JP2527327Y2 - 自動車 - Google Patents

自動車

Info

Publication number
JP2527327Y2
JP2527327Y2 JP1988162459U JP16245988U JP2527327Y2 JP 2527327 Y2 JP2527327 Y2 JP 2527327Y2 JP 1988162459 U JP1988162459 U JP 1988162459U JP 16245988 U JP16245988 U JP 16245988U JP 2527327 Y2 JP2527327 Y2 JP 2527327Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
shielding member
storage
arm
vehicle body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1988162459U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0283122U (ja
Inventor
昭 河合
譲三 野呂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP1988162459U priority Critical patent/JP2527327Y2/ja
Publication of JPH0283122U publication Critical patent/JPH0283122U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2527327Y2 publication Critical patent/JP2527327Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、車室上部と車室後部とを覆う使用位置か
ら、車室後方の収納部へ格納可能な可動ルーフと、該可
動ルーフを収納部に格納し、車室上部と車室後部とを開
放して自動車を走行させたとき、空気流が車室後方から
車室内に巻き込まれることを防止するための遮蔽部材と
を有する自動車に関するものである。
〔従来の技術〕
車室の上部と後部を開放してオープンエアモータリン
グを楽しめるように可動ルーフを設けた自動車は従来よ
り周知である。
ところが上述のように車室上部と車室後部を開放して
自動車を走行させると、前方から流れてくる空気流の一
部は車室後方から車室内に巻き込まれて流入し、乗員に
不快感を与える恐れがある。
そこで従来より車室内のシートの後方に遮蔽部材を設
け、これによって車室内に巻き込まれる空気流を遮断
し、乗員に与える不快感を除去するようにしている。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところで、上述の空気流の流れ状況は、車速やそのと
きの気候状態等によって変化する。また乗員のなかには
空気流の巻き込みをできるだけ少なくしたいと考える者
もあれば、多少の空気流を車室内に導き入れたいと考え
る者もある。
ところが従来の遮蔽部材は、これを使用するときの位
置が一定であったため、上述の如き空気流の状態の変化
や乗員の好みに合せて遮蔽部材を調整することはでき
ず、乗員に完全な満足感を与えることは困難であった。
本考案は上述した新規な認識に基づきなされたもので
あって、その目的とするところは、車速や気候状態等に
よって変化する空気流の流れ状態や乗員の好みに合せて
遮蔽部材を調整でき、乗員に与える満足感を従来よりも
一段と向上させることのできる自動車を提供することに
ある。
〔課題を解決するための手段〕
本考案は、上記目的を達成するため、冒頭に記載した
形式の自動車において、遮蔽部材を、前記収納部と、こ
れよりも前方の車室領域との間を横切るように車体の幅
方向に立設した平板部材により構成し、上下方向に直線
状に延び、かつ車体側に固定されていて、前記遮蔽部材
の車体幅方向各側縁を上下方向に摺動自在に案内する一
対のガイドレールと、前記遮蔽部材の下部に固定されて
いて、車体の幅方向に延びるスロットを有する有孔板
と、車体に固定されたモータと、基端部を支点として先
端部が上下方向に揺動するように、前記モータによって
駆動されるアームと、該アームの先端部に支持され、か
つ当該アームの揺動によって、前記スロットに沿ってそ
の長手方向に移動しつつ、前記遮蔽部材をその最上方位
置と最下方の格納位置とその両位置の間の任意の位置へ
移動させるように、当該スロットに嵌合した作動部材と
を具備し、前記遮蔽部材が最下方の格納位置から最上方
位置へと移動するとき、前記アームはほぼ水平に倒れた
姿勢から、立上った姿勢に向けて回動するように、当該
アームの取付け姿勢が設定されている構成を提案する。
〔実施例〕
