JP2525596Y2 - 複層化葉書 - Google Patents

複層化葉書

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JP2525596Y2 JP1989035560U JP3556089U JP2525596Y2 JP 2525596 Y2 JP2525596 Y2 JP 2525596Y2 JP 1989035560 U JP1989035560 U JP 1989035560U JP 3556089 U JP3556089 U JP 3556089U JP 2525596 Y2 JP2525596 Y2 JP 2525596Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は郵便葉書において、この葉書記録面を隠蔽
し且つ記録面積を従来よりも広くすることを可能にした
複層化葉書に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、流通機関などから顧客へ宣伝,広告のための印
刷物を郵送することが多く、その郵送料の負担は多大な
ものとなっている。郵送料は封筒の場合よりも葉書の方
が安く、この郵送料の関係から例えば二つ折り可能な葉
書台紙の一方の全面に宣伝広告やプライベートな情報を
印刷し、この記録面同志を疑似接着させて複層化し、前
記記録面が隠蔽されるように構成した複層化葉書が提案
されている。
第5図は前記提案(先願考案)に係わる複層化葉書の
断面図を示すもので、この複層化葉書は二つ折り可能な
葉書台紙1,2と、この葉書台紙1,2に印刷された宣伝広告
やプライベート情報等の記録面3,4と、この記録面3,4同
志を剥離可能に接着する弱粘着性の接着剤5とからな
り、前記記録面3,4が内側になるように二つ折りした葉
書台紙1,2を前記接着剤5で疑似接着して、記録面3,4が
隠蔽されるように構成されている。
第6図は前記複層化葉書の接着剤5に代えて用いられる
葉書台紙貼着用のラベルを示すもので、このラベル6は
透明なポリエステルフィルム基材60と、このポリエステ
ルフィルム基材60の上に弱い結合力で貼合した透明なポ
リエチレンフィルム61と、このフィルム貼合体66の両面
に接着剤層62,63を介して貼合した剥離紙64,65とからな
り、この剥離紙64,65を剥がして接着剤層62,63を露出さ
せ、この露出接着剤層62,63を第5図に示す葉書台紙1,2
の記録面3,4に貼合して、前記葉書の複層化に使用する
ものであり、葉書受取人が前記葉書台紙1,2を開き方向
に手で引張ると、記録面3,4間に介在されたフィルム貼
合体66がポリエステルフィルム基材60とポリエチレンフ
ィルム61との間で剥離して分離するようになる。
〔考案が解決しようとする課題〕
前記葉書台紙1,2を弱粘着性の接着剤5を使用して第
5図の如く複層回動すると、疑似接着面を剥離した時に
記録面3,4が接着剤5でべとつくので、受取人に不快感
を与えてしまう問題があり、しかも前記接着剤5は再接
着が可能であるため記録面3,4のプライベート保護の点
から好ましくない。
また、第6図のような葉書台紙貼着用ラベル6を使用
して複層化することは、葉書台紙1,2と前記ラベル6
(フィルム貼合体66)との位置合せが難しいので、機械
的な貼合せが困難であり、大量の部数を貼合せるのに不
向きである。
そこで、葉書台紙1,2の記録面3,4の一方に透明なポリ
エチレン樹脂層を、他方の記録面に透明なポリエステル
樹脂層を接着剤を介して直接貼合せることにより、異種
樹脂間で疑似接着させることも考えられるが、異種樹脂
層を記録面2,3に形成することは製造工程が複雑にな
り、製造コストが高くなるので、葉書を複層化して宣伝
広告情報等を郵送するメリットが少なくなってしまう。
この考案は前述した問題を解消するために案出された
もので、その目的は疑似接着面を剥離しても葉書台紙の
記録面がべとつかず、また再接着が不可能であり、しか
も比較的簡単な製造方法で安価に製造することができる
ように工夫した複層化葉書を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
