JP2524955C - - Google Patents

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JP2524955C
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トーワ株式会社
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 この発明は、例えば、リードフレームに装着したIC、LSI、ダイオード、
コンデンサー等の電子部品を熱硬化性樹脂材料によって樹脂封止するための樹脂
封止成形方法の改良に係り、特に、電子部品の樹脂封止成形体(モールドパッケ
ージ)の内外にボイド等が形成されるのを防止するものに関する。 【0002】 【従来の技術】 従来より、トランスファモールド法によって電子部品を樹脂封止成形すること
が行われているが、この方法は、例えば、樹脂封止成形装置を用いて、通常、次
のように行われている。 【0003】 即ち、予め、樹脂封止成形装置における固定上型及び可動下型を加熱手段にて
樹脂成形温度にまで加熱すると共に、該上下両型を型開きする。 次に、電子部品を装着したリードフレームを上記下型の型面における所定位置に
セットすると共に、樹脂タブレットを下型ポット内に供給する。 次に、上記下型を上動して、該上下両型を型締めする。このとき、電子部品とそ
の周辺のリードフレームは、該上下両型の型面に対設した上下両キャビティ内に
嵌装セットされることになり、また、上記ポット内の樹脂タブレットは加熱され て順次に溶融化されることになる。 次に、上記ポット内の樹脂タブレットをプランジャにより加圧して該溶融樹脂材
料を樹脂通路部を通して上記両キャビティに注入充填させると、該両キャビティ
内の電予部品とその周辺のリードフレームは、該両キャビティの形状に対応して
成形される樹脂封止成形体内に封止されることになる。 従って、上記溶融樹脂材料の硬化に必要な所要時間の経過後に、該上下両型を型
開きすると共に、離型機構を介して、該上下両キャビティ内の樹脂封止成形体と
リードフレーム及び樹脂通路部内の硬化樹脂を夫々離型させればよい。 【0004】 また、上記上下両型の型締時において、該両型面に構成される空間部、即ち、
上記したポット部と樹脂通路部及び上下両キャビティ部等から構成される金型の
型内空間部には湿気(水分)を含んだ空気等が残溜しているため、この残溜空気
等が溶融樹脂材料中に混入して樹脂封止成形体の内部及び外部にボイド等が形成
されると云った樹脂成形上の問題がある。 そこで、上記キャビティ部と金型外部とを適宜なエアベントにて連通させて、上
記ポット内の溶融樹脂材料を樹脂通路部を通して移送し且つ上下両キャビティ内
に注入充填させることにより、その注入充填作用を利用して、上記残溜空気等を
該エアベントを通して外部に自然に押し出すようにしている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 ところで、上述したように、ポット内と樹脂通路部及び上下両キャビティ内に
残溜する空気は、エアベントから自然に押し出すことができるよう考慮されてい
るが、実際には、樹脂封止成形体の内部ボイド及び外表面の欠損部等の形成等を
有効に阻止することができず、従って、製品の耐湿性や外観を損なうと云う弊害
を確実に解消することができないと云う問題がある。 【0006】 また、樹脂封止成形体に内部ボイドが形成されると、例えば、リードフレーム
と樹脂との密着性が悪くなると共に、樹脂とリードフレームとの隙間から水分が
浸入し易くなって製品の耐湿性を損なうことになる。 更に、樹脂封止成形体から突設されたアウターリードの折曲加工時において、該
アウターリードの基部に加えられた折曲加工力により樹脂封止成形体にクラック
が入り、或は、その部分が欠損する等の弊害があり、従って、この種製品に強く
