JP2525530B2 - 3−アミノメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキシルアミンの製造方法 - Google Patents

3−アミノメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキシルアミンの製造方法

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JP2525530B2 JP4046917A JP4691792A JP2525530B2 JP 2525530 B2 JP2525530 B2 JP 2525530B2 JP 4046917 A JP4046917 A JP 4046917A JP 4691792 A JP4691792 A JP 4691792A JP 2525530 B2 JP2525530 B2 JP 2525530B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1,3,3−トリメチ
ル−5−オキソ−シクロヘキサン−カルボニトリルをア
ンモニア及び水素でニッケル−ラネー触媒又はコバルト
−ラネー触媒を用いて還元アミン化することにより3−
アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル
アミンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】3−アミノメチル−3,5,5−トリメ
チルシクロヘキシルアミン(以下イソホロンジアミンと
記載する)は、イソホロンジイソシアネートを製造する
ための出発生成物として、ポリアミドのためのアミン成
分として及びエポオキシド樹脂の硬化剤として使用され
る。
【0003】従来、イソホロンジアミン(IPDA)
は、1,3,3−トリメチル−5−オキソ−シクロヘキ
サン−カルボニトリル(以下イソホロンニトリル(IP
N)と記載する)をアンモニア及び通常の水素添加触媒
の存在下で還元アミン化することにより得られる。出発
化合物として役立つイソホロンニトリルは、シアン化水
素をイソホロンに付加させることにより得られる(西ド
イツ国特許出願第3942371.9号明細書参照)。
【0004】西ドイツ国特許第1229078号明細書
の方法によれば、アンモニアとIPNは、IPDAを得
るために10〜30:1の比で使用される。しかしなが
ら所望のIPDAの他に、大量の副生成物、例えば特に
3−アミノメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘ
キサノール(=イソホロンアミノアルコール(IPA
A))、1,3,3−トリメチル−6−アザ−ビシクロ
−[3,2,1]−オクタン及びジヒドロイソホロリル
アミンが生じる。例として、81.4%までのIPDA
の収率が記載されているが、但し純度については記載さ
れていない。上記の収率は、例えば種々の面から確証さ
れるように再現不可能である。
【0005】IPDAを高い収率で得るため、かつIP
DAの副生成物を減少させるための努力として、西ドイ
ツ国特許出願公開第3011656号明細書によれば、
西ドイツ国特許第1229078号明細書から公知の方
法を、第1工程でIPNを触媒不在でアンモニア過剰で
1,3,3−トリメチル−5−イミノ−シクロヘキサン
−カルボニトリルに換化し、第2工程でIPDAに水素
添加する方法に変更した。該第2工程では、著しく過剰
のアンモニアを使用しなければならなかった。該方法は
アンモニアの回収及びリサイクルのために、費用のかか
る加圧蒸留が必要であった。例えば、西ドイツ国特許出
願公開第3011656号明細書記載の方法では、IP
N1kg当たりアンモニア約5kgの量比にもかかわら
ず、反応収率83.7%が得られたにすぎず、単離した
IPDAの収率及び該純度については記載されていな
い。
【0006】もう1つ、上記明細書の方法を改良する必
要があったことは、西ドイツ国特許出願公開第3021
955号明細書から推察される。西ドイツ国特許出願公
開第3021955号明細書の比較例1により、IP
N:NHの体積比が1:10であるにもかかわらず、
西ドイツ国特許第1229078号明細書に類似の方法
では、IPDA収率は48%に達するにすぎない(この
場合、詳述されていない“通常市販の触媒”が使用され
ている)。西ドイツ国特許出願公開第3021955号
明細書の比較例2及び3により、西ドイツ国特許出願公
開第3011646号明細書に類似して実施すると、約
70%ないしは90%の反応収率が得られた。しかしな
がら、このためには第1工程のために長い反応時間及び
第2工程のために1:10のIPN:NH比が必要で
あった。すなわち、高いアンモニア過剰率の欠点に加え
て、なお空時収率の経済的に重要な低下が生じる。
【0007】西ドイツ国特許出願公開第3011656
号明細書の方法での第1工程(イミン形成)のための長
い反応時間は、西ドイツ国特許出願公開第302195
5号明細書により、イミン形成触媒を使用することで短