以下、本考案の実施例を図面に従って説明する。
第1図は開閉屋根装置1を有する自動車の一例を示
し、ここに示した自動車は、その開閉屋根装置1の可動
ルーフ4と、後に詳しく説明する遮蔽部材200とを有し
ている。可動ルーフ4は、剛体から成るフロントルーフ
2と、その後端部に連結ピン6を介して枢着されたリヤ
ルーフ3を有し、リヤルーフ3はその下端部がピン11を
介して車体10に枢支されている。この例では、リヤルー
フ3は第3図に示すように、その外板に固定されたウィ
ンドフレーム30と、これに固定されたバックウィンドウ
12を有し、その全体が剛体から構成されている(第6図
も参照)。
第1図と第3図は可動ルーフ4が車体上部と車体後部
の開口13(第3a図)を覆ったときの使用位置に存する状
態を示している。このとき、車体10及び可動ルーフ4に
よって車室内が区画されるが、この車室内にはフロント
シート14とリヤシート8が位置し、かかる車室の後方に
可動ルーフ4の収納部7が配置されている。
上述のように可動ルーフ4が使用位置にあるとき、収
納部7の上部は可動ルーフ4よりも後方に位置する収納
アウタカバー15によって覆われ、これよりも前方の空間
の上部は車内側に位置する収納インナカバー16によって
覆れている。図示した例では、収納インナーカバー16は
フロントカバー116とリヤカバー216とから成り、これら
のカバー116,216と収納アウタカバー15は剛体により構
成されている。また、収納アウタカバー15は第3図に示
すように車体10の外板と同様な外観を呈し、収納インナ
カバー16は通常の自動車のパッケージトレイと同様のリ
ヤシート8の後方を覆っている。このため、車外から見
たときの自動車の外観と車室内における美観が向上す
る。
収納アウタカバー15は、車体10に対して枢ピン17を介
して第1図に矢印で示す方向に回動可能に枢支され、ま
た収納インナカバー16も車体10に対して、後述する第1
及び第2リンク40,41を介して回動可能に支持され、こ
れらのカバー15,16は第1図に実線と鎖線で示したよう
に、収納部7の上部とこれよりも前方の空間上部をそれ
ぞれ閉鎖する閉位置と、これらの上部を開放する開位置
との間を回動することができる。
可動ルーフ4を格納して車体上部と車体後部の開口13
(第3a図)を開放するときは、収納アウタカバー15と収
納インナカバー16をそれぞれ第1図に示した矢印の方向
に作動させ、これらを開位置にもたらす。この状態で、
リヤルーフ3を矢印方向に回動させながら、鎖線で示す
ようにリヤルーフ3とフロントルーフ2を折り畳んで行
き、これらを第2図に示す如く収納部7に格納する。こ
のように可動ルーフ4は、車室上部と車室後部を覆う使
用位置から、車室後方の収納部7へ格納可能となってい
る。次いで、収納アウタカバー15と収納インナカバー16
を再び矢印と反対の方向に作動させて、これらを閉位置
にもたらせば、第3a図に示すように収納部7の上部とそ
の前方空間の上部をそれぞれ覆うことができる。逆の操
作を行うことにより、可動ルーフ4を再び使用位置にも
たらすことができる。
可動ルーフ4を開閉作動させるとき、両カバー15,16
は可動ルーフ4の移動軌跡外の開位置に位置しているの
で、カバー15,16に邪魔されることなく可動ルーフ4を
作動させることができる。
なお、可動ルーフ4は、手動又は電動等の自動操作で
作動させることができるが、その具体的構成は既に公知
であり、しかも各種の構成が本出願人によっても提案さ
れているので、これに関する説明は省略する(例えば、
実願昭60-115223号等を参照)。
ここで、先に簡単に示したように、可動ルーフ4を収
納部7に格納し、車室上部と車室後部とを開放して自動
車を走行させたとき、空気流は車室後方から車室内に巻
き込まれることを防止するための遮蔽部材200が設けら
れている。この遮蔽部材200は、第4図及び第4a図にも
示すように、前述の収納部7と、これよりも前方の車室
領域との間を横切るように車体10の幅方向に立設された
平板部材により構成されている。本例ではリヤシート8
の後方であって、前述のインナ収納カバー16と干渉しな
い位置に遮蔽部材200が配置されており、かかる遮蔽部
材200は、次に説明するように空気流の巻き込み防止効
果を調整できるように上下に調整動可能に支持されてい
る。
すなわち、第4図に明示するように、遮蔽部材200
は、その車体幅方向の各側縁が車体10又はシート8等の
車体側に固定された一対のガイドレール201に摺動自在
に嵌合している。これらのガイドレール201は、上下方
向に直線状に延び、遮蔽部材200の車体幅方向各側縁を
上下方向に摺動自在に案内するものである。また、遮蔽
部材200の下部には、車体10の幅方向に延びるスロット2
02を有する有孔板203が固定され、このスロット202に
は、アーム204の先端部に支持されたローラ又はピン等
から成る作動部材205がスロット202の長手方向に移動可