要請されている高品質性・高信頼性を得ることができないと云う問題がある。 【0007】 また、樹脂封止成形体に内部ボイド等が形成されるのは、樹脂タブレットの内
部に含まれている空気及び/又は水分が大きな原因となっている。 即ち、上記樹脂タブレットは樹脂パウダーを単に所定形状に押し固めたものであ
るから、その内部には、通常、大気中の湿気を含む空気が多量に含まれている。
また、樹脂タブレット内部に含まれる多量の空気は個々に孤立した多数の独立気
泡の状態で存在しており、個々の独立気泡間や各独立気泡と該樹脂タブレットの
表面側とは相互に連通・通気できないような状態にある。 また、上記樹脂タブレット内部の空気及び/又は水分は、樹脂タブレットが樹脂
成形温度(例えば、175℃以上)にまで加熱されたときに水蒸気となるため、こ
の水蒸気が、前記した型内空間部の残溜空気等と共に溶融樹脂材料中に混入する
と共に、その状態でキャビティ内に注入充填されることになる。 従って、樹脂タブレットの内部に含まれている空気及び/又は水分に起因して、
樹脂封止成形体の内外にボイドが形成されると云った問題がある。 【0008】 また、樹脂タブレットを加熱した時に発生する燃焼ガス等のガス類も樹脂封止
成形体の内外にボイドを形成する大きな原因となっている。 【0009】 樹脂封止成形体の内外にボイドが形成されないようにするためには、次のよう
な改善策が考えられる。 例えば、前記した金型の型内空間部に残溜する空気等を、真空ポンプを用いて該
型内空間部の外部へ排出することにより、該残溜空気等が溶融樹脂材料中に混入
するのを防止すればよい。 しかしながら、真空ポンプ等の通常の排気手段を用いる場合は、上記型内空間部
を所定の真空度にまで高めるには一般的に長時間を必要とするため、全体的な樹 脂封止成形時間が長くなると云う間題がある。 【0010】 また、電子部品の樹脂封止成形には、例えば、エポキシレジン等の熱硬化性樹
脂材料を用いるのが通例であるため、上記型内空間部(ポット)に供給された樹
脂タブレットは加熱溶融化された後に時間の経過と共に硬化する。 従って、上記型内空間部の真空引き作用を通常の排気手段を用いて長時間行うと
きは、溶融樹脂材料の硬化が促進されてその流動性を損なうことになるため、こ
の観点からも、該真空引き作用は短時間内に行われることが好ましいと云える。 例えば、特開昭63−186435号公報には、上型と下型とを対向配置した
金型の周囲を気密枠にて取り囲むと共に、この気密枠にバルブを介してリザープ
タンク及び真空ポンプを直列的に接続した樹脂封止成形装置の構成が提案されて
いる。 この装置によれば、上記上型と下型との型面を完全に接合させる金型の完全型締
めを行い、この金型完全型締め後において該金型のポット内に樹脂を投入し、次
に、該ポットに樹脂加圧用のプランジャを嵌合させると共に該プランジャを下降
させて該ポット内の樹脂を加圧して半導体装置等の樹脂封止成形を行うこと、及
び、上記したプランジャの下降途中において上記真空ポンプのバルブを開けるこ
とにより、上記した気密枠内を減圧すること等が開示されている。 従って、この場合は、真空ポンプのみを用いる構成と較べて、上記気密枠内を短
時間で減圧することができる等の利点がある。 しかしながら、この方法は、上記上型と下型との型面を完全に接合させる金型
の完全型締め後において、該上下両型の周囲に設置された上記気密枠内の減圧を
行うものであるから、次のような問題がある。 即ち、上型と下型との型面を完全に接合させた状態の完全型締時は、該上下両型
の型面(P.L面)に構成されるポット部や樹脂通路部及びキャビティ部等から成
る型内空間部と外部(この場合は、上記気密枠内)とは、通常、該キャビティと
該外部とを連通させた浅い条溝から成るエアベントのみを介して連通されている
ことになる。しかも、上記エアベントは上記キャビティ内の空気を上記外部に流
出できる条溝(空間部)として形成されているが、該キャビティ内に加圧注入さ れた溶融樹脂材料が上記外部に流出するのを防止すると云う別の目的のために必