縮させることができた。しかしながら、このことにより
反応制御はより費用がかかり、更に非常に高いアンモニ
ア/IPN体積比を回避することができなかった。
【0008】西ドイツ国特許出願第3011656号及
び同第3021955号明細書の方法においては、担体
不含の又は担体結合したCo、Ni、Fe及び貴金属触
媒、特にラネー−ニッケル及びラネーコバルトも、適当
であると記載されている。触媒量の酸及びアンモニウム
塩の可能な同時使用が西ドイツ国特許出願第30116
56号明細書に示されているが、使用法についての詳細
は明示されていない。
【0009】特開昭62−123154号公報の方法
は、IPDAを製造するためのIPNの還元アミン化に
関する。この場合には、必要とされるアンモニア過剰を
減少させ、担体結合した触媒の前還元を省く試みがなさ
れた。IPNに対してアンモニア1〜20倍、有利には
5〜10倍のモル量並びに触媒としてラネー−コバル
ト、圧力50〜150バール及び温度50〜150℃を
使用すると上記方法によりIPDAが高い収率で得られ
ると主張しており、該実施例には反応混合物中83〜8
9%の収率が記載されている。
【0010】本発明の出願者は、特開昭62−1231
54号公報の方法の追跡調査で、該公報に記載されてい
る値を越えてアンモニア過剰率を高めたにもかかわら
ず、ほとんど水素吸収が起こらなかった、従って、ラネ
ー−コバルトだけでは実際に効果がないことを確認し
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、イソ
ホロンニトリルからイソホロンジアミンを製造する方法
を、容易に入手可能なラネー触媒でもIPDAを良好な
収率で得ることができるように改良することであった。
該還元アミン化は、有利には加圧蒸留を不必要とするよ
うなアンモニア過剰の存在下で実施可能にすべきであっ
た。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題は、1,3,3
−トリメチル−5−オキソ−シクロヘキサンカルボニト
リル(IPN)をアンモニア及び水素で圧力5〜20M
Pa及び温度50〜150℃でニッケル−ラネー触媒又
はコバルト−ラネー触媒を用いてかつ有機溶剤の存在下
で還元アミン化することにより3−アミノメチル−3,
5,5−トリメチルシクロヘキシルアミンを製造する方
法において、付加的にニッケル又はコバルトの塩からな
る共触媒をラネー触媒1モル当たり0.01〜0.5モ
ルの量で使用することにより解決される。
【0013】本発明では、ラネー−ニッケル及びラネー
−コバルト触媒を使用する。別の金属、例えば特にMn
及びFeがドーピングされていてよいNi−ないしはC
o−ラネー触媒も含まれる。該ラネー触媒は公知の方法
でニッケルないしはコバルトとアルミニウム及び/又は
Zn、Mg、Si並びに場合によりドーピング元素との
合金から、アルミニウムないしはZn、Mg、Siを浸
出させることにより得られる。この際、少なくともアル
カリ溶液で浸出する。
【0014】本発明の要旨は共触媒を使用することであ
る。Ni又はCoの塩のアニオンとしては、鉱酸、特に
硫酸及び塩酸、まだカルボン酸のアニオンも重要であ
る。ハロゲン化物、例えば上記金属の塩化物が好適であ
る。
【0015】共触媒の使用量は、広い限界内にある。好
ましくは触媒1モル当たり(CoないしはNiとして計
算して)共触媒0.01〜0.5モル、特に0.05〜
0.2モルを使用する。該塩は、無水又は結晶水含有塩
として粉末状で又は溶液又は懸濁液として水素添加バッ
チに供給することができる。
【0016】水素添加は、アンモニアの存在下で実施す
る。有利にはイソホロンニトリル1kg当たりNH
0.25〜2.5kg、特にNH0.5〜1kgを
反応バッチに、例えば液状アンモニアの圧入により加え
る。
【0017】反応混合物の最後の成分はなお有機溶剤で
あり、特に溶剤混合物も理解されるべきでる。溶剤とし
ては、IPN及びIPDAに対する十分な溶解力を有す
るものが該当するので、水素添加温度で該物質は溶解し
た形で存在する。例えば、低級アルコール、特に1価の
〜C−アルコール、脂肪族及び環式脂肪族モノ−
及びジエーテル、特にC−原子を6個まで有するもの、
更に一般的に炭化水素、例えばシクロヘキサン及びトル
エンが適当である。沸点120℃未満を有し、水素添加
終了後、問題なく反応混合物から留去できる溶剤が有利
である。
【0018】還元アミン化は5〜20MPa、特に10
〜15MPaの圧力範囲内で行う。IPN、アンモニ
ア、溶剤、触媒及び共触媒に加圧反応器内で水素を所望
の圧力までで圧入する。有利には、圧力は水素添加の
間、Hを圧入することにより維持する。水素添加温度
は、50〜150℃、有利には80〜130℃である。
【0019】水素添加は、不連続的に又は連続的に実施
することができ、その際、例えば懸濁触媒を用いた水素
添加のために使用される通常の水素添加反応器、例えば
撹拌オートクレーブ及びループ型バブルカラムを使用す
ることができる。水素添加終了後の反応混合物の後処理
は自体公知の方法で行う。通常該工程は、放圧、アンモ
