JP2526231B2 - 塗装方法 - Google Patents
塗装方法Info
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- JP2526231B2 JP2526231B2 JP62027395A JP2739587A JP2526231B2 JP 2526231 B2 JP2526231 B2 JP 2526231B2 JP 62027395 A JP62027395 A JP 62027395A JP 2739587 A JP2739587 A JP 2739587A JP 2526231 B2 JP2526231 B2 JP 2526231B2
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- JP
- Japan
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- coating
- paint
- coated
- thickness
- smoothness
- Prior art date
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- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、塗装方法に関するものである。
(従来技術およびその問題点) 被塗物例えば自動車ボディの外表面を塗装する場合、
被塗物に塗料を塗布する工程と、塗布された塗料を乾燥
させる乾燥工程とを有する。この乾燥工程は、一般に、
セッティング工程と焼付工程との2段階で行なわれ、セ
ッティング工程は、焼付工程の前において、この焼付工
程よりも低い温度、例えば常温あるいは仮焼付けとも呼
ばれるように40゜〜60℃の温度雰囲気で行われる(焼付
工程での焼付温度は通常140℃前後)。
被塗物に塗料を塗布する工程と、塗布された塗料を乾燥
させる乾燥工程とを有する。この乾燥工程は、一般に、
セッティング工程と焼付工程との2段階で行なわれ、セ
ッティング工程は、焼付工程の前において、この焼付工
程よりも低い温度、例えば常温あるいは仮焼付けとも呼
ばれるように40゜〜60℃の温度雰囲気で行われる(焼付
工程での焼付温度は通常140℃前後)。
ところで、塗装面の品質を評価する1つの基準とし
て、平滑度(平坦度)があり、この平滑度が大きい程塗
装面の凹凸の度合が小さくて、良好な塗装面となる。こ
の塗装面の平滑度を向上させるには、塗膜の厚さ、すな
わち塗布された塗料の膜厚を大きくすればよいことが既
に知られている。
て、平滑度(平坦度)があり、この平滑度が大きい程塗
装面の凹凸の度合が小さくて、良好な塗装面となる。こ
の塗装面の平滑度を向上させるには、塗膜の厚さ、すな
わち塗布された塗料の膜厚を大きくすればよいことが既
に知られている。
一方、塗装面の品質を阻害するものとして、塗料の
“ダレ”がある。このダレは、重力を受けることによっ
て塗布された塗料が下方に流動することにより生じ、1
回に塗布する塗料の膜厚が大きい程“ダレ”を生じ易く
なる、この“ダレ”の原因は、つまるところ重力の影響
であるため、被塗物のうち上下方向に伸びる面すなわち
いわゆる縦面において生じ易いものとなる。
“ダレ”がある。このダレは、重力を受けることによっ
て塗布された塗料が下方に流動することにより生じ、1
回に塗布する塗料の膜厚が大きい程“ダレ”を生じ易く
なる、この“ダレ”の原因は、つまるところ重力の影響
であるため、被塗物のうち上下方向に伸びる面すなわち
いわゆる縦面において生じ易いものとなる。
したがって、塗料の“ダレ”がさ程問題とならない被
塗物の水平方向に伸びる面すなわちいわゆる横面は、塗
布する塗料の厚さを縦面よりも大きくすることが可能で
ある。また、横面に対する塗膜の厚さと縦面に対する塗
膜の厚さをたとえ同じにしても、横面ではダレには至ら
ない程度の塗料の若干の流動によって凹凸が小さくな
り、縦面における平滑度よりも良好な平滑度が得られる
ことになる。
塗物の水平方向に伸びる面すなわちいわゆる横面は、塗
布する塗料の厚さを縦面よりも大きくすることが可能で
ある。また、横面に対する塗膜の厚さと縦面に対する塗
膜の厚さをたとえ同じにしても、横面ではダレには至ら
ない程度の塗料の若干の流動によって凹凸が小さくな