要最小限の浅い溝として設定されるものである。 従って、上記型内空間部の減圧は上記した浅い条溝から成るエアベントのみを
介して行われるから、上記した気密枠内の減圧を短時間で行うことができたとし
ても、上記型内空間部の減圧を短時間で行うことは事実上不可能であるか、若し
くは、上記型内空間部の減圧を短時間で行うことはきわめて困難である。 このため、この方法においては、最も重要視しなければならない上記型内空間
部を短時間で減圧すると云う点においてなお充分な作用効果を期待することがで
きないと云った技術上の問題が存在する。 【0011】 そこで、本発明は、樹脂封止成形体の内外にボイドを形成する大きな原因とな
っている上記型内空間部に残溜する空気及び/又は水分と、樹脂タブレットの内
部に含まれている空気及び/又は水分と、樹脂タブレットを加熱した時に発生す
るガス類を、該型内空間部の外部へ、効率良く且つ確実に、しかも、短時間内に
排出することによって、これらの空気・水分・ガス類が溶融樹脂材料中に混入し
或は該溶融樹脂材料中に巻き込まれるのを防止すると共に、樹脂封止成形体の内
外にボイドや欠損部が形成されない高品質及び高信頼性を備えた製品を成形する
ことができる電子部品の樹脂封止成形方法を提供することを目的とするものであ
る。 【0012】 【課題を解決するための手段】 上記した技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の樹脂封止成形方
法は、固定型及び可動型から成る樹脂成形用の金型に配設した複数個のポット内
に樹脂タブレットを夫々供給する樹脂タブレットの供給工程と、上記金型に配設
したキャビティ部の所定位置にリードフレームに装着した電子部品を供給セット
するリードフレームの供給工程と、上記金型の各ポット内に供給した樹脂タブレ
ットを加熱する樹脂タブレットの加熱工程と、上記固定型及び可動型を型締めし
て上記リードフレーム上の電子部品を上記金型キャビティ部の所定位置に嵌装す
る金型の型締工程と、上記金型の型締工程時に構成される少なくとも各ポット部 と各樹脂通路部及び各キャビティ部から成る型内空間部を外部と遮断する外気遮
断工程と、上記外気遮断工程時において上記型内空間部の残溜空気及び/又は水
分と、上記樹脂タブレットの加熱工程時に加熱膨張された樹脂タブレットの内部
から該型内空間部に流出した空気及び/又は水分と、加熱により発生したガス類
とを該型内空間部の外部へ強制的に吸引排出する型内空間部の真空引き工程と、
上記外気遮断工程時において上記型内空間部の残溜空気及び/又は水分と、上記
樹脂タブレットの加熱工程時に加熱膨張された樹脂タブレットの内部から該型内
空間部に流出した空気及び/又は水分と、加熱により発生したガス類とを該型内
空間部の外部へ短時間内で且つ強制的に吸引排出することにより、該型内空間部
の真空度を迅速に高める瞬間真空引き工程と、上記金型の各ポット内に供給した
樹脂タブレットを加圧して該各ポット内で加熱溶融化した溶融樹脂材料を上記各
樹脂通路部を通して該各ポットの側方位置に配設した所要数のキャビティ内に夫
々注入することにより該各キャビティ内に嵌装した上記リードフレーム上の電子
部品を樹脂封止成形する樹脂封止成形工程とを備えた電子部品の樹脂封止成形方
法であって、上記金型の型締工程は上記固定型と可動型との型面との間に所定の
間隙を構成する中間型締工程と上記固定型の型面と上記可動型の型面とを接合さ
せる完全型締工程とを含み、また、上記樹脂タブレットの加熱工程により上記金
型の各ポット内に供給した樹脂タブレットを夫々加熱膨張させて該各樹脂タブレ
ットの内外を通気可能な状態とし、また、上記型内空間部の真空引き工程を上記
中間型締工程及び上記完全型締工程の両型締時において行い、更に、上記瞬間真
空引き工程を上記中間型締工程時において行うことを特徴とする。 【0013】 【作用】 本発明によれば、樹脂タブレットの加熱工程によって金型の各ポット内に供給