ニアの蒸発、不溶成分の溶液からの分離、溶剤の蒸留分
離、及び減圧下でのIPDA粗製生成物の分留からな
る。
【0020】本発明による共触媒を使用することによ
り、驚異的にも、イソホロンニトリルを効率的に還元ア
ミン化してイソホロンジアミンにするためのラネーCo
及びラネーNi触媒が使用可能であった。該方法は容易
に実施され、通常加圧蒸留は不必要である。
【0021】
【実施例】次に、本発明を以下の実施例につき詳細に説
明する。
【0022】例1 イソホロンニトリル400g(2.42モル)をガス処
理撹拌器を備えた5リットルのオートクレーブ内でメタ
ノール1リットル及び無水アンモニア1リットル中に溶
かした。触媒としてラネーコバルト100g(水約25
%含有)及び塩化コバルト−六水化物50gを添加した
後、1200rpmで撹拌し、水素130バールを圧入
した。80℃に加熱した際に水素吸収が起った。ほぼ水
素添加の終了頃に温度を130℃に上昇させた。全反応
時間は3〜4時間であった。冷却後、該触媒を濾別し、
過剰のアンモニア及びメタノールを留去した。該残留物
は真空管で蒸留した。
【0023】 前留出物: 12g Kp0.1:30〜65℃ 主留出物(IPDA): 350g Kp0.1:65〜68℃ 残留物: 13.2g 収率: IPDA理論値の85.0%(IPNに対して) 生成物純度(GC): 約98%例2 例1によるバッチを繰り返したが、但しメタノール1.
5リットル及び無水アンモニア1.5リットル(それぞ
れ1リットルの代わりに)を使用した。IPDAの収量
は351gであった(=理論値の85.3%)。
【0024】例3 例1に類似して行ったが、イソホロンニトリル500g
(=3.30モル)及び無水アンモニア0.5リットル
だけを使用した。
【0025】 収量: IPDA345.1g(理論値の67.0%) 残留物は塩を含有: IPDA×1/2HCl 苛性ソーダ溶液で遊離後、合計396.6g(理論値 の77%)のIPDAを単離できた。
【0026】比較例 例2に類似して行ったが、但し共触媒として塩化コバル
トは使用しなかった。水素吸収はほとんど起こらなかっ
た。単離可能な収量はなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−123154(JP,A) 特公 昭39−10923(JP,B1) 特公 昭45−19896(JP,B1)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,3,3−トリメチル−5−オキソ−
    シクロヘキサンカルボニトリル(IPN)をアンモニア
    及び水素で圧力5〜20MPa及び温度50〜150℃
    でニッケル−ラネー触媒又はコバルト−ラネー触媒を用
    いてかつ有機溶剤の存在下で還元アミン化することによ
    り3−アミノメチル−3,5,5−トリメチル−シクロ
    ヘキシルアミンを製造する方法において、付加的にニッ
    ケル又はコバルトの塩からなる共触媒をラネー触媒1モ
    ル当たり0.01〜0.5モルの量で使用することを特
    徴とする、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチル
    −シクロヘキシルアミンの製造方法。
  2. 【請求項2】 共触媒として前記金属と鉱酸との無水又
    は結晶水含有塩を使用する、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 Ni又はCoのハロゲン化物を使用す
    る、請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 触媒と共触媒を1:0.05〜0.2の
    モル比で使用する、請求項1から3までのいずれか1項
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 IPN1kg当たりアンモニア0.25
    〜2.5kgを使用する、請求項1から4までのいずれ
    か1項記載の方法。
  6. 【請求項6】 圧力10〜15MPa及び温度80〜1
    30℃で水素添加する、請求項1から5までのいずれか
    1項記載の方法。
JP4046917A 1991-03-05 1992-03-04 3−アミノメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘキシルアミンの製造方法 Expired - Lifetime JP2525530B2 (ja)

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DE (2) DE4106882C2 (ja)
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DE4106882A1 (de) 1992-09-10
EP0503246B1 (de) 1995-10-11
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