JP2524990Y2 - 釣り用リール - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、スプールから繰出された釣り糸の長さ等を
報知する表示装置、及び、制御用のスイッチの少なくと
もいずれか一方を有する制御ケースがリール本体に付設
されて成る釣り用リールに関し、詳しくは、制御ケース
の支持構造の改良に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、上記のように制御ケースを備えたリールは電動
リール等、船釣りに用いられる比較的大型のものが多
く、この種のリールでは制御ケースをリール本体の上面
に取付けている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ここで、この種のリールを用いる場合を考えるに、該
リールを釣り竿の上面側に取付けた場合には、リールの
重量が釣り竿を回転させようとする力となって作用する
ので、操作性の面で良好とは言えず、操作性を向上させ
る目的から、釣り竿の下面側に取付ける形態のリールも
存在する。

しかし、このように釣り竿の下面側にリールを取付け
る形態のものでは、制御ケースの上方に釣り竿が位置す
ることになるので、釣り竿に妨げられて表示装置の内容
を視認し難いばかりでなく、スイッチの操作も行い難く
なることから改善の余地がある。

本考案の目的は、釣りを行っている際には釣り竿の操
作性を損なうこと無く、表示装置の視認性、スイッチの
操作性を向上させ得る釣り用リールを合理的に構成する
点にある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の特徴はスプールから繰出された釣り糸の長さ
等を報知する表示装置、及び、制御用のスイッチの少な
くともいずれか一方を有する制御ケースがリール本体に
付設されて成る釣り用リールであって、リール本体の上
部に取付脚を備えると共に、この取付脚を介して釣り竿
の下面に該リール本体を取付けた状態において、前記制
御ケースがリール本体に支持される状態で釣り竿の上方
に配置されるよう、該制御ケースとリール本体との間に
釣り竿配設空間が形成されて成る点にあり、その作用、
効果は次のとおりである。

〔作用〕

前記特徴により、釣り竿（11）にリール本体（Ｂ）を
取付ける際に、リール本体（Ｂ）に制御ケース（10）が
付設されているので取付が容易であり、釣り竿（11）に
取付けた際には釣り竿（11）の下面側にリール本体
（Ｂ）が位置するので、釣り竿（11）の上面側に取付け
る形態と比較して釣り竿の操作性が良く、かつ釣り竿
（11）を操作する際に、該釣り竿（11）の上面側に制御
ケース（10）が位置するので、該釣り竿（11）に妨げら
れること無く、表示装置（15）の内容の把握、及び、ス
イッチの操作を行えることになる。

〔考案の効果〕

従って、操作性を損なうこと無く、安定した状態で釣
り竿の操作を行い得ると共に、表示装置の視認性、スイ
ッチの操作性も向上した釣り用リールが合理的に構成さ
れたのである。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図及び第２図に示すように、左右一対のリール本
体（Ｂ）を形成するサイドケース（１），（１）の間に
電動モータ（２）を内蔵したスプール（３）、及び、螺
軸（４）の回転作動によって糸案内具（５）を左右方向
に往復作動させるレベルワインド機構（Ｌ）夫々を配置
すると共に、右側のサイドケース（１）にハンドル
（６）、ドラグ操作具（７）、クラッチレバー（８）夫
々を備え、又、左右のサイドケース（１）を連結する複
数のフレーム（1A）…のうち上部のものに取付脚（９）
を備え、更に、この取付脚（９）の上方位置に釣り竿配
設空間（Ｓ）を挟んで制御ケース（10）を設けた電動リ
ールを構成する。

この電動リールは取付脚（９）を介して釣り竿（11）
の下面側に装着した状態で制御ケース（10）が釣り竿
（11）の上方に配置されるよう構成され、この制御ケー
ス（10）は左右一対のフレーム部（10A），（10A）を有
すると共に、一方のフレーム部（10A）を支軸（12）周
りで揺動自在に一方のサイドケース（１）のピン（13）
に対して係脱自在に構成することで、釣り竿（11）の装
着時には、第１図に仮想線で示す如く制御ケース（10）
の全体を揺動させて側方に向かう開口から釣り竿（11）
を挿通できるよう構成されている。

又、制御ケース（10）には第３図に示すように、スプ
ール（３）から繰り出された釣り糸（14）の長さを報知
する液晶型の表示装置（15）、及び、速度設定スイッチ
（16）、スタートスイッチ（17）、セットスイッチ（1
8）、表示スイッチ（19）、モードスイッチ（20）、一
対の設定スイッチ（21），（21）夫々を備えると共に、
制御装置（22）を内蔵し、前記支軸（12）の側のフレー
ム部（10A）の下端部には制御装置（22）からの制御信
号を電動モータ（２）に伝えるコード（23）を設けてあ
り、又、この側のサイドケース（１）には外部バッテリ
ー（図示せず）からの電力を供給するコネクタ（24）を
備えている。

因に、前記レベルワインド機構（Ｌ）はスプール
（３）の回転に連係して作動するよう、第４図に示す如
く、螺軸（４）の端部の入力ギヤ（4A）に咬合する第１
ギヤ（25）に対して、スプール（３）と連係する第２ギ
ヤ（26）からの動力を伝動軸（27）を介して伝えられる
よう構成され、更に、この伝動系では、糸案内具（５）
とサイドケース（１）との間に指等を誤って挟み込んだ
場合に指を傷付けたり、伝動系を傷めないよう、入力ギ
ヤ（4A）にゴム等の柔軟な材料を用い、又、所定値以上
のトルクが作用した際に滑りを生ずる摩擦板（28），
（28）を伝動軸（27）と第１ギヤ（25）との間の伝動系
に介装してある。

