JP2525735B2 - ピロ−ル/沃素錯体プラズマ重合膜及びその製造方法 - Google Patents
ピロ−ル/沃素錯体プラズマ重合膜及びその製造方法Info
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- JP2525735B2 JP2525735B2 JP61054325A JP5432586A JP2525735B2 JP 2525735 B2 JP2525735 B2 JP 2525735B2 JP 61054325 A JP61054325 A JP 61054325A JP 5432586 A JP5432586 A JP 5432586A JP 2525735 B2 JP2525735 B2 JP 2525735B2
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- plasma
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- Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)
- Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
- Non-Insulated Conductors (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明はピロール/沃素錯体プラズマ重合膜及びその
製造方法に関するものである。
製造方法に関するものである。
〈従来の技術〉 従来、有機高分子半導体材料としてはポリアセチレ
ン、ポリp−フェニレン、ポリフェニレンスルフィド等
が知られている。しかし、これらは非常に酸化されやす
く、電導度の低下や力学物性の低下がある。又、電導性
の付与にはAsF5のような極めて毒性の強い電子受容体の
使用が必須であり、製造中での安全性、使用中及び廃棄
物中での安全性という点で大きな問題がある。
ン、ポリp−フェニレン、ポリフェニレンスルフィド等
が知られている。しかし、これらは非常に酸化されやす
く、電導度の低下や力学物性の低下がある。又、電導性
の付与にはAsF5のような極めて毒性の強い電子受容体の
使用が必須であり、製造中での安全性、使用中及び廃棄
物中での安全性という点で大きな問題がある。
又、ポリピロールと沃素の錯体の形成による有機高分
子半導体材料の製造は、これまで、テトラヨードピロー
ルの熱分解反応によるもの(D.E.Weiss etc:Austr、J.C
hem.、16(1963))やピロールの電解重合による方法が
あるが、重合膜形成性、重合膜の力学的強度、作業性、
重合膜の安定性の点で問題があった。
子半導体材料の製造は、これまで、テトラヨードピロー
ルの熱分解反応によるもの(D.E.Weiss etc:Austr、J.C
hem.、16(1963))やピロールの電解重合による方法が
あるが、重合膜形成性、重合膜の力学的強度、作業性、
重合膜の安定性の点で問題があった。
〈発明が解決しようとする問題点〉 本発明者らは鋭意検討の結果、本発明を完成するに到
った。
った。
本発明は、有機高分子半導体材料の前述した欠点を解
決し、より安定性の高い、より力学的強度の大きい安定
したピロール/沃素錯体重合膜を提供する事を目的とす
る。又、他の目的は、プラズマ重合法により重合膜の形
成と同時にピロール/沃素錯体形成を行なう新規かつ安
価な方法を提案する事にある。
決し、より安定性の高い、より力学的強度の大きい安定
したピロール/沃素錯体重合膜を提供する事を目的とす
る。又、他の目的は、プラズマ重合法により重合膜の形
成と同時にピロール/沃素錯体形成を行なう新規かつ安
価な方法を提案する事にある。
〈問題を解決する為の手段〉 本発明は、溶剤不溶性、且つ膜面方向の電導度が膜厚
方向の導電度の102〜108倍であり、膜面方向の電導度が
光の照射により変化する光スイッチング機能を有するこ
とを特徴とするピロール/沃素錯体プラズマ重合膜であ
り、また本発明方法は、ピロール及び沃素の蒸気の共存
下で低温ガスプラズマを発生させ、基板上に沃素を含有
したピロールのプラズマ重合膜を形成させた後、過剰の