前記の目的を達成するために、本考案の複層化葉書は
二つ折り或いはそれ以上の折部を有する葉書台紙と、こ
の葉書台紙に印刷された絵柄や文字の記録面と、この記
録面上に被着形成された熱融着可能な透明プラスチック
層とからなり、前記記録面が内側になるように折畳んだ
葉書台紙をプラスチック層表面の粗面凸凹による点接合
で疑似接着して、記録面を隠蔽したことを特徴とするも
のである。
〔作用〕
本考案は葉書台紙記録面の疑似接着に熱融着可能な透
明プラスチック層を利用するものである。本来、熱癒着
可能なプラスチックは加熱加圧すると完全に熱融着して
再剥離が困難となり、疑似接着(台紙剥離)を要求され
る葉書の複層化には適さないものである。そこで、本考
案者は鋭意研究の末、前記プラスチック層間の疑似接着
を可能にする技術を見出し、葉書の複層化に応用するこ
とを可能にしたものである。
即ち、前記プラスチック層間の疑似接着を可能にする
ためには、プラスチック層を完全に熱融着(全面結合)
せずに、プラスチック層表面の粗面凸凹による点接合と
する。このような点接合の疑似接着面により葉書台紙を
複層化すると、疑似接着面を剥離しても葉書台紙の記録
面がべとつかず、また再接着が不可能であり、しかも異
種樹脂層間を疑似接着するものに比べ簡単な製造方法で
安価に製造することができる。
〔実施例〕
以下、この考案の実施例を第1図及び第2図の図面に
従い詳細に説明する。第1図(A)は第2図のI−I′
線に沿う断面図、第1図(B)は透明プラスチック層間
の疑似接着部を拡大した詳細図、第2図は本考案の複層
化葉書の斜視図であって、この複層化葉書は折曲部10か
ら二つ折りされる葉書台紙11,12と、この葉書台紙11,12
に印刷された絵柄や文字(通常は宣伝,広告や金融など
の情報が印刷される)の記録面13,14と、この記録面13,
14上に被着形成された熱融着可能な透明樹脂例えばポリ
塩化ビニール,ポリ塩化ビニリデン,ポリエチレン,ポ
リプロピレン等の透明プラスチック層15,16とからな
り、前記記録面13,14が内側になるように折畳んだ葉書
台紙11,12を前記プラスチック層15,16表面の第1図
(B)に示す如き粗面凸凹15a,16aによる点接合(この
点接合部は符号17で示している)で疑似接着して、記録
面13,14を隠蔽したものである。すなわち、相対するプ
ラスチック層15,16の重合面において、粗面凸凹15a,16b
が、相対する透明プラスチックフィルムと接する点と接
合して点接合部17を形成する一方、相対する凹部同志は
接合せずに未接着部を形成し、疑似接着を構成するので
ある。なお、前記実施例は二つ折り葉書の場合について
説明したが、三つ折り或いはそれ以上の折部を有する記
録面積広い葉書についても適用可能である。
次に、前記複層化葉書の製造方法について第3図
(A)乃至第3図(C)に基づいて説明する。第3図
(A)の符号30は葉書台紙11,12が多面付けされた葉書
原紙であり、この葉書原紙30の上に葉書台紙大の絵柄や
文字等の記録面31を多面付けで第3図(B)の如く印刷
した後、この印刷記録面31の上に厚さが15〜30μ程度の
熱融着可能な透明プラスチックフィルム32を透明接着剤
(図示せず)を介して貼合せる。
第3図(A)に示す葉書原紙30は葉書台紙11,12が複
数枚例えば4枚の複層化葉書を得ることができるように
多面付けされた大版の一枚原紙であって、記録面31を印
刷し且つプラスチックフィルム32を貼合せた後に、第3
図(B)の台紙折部33,34を谷折りして、第3図(C)
の如く折畳まれた葉書原紙重合体30′を得る。そして、
この葉書原紙重合体30′を第4図に示す加熱加圧ローラ
装置40にセット挿入し、この葉書原紙重合体30′の両面
をシリコンヒータロール41で加熱加圧して、このシリコ
ンヒータロール41の上下ローラ回転により葉書原紙重合
体30′を前方へ押出す。この時の押出速度は1.5〜2.0m/
min、前記シリコンヒータロール41の上下ローラによる
加圧力は8kg/cm2、前記シリコンヒータロール41の加熱
温度は150〜160℃程度である。このようにして複層化し
た葉書原紙重合体30′を第3図(C)の点線で示す葉書
