JP2525805Y2 - 自転車用の靴 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、足の挿入口の近傍に形
成した締付ベルトを、靴外面に設けた保持部材と、靴外
面に舌片状に設けた操作ベルト材とで構成すると共に、
これら保持部材と操作ベルト材との間に貼合せファスナ
ーを形成して成る自転車用の靴に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、上記の如く構成された靴では、靴
を履く人の足の大きさ、あるいは、好みに応じて保持部
材に対する操作ベルト材の貼合せ位置の調節を行い、足
に対する靴の締付け強さ等を自由に設定できるよう構成
されている。又、従来から市販されている靴では、操作
ベルト材の遊端部まで貼合せファスナーの繊維体を形成
しているものも存在する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ここで、操作ベルト材
の先端部まで貼合せファスナーの繊維材を形成した靴に
ついて考えるに、このように構成された靴では、操作ベ
ルト材の遊端まで保持部材に密着した形態となるので、
操作ベルト材が剥がれ難くなる反面、靴を脱ぐ場合等に
指の掛りが無いため剥がし難いという面も存在する。そ
こで、この操作ベルト材の遊端部に貼合せファスナーの
繊維を形成しない摘み部を備えて、剥がし操作を楽に行
うよう構成することも考えられるが、このように摘み部
を形成すると、自転車での走行時にペダル操作を行う毎
に摘み部が上下に揺れて、自然に剥がれる状態に至らな
いまでも、貼合せ状態が緩くなったり、又、運転者に不
快感を与えることもある。このように、摘み部が上下に
揺れて貼合せ状態を緩くするという現象は、操作ベルト
材の貼合せ操作を遊端まで完全に行わず、貼合せが不完
全な状況において一層生じやすいものとなる。本考案の
目的は操作ベルト材の剥がし操作を楽に行うと共に、自
転車による走行を長時間行っていても、貼合せ状態を緩
くすることが無い靴を合理的に構成する点にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案の特徴は、冒頭に
記したように、保持部材と操作ベルト材とで成る締付ベ
ルトを備えて成る自転車用の靴において、前記操作ベル
ト材の遊端側に突出する姿勢に、この操作ベルト材の素
材より硬質の摘み部を形成し、操作ベルト材７に形成さ
れた貼合せファスナー４の繊維体４Ｂを、この摘み部９
の操作ベルト材７に対する取付け位置Ｐより、更に、遊
端側に延設してある点にあり、その作用、及び、効果は
次の通りである。

【０００５】

【作用】上記特徴を例えば図１乃至図４に示すように構
成すると、靴を履く際に、保持部材８と操作ベルト材７
との相対的な位置の調節により所望の締付けを現出した
状態で夫々の貼合せを行うと共に、操作ベルト材７に延
設された繊維体４Ｂを保持部材８の繊維体４Ａに貼合せ
ることにより、摘み部９に対して上方に向かう力が作用
しても両繊維体４Ａ，４Ｂは容易に分離しないものとな
り、しかも、操作ベルト材７を剥がし操作する場合には
摘み部９を容易に摘めるので、従来のようにファスナー
４を剥がすだけの操作に手間取ることが無い。つまり、
本考案では貼合せの面積を単に増大させるのでは無く、
摘み部９の操作ベルト材７に対する取付け位置Ｐより更
に遊端側に突出する形態に繊維体４Ｂが形成されている
ので、摘み部９に対して剥がし方向に力が作用しても、
この力は繊維体４Ｂ全体の中間部を持ち上げる形態の力
となり、例えば、ファスナー４の端部に剥がし方向への
力が作用するものと比較して、引き剥がしに大きい操作
力を要し、摘み部９の上下動程度の力では容易に剥がれ
ないものとなる。

【０００６】

【考案の効果】従って、摘み部と、繊維体の延設部とを
設けるという比較的簡単な改造により、操作ベルト材の
人為的な剥がし操作を手間を掛けず楽に行い、又、締付
ベルトが不完全な貼合せ状態で長時間の自転車走行を行
っても、貼合せ状態を緩くすることが無い靴が合理的に
構成されたのである。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図３及び図４には自転車用の靴を表しており、こ
の靴は滑り留めのパターン１Ａを突出形成した靴底材１
と、靴の上部側に配置される周部材２とを備えて成り、
この周部材２にはスリット２Ｓ、及び、足の挿入口２Ａ
夫々が形成されると共に、挿入口２Ｓの近傍に舌革３を
供え、スリット２Ｓの上方に重複する位置に一対の締付
ベルトＢ，Ｂを備えている。

【０００８】この締付ベルトＢは図１乃至図４に示すよ
うに、スリット２Ｓを挟んで対向する位置の周部材２を
引き寄せて、足に対する周部材２の締付け量を調節する
ものであり、その構造は一本のベルト状の素材の基端側
と遊端側とに互いに貼合せ状態を作り出す繊維体４Ａ，
４Ｂを設けて貼合せファスナー４を形成すると共に、こ
の基端側を周部材２に縫い合せ固定し、更に、この締付
ベルトＢはベルト状素材の遊端部を、補強材５によって
支持される金属性のリング６を挿通させて折返す形態で
用いられる。

【０００９】又、この遊端側の部材が操作ベルト材７で
あり、基端側の部材が保持部材８であり、操作ベルト材
７の遊端部には図１に示すように樹脂製の摘み部９を縫
付け固定してあり、又、この操作ベルト材７の繊維体４
Ｂを摘み部９の操作ベルト材７に対する取付位置のう
ち、最も遊端側の位置Ｐより、更に遊端側に延設して延
設部７Ａを形成してある。

【００１０】そして、この靴を履く場合には、操作ベル
ト材７の位置設定によって所望の締付け状態でファスナ
ー４を延設部７Ａまで貼合せることにより、この貼合せ
が安定的に維持されるようになっている。尚、この操作
ベルト材７の幅Ｗは３０ｍｍ程度であり、延設部７Ａの
摘み部９の端部からの延設長Ｌは２０ｍｍ程度である。

【００１１】〔別実施例〕 本考案は延設部の端部が摘み部の端部と一致する程度に
繊維体の延設長さを設定して良く、又、保持部材と操作
ベルト材とを独立した別部材構成する等、様々な形態で
実施できる。

【００１２】尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面と
の対照を便利にするために符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】締付ベルトの断面図

【図２】締付ベルトの斜視図

【図３】靴の平面図

【図４】靴の斜視図

【符号の説明】

２Ａ 挿入口 ４ 貼合せファスナー ４Ｂ 繊維体 ７ 操作ベルト材 ８ 保持部材 ９ 摘み部 Ｂ 締付ベルト Ｐ 取付け位置

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 足の挿入口（２Ａ）の近傍に形成した締
   付ベルト（Ｂ）を、靴外面に設けた保持部材（８）と、
   靴外面に舌片状に設けた操作ベルト材（７）とで構成す
   ると共に、これら保持部材（８）と操作ベルト材（７）
   との間に貼合せファスナー（４）を形成して成る自転車
   用の靴であって、前記操作ベルト材（７）の遊端側に突
   出する姿勢に、この操作ベルト材（７）の素材より硬質
   の摘み部（９）を形成し、操作ベルト材（７）に形成さ
   れた貼合せファスナー（４）の繊維体（４Ｂ）を、この
   摘み部（９）の操作ベルト材（７）に対する取付け位置
   （Ｐ）より、更に、遊端側に延設してある自転車用の
   靴。