沃素を除去する事を特徴とする。
方向の導電度の102〜108倍であり、膜面方向の電導度が
光の照射により変化する光スイッチング機能を有するこ
とを特徴とするピロール/沃素錯体プラズマ重合膜であ
り、また本発明方法は、ピロール及び沃素の蒸気の共存
下で低温ガスプラズマを発生させ、基板上に沃素を含有
したピロールのプラズマ重合膜を形成させた後、過剰の
沃素を除去する事を特徴とする。
本発明のプラズマ重合膜は溶剤不溶性であり、ピロー
ル及び沃素モノマーの溶剤はもちろん、化学的重合法或
いは電解重合法により重合されたピロールの重合膜の溶
剤にも不溶であり、架橋構造を形成している事がわか
る。
ル及び沃素モノマーの溶剤はもちろん、化学的重合法或
いは電解重合法により重合されたピロールの重合膜の溶
剤にも不溶であり、架橋構造を形成している事がわか
る。
本発明で用いるピロールは下記一般式で示す、ピロー
ル及び各種のピロール誘導体が使用できるが、真空下或
いは真空加熱下にて気化しやすい構造を有するものが好
ましい。
ル及び各種のピロール誘導体が使用できるが、真空下或
いは真空加熱下にて気化しやすい構造を有するものが好
ましい。
但し、R1、R2、R3、R4、R5はH又はアルキル基、芳香族
基、脂環式炭化水素、又はエステル残基、ケトン残基及
びそれらのハロゲン誘導体等を含む。
基、脂環式炭化水素、又はエステル残基、ケトン残基及
びそれらのハロゲン誘導体等を含む。
本発明のプラズマ重合物はピロール/沃素錯体のプラ
ズマ重合物であり、反応器系におかれた基板上に粉状或
いは薄膜状に形成され、褐色〜黒色を呈する。錯体形成
に関与しない沃素の除去後の重合物でも殆んど外見の変
化はなく、電導性を有する。特に重合膜では膜面方向の
電導性と膜厚方向の電導性が大きく異なる電導異方性を
示す。膜面方向での電導度は四端子法により測定できる
が、通常1×10-3〜1×102S/cmであり半導体としての
性質をもつ。膜厚方向の電導度は膜をサンドイッチにし
た電極を通じて測定されるが、通常1×10-5S/cm以下と
電導性は低い。膜面方向の電導度と膜厚方向の電導度の
比は通常102〜108倍、好ましくは104〜107倍という値を
有し、本発明のプラズマ重合膜が大きな電導異方性を示
す事がわかる。この電導異方性がどういう理由で発現す
るかは、目下のところ不明であるが、従来知られている
電導異方性より10倍〜107倍も大きな値である。
ズマ重合物であり、反応器系におかれた基板上に粉状或
いは薄膜状に形成され、褐色〜黒色を呈する。錯体形成
に関与しない沃素の除去後の重合物でも殆んど外見の変
化はなく、電導性を有する。特に重合膜では膜面方向の
電導性と膜厚方向の電導性が大きく異なる電導異方性を
示す。膜面方向での電導度は四端子法により測定できる
が、通常1×10-3〜1×102S/cmであり半導体としての
性質をもつ。膜厚方向の電導度は膜をサンドイッチにし
た電極を通じて測定されるが、通常1×10-5S/cm以下と
電導性は低い。膜面方向の電導度と膜厚方向の電導度の
比は通常102〜108倍、好ましくは104〜107倍という値を
有し、本発明のプラズマ重合膜が大きな電導異方性を示
す事がわかる。この電導異方性がどういう理由で発現す
るかは、目下のところ不明であるが、従来知られている
電導異方性より10倍〜107倍も大きな値である。
又、本重合膜の膜面方向の電導度は、光の照射特に近
赤外線の照射により、通常1.2倍好ましくは1.5倍更に好
ましくは2倍変化する光スイッチング機能を有する。
赤外線の照射により、通常1.2倍好ましくは1.5倍更に好
ましくは2倍変化する光スイッチング機能を有する。
本発明のピロール/沃素錯体プラズマ重合膜中での沃
素含有率は通常5〜70重量%、好ましくは20〜60重量%
であり、元素分析の結果や熱的安定性及び溶剤抽出性等
からみて、ほぼ完全に沃素がピロールと電荷移動錯体を
形成している事がわかる。
素含有率は通常5〜70重量%、好ましくは20〜60重量%
であり、元素分析の結果や熱的安定性及び溶剤抽出性等
からみて、ほぼ完全に沃素がピロールと電荷移動錯体を
形成している事がわかる。
又、本発明の重合膜は平滑均一な重合膜から、多孔性