り、縦面における平滑度よりも良好な平滑度が得られる
ことになる。
上述のような観点から、従来は、の塗料の“ダレ”を
防止しつつ極力平滑度の大きい塗装面を得るため、極力
流動性の小さい(粘性の小さい)塗料を用いて塗装を行
なうようにしていた。そして、縦面において塗料の“ダ
レ”が生じるいわゆる“ダレ限界”は、従来の塗料では
塗膜の厚さで40μm程度が最大であった。より具体的に
は、塗料の“ダレ”は、セッティング工程初期と焼付工
程初期、特に焼付工程で生じ易く、この時期に“ダレ”
が生じないように、塗装工程で塗布される塗料の厚さが
決定され、この決定された厚さの最大値すなわちダレ限
界値が40μm程度となる。したがって、絶対的により一
層平滑度の大きい塗装面を得ようとすれば、従来の塗装
方法では、例えば2回塗り等、塗装工程から焼付工程に
至るまでの一連の工程を複数回繰り返して行なう必要が
あった。
防止しつつ極力平滑度の大きい塗装面を得るため、極力
流動性の小さい(粘性の小さい)塗料を用いて塗装を行
なうようにしていた。そして、縦面において塗料の“ダ
レ”が生じるいわゆる“ダレ限界”は、従来の塗料では
塗膜の厚さで40μm程度が最大であった。より具体的に
は、塗料の“ダレ”は、セッティング工程初期と焼付工
程初期、特に焼付工程で生じ易く、この時期に“ダレ”
が生じないように、塗装工程で塗布される塗料の厚さが
決定され、この決定された厚さの最大値すなわちダレ限
界値が40μm程度となる。したがって、絶対的により一
層平滑度の大きい塗装面を得ようとすれば、従来の塗装
方法では、例えば2回塗り等、塗装工程から焼付工程に
至るまでの一連の工程を複数回繰り返して行なう必要が
あった。
本発明は、以上のような事情を勘案してなされたもの
で、同じ塗膜の厚さであれば、より一層平滑度の大きい
塗装面が得られるようにした塗装方法を提供することを
目的とする。
で、同じ塗膜の厚さであれば、より一層平滑度の大きい
塗装面が得られるようにした塗装方法を提供することを
目的とする。
(問題点を解決するための手段、作用) 本発明は、基本的には、被塗物に塗布された塗料に対
して作用する重力の方向を適宜変更することにより、塗
料の流動性というものを積極的に活かして、同じ塗膜の
厚さであればより平滑度の大きい塗装面を得るようにし
てある。具体的には、次のような構成としてある。すな
わち、 被塗物の表面に塗料を塗布する方法において、 被塗物は、略水平方向軸の回りに回転可能に指示され
て搬送されるものであって、 被塗物表面に、通常の上下方向に伸びる面では塗料ダ
レが生じる以上の膜厚に塗料を塗布する塗装工程と、 被塗物表面に塗布された塗料を硬化させる乾燥工程
と、 を備え、前記乾燥工程では、被塗物表面に塗布した塗料
の塗料ダレが重力により生じる前に被塗物の搬送方向と
直交する方向の略水平軸回りに回転作動させ始め、かつ
この場合の回転は少なくとも塗布した塗料の塗料ダレが
重力により生じる以前に被塗物表面が略垂直状態から略
水平状態に移行するような速度で、かつ回転による遠心
力により塗料ダレが生じる速度より遅い速度で回転作動
させる、ような構成としてある。
して作用する重力の方向を適宜変更することにより、塗
料の流動性というものを積極的に活かして、同じ塗膜の
厚さであればより平滑度の大きい塗装面を得るようにし
てある。具体的には、次のような構成としてある。すな
わち、 被塗物の表面に塗料を塗布する方法において、 被塗物は、略水平方向軸の回りに回転可能に指示され
て搬送されるものであって、 被塗物表面に、通常の上下方向に伸びる面では塗料ダ
レが生じる以上の膜厚に塗料を塗布する塗装工程と、 被塗物表面に塗布された塗料を硬化させる乾燥工程
と、 を備え、前記乾燥工程では、被塗物表面に塗布した塗料
の塗料ダレが重力により生じる前に被塗物の搬送方向と
直交する方向の略水平軸回りに回転作動させ始め、かつ
この場合の回転は少なくとも塗布した塗料の塗料ダレが
重力により生じる以前に被塗物表面が略垂直状態から略
水平状態に移行するような速度で、かつ回転による遠心
力により塗料ダレが生じる速度より遅い速度で回転作動
させる、ような構成としてある。
このように本発明では、被塗物に塗布された塗料に対
して作用する重力の方向が、被塗物を水平方向に回転さ
せることによって変更されるため、塗料は、“ダレ”を