能に嵌合している。
一方、車体10にはモータ206が固定され、その出力
は、車体10に固定されたギアボックス207内のギア(図
示せず)を介して、アーム204に伝えられ、該アーム204
を矢印T方向に駆動し、遮蔽部材200を上下に作動させ
ることができる。このように、アーム204は、その基端
部を支点として、その先端部が上下方向に揺動するよう
に、モータ206によって駆動される。また作動部材205
は、アーム204の揺動によって、スロット202に沿ってそ
の長手方向に移動しつつ、遮蔽部材200をその最上方位
置と、最下方の格納位置と、その両者の間の任意の位置
へと移動させるように、スロット202に嵌合している。
このとき遮蔽部材200は、一対のガイドレール201に案内
されて円滑に上下動し、所定の位置で停止する。モータ
206は、例えばフロントシート14の運転席近傍に付設さ
れたスイッチ(図示せず)によってオン,オフされる。
遮蔽部材200は、1枚の板材より成る平板部材、或い
はその他の適宜な形態の平板部材によって構成できる
が、この実施例では第4b図に示すように、例えばハード
ボードより成る芯材208と、これと一体に固定された鋼
板等より成る補強板209と、そのまわりに積層されたパ
ッド210と、そのまわりに積層された表皮211より成る平
板部材によって構成され、上記補強板209に前述の有孔
板203が一体に固定されている。
また第4c図に示すように遮蔽部材200の両側縁にプロ
テクタ212が固着され、これらがガイドレール201のガイ
ド溝中を摺動し、表皮211の摩耗や損傷を防止できるよ
うに構成されている。
前述のように可動ルーフ4を収納部7に格納し、車室
上部を開放して自動車を走行させるとき遮蔽部材200を
上方に突出させる。これにより前方から流れてくる空気
流Lのうち、車室の後方から巻き込まれる空気流L1を遮
断し、乗員に不快感を与えることを防止できる。その
際、空気流L,L1の流れ状況は気候等によって変化し、ま
た乗員によっては車室後部から多少、空気を導入したい
者もいる。
このような場合には、前述のスイッチを操作してモー
タ206を作動させ、アーム204を矢印T方向に回動させ
る。これによりアーム204に付設されたローラより成る
作動部材205が有孔板203のスロット202中を転動し、遮
蔽部材200が上方又は下方に移動し、最も適した整流効
果(空気流L1を遮断する効果)が得られる位置、又は好
みに合った位置に遮蔽部材200をもたらすことができ
る。
また遮蔽部材200の位置によっては、空気流に基因し
た脈動音(ウィンドスロップ)が発生する恐れもある
が、遮蔽部材200の位置を微調整することによって、こ
のような不具合の発生も阻止できる。
遮蔽部材200が不要な場合、例えば可動ルーフ4を使
用位置にもたらして車室上部と車室後部を覆った場合に
は、第4a図に実線で示すように遮蔽部材200をシート8
よりも下方の最下方位置、すなわち格納位置に下げてお
くことができ、これによって遮蔽部材200が邪魔となる
不具合を防止できる(第3図参照)。
モータ206を作動スイッチによって制御する代りに、
車速に応じて遮蔽部材200の突出量を制御するようにプ
ログラムされたコンピュータ213からの出力によってモ
ータ206を作動させ、遮蔽部材200を車速に対応した最も
適した位置にもたらすこともできる。このようにすれ
ば、乗員は全くの操作なしで、遮蔽部材200を最も適し
た位置に作動させることができる。この場合、可動ルー
フ4を格納して車室上部と車室後部を開放したときだ
け、遮蔽部材200が上下に作動するように構成すること
が望ましい。可動ルーフ4を使用位置にもたらしたとき
は、普通、遮蔽部材200は必要のないものだからであ
る。
また自動車の側部の窓214からも外気が流入してくる
ので、この窓214(第4図)を開閉するサイドウィンド
の開閉の影響による空気流の流れも考慮に入れてコンピ
ュータのプログラミングを設定すれば、フルオート式の
整流装置を構成することができる。
以上のように、図示した自動車は、遮蔽部材200と、
その下部に固定された有孔板203と、その有孔板203のス
ロット202に嵌合した作動部材203と、これを支持するア
ーム204と、遮蔽部材200を上下方向に駆動するモータ20
6と、遮蔽部材200を案内する一対のガイドレール201と
を有しているので、遮蔽部材200を、その最上方位置
と、最下方の格納位置のほかに、これらの位置の間の任
意の位置へもたらして停止させることができる。従っ
て、自動車走行時の空気流の状態や乗員の好みに合った
最適位置に遮蔽部材200をもたらしてこれを使用でき、
乗員に与える満足感を高めることができる。しかも各ガ
イドレール201は、上下方向に直線状に延びているの
で、遮蔽部材200を上下方向に作動させるだけで、これ
を所望する位置に円滑にもたらすことができ、モータ20