膜までの状態をとりうるが、好ましくは多孔性の膜であ
る。プラズマ重合では従来からピンホールのない平滑で
均質の膜が得られるとされているが、本発明方法におい
てはピロールのプラズマ重合と同時に沃素を導入する事
によってプラズマ重合膜中に沃素が導入される。沃素の
一部はピロールと錯体形成し分子分散するが、錯体形成
に関与しない沃素は重合膜中でクラスター、ドメインを
形成する。この未反応沃素を成膜後除去する事により、
プラズマ重合膜を多孔質化できるものである。
膜までの状態をとりうるが、好ましくは多孔性の膜であ
る。プラズマ重合では従来からピンホールのない平滑で
均質の膜が得られるとされているが、本発明方法におい
てはピロールのプラズマ重合と同時に沃素を導入する事
によってプラズマ重合膜中に沃素が導入される。沃素の
一部はピロールと錯体形成し分子分散するが、錯体形成
に関与しない沃素は重合膜中でクラスター、ドメインを
形成する。この未反応沃素を成膜後除去する事により、
プラズマ重合膜を多孔質化できるものである。
本発明のピロール/沃素錯体プラズマ重合膜は、ピロ
ール及び沃素の蒸気の共存下で低温ガスプラズマにより
活性化され、基板上へ形成させる事が出来る。
ール及び沃素の蒸気の共存下で低温ガスプラズマにより
活性化され、基板上へ形成させる事が出来る。
本発明で用いるプラズマはいわゆる低温プラズマを指
し、該イオン化ガスプラズマはかかるプラズマを生成す
るための公知方法のいずれによっても生成させることが
できる。例えばJ.R.ホラハン(Hollahan)とA・T・ベ
ル(Bell)版「プラズマ化学の応用技術」、ワイリー、
ニューヨーク1974およびMシエン(Shen)版「重合体の
プラズマ化学」デッカー.ニューヨーク.1976に記載さ
れている。即ち高周波発生器に連結された平行板電極の
間にモノマーを真空下で入れ、真空室の外部又は内部の
いずれかの平行板を用いてプラズマを生成させることが
出来る。また外部誘導コイルによって電極をつくらせ、
イオン化ガスのプラズマを発生させてもよく、また反対
に荷電した電極に間隔をおいて直接真空室に入れてプラ
ズマを生成させてもよい。
し、該イオン化ガスプラズマはかかるプラズマを生成す
るための公知方法のいずれによっても生成させることが
できる。例えばJ.R.ホラハン(Hollahan)とA・T・ベ
ル(Bell)版「プラズマ化学の応用技術」、ワイリー、
ニューヨーク1974およびMシエン(Shen)版「重合体の
プラズマ化学」デッカー.ニューヨーク.1976に記載さ
れている。即ち高周波発生器に連結された平行板電極の
間にモノマーを真空下で入れ、真空室の外部又は内部の
いずれかの平行板を用いてプラズマを生成させることが
出来る。また外部誘導コイルによって電極をつくらせ、
イオン化ガスのプラズマを発生させてもよく、また反対
に荷電した電極に間隔をおいて直接真空室に入れてプラ
ズマを生成させてもよい。
一般に重合法、光、熱等によって化学構造がくずれや
すいモノマーはプラズマ重合によっても同様に、一次構
造を残す事は容易ではない。こういったモノマーでは例
えば電極間にモノマーを置き、まずモノマー以外のプラ
ズマ例えばアルゴン、N2、H2、He、CO2等の不活性ガスのプ
ラズマを前もって発生させ、そのプラズマ中でモノマー
の短時間加熱気化を行ない、目的とするモノマーをプラ
ズマ化し、重合させる事も好ましい。ピロールは前述し
たように従来公知のピロール、N−アルキル置換ピロー
ル、N−アリル置換ピロール及びその他蒸発しやすく修
飾したピロール類が使用できる。
すいモノマーはプラズマ重合によっても同様に、一次構
造を残す事は容易ではない。こういったモノマーでは例
えば電極間にモノマーを置き、まずモノマー以外のプラ
ズマ例えばアルゴン、N2、H2、He、CO2等の不活性ガスのプ
ラズマを前もって発生させ、そのプラズマ中でモノマー
の短時間加熱気化を行ない、目的とするモノマーをプラ
ズマ化し、重合させる事も好ましい。ピロールは前述し
たように従来公知のピロール、N−アルキル置換ピロー
ル、N−アリル置換ピロール及びその他蒸発しやすく修
飾したピロール類が使用できる。
ピロールの導入はプラズマ反応容器外から導入しても
よいし、反応器内の容器から行なってもよい。沃素にお