した樹脂タブレットを夫々加熱膨張させて該各樹脂タブレットの内外を通気可能
な状態とし、また、固定型と可動型との型面(P.L面)に構成される型内空間部
の真空引き工程を該両型の型面間に所定の間隙を構成する中間型締工程及び該両
型の型面を接合させる完全型締工程の両型締時において行い、更に、瞬間真空引
き工程を上記中間型締工程時において行うことによって、上記型内空間部の真空 度を短時間内で高めることができる。 従って、上記型内空間部に残溜する空気や水分及び樹脂タブレットの加熱時に
発生するガス類のみならず、ポット内に供給した樹脂タブレットの内部に含まれ
ている空気や水分をも上記型内空間部に流出させると共に、これらの空気・水分
・ガス類を、上記した真空引き作用と瞬間真空引き作用との両作用による相乗的
な作用によって外部へ強制的に且つ効率良く吸引排出することができる。 このため、これらの 空気・水分・ガス類が溶融樹脂材料中に混入し或は該溶融樹
脂材料中に巻き込まれるのを防止することができるので、樹脂封止成形体の内外
に、該空気・水分・ガス類の存在に起因したボイドや欠損部が形成されるのを確
実に防止することができる。 【0014】 【実施例】 次に、本発明を実施例図に基づいて詳細に説明する。図1は、 電子部品の樹脂封止成形装置における金型要部の一部切欠縦断面図であ
って、その型開状態を示している。 図2は、図1に対応する金型要部で、その完全な型締(完全型締)前における中
間的な型締(中間型締)状態を示している。 図3は、図1に対応する金型要部で、その完全な型締状態を示している。 図4は、図1に対応する金型の上型における型面を示している。 【0015】 この樹脂封止成形装置には、上部固定盤に装設される上型1(固定型)と下部
可動盤に装設される下型2(可動型)とが対設されている。 また、上型1側の金型ベース3及び下型2側の金型ベース4には、ヒータ等の加
熱手段5・6が夫々設けられている。 また、固定側金型ベース3には、固定側チェイスブロック7がアリ溝及びアリ部
等の適宜な嵌合手段によって着脱自在に装設されている。 また、可動側金型ベース4には、可動側チェイスブロック8が固定側と同様の嵌
合手段によって着脱自在に装設されている。 また、上記両金型ベース(3・4)に嵌合された両チェイスブロック(7・8)は、その 前後両端部に固定する適宜な固定ブロック(図示なし)を介して所定位置に嵌装
されるように設けられている。 なお、該両チェイスブロック(7・8)と両固定ブロックとの間には、適当なシール
部材(図示なし)を嵌装させることが好ましい。 【0016】 また、上記可動側チェイスブロック8には、所要複数個のポット9が配設され
ており、更に、該各ポット9の側方位置には所要数の樹脂成形用キャビティ10が
配設されている。 また、上記可動側チェイスブロック8には、ヒータ等の専用加熱手段11が装設さ
れている。 また、上記可動側チェイスブロック8の下方位置には、キャビティ10内にて成形
される樹脂封止成形体を突き出して離型させるためのエジェクタピン12aを備え
た下部エジェクタプレート12と、上記各ポット9内に供給された樹脂タブレット
Rを加圧するためのプランジャ13a(樹脂加圧手段)を備えたプランジャホルダ
13(図3参照)とが夫々配設されている。 また、上記各エジェクタピン12aの上端部は、各キャビティ10に連通するピン孔
14に嵌合されている。 また、上記各プランジャ13aの上端部は、上記可動側金型ベース4及びエジェク
タプレート12に設けた挿入孔(15・16)を通して各ポット9に嵌合されている。 なお、上記可動側金型ベース4に設けられる下部エジェクタプレート12の嵌装空
間と該空間の外部との間、及び、上記プランジャ13aと嵌装空間との間には、適
当なシール部材(図示なし)を嵌装させることが好ましい。 【0017】 また、上記固定側チェイスブロック7には、可動側チェイスブロック8におけ
るキャビティ10の位置及び数に対応するキャビティ20が対設されている。 また、上記固定側チェイスブロック7には、可動側チェイスブロック8のポット