6によって確実に遮蔽部材200を上下方向に作動させるこ
とができる。また、遮蔽部材200は、車体の幅方向に立
設された平板部材より成り、これが上下に作動するの
で、遮蔽部材の占めるスペースを極く小さなものにする
ことができる。
また、第4図と、これに関連した先の説明から明らか
なように、遮蔽部材200の最下方の格納位置から最上方
位置へと移動するとき、アーム204は、ほぼ水平に倒れ
た姿勢から、立上った姿勢に向けて回動するように、そ
のアーム204の取付け姿勢が設定されている。すなわ
ち、遮蔽部材200をその格納位置から上昇させるとき、
アーム204は、ほぼ水平な姿勢から垂直に立上った姿勢
へ向けて回動して行くのであるが、これにより、遮蔽部
材200が格納位置から上昇を始めた初期の時期では、そ
の上昇速度は速くなり、その遮蔽部材200が中間位置、
及び最上方位置へと上昇するに従って、その上昇速度が
徐々に遅くなる。すなわち、遮蔽部材200は、これがそ
の本来の空気流規制機能をあまり発揮しない低い位置に
あるときは、高速で上昇し、所望する高さ位置まで迅速
に上昇することができる。逆に、遮蔽部材200が空気流
規制機能を発揮する高い位置に上昇するに従って、その
速度が低速となって緩やかに上昇するので、その遮蔽部
材200を、乗員の望む位置に正しくもたらしてこれを位
置決めすることができる。遮蔽部材200が、その本来の
機能を発揮し得る位置へ上昇すると、その上昇速度が緩
やかとなり、その細かな位置調整が可能となるのであ
る。
ところで、第1図乃至第3a図に示した開閉屋根装置1
においては、収納アウタカバー15の開閉動作に連動して
収納インナカバー16が開閉され、その開閉動作を楽に行
えるように構成されているので、本考案の理解のため、
以下にこれに関連して構成を説明する。
第1図乃至第3図に示すように、収納部7には、自動
車のバックドア開閉装置等に一般に用いられているダン
パステー20が設けられ、そのシリンダ21の後端がピン22
を介して車体10に枢着され、このステー20のピストンロ
ッド23の先端が収納アウタカバー15に枢着されている。
シリンダ21には、これに固着されたブラケット24を介し
て作動ロッド25の後端が枢着され、該ロッド25は車体10
の前方に向けて延びている。一方、第5図乃至第7図、
特に第5図に明示するように収納インナカバー16の下方
領域にはベース31が車体10に固着され、その上部の2つ
の孔に第1及び第2枢ピン32,33が嵌合し、これらのピ
ン32,33に前述の第1リンク40と第2リンク41の下端部
領域が車体10の前後方向、即ち矢印P,Qで示す方向にそ
れぞれ回転自在に支持されている。
収納インナカバー16は、先に説明したようにフロント
カバー116とリヤカバー216とから成り、これらはヒンジ
36によって互いに枢着されている。またフロントカバー
116は、収納インナカバー16が作動するとき、レール37
によって案内されるが、これについては後に説明する。
収納インナカバー16、図の例ではそのリヤカバー216
の下面には取付ブラケット38が固着され、このブラケッ
ト38に、第1及び第2リンク40,41の上端部領域がピン4
2,43を介して枢着されている。このように収納インナカ
バー16は、車体側と収納インナカバー側にそれぞれ各端
部領域を枢着された第1及び第2リンク40,41を介して
車体に支持され、その際、これらのリンク40,41と、収
納インナカバー16(本例ではそのリヤカバー216)と、
車体10とによって四節回転連鎖が構成されている。
上述した第1リンク40の下部には、スライドリンク34
の前端部が連結ピン51を介して枢着され、スライドリン
ク34に形成されたスロット35に、前述の作動ロッド25の
前端部に突設された突ピン52が摺動自在に嵌合してい
る。
第1枢ピン32のまわりには、ねじりコイルばねから成
るスプリング45が巻回され、このスプリング45は、その
一端がベース31に、他端が第1リンク40に係止されでい
て、第1リンク40に対して時計方向の回動習性を与えて
いる。
第5図における46,47,48,49,50は、各ピン32,33,42,4
3,51の離脱を阻止する係止リング、44はロッド25の突ピ
ン52に螺着して該ピン52がスロット35から外れることを
阻止するねじである。またベース31には、第2リンク41
が当該するストッパ70が設けられている。
以上、車体10の一方の側(第3図の手前側)に設けら
れた各要素の構成を説明したが、他方の側にも同様な各
要素が対称に配置されており、第3図にはそのうちのダ
ンパステーとこれに枢着された作動ロッドを示してあ
る。
収納アウタカバー15を開位置に向けて回動すると、ダ
ンパステー20のシリンダ21もピン22を中心として回動
し、ピストンロッド23がシリンダ21から突出する方向に
作動する。これに伴って作動ロッド25が第3図における