いても同様である。ピロールと沃素の導入は通常1:50〜
10:1(モル比)、好ましくは1:20〜5:1(モル比)であ
り、沃素の量が1:50を越えたり、10:1未満では、重合膜
の多孔性が大きくなりすぎ、重合膜の性状、物性の低下
が著しく、或いはピロールとの錯体形成が十分でなくな
る。
よいし、反応器内の容器から行なってもよい。沃素にお
いても同様である。ピロールと沃素の導入は通常1:50〜
10:1(モル比)、好ましくは1:20〜5:1(モル比)であ
り、沃素の量が1:50を越えたり、10:1未満では、重合膜
の多孔性が大きくなりすぎ、重合膜の性状、物性の低下
が著しく、或いはピロールとの錯体形成が十分でなくな
る。
本発明方法の新規でかつ大きな特長は、ピロールの重
合膜を形成すると同時にピロール/沃素の錯体を形成す
る事にあり、これによってプラズマ重合膜という極めて
緻密な膜においても錯化反応が十分良好に進行する。
又、従来方法のように重合膜の形成後ドーピングする時
のような、作業性、工程及びドーピング物の物性の低下
は全くない。
合膜を形成すると同時にピロール/沃素の錯体を形成す
る事にあり、これによってプラズマ重合膜という極めて
緻密な膜においても錯化反応が十分良好に進行する。
又、従来方法のように重合膜の形成後ドーピングする時
のような、作業性、工程及びドーピング物の物性の低下
は全くない。
又、プラズマ重合の条件によってモノマーの一次構造
の残りやすさは変ってくる。即ち、モノマーの一次構造
を残そうとする場合には、プラズマ照射時間を短かくす
る。本発明のピロール/沃素錯体のプラズマ重合の場
合、通常10分以下、好ましくは5分以下であり、又パル
ス的に高周波を印加しプラズマを発生する方法も好まし
い。プラズマ重合時間を低下させるとともにプラズマ出
力を下げる或いは真空度を下げるか或いは基板の温度を
下げるといった方法を併合する事も好ましい方法であ
る。
の残りやすさは変ってくる。即ち、モノマーの一次構造
を残そうとする場合には、プラズマ照射時間を短かくす
る。本発明のピロール/沃素錯体のプラズマ重合の場
合、通常10分以下、好ましくは5分以下であり、又パル
ス的に高周波を印加しプラズマを発生する方法も好まし
い。プラズマ重合時間を低下させるとともにプラズマ出
力を下げる或いは真空度を下げるか或いは基板の温度を
下げるといった方法を併合する事も好ましい方法であ
る。
プラズマ出力に関しては出力が大きいとモノマーの構
造がこわれやすいが、出力を余り下げると重合が十分に
進行せず、モノマーの残余率が高くなったり或いは生成
物の分子量が十分高くならず、溶剤等に溶解したりす
る。従って、出力はこれらのかねあいで決定する事が重
要である。本発明の場合の高周波出力は、通常5〜300
W、好ましくは10〜200W、特に好ましくは30〜100Wであ
る。尚高周波出力は当然、目的とする用途によって適宜
選択する。
造がこわれやすいが、出力を余り下げると重合が十分に
進行せず、モノマーの残余率が高くなったり或いは生成
物の分子量が十分高くならず、溶剤等に溶解したりす
る。従って、出力はこれらのかねあいで決定する事が重
要である。本発明の場合の高周波出力は、通常5〜300
W、好ましくは10〜200W、特に好ましくは30〜100Wであ
る。尚高周波出力は当然、目的とする用途によって適宜
選択する。
真空度も出力と同様の傾向、効果を示し、真空度が低
下すると重合の進行が十分でなく、重合物の物性も十分
とはいえない。一方真空度を余りにも高くしすぎるとプ
ラズマのエネルギーが高くなりすぎ、モノマーの構造を
殆んど残さない重合物が生成したり、極めて架橋度の高
いヒイルム或いは粉末が出来、力学的強度、成膜性とい
う点で適当でない。真空度は通常10-5〜100Torr、好ま
しくは10-4〜10Torr、更に好ましくは10-3〜1Torrであ
る。
下すると重合の進行が十分でなく、重合物の物性も十分
とはいえない。一方真空度を余りにも高くしすぎるとプ
ラズマのエネルギーが高くなりすぎ、モノマーの構造を
殆んど残さない重合物が生成したり、極めて架橋度の高
いヒイルム或いは粉末が出来、力学的強度、成膜性とい
う点で適当でない。真空度は通常10-5〜100Torr、好ま
