JP2527769Y2 - バッグインボックス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、カートンの内部に内袋
を有し、この内袋に取着した注出口をカートンから突出
させたバッグインボックスに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、バッグインボックスにおいて、
小、中内容量のものとして、例えば特開昭６０−９９８
７０号公報に示されているように、外箱の側面壁上部の
傾斜側板に注出口を設けたものがある。そして図５に示
すようにこの種のバッグインボックス１は、縦長のブロ
ック状の外箱となるカートン２を用い、前述したように
カートン２の側面壁上部の傾斜側板を傾斜させて注出口
を配置しているものであって、図６に示すように、前記
カートン２は、四方面壁の側面壁３、正面壁４、側面壁
５、正面壁６を備えるとともに、前記四方面壁の下縁に
は外箱底部を形成する底フラップ７がそれぞれ連設さ
れ、側面壁３と正面壁４と正面壁６との上縁、および前
記側面壁５の上部に連設した傾斜側板８の上縁にも外箱
天部を形成する天フラップ９がそれぞれ連設されてい
る。１０は側面壁３の側縁に連設された糊代である。ま
た上記傾斜側板８と正面壁４，６との間の三角状部分に
は中折れする折り込み面部１１が一体に設けられてい
る。

【０００３】この形態のブランクスからスリーブ状のカ
ートンを形成し、その内部に合成樹脂製の筒体１２を配
置して図６に示す貼着部１３にて貼着し、貼り合わされ
た上記傾斜側板８と筒体１２とを開口して取付孔１４を
設ける。この取付孔１４に注出口１５を内方側から取着
固定したのち、筒体１２の上下をシールして内袋１６を
形成し、カートンの底部形成および上記傾斜側板８を傾
斜させた状態で天部形成を行って外箱１７を得ている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たバッグインボックスにおいて、上記折り込み面部１１
を中折りして折り込んで傾斜側板８を傾斜させており、
このため図７に示すように、組み起こして得られた外箱
において、折り込み面部の反発によって傾斜側板８と正
面壁４，６との間に膨らんだ隙間ができ、バッグインボ
ックスの外観を損なうという問題があった。

【０００５】そこで、本考案は上記した事情に鑑み、上
記傾斜側板を傾斜させたことによる傾斜側板と正面壁と
の間の膨らみを生じさせないようにすることを課題と
し、バッグインボックスの外観を整えることを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案は、上記した従来
の課題を考慮してなされたもので、カートンの四方面壁
とこの四方面壁の内の一つの側面壁の上部に連続した傾
斜側板とに、カートン内に配置した合成樹脂製筒体を貼
着し、前記傾斜側板と筒体とを開口してなる取付孔に内
方から注出口を取着し、前記筒体の上下を封着したのち
カートンを組み起こして、注出口が傾斜した前記傾斜側
板から外方に向けて突出したバッグインボックスにおい
て、注出口を配置する前記傾斜側板と、該傾斜側板の側
縁が相対する正面壁上部の傾斜側縁との間に、前記傾斜
側板の側縁に連続した折り込み小フラップと、前記正面
壁上部の傾斜側縁に連続した折り込み小フラップとを折
り込んだ際重なり合う位置に配し、傾斜側板のカートン
扁平状態時の折り出し側に位置する折り込み小フラップ
を、前記筒体に非貼着としたことを特徴とするバッグイ
ンボックスを提供して、上記課題を解消するものであ
る。

【０００７】

【作用】本考案においては、傾斜側板と正面壁との間の
三角部分は、前記傾斜側板の側縁に連続した折り込み小
フラップと、正面壁上部の傾斜側縁に連続した折り込み
小フラップとの分割された二つのフラップが有り、従来
の中折りすることによる紙の反発が発生しないようにな
る。そしてカートン扁平状態時に折り出し側となる折り
込み小フラップが筒体と貼り合わされないため、スリー
ブ状態のカートンを扁平に潰した時に筒体が潰れても、
前記折り込み小フラップを層間剥離させる力が伝わらな
いようになる。

【０００８】

【実施例】つぎに、図１から図４に示す実施例に基づい
て詳細に説明する。なお、図５から図７に示す従来例と
構成が重複する部分は同符号を付してその説明を省略す
る。すなわち本考案においては、カートン２をブランク
スの状態で表す図１に示すように、傾斜側板８と正面壁
４，６の間の三角状部分に、前記傾斜側板８の側縁８ａ
に連続した折り込み小フラップ１８と、正面壁４，６上
部の傾斜側縁４ａ，６ａに連続した折り込み小フラップ
１９とが配置されている。この折り込み小フラップ１８
と折り込み小フラップ１９とは接することなく離間し、
また折り込み小フラップ１８，１９の下部は、側縁８ａ
と傾斜側縁４ａ，６ａとの交点部２０から切り欠かれて
いる。そして、図１に示すように折り込み小フラップ１
８と折り込み小フラップ１９とは折り込んだ際に重なり
合うように配置されている。

【０００９】そして図２に示すように、傾斜側板８の、
カートン扁平状態時に折り出し側となる折り込み小フラ
ップ１８は上記筒体１２と貼り合わされない。また逆サ
イドに位置する折り込み小フラップ１８は筒体１２と貼
着されているが、この折り込み小フラップ１８は必ずし
も筒体と貼着する必要はない。一方、正面壁６側の折り
込み小フラップ１９は筒体１２と貼着される。このよう
に折り出し側の折り込み小フラップ１８が筒体１２と貼
り合わされないことから、筒体を有したカートンを押し
潰して扁平状態としても、この折り込み小フラップ１８
は層間剥離などの損傷を起こさない。他の折り込み小フ
ラップ１８や正面壁側の折り込み小フラップ１９は上述
したように筒体１２と貼り合わされており、折り倒し時
に筒体１２を良好に案内できるようになる。