生じることなく乾燥されることになる。
して作用する重力の方向が、被塗物を水平方向に回転さ
せることによって変更されるため、塗料は、“ダレ”を
生じることなく乾燥されることになる。
本発明によれば、1回当りに塗布する塗料の膜厚を従
来よりもはるかに厚くして、平滑度が従来限界とされて
いたレベルをはるかに越えた極めて良好な塗装面を得る
ことができる。
来よりもはるかに厚くして、平滑度が従来限界とされて
いたレベルをはるかに越えた極めて良好な塗装面を得る
ことができる。
また、従来と同ような塗膜の厚さとした場合でも、塗
料の流動性を利用して凹凸のより小さいものすなわち平
滑度のより大きい優れた塗装面とすることができる。
料の流動性を利用して凹凸のより小さいものすなわち平
滑度のより大きい優れた塗装面とすることができる。
さらに、同じ平滑度例えば従来の塗装方法で得られる
平滑度と同等の平滑度を有する塗装面を得ようとすれ
ば、従来のものよりも塗布すべき塗料の膜厚を薄くする
ことができ、この薄くし得る分だけ使用する塗料の量を
低減することができる。
平滑度と同等の平滑度を有する塗装面を得ようとすれ
ば、従来のものよりも塗布すべき塗料の膜厚を薄くする
ことができ、この薄くし得る分だけ使用する塗料の量を
低減することができる。
勿論、薄い塗膜でも“ダレ”を生じるような塗料は、
従来の塗料中から流動性を阻害させる成分を所定割合減
少させることによって得ればよい(従来の塗料中には、
ダレ限界を構造させるため、流動性を小さくするための
ハイブリッド剤が混入されている)。
従来の塗料中から流動性を阻害させる成分を所定割合減
少させることによって得ればよい(従来の塗料中には、
ダレ限界を構造させるため、流動性を小さくするための
ハイブリッド剤が混入されている)。
さらに又、乾燥工程において被塗物を水平軸線回りに
回転させる際に、この被塗物の回転軸線が該被塗物の搬
送方向と直交する方向に伸びるように設定してあるの
で、焼付炉等の乾燥炉の限られた搬送方向長さの範囲
で、当該乾燥炉内に収納する被塗物の数を極力多くする
ことができる。すなわち、被塗物を回転させるために、
その該被塗物を支承する部分や被塗物に回転力を付与す
るための機構部分などが、回転軸線方向にかなり大きく
被塗物から突出されることになるが、この回転軸線方向
を上述のように設定することによって、乾燥炉内での被
塗物間の間隔を極力小さくして、乾燥炉の搬送方向長さ
を長くすることなく、多くの被塗物を当該乾燥炉内に収
納することが可能となる。
回転させる際に、この被塗物の回転軸線が該被塗物の搬
送方向と直交する方向に伸びるように設定してあるの
で、焼付炉等の乾燥炉の限られた搬送方向長さの範囲
で、当該乾燥炉内に収納する被塗物の数を極力多くする
ことができる。すなわち、被塗物を回転させるために、
その該被塗物を支承する部分や被塗物に回転力を付与す
るための機構部分などが、回転軸線方向にかなり大きく
被塗物から突出されることになるが、この回転軸線方向
を上述のように設定することによって、乾燥炉内での被
塗物間の間隔を極力小さくして、乾燥炉の搬送方向長さ
を長くすることなく、多くの被塗物を当該乾燥炉内に収
納することが可能となる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を添付した図面に基づいて説明
する。
する。
全体の概要 第1図は、被塗物としての自動車用ボディWを塗装す
る場合の全体工程を示してあり、各工程をP1〜P4で示し
てある。
る場合の全体工程を示してあり、各工程をP1〜P4で示し
てある。
先ず、電着塗装によって既知のように下塗りが完了さ
れたボディWが、台車Dに保持されつつ準備工程P1に送
り込まれる。この準備工程P1では、ボディW内外のゴミ
が例えばエアブローあるいは真空吸引によって除去され
る。次いで、工程P2において、ボディWに対して塗料が
吹き付けられる。この後、塗料の乾燥がセッティング工
程P3および焼付工程P4においてなされる。
れたボディWが、台車Dに保持されつつ準備工程P1に送
り込まれる。この準備工程P1では、ボディW内外のゴミ
が例えばエアブローあるいは真空吸引によって除去され
る。次いで、工程P2において、ボディWに対して塗料が
吹き付けられる。この後、塗料の乾燥がセッティング工