9に対設してカル部25が設けられている。 なお、上記カル部25とキャビティ20とは樹脂通路部26を介して連通されているた
め、上下両型(1・2)を型締めすると、上記ポット9と両キャビティ(10・20)は、 該カル部25を含む短い樹脂通路部26を介して、連通するように設けられている。
また、上記プランジャ13aは上記ポット9内に嵌装されると共に、油圧・空圧或
は電動モータ等の適宜な駆動機構(図示なし)によって、上下駆動されるように
設けられている。 従って、上記プランジャ13aにより、上記ポット9内の樹脂タブレットRを加圧
すると、該ポット9部において加熱溶融化された溶融樹脂材料は上記カル部25を
含む樹脂通路部26を通して両キャビティ(10・20)に注入されることになる。 なお、上記上型キャビティ20には、型締時において両キャビティ(10・20)と外部
とを連通させるためのエアベント43が設けられている(図4参照)。 【0018】 また、上記固定側チェイスブロック7には、ヒータ等の専用加熱手段21が装設
されている。 また、上記固定側チェイスブロック7の上方位置には、上型キャビティ20内にて
成形される樹脂封止成形体を突き出して離型させるためのエジェクタピン22aを
備えた上部エジェクタプレートの支持ピン22bと、該支持ピン22bを介して上部
エジェクタプレート22を押し下げるためのスプリング等の弾性部材23が配設され
ている。 また、上記各エジェクタピン22aの下端部は、各キャビティ20に連通するピン孔
24と、上記各カル部25に連通するピン孔24aに嵌合されている。 更に、上記上部エジェクタプレート22は、図1に示す型開時には上記弾性部材23
の弾性により押し下げられることにより、上記カル部25とキャビティ20との間に
設けられる樹脂通路部26内の硬化樹脂及びキャビティ20内で硬化した樹脂封止成
形体を下方へ突き出して離型させることができるように設けられている。 【0019】 なお、上下両型(1・2)の型開時には、下部エジェクタプレート12はエジェクタ
バー12bにより押し上げられて、その各エジェクタピン12aが各キャビティ10内
の樹脂封止成形体を上方へ突き出して離型させることになる。 また、図3に示す上下両型(1・2)の完全型締時には、上下両エジェクタプレート(
22・12)に対設した上下のリターンピン(図示なし)を介して、該両エジェクタ プレートを上方及び下方に夫々後退させるように設けられている。 【0020】 また、上記した可動側金型ベース4には、下型2の型面における少なくとも各
ポット9・各キャビティ10の外側方の周囲を覆う丸筒形・角筒形等の外気遮断用
部材30が嵌装されており、該外気遮断用部材30は所要の駆動機構31を介して型開
閉方向へ摺動自在に嵌装されている。 更に、該可動側金型ベース4と該外気遮断用部材30との嵌合面には適当なシール
部材32が介在配置されている。 また、上記した固定側ベース3には、上型1の型面における少なくとも各樹脂通
路部(25・26)・キャビティ20の外側方の周囲を覆う丸筒形・角筒形の外気遮断用
部材33が嵌装されており、該外気遮断用部材33は所要の駆動機構34を介して型開
閉方向へ摺動自在に嵌装されている。 更に、該固定側金型ベース3と該外気遮断用部材33との嵌合面には適当なシール
部材35が介在配置されている。 【0021】 また、上記両型(1・2)の型締時において、上記両外気遮断用部材(30・33)を、上
記両駆動機構(31・34)介して、型締方向へ夫々前進移動させると、該両外気遮断
用部材(30・33)における両者の先端部が嵌合するように設けられている(図2及
び図3参照)。 【0022】 図3においては、可動側金型ベース4に嵌装した外気遮断用部材30の上端部を
下型2の型面付近にまで上動させると共に、固定側ベース3に嵌装した外気遮断
用部材33を上記可動側金型ベース4の外気遮断用部材30における外周面に嵌合さ