しくは10-4〜10Torr、更に好ましくは10-3〜1Torrであ
る。
基板の温度はプラズマ重合の本質的メカニズムとの関
連は少ないが、基板温度が高い時重合生成物の分子量、
架橋が小さい場合は生成物が気化し、放散してしまう。
一方、基板温度が低い場合は温度勾配による拡散により
活性化されていないモノマーが付着凝固し、重合性の低
下がある。
連は少ないが、基板温度が高い時重合生成物の分子量、
架橋が小さい場合は生成物が気化し、放散してしまう。
一方、基板温度が低い場合は温度勾配による拡散により
活性化されていないモノマーが付着凝固し、重合性の低
下がある。
ここで使用する基板は目的によって適宜選択すればよ
く、特に限定はしないが、通常固定表面、フイルム及び
シート表面或いは粒子表面である。基板の位置は高周波
印加用の電極上或いはその近傍よりアフターグローの領
域にする方が、プラズマ重合中でのピロールの骨格の分
解が小さく重合物の導電性の点で好ましく。
く、特に限定はしないが、通常固定表面、フイルム及び
シート表面或いは粒子表面である。基板の位置は高周波
印加用の電極上或いはその近傍よりアフターグローの領
域にする方が、プラズマ重合中でのピロールの骨格の分
解が小さく重合物の導電性の点で好ましく。
プラズマ重合後の重合膜はピロールとの錯形成に関与
しない沃素も含有する為に、この未反応沃素を除去する
必要がある。この未反応沃素の除去には通常加熱、真空
加熱或いは溶剤による抽出洗浄が用いる事が出来るが、
熱アルコールにより数十分間抽出洗浄する事でほぼ完全
に除去できる。
しない沃素も含有する為に、この未反応沃素を除去する
必要がある。この未反応沃素の除去には通常加熱、真空
加熱或いは溶剤による抽出洗浄が用いる事が出来るが、
熱アルコールにより数十分間抽出洗浄する事でほぼ完全
に除去できる。
未反応沃素の除去後には孔が発生し、これが本発明の
プラズマ重合膜の多孔性の原因になっているのである
が、未反応沃素の量により、重合膜の多孔性を自由に調
節できる。
プラズマ重合膜の多孔性の原因になっているのである
が、未反応沃素の量により、重合膜の多孔性を自由に調
節できる。
〈発明の効果〉 本発明は、ピロール/沃素錯体プラズマ重合膜からな
る重合膜であり、重合させる為の余分な官能基を一切有
さない為にピロール成分の含有率が高く、又ピロール分
子の堆積構造も他の重合物より好ましいと予想される。
る重合膜であり、重合させる為の余分な官能基を一切有
さない為にピロール成分の含有率が高く、又ピロール分
子の堆積構造も他の重合物より好ましいと予想される。
本発明方法は従来極めて困難であったピロールの重
合、特に特殊の官能基の導入なしに重合させる方法であ
り、極めて工業的に有用である。更に本発明方法による
重合膜は重合と同時に溶剤不溶性の重合膜が形成される
が、各種の応用分野、例えば光電変換素子、太陽電池、
センサー等への応用が期待される。
合、特に特殊の官能基の導入なしに重合させる方法であ
り、極めて工業的に有用である。更に本発明方法による
重合膜は重合と同時に溶剤不溶性の重合膜が形成される
が、各種の応用分野、例えば光電変換素子、太陽電池、
センサー等への応用が期待される。
又、ピロールのプラズマ重合と同時に沃素との錯体が
形成される為に、従来の方法のように沃素ドーピングに
よる種々の欠点及び工程の複雑さがなく、安価にかつ高
性能のピロール/沃素錯体重合膜の形成が出来るという
点で極めて工業的に有用である。
形成される為に、従来の方法のように沃素ドーピングに
よる種々の欠点及び工程の複雑さがなく、安価にかつ高
性能のピロール/沃素錯体重合膜の形成が出来るという
点で極めて工業的に有用である。
〈実施例〉 以下実施例を示して本発明を更に詳しく説明する。
実施例1 平行平板電極を有するプラズマ反応装置のアフターグ
ロー領域に冷却したガラス基板をおく。プラズマ反応容
器はまず1×10-3Torrで30分間脱気後、アルゴンを導入
して1×10-2Torrに調整した。次いで平行平板電極に1
3.56MHzの高周波を50Wの出力で印加し、低温ガスプラズ
マを発生させた。続いて反応容器中に、反応容器中の圧
力が1〜3×10-3Torrになるよう第1表に示すピロール