程P3および焼付工程P4においてなされる。
焼付工程P4の後は、P1〜P4での工程が中塗り用である
場合は、ボディWが上塗用の工程へと搬送される。ま
た、P1〜P4の工程が上塗用である場合は、ボディWが、
既知のように組立ラインへと搬送される。
場合は、ボディWが上塗用の工程へと搬送される。ま
た、P1〜P4の工程が上塗用である場合は、ボディWが、
既知のように組立ラインへと搬送される。
塗料の吹き付け、乾燥 先ず、P2での塗料の吹付けは、塗膜の厚さがダレ限界
以上となるようにして行なわれる。すなわち、従来一般
に用いられている塗料では、“ダレ”を生じない塗料の
最大厚さすなわちダレ限界値は40μm程度であるが、工
程P2では、このダレ限界となる40μmよりもはるかに厚
い塗膜となるように(例えば65μm)となるように塗料
が吹付けられる。
以上となるようにして行なわれる。すなわち、従来一般
に用いられている塗料では、“ダレ”を生じない塗料の
最大厚さすなわちダレ限界値は40μm程度であるが、工
程P2では、このダレ限界となる40μmよりもはるかに厚
い塗膜となるように(例えば65μm)となるように塗料
が吹付けられる。
このP2の後、P3のセッティング工程へ移行される。こ
のセッティング工程P3では第2図(a)〜(i)で示す
ように、ボディWが水平方向に回転される。すなわち、
ボディWが水平方向に伸びる回転軸心lを中心として回
転され、実施例では、この回転軸線lが、ボディWの前
後方向に伸びるものとされている。なお、このセッティ
ング工程P3での温度雰囲気は、実施例では常温としてあ
るが、40゜〜60℃等次の焼付工程P4での温度雰囲気より
も低い温度の範囲で適宜の温度に設定し得る。勿論、こ
のセッティング工程P3は、あらかじめ塗料中の低沸点分
を揮発させるためであり、これにより、次の焼付工程P4
で低沸点分が急激に揮発されることによる塗装面でのピ
ンホール発生が防止される。
のセッティング工程P3では第2図(a)〜(i)で示す
ように、ボディWが水平方向に回転される。すなわち、
ボディWが水平方向に伸びる回転軸心lを中心として回
転され、実施例では、この回転軸線lが、ボディWの前
後方向に伸びるものとされている。なお、このセッティ
ング工程P3での温度雰囲気は、実施例では常温としてあ
るが、40゜〜60℃等次の焼付工程P4での温度雰囲気より
も低い温度の範囲で適宜の温度に設定し得る。勿論、こ
のセッティング工程P3は、あらかじめ塗料中の低沸点分
を揮発させるためであり、これにより、次の焼付工程P4
で低沸点分が急激に揮発されることによる塗装面でのピ
ンホール発生が防止される。
焼付工程P4においては、例えば、140℃の温度雰囲気
で、塗料の焼付けが行なわれる。このP4でも、P3のセッ
ティング工程と同様に、第2図(a)〜(i)に示すよ
うにボディWが水平方向に回転される。
で、塗料の焼付けが行なわれる。このP4でも、P3のセッ
ティング工程と同様に、第2図(a)〜(i)に示すよ
うにボディWが水平方向に回転される。
上述したP3、P4でのボディWの水平方向の回転によ
り、P2でダレ限界以上の厚さに塗料を吹付けても、ダレ
が生じることなく塗料が乾燥される。これにより、従来
の塗装方法では得られなかった平滑度の極めて高品質の
塗装面が得られる。
り、P2でダレ限界以上の厚さに塗料を吹付けても、ダレ
が生じることなく塗料が乾燥される。これにより、従来
の塗装方法では得られなかった平滑度の極めて高品質の
塗装面が得られる。
塗膜厚さとダレ限界と平滑度と水平回転との関係 第3図は、塗膜厚さがダレ限界に与える影響について
示すものである。この第3図では、塗膜厚さとして、40
μm、53μm、65μmの3通りの場合を示してある。こ
のいずれの厚さの場合も、セッティング工程初期と焼付
工程初期、特に焼付工程初期に、“ダレ”のピークが生
じることが理解される。また、ダレ限界は、通常1分間
に1〜2mmのダレを生じるときの値をいうが(目視して2
mm/分以上のダレを生じると塗装面が不良とされる)、
このダレ限界以下の範囲で得られる最大の塗膜厚さは、
従来の塗料で40μm程度である。
示すものである。この第3図では、塗膜厚さとして、40
μm、53μm、65μmの3通りの場合を示してある。こ
のいずれの厚さの場合も、セッティング工程初期と焼付
工程初期、特に焼付工程初期に、“ダレ”のピークが生
