JP2527135Y2 - 自転車用チエンケース取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、自転車用チエンケース
の後部を、自転車の車体に取り付けるための取付装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、一般に使用されている自転車のチ
エンは、チエンケースにてカバーされるのが普通である
が、チエンの上・下側走行帯をカバーする全面ケースを
使用するか、或いは、後端が後車輪のフリーホイルにま
で達しない、チエンの上側走行帯のみをカバーする半ケ
ース形チエンケース（いわゆるピストル形チエンケー
ス）が採用される場合がある。

【０００３】この後者の場合、フリーホイルの一部の小
ギヤーまでカバーできれば都合がよく、この目的のた
め、全面ケース用の取付金具を用意するか、或いは実開
昭５３−８８９５６号公報のように、後部に別体の副ケ
ースを設ける方法等がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】図６は、従来の半ケー
ス形チエンケースを取付けた自転車の側面図であり、図
７はその主要部の斜視図である。ここに示すように、チ
エンの上側走行帯のみをカバーする半ケース形チエンケ
ース１の取付けは、その後端をバックホーク２に突き当
て、バンド３とねじ４とをもって固定する方法が採用さ
れていた。このため、ケース１自体をその後方にまで延
長することができず、従って、フリーホイル５の一部の
小ギヤー６までカバーするためには、前記したように、
主面ケース用の取付金具、或いは副ケースを別に取付け
ることとなるのである。これらの場合、ケースとは別体
の部品が取付けられることとなるので、部品点数が多く
なり、構造が複雑になるばかりでなく、製造コストがか
さみ、組立作業も容易でないという欠点があった。

【０００５】図中、符号７はチエン引き座金（船）であ
り、これはチエンステー８の後先端に備えられた後爪９
に取り付けられるもので、１０はチエン引きボルト、１
１はチエン引きナツト、１２は後車輪ハブ軸を示す。

【０００６】本考案は、以上の従来技術の欠点を改良
し、半ケース形チエンケースを採用する自転車におい
て、フリーホイルの一部の小ギヤーまで一体的にカバー
してしまう、自転車用チエンケース取付装置を提供する
ことをその目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案は、以上の目的を
達成するために次の構成を採用したものである。即ち、
本考案の要旨は、自転車の後車輪を支持する後爪２４の
先端に固定されるチエン引き座金２１の一部を上方に延
長して取付け片２５を形成し、この取付け片２５にねじ
孔２６を形成し、半ケース型チエンケース３３の後方を
延長してフリーホイールの小ギヤの一部をカバーするよ
うに円弧部３４を形成すると共に、この円弧部３４の側
面に水平方向に長孔３５を形成し、前記取付け片２５に
形成したねじ孔２６と前記長孔３５を重ね合わせてねじ
止めしたことを特徴とする自転車用チエンケース取付装
置にかかるものである。

【０００８】ここで、チエン引き座金は、実走行等によ
るチエンのたわみ量の調整が必要となったときの調整金
具であり、これにチエン引きボルト及びチエン引きナツ
トが組み合され、一般に自転車の後輪を支持する後爪の
先端に固定される。

【０００９】そして、当該延長部に穿孔された取付け用
孔は、その水平方向に長孔とするのがよく、これはチエ
ンのたわみ量の調整が行われた際に、取付片との関係を
維持するためのものである。

【００１０】

【作用】本考案は、半ケース形チエンケースの取付け
を、チエン引き座金の一部を延長して設けた取付片にね
じ止めしたものであり、このため、チエンケース後端を
バックホークで留まらせることなく後方まで延長し、フ
リーホイルの小ギヤーの一部をカバーすることができる
こととなったものであって、部品点数を少なくし、構造
が簡単でありながら、取付け作業が容易となるものであ
る。

【００１１】

【実施例】以下、図面について本考案の一実施例を説明
する。図１〜図３は本考案のチエン引き座金２１であっ
て、夫々正面図、側面図、上面図を示す。符号、２２、
２３は後爪２４をはさむ対向片であり、２５は半ケース
形チエンケースを取り付けるため、一辺２２よりのびた
取付片である。そして、この取付片２５にはねじ孔２６
が穿設されている。図中、符号２７はチエン引きボルト
の挿入孔である。

【００１２】図４は図１に示したチエン引き座金及び半
ケース形チエンケースを装着した自転車の要部斜視図で
あり、図５は図４の分解斜視図である。即ち、チエン引
き座金２１は、チエン引きボルト孔２７に挿入されたチ
エン引きボルト２８及びこれに螺合するチエン引きナッ
ト２９によってチエンステー３０の後端部に位置する後
爪２４に装着される。尚、チエン引きボルト２８の先端
には、後車輪ハブ軸が挿通する遊孔３２が形成されてい
る。

【００１３】そして、半ケース形チエンケース３３は、
その後部が小ギヤ（図示せず）を覆うに足る下向きの円
弧部３４となし、その円弧部３４の側面に穿孔された水
平方向に長径の長孔３５が穿設されている。

【００１４】本実施例においては、特に図４及び５に示
すようにチエン引き座金２１のうち、内側の対向片２２
にこの上方を延長した取付片２５を備え、ここに形成し
たねじ孔２６と、前記半ケース形チエンケース３３の長
孔３５とを重ね合わせてねじ３６にて螺着されるもので
ある。

【００１５】

【考案の効果】本考案は、半ケース形チエンケースの取
付けを、チエン引き金具の一部を延長して設けた取付片
にねじ止めしたものであり、このため、チエンケース後
端をバックホークで留まらせることなく後方まで延長す
ることができ、フリーホイルの小ギヤーの一部をかかる
チエンケース単体でカバーすることができることとなっ
たものであって、部品点数を少なくし、構造が簡単であ
りながら、取付け作業が容易となるものである。又、取
付けも一カ所のねじ止めですみ、取付け強度も従来のバ
ンドとねじ止めに比べ十分強固にできるという優れた効
果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本考案に使用するチエン引き金具の正面
図である。

【図２】図２は図１のチエン引き金具の側面図である。

【図３】図３は図１のチエン引き金具の上面図である。

【図４】図４は図１に示したチエン引き金具を装着した
要部斜視図である。

【図５】図５は図４の分解斜視図である。

【図６】図６は従来の半ケース形チエンケースを取り付
けた自転車の側面図である。

【図７】図７は図６の要部の斜視図である。

【符号の説明】

２１‥‥チエン引き座金、２２、２３‥‥対向片、２４
‥‥後爪、２５‥‥取付片、２６‥‥ねじ孔、２７‥‥
チエン引きボルトの挿入孔、２８‥‥チエン引きボル
ト、２９‥‥チエン引きナット、３０‥‥チエンステ
ー、３１‥‥後車輪ハブ軸、３２‥‥遊孔、３３‥‥半
ケース形チエンケース、３４‥‥円弧部、３５‥‥長
孔、３６‥‥ねじ。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自転車の後車輪を支持する後爪２４の先
   端に固定されるチエン引き座金２１の一部を上方に延長
   して取付け片２５を形成し、この取り付け２５にねじ孔
   ２６を形成し、半ケース型チエンケース３３の後方を延
   長してフリーホイールの小ギヤの一部をカバーするよう
   に円弧部３４を形成すると共に、この円弧部３４の側面
   に水平方向に長孔３５を形成し、前記取付け片２５に形
   成したねじ孔２６と前記長孔３５を重ね合わせてねじ止
   めしたことを特徴とする自転車用チエンケース取付装
   置。