せる場合を例示している。 なお、上記した外気遮断用部材(30・33)両者の嵌合面は、上下方向に垂直面とな
る形状に形成されている場合を図示したが、このような構成に換えて、他の適宜
な嵌合面を採用してもよい。 【0023】 また、上記したように、上記両外気遮断用部材(30・33)における両者の嵌合面 には適当なシール部材36が介在配置されている。 更に、上記両金型ベース(3・4)と両チェイスブロック(7・8)との間、両チェイスブ
ロック(7・8)と各エジェクタピン(22a・12a)との間、可動側チェイスブロック8と
ポット9及びプランジャ13aとの間等にも適当なシール部材37が介在配置されて
いる。 従って、上下両型(1・2)の型締時においては、上記両外気遮断用部材(30・33)の先
端部を嵌合させることにより、該上下両型(1・2)の型面間は、該両外気遮断用部
材(30・33)と上記各シール部材(32・35・36・37)とによって外気が遮断された金型側
の外気遮断空間部38(図2及び図3参照)が構成されることになる。 なお、上記各シール部材(32・35・36・37)は、上下両型(1・2)において適切な真空状
態が必要とされる空間部38を構成することができるものであればよい。 【0024】 なお、上記両外気遮断用部材(30・33)は、上記両駆動機構(31・34)を介して、上
記両金型ベース(3・4)に対する上記両チェイスブロック(7・8)の着脱・交換作業を
阻害しない位置にまで後退移動できるように設けられている。 従って、例えば、該両外気遮断用部材(30・33)を図2〜図3に示す前進位置に夫
々前進移動させた状態のままで、該両型(1・2)の型開閉操作を行うことができる
ため、通常の樹脂成形時においては、その成形サイクルタイム毎に該両外気遮断
用部材(30・33)を後退移動させる必要ではない。 【0025】 また、上記両外気遮断用部材(30・33)の駆動機構(31・34)としては、例えば、適
当なラック・ピニオン機構等の機械的駆動機構や、電動モータ等の電気的駆動機
構、或は、油圧・空圧等の流体駆動機構のいずれを採用してもよいが、電子部品
の樹脂封止成形と云う観点からは、上記した電気的駆動機構或は空圧駆動機構等
を採用することが好ましい。 【0026】 また、上記下型チェイスブロック8の型面には電子部品27aを装着したリード
フレーム27のセット用凹所29が設けられている。 なお、図中の符号28は上記リードフレーム27を該凹所29に供給セットするための リードフレーム供給取出機構を示している。 【0027】 また、上記した両外気遮断用部材(30・33)両者の嵌合時において構成される上
記空間部38には真空パイプ等の真空経路39の一端側が連通接続されると共に、該
真空経路39の他端側には、真空ポンプ等から成る真空源40と、真空タンク等から
成る瞬間真空引き機構45が連通接続されている。 即ち、上記空間部38と上記真空源40とは、上記真空経路39中に設けた電磁弁等の
開閉弁47を介して連通接続されている。 また、上記空間部38と上記瞬間真空引き機構45とは、上記真空経路39中に設けた
上記開閉弁47、及び、これとは別に設けた電磁弁等の開閉弁48を介して連通接続
されている。 また、上記真空源40は、上記二個の開閉弁(47・48)の間に連通接続されており、
従って、例えば、開信号Dにより上記一方の開閉弁47を開き且つ閉信号eにより
上記他方の開閉弁48を閉じた状態で該真空源40を作動させると、該開閉弁47及び
真空経路39を通して上記空間部38の真空引き作用を行うことができる。 更に、閉信号dにより上記一方の開閉弁47を閉じ且つ開信号Eにより上記他方の
開閉弁48を開いた状態で該真空源40を作動させると、該開閉弁48及び真空経路39
を通して上記瞬間真空引き機構(真空タンク内)45を所定の真空状態とする真空
引き作用を行うことができるように設けられている。 【0028】 次に、図2または図3に示す金型の型締時、及び、その少なくともポット9部