じることが理解される。また、ダレ限界は、通常1分間
に1〜2mmのダレを生じるときの値をいうが(目視して2
mm/分以上のダレを生じると塗装面が不良とされる)、
このダレ限界以下の範囲で得られる最大の塗膜厚さは、
従来の塗料で40μm程度である。
一方、第4図は、ボディWを水平方向に回転させると
きとそうでないときとの、平滑度に与える影響を示して
ある。その第4図中Aは、ボディWを回転させない状態
を示してある(従来の塗装方法)。第4図Bは、ボディ
Wを90゜回転させた後逆転させる場合を示してある(第
2図(a)と(c)との間で正逆回転)。第4図Cは、
ボディWを135゜回転させた後逆転させる場合を示して
ある(第2図(a)と(d)との間で正逆回転)。第4
図Dは、ボディWを180゜回転させた後逆転させる場合
を示してある(第2図(a)と(e)との間で正逆回
転)。第4図Eは、ボディWを連続して同一方向に回転
させる場合を示してある(第2図(a)、(b)、
(c)・・・(i)の順の姿勢をとり、再び(a)へと
戻る)。
きとそうでないときとの、平滑度に与える影響を示して
ある。その第4図中Aは、ボディWを回転させない状態
を示してある(従来の塗装方法)。第4図Bは、ボディ
Wを90゜回転させた後逆転させる場合を示してある(第
2図(a)と(c)との間で正逆回転)。第4図Cは、
ボディWを135゜回転させた後逆転させる場合を示して
ある(第2図(a)と(d)との間で正逆回転)。第4
図Dは、ボディWを180゜回転させた後逆転させる場合
を示してある(第2図(a)と(e)との間で正逆回
転)。第4図Eは、ボディWを連続して同一方向に回転
させる場合を示してある(第2図(a)、(b)、
(c)・・・(i)の順の姿勢をとり、再び(a)へと
戻る)。
この第4図から明らかなように、同じ塗膜の厚さであ
れば、ボディWを回転させた方が(第4図B、C、D、
E)、回転させない場合(第4図A)よりも、平滑度の
大きものが得られる。また、同じ回転でも、360゜同一
方向に回転させるのが平滑度を高める上では好ましいこ
とが理解される。勿論、ボディWの回転無しの場合は、
塗膜の厚さに限界をきたすため、平滑度を大きくするに
は限度がある。
れば、ボディWを回転させた方が(第4図B、C、D、
E)、回転させない場合(第4図A)よりも、平滑度の
大きものが得られる。また、同じ回転でも、360゜同一
方向に回転させるのが平滑度を高める上では好ましいこ
とが理解される。勿論、ボディWの回転無しの場合は、
塗膜の厚さに限界をきたすため、平滑度を大きくするに
は限度がある。
ちなみに、塗膜の厚さを65μmとしてボディWを360
゜回転させる場合には、得られる平滑度は、写像鮮映度
I.Gで「87」(PGD値で1.0の下限値)である。また、塗
膜の厚さを40μmとした場合には、ボディWの回転無し
の場合はI.Gで「58」(PGD値で0.7の下限値)であるの
に対し、ボディWを360゜回転させた場合はI.Gで「68」
(PGD値で0.8の下限値)である。
゜回転させる場合には、得られる平滑度は、写像鮮映度
I.Gで「87」(PGD値で1.0の下限値)である。また、塗
膜の厚さを40μmとした場合には、ボディWの回転無し
の場合はI.Gで「58」(PGD値で0.7の下限値)であるの
に対し、ボディWを360゜回転させた場合はI.Gで「68」
(PGD値で0.8の下限値)である。
なお、既知のように、写像鮮映度におけるIG(イメー
ジグロス)は、鏡面(黒ガラス)を100とし、それに対
する鮮映度の比率を示すものであり、PGDは反射映像の
識別度を1.0から低下するに従って塗装面の平滑度が低
下する値である。
ジグロス)は、鏡面(黒ガラス)を100とし、それに対
する鮮映度の比率を示すものであり、PGDは反射映像の
識別度を1.0から低下するに従って塗装面の平滑度が低
下する値である。
第3図、第4図に示したデータの試験条件は、次の通
りであるが、この試験条件は、P2で上塗りを行なう場合
の条件を示してある。
りであるが、この試験条件は、P2で上塗りを行なう場合
の条件を示してある。
