JP2527082B2 - 深海釣り用釣糸 - Google Patents
深海釣り用釣糸Info
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- Artificial Filaments (AREA)
- Braiding, Manufacturing Of Bobbin-Net Or Lace, And Manufacturing Of Nets By Knotting (AREA)
Description
のである。
エステル繊維およびフッ化ビニリデン繊維等の合成繊維
フィラメント多数本からなる合撚糸または組紐が主に使
用されていたが、これらの合成繊維製釣糸は、引張強
度、結節強度および引掛け強度が小さく、引張伸度が大
きいなど、強度特性が不十分であり、これを満足させる
ためにその太さを大きくすると、リールへの巻取り量が
増大し、大型のリールを使用しないと目的とする深さま
で釣糸を延ばすことができなくなり、また釣糸を太くす
ることにより釣糸としてのしなやかさ(柔軟性)が失わ
れて釣糸に巻き癖が付き易く、潮流の影響を受け易くな
り、かつ重くなるなど、深海釣り用釣糸として不都合な
点が多かった。また、上記従来の釣糸は、引張伸度が大
きく、耐衝撃性に乏しく、魚信と呼ばれる魚の当たりの
伝播性が不十分であった。そして特に、ナイロン製の釣
糸は、吸水性が大きいため、使用により吸水して強度特
性が大幅に低下し、またポリエステル製の釣糸は耐衝撃
性が著しく不足するという欠点があった。そこで、最近
では引張強度に優れたアラミド繊維製の釣糸が使用され
るようになってきた。
従来のナイロン製およびポリエステル製等に比べて著し
く優れていて結節強度および引掛け強度が上記のナイロ
ン製等と同程度である反面、耐磨耗性が極端に低く、ま
た耐海水性および耐紫外線劣化性等を含む耐候性に劣
り、吸水性が大きくて吸水により強度特性が低下すると
共に、上記繊維が剛直な繊維であるため、しなやかさ
(柔軟性)に欠けて巻き癖が付き易く、さらに比重が大
きく1.4以上であるため扱い難く、また繊維が釣糸とし
て不適当な黄色を帯びており、棚と呼ばれる魚層を知る
ための着色が困難であるなど多くの問題があった。
て高い機械的特性を有し、使用環境における経時的劣化
が少なく、かつしなやかさを備えた深海釣り用釣糸を提
供するものである。
しくは150万以上の高分子量ポリエチレンからなる引張
破断強力15g/d以上、好ましくは20g/d以上、結節強力10
g/d以上、好ましくは15g/d以上、引張弾性率250g/d以
上、好ましくは350〜1000g/d、引張伸び率8%以下、比
重1.0以下のマルチフィラメント糸複数本を使用して組
紐に形成され、そのブレード角が15〜20度であり、上記
マルチフィラメント糸に表面処理剤が付与されているこ
とを特徴とする。
ィラメント糸は、例えば特開昭55−5228号公報、特開昭
55−107506号公報および特開昭59−130313号公報等に開
示された方法によって製造することができ、従来の合成
繊維に比べて高い引張強度と弾性率を備えており、この
マルチフィラメント糸を用いて三つ打ち、四つ打ち、六
つ打ち、八つ打ち、バラ打ち等の組紐を編組することに
より、この発明の釣糸が製造される。この場合、上記組
紐のブレード角は、15〜20度に設定される。
繊度は、50〜2000デニールが好ましく、この高分子量ポ
リエチレンマルチフィラメント糸の複数本を編組するこ
とにより、数百ないし数千デニールの釣糸に形成され
る。
係数0.5以下の撚糸および熱セットを施すことができ
る。そして、このマルチフィラメント糸には、耐摩耗性
向上および比重調整のための処理剤が付与される。処理
剤としては、アミノ変性シリコン、フッ素変成シリコ
ン、フッ素ポリマーエマルジョン、テフロンエマルジョ
ン等のテフロン系またはシリコン系の表面処理剤が好ま
しい。この場合、上記表面処理剤の付与量(固形分付着
量)は、2.0〜10.0重量%が好ましく、これにより上記
マルチフィラメント糸の比重が好ましくは1.0近傍に調
整され、かつ繊維表面の摩擦係数を下げて耐摩耗特性を
改善し、耐屈曲摩耗性が好ましくは糸評価において1.5
倍以上に増大される。なお、上記の耐屈曲摩耗性は、左
右の折曲げ角度135±5度、速度175回/分、荷重0.4g/d
にて測定される。
繊度が数百ないし数千デニール、引張破断強力が15g/d
以上、結節強力が10g/d以上、引っ掛け強力が10g/d以
上、引張弾性率が250g/d以上、引張伸度が8%以下とい
う優れた機械的特性を有しており、しかも比重が1.0近
傍と小さく、ブレード角が15〜20度の組紐に形成されて
いてしなやかであるため、深海釣り用釣糸として極めて
優れた性能を発揮し、しかも軽くて取扱いが容易であ
る。ただし、マルチフィラメント糸の引張強度が15g/d
に満たない場合は、釣り糸に必要な強力を得るために繊
度を大きくする必要が生じ、リールに巻くことができる
釣り糸の長さが短くなるため、目的とする深さまで釣糸
を延長することができず、また上記マルチフィラメント
糸の結節強力が10g/d未満の場合は、結び目等で切断し
易く、また引張弾性率が250g/d未満では耐衝撃性に劣
り、魚信と呼ばれる当たりの伝播性を得難く、また引張
伸度が8%を超えた場合は上記と同様に魚信を得難く、
釣り果が大幅に減少する。
ント糸に前記のテフロン系またはシリコン系の表面処理
剤を付与することにより、耐屈曲摩耗性が向上する。た
だし、その付与量が1%未満では効果がなく、反対に10
%を超えると性能の向上がほとんど無くなって釣り糸と
しての重量が過大になる。また、編組の際のブレード角
を15〜20度に設定することにより、強力と摩擦特性とが
バランスし、形態安定性に優れた釣糸となる。ただし、
ブレード角が15度未満では強力が向上する反面、形態安
定性が低下し、反対に20%を超えると強力低下が過大に
なる。
(ダイニーマ社製、商品名「Dyneema SK−60」、分子量
200万、繊度150デニール)を用意し、八つ打ちの組紐