矢印方向に作動し、これによって第1リンク40がスライ
ドリンク34を介して引かれ、収納インナカバー16は開位
置に向けて回動する。収納アウタカバー15とインナカバ
ー16を閉じるときはその逆の動作が行われるが、これら
の作用の詳細は以下の通りである。
先ず、可動ルーフ4を第1図のように使用位置にもた
らして、車体10に装着した状態で両収納カバー15,16を
開位置から閉じる場合を明らかにする。
第6図(a)は可動ルーフ4を車体10の上部と後部に
装着した状態で、収納インナカバー16が開位置を占めて
いるときの様子を示している。このときスプリング45に
よって第1リンク40が時計方向に回動習性を与えられて
いるので、収納インナカバー16が時計方向に回動しよう
とするが、作動ロッド25が作動を停止し、しかもその突
ピン52がスライドリンク34におけるスロット35の一方の
端部(第6図(a)の右端)に圧接してスライドリンク
34も停止しているので、第1リンク40は回動せず、した
がって収納インナカバー16も第6図(a)に示した開位
置で停止している。
この状態で、それまで開位置を占めていた収納アウタ
カバー15を閉じ始めると、作動ロッド25が第6図(a)
における矢印R方向に作動し、それまで第1リンク40を
引いていた力が徐々に解除されて行く。このとき、第1
リンク40はスプリング45によって時計方向の回動習性を
与えられているので、その付勢力によりスライドリンク
34を図における左方(前方)に引きながら第1枢ピン32
のまわりが時計方向に回動する。
但し、収納アウタカバー15の閉動に従って徐々に作動
ロッド25を介しての引張力が解除されるので、第1リン
ク40は、作動ロッド25とスライドリンク34に規制されな
がら回動する。
これに伴って、第2リンク41も第2枢ピン33を中心と
して車体の後方側、即ち時計方向に回動し、四節回転連
鎖の全体が作動することになる。すなわち、収納インナ
カバー16が閉じ始めるのである。このとき、本例ではリ
ヤカバー216が四節回転連鎖の構成要素をなしているの
で、これが矢印A(第6図(a))で示した閉方向に回
動し、リヤカバー216に枢着されたフロントカバー116は
リヤカバー216に引かれながら、しかも前述のレール37
に案内されながら第6図(a)及び第6図(b)に示す
ように作動する。
第6図(c)に示す如くリヤカバー216の先端がリヤ
ルーフ3のウィンドフレーム30に付設されたストッパ56
に当ったところで両リンク40,41と収納インナカバー16
が作動を停止する。このとき、リヤカバー216は2つの
リンク40,41を介して車体に支持され、しかもこれらが
四節回転連鎖を構成しているので、リヤカバー216の先
端がストッパ56の止め面57に突き当るまで、即ち収納イ
ンナカバー16とリヤルーフ3との間の隙間が最小となる
ところまで、収納インナカバー16は、車体後方側にシフ
トして作動を停止する。よって、リヤルーフ3と収納イ
ンナカバー16との間に見苦しい大きな隙間ができること
はない。
なお、収納インナカバー16が第6図(c)に示した閉
位置に至った時点では、収納アウタカバー15は残された
角度をさらに回動し続け、最終的に第6図(c)に示し
た閉位置に達する。したがって収納インナカバー16が閉
位置に至った後も、作動ロッド25は第6図(a)に示し
た矢印R方向に作動することになるが、このとき作動ロ
ッド25の突ピン52がスライドリンク34のスロット35中を
移動するので、ロッド25の上記作動により、第1リンク
40に過大な外力が作用することはない。
第6図(c)の状態から収納アウタカバー15とインナ
カバー16を開くときは、収納アウタカバー15の開き動作
に連動して上述したところと逆の動作が行われる。即
ち、作動ロッド25が矢印S方向に引かれることにより、
スプリング45の作用に抗して第1リンク40が反時計方向
に回動し、最終的に両収納カバー15,16が開位置に至っ
て停止する。この状態で回動ルーフ4を、収納カバー1
5,16と干渉させずに収納部7に折り畳んで収納すること
ができる。
可動ルーフ4を収納部7に収めた状態で両収納カバー
15,16を閉じるときも収納インナカバー16及びリンク40,
41並びにその他の各要素の動作は、インナカバー16が第
6図(a)から同図(c)に至るまでは変りはない。可
動ルーフが第6図(a)乃至(c)に示した位置には存
在せず、第2図のように収納部7に収められている点が
相違するだけである。
上述のように可動ルーフ4は収納部7に収められてい
るので、収納インナカバー16が第6図(c)に示した位
置に至ったとき、そのリヤカバー216がストッパ56に当
たることはなく、インナカバー16はさらに回動を続け
る。そして第7図に示すように第2リンク41がベース31
のストッパ70に当ったところで両リンク40,41が停止
し、このとき収納インナカバー16と収納アウタカバー15