a.塗料:メラミンアルキッド(ブラック) 粘度:フォードカップ#4で 22秒/20℃ b.塗膜機:ミニベル(16、000rpm) シェーピングエア..2、0kg/cm2 c.吐出量:2回に分けての吹付けで、 第1回目...100cc/min 第2回目..150〜200cc/min d.セッティング時間:10分×常温 e.焼付条件:140℃×25分 f.下地平滑度:0.6(PGD値)(中塗、PEテープ上) g.回転または反転作動域:セッティング(10分)〜焼付
け(10分) h.被塗物:一辺30cmの角筒体の側面に塗装、中心で回転
可能に支持 i.被塗物の回転速度:6rpm、30rpm、60rpmの3通りで行
なったが、回転速度の相違による差異は事実上生じなか
った 焼付炉 先ず、第5図に示すように、ボディWは、その前後方
向を搬送方向として搬送された後、ターンテーブル61に
よって90゜垂直に回転されて、車幅方向が搬送方向とな
るように姿勢変換される。この後、焼付炉62内へ搬入さ
れる。勿論、この焼付炉62内でのボディWの回転は、そ
の前後方向に伸びる回転軸線lを中心として行なわれる
(回転軸線lがボディWの搬送方向と直交する)。
け(10分) h.被塗物:一辺30cmの角筒体の側面に塗装、中心で回転
可能に支持 i.被塗物の回転速度:6rpm、30rpm、60rpmの3通りで行
なったが、回転速度の相違による差異は事実上生じなか
った 焼付炉 先ず、第5図に示すように、ボディWは、その前後方
向を搬送方向として搬送された後、ターンテーブル61に
よって90゜垂直に回転されて、車幅方向が搬送方向とな
るように姿勢変換される。この後、焼付炉62内へ搬入さ
れる。勿論、この焼付炉62内でのボディWの回転は、そ
の前後方向に伸びる回転軸線lを中心として行なわれる
(回転軸線lがボディWの搬送方向と直交する)。
この焼付炉62内でボディWの回転、搬送を効率良くす
なわちより省スペースで行なうため、次のようにすると
よい。すなわち、第6図に示すように、焼付炉62内の左
右側壁部分には、それぞれ搬送方向に伸びる第1、第2
の一対のラックバー63F、63Rが固定配置され、第1ラッ
クバー63Fには、第1回転軸64Fに固定したギア65Fが噛
合され、第2ラックバー63Rには、第2回転軸64Rに固定
した第2ギア65Rが噛合されている。上記第1回転軸64F
には、前治具1Fを介してボディWの前部が着脱自在に連
結され、また第2回転軸64Rには、後治具1Rを介してボ
ディWの後部が着脱自在に連結される。勿論、両回転軸
64Fと64Rとは、回転軸線l上に位置されている。
なわちより省スペースで行なうため、次のようにすると
よい。すなわち、第6図に示すように、焼付炉62内の左
右側壁部分には、それぞれ搬送方向に伸びる第1、第2
の一対のラックバー63F、63Rが固定配置され、第1ラッ
クバー63Fには、第1回転軸64Fに固定したギア65Fが噛
合され、第2ラックバー63Rには、第2回転軸64Rに固定
した第2ギア65Rが噛合されている。上記第1回転軸64F
には、前治具1Fを介してボディWの前部が着脱自在に連
結され、また第2回転軸64Rには、後治具1Rを介してボ
ディWの後部が着脱自在に連結される。勿論、両回転軸
64Fと64Rとは、回転軸線l上に位置されている。
上記第2ラックバー63Rに沿って、エンドレスチェー
ン67が配設され、このチェーン67には、第7図に示すよ
うに、所定間隔毎に、それぞれ前後一対の挟持片からな
る支承部68が、一対化されている。そして、各支承部68
によって、第2回転軸64Rが搬送方向前後から挟持され
ている。このチェーン67は図示を略すモータにより作動
されるもので、防爆上の見地から、焼付炉62とは離れた
位置に設置されている。なお、チェーン67のうち支承部
68が第2回転軸64Rを前後方向から挟持している部分が
垂れ下がらないように、少なくともこの挟持部分の下方
には、垂れ下り防止用の支承ブラケット69が配設されて
いる。
ン67が配設され、このチェーン67には、第7図に示すよ
うに、所定間隔毎に、それぞれ前後一対の挟持片からな
る支承部68が、一対化されている。そして、各支承部68
によって、第2回転軸64Rが搬送方向前後から挟持され
ている。このチェーン67は図示を略すモータにより作動
されるもので、防爆上の見地から、焼付炉62とは離れた
位置に設置されている。なお、チェーン67のうち支承部
68が第2回転軸64Rを前後方向から挟持している部分が
垂れ下がらないように、少なくともこの挟持部分の下方