サイズの裁断位置35,36からカッター切断することによ
り、第1図及び第2図に示すような複層化葉書を得るこ
とができた。
本考案の複層化葉書は葉書台紙11,12の複層化に熱融
着可能な透明プラスチック層15,16を用いるが、このプ
ラスチック層15,16は通常の方法で加熱加圧すると完全
に熱融着して再剥離が困難となり、疑似接着を要求され
る葉書の複層化には適さないが、前記のようなプラスチ
ック層厚,ローラ押出速度,ローラ加圧力及び加熱温度
の条件によって得られたプラスチック層15,16の接着は
第1図(B)に示す如き、プラスチック層15,16表面の
微細な粗面凸凹15a,16aによる点接合部17と、点接合部1
7以外の未接着部が形成されて疑似接着となるので、一
度剥離すると同じ剥離性を有する疑似接着を再生するこ
と、すなわち一度剥がした葉書台紙11,12を再接着する
ことは不可能である。
而して、前記のように疑似接着して複層化された葉書
は、通常の取扱いでは剥離しない程度の接着力を有し、
葉書受取人が前記葉書が剥がす時は通常、第2図符号18
で示すコーナー部分から葉書台紙11,12の両面を開き方
向に引張って剥離させる。このため、前記プラスチック
層15,16の粗面凸凹15a,16aによる点接接合17には引張応
力が部分的に集中して働くので容易に剥がすことができ
る。
なお、第2図に示すコーナー部18に感熱接着剤を塗布
して剥離できないように予め接着しておき、葉書受取人
が葉書台紙11,12を剥離させる時に前記コーナー部18を
破線19に沿って鋏等で切って、プラスチック層15,16間
を剥離するように工夫すれば、葉書取扱い時の誤剥離を
確実に防止することができる。
〔考案の効果〕
本考案の複層化葉書は、前記のような構成のものであ
るから、疑似接着面を剥離しても葉書台紙の記録面がべ
とつかず、また再接着が不可能であり、しかも比較的簡
単な製造方法で安価に製造することができる等の優れた
実用上の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は本考案の一実施例による複層化葉書の断
面図(第2図I−I′線に沿う断面図)、第1図(b)
は前記複層化葉書の透明プラスチック層間の疑似接着部
を拡大して示した詳細図、第2図は本考案の複層化葉書
を全体外観図として示した斜視図、第3図(A)(B)
(C)及び第4図は前記葉書の複層化方法を説明するた
めの葉書原紙及び加熱加圧ローラ装置の斜視図、第5図
は従来の複層化葉書を示した断面図、第6図は同葉書の
複層化に用いられる葉書台紙貼着用ラベルの断面図であ
る。 11,12……葉書台紙、13,14……絵柄,文字の記録面、1
5,16……透明プラスチック層、15a,16a……透明プラス
チック層表面の粗面凸凹、17……同粗面凸凹の点接合
部。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】二つ折り或いはそれ以上の折部を有する葉
    書台紙と、この葉書台紙に印刷された絵柄や文字の記録
    面と、この記録面上に透明接着剤を介して貼り合わさ
    れ、その表面に粗面凹凸を有する熱融着可能な透明プラ
    スチックフィルムとからなり、 前記記録面が内側になるように葉書台紙を折畳み、相対
    する透明プラスチックフィルムの重合面において、前記
    粗面凹凸の凸部が相対する透明プラスチックフィルムと
    接する点は、葉書台紙の外側面からの加熱により接合し
    て点接合部を形成し、一方、前記透明プラスチックフィ
    ルムの相対する凹部どうしは該加熱によっても接合せず
    に未接着部を形成してなり、 前記点接合部及び未接着部により透明プラスチックフィ
    ルムの重合面が疑似接着して、記録面を隠蔽したことを
    特徴とする複層化葉書。
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JP2689392B2 (ja) * 1989-02-15 1997-12-10 義和 木村 往復はがきの製造方法

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