と樹脂通路部(25・26)及びキャビティ(10・20)部から成る型内空間部を外部と遮断
した時に構成される上記した空間部38内の真空引き作用と、該空間部38の真空度
を迅速に高める瞬間真空引き作用を説明する。 【0029】 まず、閉信号dにて一方の開閉弁47を閉じ且つ開信号Eにて他方の開閉弁48を
開いた状態で上記真空源40を作動させることにより、上記瞬間真空引き機構45を
所定の真空状態とする。なお、このとき、該瞬間真空引き機構(真空タンク内)
45の真空度は、必要に応じて、任意に且つ適宜に設定することができる。 次に、開信号Dにて上記開閉弁47を開くと、上記空間部38と上記瞬間真空引き機
構45とは二個の開閉弁(47・48)及び真空経路39を介して連通された状態となるた
め、該空間部38内の残溜空気等は所定の真空度に維持された瞬間真空引き機構45
にて該空間部38の外部へ短時間内で瞬時に且つ強制的に吸引排出されることにな
り、従って、該空間部38内の真空度を迅速に高める瞬間真空引き作用を行うこと
ができる。なお、このとき、空間部38内は数秒間で高い真空度が得られる。 【0030】 また、上記空間部38と上記真空源40とは、上記開閉弁47及び真空経路39を介し
て連通されている。従って、上記閉信号eにて上記開閉弁48を閉じ、この状態で
上記真空源40を作動させることにより、上記瞬間真空引き作用に連続して上記空
間部38内の残溜空気等を該空間部38の外部へ強制的に吸引排出する真空引き作用
を行うことができる。 この真空源40による真空引き作用は、上記瞬間真空引き作用にて得られた該空間
部38内の真空度を維持することができ、或は、その真空度を更に高めることがで
きるため、上記した瞬間真空引き機構45による瞬間真空引き作用と、上記真空源
40による真空引き作用とを行うことにより、空間部38内を短時間内で瞬時に高い
真空状態に設定することができる。 なお、ここで、上記開閉弁48を閉じた状態で真空引き作用を行うのは、上記真空
源40と上記空間部38との両者のみを連通させて、該真空源40の機能を低下させる
ことなく、これによる真空引き作用を効率良く行うことができるからである。 【0031】 なお、上記した空間部38の瞬間真空引き作用及び真空引き作用においては、該
空間部38の残溜空気及び/又は水分と、ポット9内において加熱膨張された樹脂
タブレットRの内部から該空間部38に流出した空気及び/又は水分と、該樹脂タ
ブレットRの加熱により発生したガス類とを該空間部38の外部へ強制的に吸引排
出することができる。 【0032】 以下、上記した構成を備えた成形装置を用いて、リードフレーム27上に装着さ
れた電子部品27aを樹脂封止する場合について説明する。 【0033】 予め、上記した閉信号dにより一方の開閉弁47を閉じ且つ開信号Eにより他方
の開閉弁48を開いた状態で真空源40を作動させて、該開閉弁48及び真空経路39を
通して瞬間真空引き機構(真空タンク内)45を所定の真空状態とする。 【0034】 次に、図1に示すように、下型2を下動させて上下両型(1・2)を型開きする。
次に、この型開時において、下型2に配設した各ポット9内に樹脂タブレットR
を夫々供給すると共に、リードフレーム27を、その供給取出機構28を介して、下
型チェイスブロック8の型面におけるセット用凹所29に供給セットする。 なお、上記各ポット9内に供給した樹脂タブレットRは上下両型(1・2)に設けた
加熱手段(5・6・11・21)により加熱されて膨張・軟化しながら、順次に溶融化され
ることになる。 【0035】 次に、この状態で、図2及び図3に示すように、下型2を上動させて上下両型
(1・2)の型締めを行うと共に、上記した両外気遮断用部材(30・33)を摺動させて該
両外気遮断用部材の両者を嵌合させることにより、上記両型(1・2)の型面間の空
間部及び該両型における少なくとも各ポット部9・各樹脂通路部(25・26)・各キ