には、垂れ下り防止用の支承ブラケット69が配設されて
いる。
なお、第6図、第7図中70は熱風循環路であり、これ
に接続されたファン71によって、焼付炉62の上部より吹
込んだ熱風を、焼付炉62の下方から吹き出すようになっ
ている。
に接続されたファン71によって、焼付炉62の上部より吹
込んだ熱風を、焼付炉62の下方から吹き出すようになっ
ている。
以上のような構成において、チェーン67の駆動によっ
て、各支承部68を介して、第2回転軸64Rが搬送方向へ
の押圧力を受ける。この押圧力によって、第1回転軸64
Rは勿論のこと、ボディWおよび第1回転軸64Fも、それ
ぞれ回転されつつ搬送方向へと駆動される。
て、各支承部68を介して、第2回転軸64Rが搬送方向へ
の押圧力を受ける。この押圧力によって、第1回転軸64
Rは勿論のこと、ボディWおよび第1回転軸64Fも、それ
ぞれ回転されつつ搬送方向へと駆動される。
以上実施例について説明したが、焼付炉62内でのボデ
ィWの回転を、該ボディWを搬送する台車を利用して行
わせるようにしてもよい。この場合は、台車に対してボ
ディWを水平軸線回りに回転自在に支持させて、このボ
ディWに回転力を付与すればよい。この場合、ボディW
の回転駆動は、台車に別途設けたエアモータ等のアクチ
ュエータを利用して行ってもよいが、例えば台車の車輪
の回転を利用してボディWを回転させる等、適宜の手段
を採択し得る。この台車を利用した回転は、セッティン
グ工程P3でボディWを回転させる場合に好適である。
ィWの回転を、該ボディWを搬送する台車を利用して行
わせるようにしてもよい。この場合は、台車に対してボ
ディWを水平軸線回りに回転自在に支持させて、このボ
ディWに回転力を付与すればよい。この場合、ボディW
の回転駆動は、台車に別途設けたエアモータ等のアクチ
ュエータを利用して行ってもよいが、例えば台車の車輪
の回転を利用してボディWを回転させる等、適宜の手段
を採択し得る。この台車を利用した回転は、セッティン
グ工程P3でボディWを回転させる場合に好適である。
勿論、この台車を利用する場合は、少なくとも焼付炉
内では、ボディWの前後方向が水平回転軸線方向となる
ように設定し、かつ台車の搬送方向をボディWの車幅方
向となるようにすればよい。
内では、ボディWの前後方向が水平回転軸線方向となる
ように設定し、かつ台車の搬送方向をボディWの車幅方
向となるようにすればよい。
(発明の効果) 本発明は以上述べたことから明らかなように、ダレ限
界以上の厚さとなる塗料の塗布と被塗物の回転とを利用
して、同じ塗料の厚さであれば従来よりも平滑度の高い
高品質の塗装面を得ることができる。
界以上の厚さとなる塗料の塗布と被塗物の回転とを利用
して、同じ塗料の厚さであれば従来よりも平滑度の高い
高品質の塗装面を得ることができる。
また、本発明では、乾燥工程において被塗物を水平軸
線回りに回転させるのに、この水平軸線を被塗物の搬送
方向と直交する方向に設定してあるので、被塗物を回転
させるために要する機構部分に邪魔されることなく各被
塗物間の間隔を小さくすることができ、乾燥炉の長さを
短いものとしつつこの内部に収納される被塗物を極力多
くすることができる。
線回りに回転させるのに、この水平軸線を被塗物の搬送
方向と直交する方向に設定してあるので、被塗物を回転
させるために要する機構部分に邪魔されることなく各被
塗物間の間隔を小さくすることができ、乾燥炉の長さを
短いものとしつつこの内部に収納される被塗物を極力多
くすることができる。
第1図は本発明の一実施例を示す全体工程図。 第2図は被塗物としての自動車用ボディが回転すること
に伴う姿勢変化の状態を示す図。 第3図、第4図は塗料の厚さとダレと塗装面の平滑度と
回転との関係を示すグラフ。 第5図は、焼付炉付近へのボディへの搬送状態を示す簡
略平面図。 第6図は焼付炉の一例を示す正面断面図。 第7図は焼付炉の一部省略側面断面図。 P1〜P4:工程 W:ボディ l:回転軸線 1F、1R:回転用治具 62:焼付炉 63F、63R:ラックバー 64F、64R:回転軸 65F、65R:ギア 67:チェーン 68:支承部
に伴う姿勢変化の状態を示す図。 第3図、第4図は塗料の厚さとダレと塗装面の平滑度と
回転との関係を示すグラフ。 第5図は、焼付炉付近へのボディへの搬送状態を示す簡