(ブレード角19度、合計繊度1200デニール)を編組して
例1の深海釣り用釣糸を製造し、下記第1表の特性を得
た。
ィラメント糸に処理剤としてアミノ変性シリコン(日華
化学社製、ニッカシリコンH−15)、フッ素変性シリコ
ン(信越化学社製、FL−100)、フッ素ポリマーエマル
ジョン(旭硝子社製、アサヒガードAC−710)およびテ
フロンエマルジョン(Dupont社製、テフロンFC−807)
をそれぞれ付与し、例1と同様の八つ打ちの組紐からな
る例2〜5の深海釣り用釣糸を製造し、その耐屈曲摩耗
性を比較した。その結果を下記第2表に示す。ただし、
表中のECはEmulsion Concentrationを、また着量は糸重
量に対する処理剤の重量を示し、屈曲磨耗は0.4g/dの荷
重を吊るした試料を左右に135±5度ずつ、175回/分の
速度で屈曲して切断するまでの屈曲回数を測定した。
角を種々に変えて機械的特性を比較した。その結果を下
記第3表に示す。表中、曲げ切断回数は前記の屈曲磨耗
と同じ方法により、また摩擦切断回数は摩擦速度100回
/分、摩擦角度100度、摩擦子(硬質鋼)の直径0.9mm、
往復距離2.5cmによりそれぞれ測定した。
特性および形態保持性のすべてが良好であるが、ブレー
ド角が小さい比較例AおよびBは、強度特性が優れてい
る反面、形態保持性が劣っていた。また、ブレード角の
過大な比較例DおよびEは形態保持性が良好である反
面、強度特性が劣っていた。
ステル繊維およびナイロン繊維を使用して上記第3表の
番号Cの釣糸と同じ構造の釣糸F、GおよびHを製造
し、その機械的特性を比較した。その結果を下記第4表
に示す。ただし、Dyは高分子量ポリエチレン繊維を、Ke
vはアラミド繊維を、Esはポリエステル繊維を、またNy
はナイロン繊維をそれぞれ示す。
は、優れた機械的特性を有している。これに対して、ア
ラミド繊維からなる比較例Fは、曲げ切断回数および摩
擦切断回数が著しく劣り、ポリエステル繊維製の比較例
Gおよびナイロン製の比較例Hは、双方共とも強度特性
が著しく劣っていた。
ント糸からなるブレード角15〜20度の組紐製の深海釣り
用釣糸であるから、機械的特性に優れ、しなやかであっ
て、しかも形態保持性に優れ、また比重が小さく、経時
的劣化が少なく、そのため同じ巻量のリールに長い釣糸
を巻くことができ、取扱いが容易で深海釣り用として極
めて好適である。
Claims (1)
- 【請求項1】分子量50万以上の高分子量ポリエチレンか
らなる破断強力15g/d以上、結節強力10g/d以上、引張弾
性率250g/d以上、引張伸び率8%以下、比重1.0以下の
マルチフィラメント糸複数本を使用して組紐に形成さ
れ、そのブレード角が15〜20度であり、上記マルチフィ
ラメント糸に表面処理剤が付与されていることを特徴と
する深海釣り用釣糸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2188634A JP2527082B2 (ja) | 1990-07-17 | 1990-07-17 | 深海釣り用釣糸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2188634A JP2527082B2 (ja) | 1990-07-17 | 1990-07-17 | 深海釣り用釣糸 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0475549A JPH0475549A (ja) | 1992-03-10 |
JP2527082B2 true JP2527082B2 (ja) | 1996-08-21 |
Family
ID=16227137
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2188634A Expired - Lifetime JP2527082B2 (ja) | 1990-07-17 | 1990-07-17 | 深海釣り用釣糸 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2527082B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ES2603408T3 (es) * | 2005-12-02 | 2017-02-27 | Dsm Ip Assets B.V. | Cuerda que contiene fibras de polietileno de alto rendimiento |
CN104862793A (zh) * | 2015-05-18 | 2015-08-26 | 中国水产科学研究院东海水产研究所 | 一种捻线用纤维生产方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6278278A (ja) * | 1985-10-01 | 1987-04-10 | 呉羽合繊株式会社 | 耐摩耗性を有する合成繊維から成る釣糸 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6413936A (en) * | 1987-07-07 | 1989-01-18 | Toray Industries | Fishing line |
-
1990
- 1990-07-17 JP JP2188634A patent/JP2527082B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6278278A (ja) * | 1985-10-01 | 1987-04-10 | 呉羽合繊株式会社 | 耐摩耗性を有する合成繊維から成る釣糸 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0475549A (ja) | 1992-03-10 |
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