及び沃素を1:10(モル比)で導入し、10分間プラズマ重
合を行った。
ロー領域に冷却したガラス基板をおく。プラズマ反応容
器はまず1×10-3Torrで30分間脱気後、アルゴンを導入
して1×10-2Torrに調整した。次いで平行平板電極に1
3.56MHzの高周波を50Wの出力で印加し、低温ガスプラズ
マを発生させた。続いて反応容器中に、反応容器中の圧
力が1〜3×10-3Torrになるよう第1表に示すピロール
及び沃素を1:10(モル比)で導入し、10分間プラズマ重
合を行った。
ガラス基板上にはいずれもかっ色の重合薄膜が得られ
た。この重合膜を熱メタノールに1時間浸漬し、未反応
沃素を洗浄、除去した。未反応沃素除去後も薄膜はかっ
色を呈したが、多孔性であった。第1表に結果を示す。
尚、膜面方向の電導度(σ)は重合膜表面に金の電極
と真空蒸着により形成し、四端子法により測定した。重
合膜の膜厚方向の電導度(σ⊥)は、膜の両側に金電極
を真空蒸着により形成し、二端子法にて測定した。
た。この重合膜を熱メタノールに1時間浸漬し、未反応
沃素を洗浄、除去した。未反応沃素除去後も薄膜はかっ
色を呈したが、多孔性であった。第1表に結果を示す。
尚、膜面方向の電導度(σ)は重合膜表面に金の電極
と真空蒸着により形成し、四端子法により測定した。重
合膜の膜厚方向の電導度(σ⊥)は、膜の両側に金電極
を真空蒸着により形成し、二端子法にて測定した。
実施例2 実施例1で得たピロール/沃素錯体プラズマ重合膜の
表面に1対の金電極を真空蒸着により取り付け、その間
に100mVの直流を印加した。本素子に流れる電流は暗状
態で9.2mAであり、150Wタングステンランプを25cmの距
離から照射した場合、19mAへと流れる電流が増大し、光
によるスイッチング機能を示した。
表面に1対の金電極を真空蒸着により取り付け、その間
に100mVの直流を印加した。本素子に流れる電流は暗状
態で9.2mAであり、150Wタングステンランプを25cmの距
離から照射した場合、19mAへと流れる電流が増大し、光
によるスイッチング機能を示した。
Claims (7)
- 【請求項1】溶剤不溶性、且つ膜面方向の電導度が膜厚
方向の導電度の102〜108倍であり、膜面方向の電導度が
光の照射により変化する光スイッチング機能を有するこ
とを特徴とするピロール/沃素錯体プラズマ重合膜。 - 【請求項2】重合膜の膜面方向の電導度が1×10-3〜1
×102S/cmである特許請求の範囲第1項記載の重合膜。 - 【請求項3】沃素の含有率が20〜60重量%である特許請
求の範囲第1項記載の重合膜。 - 【請求項4】重合膜が多孔性である特許請求の範囲第1
項記載の重合膜。 - 【請求項5】ピロール及び沃素の蒸気の共存下で低温ガ
スプラズマを発生させ、基板上に沃素を含有したピロー
ルのプラズマ重合膜を形成させた後、過剰の沃素を除去
する事を特徴とするピロール/沃素錯体プラズマ重合膜
の製造方法。 - 【請求項6】低温ガスプラズマをアルゴン、水素、窒
素、ヘリウム等の不活性ガスの共存下で発生させる特許
請求の範囲第5項記載の方法。 - 【請求項7】過剰の沃素を洗浄により除去する特許請求
の範囲第5項記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61054325A JP2525735B2 (ja) | 1986-03-11 | 1986-03-11 | ピロ−ル/沃素錯体プラズマ重合膜及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61054325A JP2525735B2 (ja) | 1986-03-11 | 1986-03-11 | ピロ−ル/沃素錯体プラズマ重合膜及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62209132A JPS62209132A (ja) | 1987-09-14 |
JP2525735B2 true JP2525735B2 (ja) | 1996-08-21 |
Family
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