【００１０】上記筒体１２を有した状態のカートン２は
上述したように注出口の取着、筒体上下縁のシール、カ
ートン天部・底部の形成を経てバッグインボックスとな
るが、図３に示すように、傾斜側板８の折り倒しに際し
て、上記折り込み小フラップ１８，１９の折り込みが行
われる。このとき折り込み小フラップ１８と折り込み小
フラップ１９とは面接合するが、折り込み小フラップ１
８の戻ろうとする力は小さく、傾斜側板８を押し上げな
い。よって前記傾斜側板の側縁８ａと正面壁の傾斜側縁
４ａ，６ａとの間に隙間は発生せず、組み起こされた外
箱の外観を損なうことがない。折り込み小フラップ１８
と折り込み小フラップ１９とがブランク時に離間した状
態であることから、折り込み小フラップの折り込みを行
っても傾斜側板の裏面から正面壁の裏面に渡る筒体１２
を突き出したり、破ったりすることがない。また折り込
み小フラップそれぞれの下部が切り欠かれていることか
ら、前述の折り込みを行っても交点部２０に応力が集中
せず、この交点部が裂けるなどの損傷が無くなるととも
に、交点部の膨らみを発生させない。なお、上記折り込
み小フラップ１８の外面とこれに対面する折り込み小フ
ラップ１９の外面とを接着剤を介して貼着すれば、傾斜
側板８の傾斜状態をより良好に保持させておくことがで
きる。

【００１１】

【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
バッグインボックスは、カートンの四方面壁とこの四方
面壁の内の一つの側面壁の上部に連続した傾斜側板と
に、カートン内に配置した合成樹脂製筒体を貼着し、前
記傾斜側板と筒体とを開口してなる取付孔に内方から注
出口を取着し、前記筒体の上下を封着したのちカートン
を組み起こして、注出口が傾斜した前記傾斜側板から外
方に向けて突出した構造であって、注出口を配置する前
記傾斜側板と、該傾斜側板の側縁が相対する正面壁上部
の傾斜側縁との間に、前記傾斜側板の側縁に連続した折
り込み小フラップと、前記正面壁上部の傾斜側縁に連続
した折り込み小フラップとを折り込んだ際重なり合う位
置に配し、傾斜側板のカートン扁平状態時の折り出し側
に位置する折り込み小フラップを、前記筒体に非貼着と
したので、従来、傾斜側板と正面壁との間の中折り部分
で発生していた大きな反発力を簡単な構造で無くすこと
ができるようになり、傾斜側板を持ち上げることが無く
なる。よってこの傾斜側板の側縁と正面壁の傾斜側縁と
の間に隙間が発生せず、バッグインボックスの外観を損
なうようなことがないなど、実用性に優れた効果を奏す
るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のバッグインボックスに係る実施例にお
けるカートン展開状態を示す説明図である。

【図２】実施例においてスリーブ状態のカートンを示す
説明図である。

【図３】傾斜側板の折り倒しを示す説明図である。

【図４】実施例のバッグインボックスの外観を示す説明
図である。

【図５】従来例を一部切り欠いた状態で示す説明図であ
る。

【図６】従来例においてカートン展開状態を示す説明図
である。

【図７】従来例におけるバッグインボックスの外観を示
す説明図である。

【符号の説明】

１…バッグインボックス ２…カートン ３，５…側面壁 ４，６…正面壁 ８…傾斜側板 １２…筒体 １６…内袋 １７…外箱 １８…傾斜側板の折り込み小フラップ １９…正面壁の折り込み小フラップ

Claims (4)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 カートンの四方面壁とこの四方面壁の内
   の一つの側面壁の上部に連続した傾斜側板とに、カート
   ン内に配置した合成樹脂製筒体を貼着し、前記傾斜側板
   と筒体とを開口してなる取付孔に内方から注出口を取着
   し、前記筒体の上下を封着したのちカートンを組み起こ
   して、注出口が傾斜した前記傾斜側板から外方に向けて
   突出したバッグインボックスにおいて、 注出口を配置する前記傾斜側板と、該傾斜側板の側縁が
   相対する正面壁上部の傾斜側縁との間に、 前記傾斜側板の側縁に連続した折り込み小フラップと、
   前記正面壁上部の傾斜側縁に連続した折り込み小フラッ
   プとを折り込んだ際重なり合う位置に配し、 傾斜側板のカートン扁平状態時の折り出し側に位置する
   折り込み小フラップを、前記筒体に非貼着としたことを
   特徴とするバッグインボックス。
2. 【請求項２】 上記傾斜側板のカートン扁平状態時の折
   り出し側に対向する側縁に連続した折り込み小フラップ
   を、筒体に貼着した請求項１に記載のバッグインボック
   ス。
3. 【請求項３】 上記傾斜側板の折り込み小フラップ外面
   とこれに相対面する正面壁の折り込み小フラップ外面と
   を貼着した請求項１または２に記載のバッグインボック
   ス。
4. 【請求項４】 上記折り込み小フラップの下部は、傾斜
   側板側縁と正面壁傾斜側縁との交点部から切り欠かれて
   いる請求項１から３のいずれ一つのバッグインボック
   ス。