JP2525179B2 - 養毛料 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、テストステロン−５α−リダクターゼ活
性阻害作用を有するγ，δ−ラクトン誘導体およびγ，
δ−ラクタム誘導体を含有する養毛料に関するものであ
る。

［従来の技術］ テストステロン−５α−リダクターゼ活性阻害作用を
有する２−メチル−５−イソプロペニルシクロヘキセン
−３−オン（一般名:1−カルボン）が養毛料に配合され
ている。また、テストステロン−５α−リダクターゼ活
性阻害作用を有するシクロヘキセノン誘導体を配合した
養毛料として、例えば特開昭59−53417号、同59−53418
号、同53419号、同59−55812号、同59−55813号、同59
−55814号などに記載のものが知られている。

［発明の構成］ この発明の発明者らは、テストステロン−５α−リダ
クターゼ活性阻害作用を有する化合物の探索研究の過程
において、γ，δ−ラクトン誘導体およびγ，δ−ラク
タム誘導体がシクロヘキセノン誘導体に劣らぬテストス
テロン−５α−リダクターゼ活性阻害作用を有すること
を見いだし、この発明を完成した。この発明の養毛料
は、次の一般式 ［式中、ＸはNH、Ｎ−R²またはＯ、Ｙは（CH₂）_２、（C
H₂）_３、CH＝CHまたはCH₂CH＝CH、R¹はアルキル基、R²
は低級アルキル基をそれぞれ意味する］ で示される化合物［Ｉ］を含有する。

上記の定義において、アルキル基としては直鎖状また
は分枝鎖状の、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テト
ラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、イソプロピ
ル、イソブチル、イソペンチル、２−メチルブチル等が
挙げられ、低級アルキル基としては、上記のアルキル基
のうち、炭素数１〜６のものが挙げられる。

この発明の養毛料は、種々のタイプの基剤、例えば乳
液、クリーム、ローションなどの基剤にγ，δ−ラクト
ン誘導体および（または）γ，δ−ラクタム誘導体
［Ｉ］を常法により混合して製造される。養毛料中の
γ，δ−ラクトン誘導体およびγ，δ−ラクタム誘導体
［Ｉ］の配合割合は特に限定されないが、通常、0.01〜
２重量％が適当である。また、養毛料に配合されるγ，
δ−ラクトン誘導体およびγ，δ−ラクタム誘導体
［Ｉ］は１種類に限られず、２種類以上のγ，δ−ラク
トン誘導体および（または）γ，δ−ラクタム誘導体
［Ｉ］を混合して配合してもよい。さらに、皮膚末梢血
管拡張作用を有する塩化カルプロニウム、センブリエキ
ス、ビタミンＥニコチネートなどを適量配合すれば、相
乗効果が達せられる。

次に、この発明の養毛料に配合されるγ，δ−ラクト
ン誘導体およびγ，δ−ラクタム誘導体［Ｉ］のテスト
ステロン−５α−リダクターゼ活性阻害作用を試験例に
より説明する。

試験例 試験化合物： １……１−メチルピロリジン−２−オン ２……1,5−ジメチルピロリジン−２−オン ３……１−メチルピペリジン−２−オン ４……５−エチルテトラヒドロフラン−２−オン ５……５−ｎ−ヘキシルテトラヒドロフラン−２−オン ６……５−ｎ−ヘプチルテトラヒドロフラン−２−オン ７……６−メチルテトラヒドロピラン−２−オン ８……６−ｎ−ペンチルテトラヒドロピラン−２−オン ９……５−ｎ−ヘキシル−2,5−ジヒドロフラン−２−
オン 10……６−ｎ−オクチル−5,6−ジヒドロ−2H−ピラン
−２−オン 11……６−ｎ−デシル−5,6−ジヒドロ−2H−ピラン−
２−オン 試験方法： 試験化合物の10％エタノール溶液（10μｌ）を、ジチ
オスレイトール（1mM）、燐酸ナトリウム（40mM）、NAD
PH（50μＭ）、トリチウムラベルしたテストステロン
（1,2,6,7−3H−テストステロン、85−105ci/mlmol、Ne
w England Nuclear社製、2.2×10^-9M）およびラット前
立腺（SD雄性ラット、７〜８週令の前立腺を摘出し、ホ
モジナイズしたもの、蛋白として0.8mgを含む）の混合
物（565μｌ）に加える。他方、コントロールとして、
試験化合物を除く上記の混合物を調製し、37℃で30分間
インキュベートする。反応液を酢酸エチル（1ml）で抽
出し、その50μｌをシリカプラスチックシート（Merck
社製、Kiselgel60 F254）に付し、酢酸エチルとシクロ
ヘキサンの混液（1:1）で展開する。プラスチックシー
トはテストステロンと５−ジヒドロテストステロンのバ
ンドを分離し、それぞれのバンドはAQUAZOL−２（New E
ngland Nuclear社製、5ml）中でシンチレーションカウ
ンター（PACKAD TRI−CARB 4530）を用いて放射線活性
を測定する。コントロールに対する５α−ジヒドロテス
トステロンの生成比から、５α−リダクターゼ活性の阻
害率を算出した。

試験結果： 各試験化合物の５α−リダクターゼ活性阻害率を次表
に示す。

［実施例］ 次にこの発明の養毛料の組成の一例を実施例により説
明する。

実施例１ ６−ｎ−デシル−5,6−ジヒドロ−2H− ピラン−２−オン 0.5重量％ 塩化カルプロニウム 1.0 ビタミンＥ 0.5 95％エタノール 48.0 イオン交換水 50.0 香料 適量 着色料 適量 保存料 適量 95％エタノールに６−ｎ−デシル−5,6−ジヒドロ−2
H−ピラン−２−オン、塩化カルプロニウムおよびビタ
ミンＥを順次加え、さらにかく拌下にイオン交換水なら
びに香料、着色料および保存料を適量ずつ加えて溶解
し、澄明な溶液を得る。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ［式中、ＸはNH、Ｎ−R²またはＯ、Ｙは（CH₂）_２、（C
   H₂）_３、CH＝CHまたはCH₂CH＝CH、R¹はアルキル基、R²
   は低級アルキル基をそれぞれ意味する］ で示される化合物を含有することを特徴とする養毛料。