が丁度閉位置に至って停止する。このように、収納イン
ナカバー16の閉位置は、回動ルーフが車体に装着されて
いるとき(第6図(c))と、該ルーフが格納されてい
るとき(第7図)とで相違する。
収納インナカバー16が第6図(c)の位置から、第7
図の位置にまで作動するとき、そのリヤカバー216は2
つのリンク40,41を介して車体に支持されて四節回転連
鎖の機構に従う運動を行うので、リヤカバー216は第6
図(c)に矢印Eを示した方向、即ち車体の後方側へシ
フトする。このため、第7図のように閉位置に至った収
納インナカバー16のリヤカバー216と、収納アウタカバ
ー15との隙間dを最小にすることができる。この隙間d
を0とし、リヤカバー216と収納アウタカバー15を互い
に接触させることも可能である。このようにして両収納
カバー15,16を閉じたときの外観を向上させることがで
きる。
両収納カバー15,16を第7図の閉位置から開くとき
は、収納アウタカバー15の動きに連動して上述したとこ
ろと逆の動作が行われ、両カバー15,16が第6図(a)
の開位置にもたらされる。
なお、収納インナカバー16の前方には、リヤシート8
が位置しているが、リヤシートの代りにルームパーティ
ション(第9図参照)等が位置することもある。このよ
うに収納インナカバー16の前方にリヤシート8やルーム
パーティション等の部材がある場合、その全体的な外観
を向上させるには、特に収納インナカバー16が閉位置に
存するときに、該カバー16と上記部材との間の隙間をで
きるだけ小さくすることが望ましい。これが、収納イン
ナカバー16を前述の如く前方側のフロントカバー116と
後方側のリヤカバーに分割し、これらをヒンジ36を介し
て互いに枢着すると共に、フロントカバー116を案内す
るレール37を設けた理由であり、この点についても以下
に説明しておく。
第5図乃至第7図において、フロントカバー116の前
端部にはピン60が突設され、これにローラ62が回転自在
に嵌合し、該ローラ62は前述のレール37のスロット61に
転動自在に嵌合している。リヤカバー216の他側にもピ
ンとローラが付設され、これが他側のレールのスロット
に嵌合していることは当然である。レール37に穿設され
たスロット61は、その上端から下端に向けて、ほぼ車体
の後方側に傾斜している。
収納インナカバー16が第6図(c)又は第7図に示し
た閉位置から開き動作を行うとき、フロントカバー116
は、その先端のローラ62がスロット61によって案内され
る。このとき、スロット61が上述のように形成されてい
るため、第6図(b)から判るようにフロントカバー11
6の先端は、これがリヤシート8に干渉することを回避
する向き、即ち車体の後方へ向く側に、リヤカバー216
に対して曲折する。収納インナカバー16を開位置から閉
じるときも同様である。このため、リヤシート8(又は
ルームパーティション等)を収納インナカバー16に近づ
けた位置に配置しても、該シート8と収納インナカバー
16が干渉することはない。即ち、リヤシート8と収納イ
ンナカバー16を互いに近接させて配置できるのである。
このため収納インナカバー16を第6図(c)又は第7図
のように閉位置にもたらしたとき、該カバー16とリヤシ
ート8の間の隙間を小さくすることができ、その外観を
高めることができる。
第1図乃至第7図に示した実施例では収納アイタカバ
ー15側と収納インナカバー16側を作動ロッド25により連
結したが、これらをワイヤによって連結することもでき
る。より具体的に言えば、ダンパステー20のシリンダ21
にワイヤの一端を係止し、このワイヤの他端を第1リン
ク40に直に係止するのである。スライドリンク34や突ピ
ン52を設けなくともよい。これは、ワイヤは可撓性を有
しているので、収納インナ及びアウタカバー16,15が前
述のように閉位置に至るときに突ピン52がスライドリン
グ34に対してスライドしたのと同じ機能が、ワイヤだけ
で得られるからである。
上記構成例では、収納インナカバー16を2つのカバー
116,216に分けたが、これを一体に構成してもよいし、
一体の収納インナカバーを単にピンによって回動可能に
支持してもよく、これらの場合にも本考案を支障なく適
用できる。
また第8図及び第9図に示すように、可動ルーフ4を
収納部7に納めたとき、これを覆うカバー16が可撓性を
有する布等から成るとき、或いはリヤシートが設けられ
ておらず、その代りにルームパーティション220が設け
られているときも同様に適用可能である。
さらに本考案は、リヤルーフが可撓性シートから成る可
動ルーフ、あるいは全体が可撓性シートから成る可動ル
ーフ等の各種形式の可動ルーフを有する装置にも適用で
きることは当然であり、また可動ルーフが、少なくとも
自動車のフロントウィンドウ部226(第1図)を残して
格納される形式の自動車に対して広く適用できるもので
ある。
〔考案の効果〕