略平面図。 第6図は焼付炉の一例を示す正面断面図。 第7図は焼付炉の一部省略側面断面図。 P1〜P4:工程 W:ボディ l:回転軸線 1F、1R:回転用治具 62:焼付炉 63F、63R:ラックバー 64F、64R:回転軸 65F、65R:ギア 67:チェーン 68:支承部
Claims (1)
- 【請求項1】被塗物の表面に塗料を塗布する方法におい
て、 被塗物は、略水平方向軸の回りに回転可能に指示されて
搬送されるものであって、 被塗物表面に、通常の上下方向に伸びる面では塗料ダレ
が生じる以上の膜厚に塗料を塗布する塗装工程と、 被塗物表面に塗布された塗料を硬化させる乾燥工程と、 を備え、前記乾燥工程では、被塗物表面に塗布した塗料
の塗料ダレが重力により生じる前に被塗物を搬送方向と
直交する方向の略水平軸回りに回転作動させ始め、かつ
この場合の回転は少なくとも塗布した塗料の塗料ダレが
重力により生じる以前に被塗物表面が略垂直状態から略
水平状態に移行するような速度で、かつ回転による遠心
力により塗料ダレが生じる速度より遅い速度で回転作動
させる、ことを特徴とする塗装方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62027395A JP2526231B2 (ja) | 1987-02-10 | 1987-02-10 | 塗装方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62027395A JP2526231B2 (ja) | 1987-02-10 | 1987-02-10 | 塗装方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63197569A JPS63197569A (ja) | 1988-08-16 |
JP2526231B2 true JP2526231B2 (ja) | 1996-08-21 |
Family
ID=12219872
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62027395A Expired - Lifetime JP2526231B2 (ja) | 1987-02-10 | 1987-02-10 | 塗装方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2526231B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102292072B1 (ko) * | 2021-04-06 | 2021-08-20 | 주식회사 경우 | 휴대폰 백커버 uv 코팅 시스템 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB584432A (en) | 1944-01-06 | 1947-01-15 | Standard Pressed Steel Co | An improved method of and apparatus for cleaning rust-proofing, priming and painting sheet metal articles such as vehicle bodies and chassis |
-
1987
- 1987-02-10 JP JP62027395A patent/JP2526231B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB584432A (en) | 1944-01-06 | 1947-01-15 | Standard Pressed Steel Co | An improved method of and apparatus for cleaning rust-proofing, priming and painting sheet metal articles such as vehicle bodies and chassis |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63197569A (ja) | 1988-08-16 |
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