第２図に示すように、スプール（３）の側部に埋込ま
れた複数のマグネット（29）…の磁気の作用によりスプ
ール（３）の回転量を計測する一対のリードスイッチ
（30），（30）をサイドケース（１）の内部に備え、
又、左右のサイドケース（１），（１）の間の長さを有
する一対の案内ローラ（31），（31）で導かれる釣り糸
（14）に作用する張力を緊張側に付勢された揺動アーム
（32）に支承された検出ローラ（33）の揺動量によって
計測する構造の張力センサ（Ｔ）がスプール（３）とレ
ベルワインド機構（Ｒ）との間に配置してある。

又、前記表示装置（15）には前回の棚、及び現在の水
深をデジタル数字で示す表示部（15A），（15B）を有
し、「学習」「OK」夫々の文字の表示部、及び、19個の
ドット（Ｄ）…も表示可能に構成され、現在の水深は前
記リードスイッチ（30），（30）からの信号に基づいて
表示される。

又、このリールではスプール（３）に対して、所定の
動作形態で釣り糸（14）を巻取って「さそい」を行った
場合に、この動作をメモリ（図示せず）に保持し（学習
動作と称する）、この「さそい」の再現を行えるように
も構成されている。

つまり、第５図、及び、第６図に示すように、学習動
作はモードスイッチ（20）が２秒以上ON操作されること
でスタンバイ状態に達し、この状態に達すると保持動作
の限界秒数として「19」の値、及びこの「19」に対応し
てドット（Ｄ）…が白抜きの状態で表示装置（15）に表
示される（♯101〜♯106ステップ、第５図（イ））。

次に、リードスイッチ（30），（30）からの信号によ
ってスプール（３）の動作開始が検出されると、タイマ
（ソフトウェアで構成）を作動させ、１秒毎にドット
（Ｄ）…を黒色表示に切換え（第５図（ロ）のよう
に）、この動作時のスプール（３）の回転データがメモ
リに転送される（♯107〜♯110ステップ）。

この動作はモードスイッチ（20）が再度ON操作される
と終了し、この終了時には学習動作を行った時間（タイ
マ値）の整数部分を「Ｑ」に設定し、「OK」の文字を表
示し、タイマフラグを「０」にセットしてリターンする
（♯111〜♯115ステップ）。

又、このように学習した動作は、第７図に示すよう
に、モードスイッチ（20）と、スタートスイッチ（17）
とが共にON操作されることで開始され、この「さそい」
動作が開始されると、開始の直後には、第５図（ハ）に
示すように、「Ｑ」の値と等しい数のドット（Ｄ）…が
黒色表示され、動作が行われると１秒毎にドット（Ｄ）
…白抜き表示に切換える動作を反復して行う（♯200〜
♯203ステップ、第５図（ニ））。

尚、スタートスイッチ（17）がON操作されない場合に
はモータ（２）の停止状態を維持する（♯204ステッ
プ）。

又、モードスイッチ（20）がON操作されずにスタート
スイッチ（17）がON操作されると、モータ（２）は速度
スイッチ（16）の設定に従って単純な巻上げ動作を行
い、この動作時には、設定スイッチ（21），（21）によ
って予め設定された張力の値（Max）以上まで、前記張
力センサ（Ｔ）による釣り糸（14）の張力が上昇した場
合には駆動速度を低減するようになっている（♯205〜
♯209ステップ）。

尚、スタートスイッチ（17）がON操作されない場合に
は♯204ステップと同様に、モータ（２）の停止状態を
維持する（♯210ステップ）。

〔別実施例〕

本考案は、上記実施例以外に例えば第８図に示すよう
に、制御ケース（10）の一方のフレーム部（10A）を一
方のサイドケース（１）に固定すると共に、釣り竿配設
空間（Ｓ）を側方に開放した形態に構成する、あるい
は、第９図に示すように、制御ケース（10）の左右のフ
レーム部（10A），（10A）夫々を左右のサイドケース
（１），（１）に対して着脱自在に構成する等、様々な
形態で実施可能である。

因に前記実施例と等しい機能を有するものは実施例と
共通の番号を附している。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る釣り用リールの実施例を示し、第１
図は電動リールの一部切欠き背面図、第２図は電動リー
ルの縦断側面図、第３図は表示ケースの平面図、第４図
は螺軸駆動系の断面図、第５図は表示装置の表示変化を
連続的に表す図、第６図は学習動作のフローチャート、
第７図はモータの制御動作のフローチャートであり、第
８図及び第９図は夫々電動リールの別実施例の背面図で
ある。 （３）……スプール、（９）……取付脚、（10）……制
御ケース、（11）……釣り竿、（15）……表示装置、
（Ｂ）……リール本体、（Ｓ）……釣り竿配設空間。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】スプール（３）から繰出された釣り糸の長
   さ等を報知する表示装置（15）、及び、制御用のスイッ
   チの少なくともいずれか一方を有する制御ケース（10）
   がリール本体（Ｂ）に付設されて成る釣り用リールであ
   って、 リール本体（Ｂ）の上部に取付脚（９）を備えると共
   に、この取付脚（９）を介して釣り竿（11）の下面に該
   リール本体（Ｂ）を取付けた状態において、前記制御ケ
   ース（10）がリール本体（Ｂ）に支持される状態で釣り
   竿（11）の上方に配置されるよう、該制御ケース（10）
   とリール本体（Ｂ）との間に釣り竿配設空間（Ｓ）が形
   成されて成る釣り用リール。