本考案に係る自動車によれば、遮蔽部材の車体幅方向
各側縁を上下方向に摺動自在に案内する一対のガイドレ
ールと、遮蔽部材を上下方向に駆動するモータを有して
いるので、遮蔽部材を、その最上方位置と、最下方の格
納位置のほかに、これらの位置の間の任意の位置へもた
らして停止させることができる。従って、自動車走行時
の空気流の状態や乗員の好みに合った最適位置に遮蔽部
材をもたらしてこれを使用でき、乗員に与える満足感を
従来よりも一段と高めることができる。しかも各ガイド
レールは、上下方向に直線状に延びているので、遮蔽部
材を上下方向に作動させるだけで、これを所望する位置
に円滑にもたらすことができ、モータによって遮蔽部材
を確実に上下方向に作動させることができる。遮蔽部材
は、車体の幅方向に立設された平板部材より成り、これ
が上下に作動するので、遮蔽部材の占めるスペースを極
く小さなものにすることができる。
さらに、遮蔽部材の下部に固定された有孔板に車体の
幅方向に延びるスロットが形成されていると共に、基端
部を支点として先端部が上下方向に揺動するようにモー
タによって駆動されるアームが設けられ、そのアームの
先端部に支持された作動部材が有孔板のスロットにその
長手方向に移動可能に嵌合し、アームの揺動によって、
その作動部材がスロットに沿ってその長手方向に移動
し、遮蔽部材をその最上方位置と最下方の格納位置とそ
の両位置の間の任意の位置に移動させるように構成さ
れ、しかも遮蔽部材が最下方の格納位置から最上方位置
へ移動するとき、アームはほぼ水平に倒れた姿勢から、
立上った姿勢に向けて回動するので、遮蔽部材が格納位
置から上昇を始めた初期の時期では、その上昇速度は速
くなり、その遮蔽部材が中間位置、及び最上方位置へと
上昇するに従って、その上昇速度が徐々に遅くなる。こ
れにより、遮蔽部材は、これがその本来の空気流規制機
能をあまり発揮しない低い位置にあるときは、高速で作
動し、所望する高さ位置まで迅速に上昇することができ
る。逆に、遮蔽部材が空気流規制機能を発揮する高い位
置に上昇するに従って、その上昇速度が低速となって緩
やかに上昇するので、その遮蔽部材を、乗員の望む位置
に正しくもたらしてこれを位置決めすることができる。
遮蔽部材が、その本来の機能を発揮し得る位置へ上昇す
ると、その上昇速度が緩やかとなり、その細かな位置調
整が可能となるのである。
【図面の簡単な説明】 第1図及び第2図は可動ルーフ、収納アウタカバー、収
納インナカバーの作動状態を説明する部分断面説明図、
第3図は可動ルーフが使用位置を占め、かつ収納インナ
カバーと収納アウタカバーが閉位置を占めたときの自動
車の部分破断外観斜視図、第3a図は可動ルーフを格納し
たときの斜視図、第4図は遮蔽部材とこれを駆動する装
置を示す斜視図、第4a図はその側面図、第4b図は遮蔽部
材の断面図、第4c図は遮蔽部材とガイドレールの関係を
示す斜視図、第5図は収納インナカバーの支持装置並び
にこれに関連する構成の一例を示す分解斜視図、第6図
(a),(b),(c)及び第7図は第5図に示した装
置の動作を説明する説明図、第8図はリヤシートを設け
ない場合の、車室内の概略を示した部分断面図、第9図
はその斜視図である。 4……可動ルーフ、7……収納部 10……車体、200……遮蔽部材 201……ガイドレール、202……スロット 203……有孔板、204……ア−ム 205……作動部材、206……モータ L1……空気流
フロントページの続き (72)考案者 野呂 譲三 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 実開 昭63−119120(JP,U) 実開 昭63−121130(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車室上部と車室後部とを覆う使用位置か
    ら、車室後方の収納部へ格納可能な可動ルーフと、該可
    動ルーフを収納部に格納し、車室上部と車室後部とを開
    放して自動車を走行させたとき、空気流が車室後方から
    車室内に巻き込まれることを防止するための遮蔽部材と
    を有する自動車において、 前記遮蔽部材を、前記収納部と、これよりも前方の車室
    領域との間を横切るように車体の幅方向に立設した平板
    部材により構成し、上下方向に直線状に延び、かつ車体
    側に固定されていて、前記遮蔽部材の車体幅方向各側縁
    を上下方向に摺動自在に案内する一対のガイドレール
    と、前記遮蔽部材の下部に固定されていて、車体の幅方
    向に延びるスロットを有する有孔板と、車体に固定され
    たモータと、基端部を支点として先端部が上下方向に揺
    動するように、前記モータによって駆動されるアーム
    と、該アームの先端に支持され、かつ当該アームの揺動
    によって、前記スロットに沿ってその長手方向に移動し
