものではな
い。

【００３４】

【発明の効果】以上説明したように本発明による流体吹
付装置は、流体吹付ヘッドを往復移動させながらこの流
体吹付ヘッドに装着される流体吹付ノズルを回転させ、
そして、本体の固定軸と回転軸とに本数の異なる半径方
向の流体の流路を形成し、固定軸と回転軸との流体の流
路が一致したときにその流体吹付ノズルから流体を噴射
させるようにしたので、所定圧がノズル数に関係なく維
持でき、ワークの表面には強い流体圧の流体が圧力を低
下させることなく断続的に噴射される。したがって、瞬
間的な衝撃波により頑固に付着している塵埃や水滴等を
完全に吹きとばすことができる。そして、これらの自動
化は簡単で安価な装置で行えるなどの優れた効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による流体吹付装置としてのエア吹付装
置の一実施例を示す斜視図。

【図２】エア吹付ヘッドの一部断面側面図。

【図３】エア吹付ヘッドの断面正面図。

【図４】駆動機構を示す説明図。

【符号の説明】

１流体吹付装置３フレーム４流体吹付ヘッド５駆動機構１２柱１５本体１６エア吹付ノズル１７回転機構１８噴射軸１９固定軸２０回転軸２１歯車２２ブロック３１噴射部３２ラック３３ピストン

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】フレームと、このフレームの側部に沿って
往復移動自在に支持される流体吹付ヘッドと、この流体
吹付ヘッドを往復移動させる駆動機構とを有し、前記流
体吹付ヘッドは、本体と、この本体に装着される複数の
流体吹付ノズルと、この流体吹付ノズルを前記流体吹付
ヘッドの往復移動に連動させて回転させる回転機構と、
前記本体に設けられる固定軸と回転軸とに本数の異なる
半径方向の流体の流路を形成し、固定軸と回転軸との流
体の流路が一致したときにその流体吹付ノズルから流体
を噴射させる噴射機構とを備えたことを特徴とする流体
吹付装置。