    つつ、前記遮蔽部材をその最上方位置と最下方の格納位
    置とその両位置の間の任意の位置へ移動させるように、
    当該スロットに嵌合した作動部材とを具備し、前記遮蔽
    部材が最下方の格納位置から最上方位置へと移動すると
    き、前記アームはほぼ水平に倒れた姿勢から、立上った
    姿勢に向けて回動するように、当該アームの取付け姿勢
    が設定されていることを特徴とする自動車。
JP1988162459U 1988-12-16 1988-12-16 自動車 Expired - Lifetime JP2527327Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1988162459U JP2527327Y2 (ja) 1988-12-16 1988-12-16 自動車

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1988162459U JP2527327Y2 (ja) 1988-12-16 1988-12-16 自動車

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0283122U JPH0283122U (ja) 1990-06-27
JP2527327Y2 true JP2527327Y2 (ja) 1997-02-26

Family

ID=31446306

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1988162459U Expired - Lifetime JP2527327Y2 (ja) 1988-12-16 1988-12-16 自動車

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2527327Y2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5841618U (ja) * 1981-09-17 1983-03-18 ダイキヨ−・ベバスト株式会社 車輌用天井窓の風そらせ板支持装置
JPS5889419A (ja) * 1981-11-24 1983-05-27 Mazda Motor Corp 自動車のル−フ開口装置
JPS60186236U (ja) * 1984-05-22 1985-12-10 トヨタ自動車株式会社 サンル−フのエアデフレクタ
JPH044894Y2 (ja) * 1987-01-28 1992-02-13

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0283122U (ja) 1990-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0771971B1 (en) Pivoting gear damper
US5435406A (en) Vehicle hood mounting arrangement
US4081194A (en) Wind deflector arrangement on a motor vehicle roof
JP2004515399A (ja) 車両ドアのアームレストの高さを設定するための調節機構
EP0382187B1 (en) A slidable roof device for a motor vehicle
JPH06104418B2 (ja) 自動車のキャンバストップ
JP2001180279A (ja) サンシェード装置
JP4156729B2 (ja) 車両用オープンルーフ構造
JP2527327Y2 (ja) 自動車
JP4532616B2 (ja) ウインドデフレクタ
JP2823197B2 (ja) 幌式サンルーフ装置
JP3666711B2 (ja) 自動車のウィンドレギュレータ
JPH0858367A (ja) 自動車のサンシェード
JP3209027B2 (ja) リッド開閉装置
US5080429A (en) Slidable roof device for a motor vehicle
JPH0629071Y2 (ja) 自動車の開閉屋根装置
JPH0647336B2 (ja) 自動車の開閉屋根装置
JPH0628339Y2 (ja) 自動車の開閉屋根装置
JP3667799B2 (ja) ルーフパネルアッセンブリ
US6412858B2 (en) Motor vehicle roof with ventilator means
JPS5816891Y2 (ja) 自動車用サンル−フ装置
JPH04297323A (ja) 車両の開閉ル−フ構造
KR100527139B1 (ko) 자동차용 디플렉터의 지지구조
JPH0628340Y2 (ja) 自動車の開閉屋根装置
JP2597087Y2 (ja) 車両用サンルーフ装置のディフレクタ取付構造