ャビティ部(10・20)の外側方周囲を覆う外気遮断空間部38を構成する。 なお、上記型締めは、図2に示したような上下両型(1・2)の型面間に所要の間隔
Sが構成される状態の中間的な型締めと、図3に示したような上下両型(1・2)の
型面を接合させた完全な型締めを云い、そして、これらの中間型締め及び完全型
締めは連続して行われる。 【0036】 次に、上記型締時、特に、上下両型(1・2)の中間的な型締時において、上記し
た瞬間真空引き機構45による瞬間真空引き工程を行う。 即ち、上記した開信号Dにより上記開閉弁47を開いて、上記空間部38と上記瞬間
真空引き機構45とを二個の開閉弁(47・48)及び真空経路39を介して連通させるこ
とによって、該空間部38内の残溜空気等をその外部へ短時間内で瞬時に且つ強制
的に吸引排出する。 従って、このとき、上記空間部38内の真空度は迅速に高められ、該空間部38内は
数秒間で高い真空度が得られる。 【0037】 次に、上記した閉信号eにより上記開閉弁48を閉じると共に、上記真空源40を
作動させて、上記瞬間真空引き機構45による瞬間真空引き工程に連続して、上記
空間部38内の残溜空気等を該空間部38の外部へ強制的に吸引排出する真空引き工
程を行う。 従って、このとき、上記瞬間真空引き作用にて得られた該空間部38内の真空度を
維持することができ、或は、その真空度を更に高めることができる。 【0038】 なお、上記各ポット9内に供給した樹脂タブレットRは上下両型(1・2)に設け
た加熱手段(5・6・11・21)により加熱されて膨張・軟化されるが、このとき、該樹
脂タブレットRは該膨張・軟化の過程においてその内外が通気可能な状態となる
ため、その内部に含まれていた空気及び/又は水分は該ポット9内に流出する。
また、上記各ポット9内の樹脂タブレットRは加熱されてガス類を発生させる。
従って、上記瞬間真空引き機構45による瞬間真空引き作用と、上記真空源40によ
る真空引き作用とを行うことにより、上記空間部38内を短時間内で瞬時に高い真
空状態に設定することができるので、該空間部38内の残溜空気及び/又は水分、
該空間部38(ポット9内)に流出した樹脂タブレットR内部の空気及び/又は水
分、該樹脂タブレットRの加熱により発生したガス類の全てを、該空間部38の外
部へ強制的に吸引排出することができる。 【0039】 ところで、各ポット9内に供給される樹脂タブレットRの内部には、前記した
ように、湿気を含む空気が個々に独立した気泡の状態で多量に含まれており、そ
れらの独立気泡間や各独立気泡と該樹脂タブレットRの表面側とは相互に連通・
通気できないような状態にあるので、このような樹脂タブレットRをポット9内
において樹脂成形温度にまで加熱すると、該樹脂タブレットRは、次のように膨
張・軟化しながら、最終的には溶融化されることになる。 即ち、ポット9内の樹脂タブレットRは、その底面部がプランジャ13aの上端面 に載置され、その側面部とポット9内壁面との間には若干の間隙を有し、更に、
その上面部とカル部25との間には開放空間部が構成された状態にある。 従って、この状態においては、樹脂タブレットRには、その底面部からは伝導熱
が、その側面部からは輻射熱が加えられるため、該樹脂タブレットRはポット内
壁面等による制約の無い上面部側からポット9内の上方に向かって(即ち、カル
部25側に向かって)膨張することになる。 そして、このとき、樹脂タブレットRの内外は通気可能な状態となるため、その
内部の独立気泡内に閉じ込められていた空気及び/又は水分等は、上記空間部38
(ポット9内)に容易に流出することになる。 更に、このとき、該空間部38は、高い真空状態下に設定されていることとも相俟
て、該樹脂タブレット内部の空気及び/又は水分等は、上記空間部38(ポット9
内)に強制的に吸引・流出されると共に、該空間部38の外部へ真空引き作用によ
って効率良く且つ確実に排出されることになるものである。 【0040】 次に、上下両型(1・2)を完全に型締めした後に、リードフレーム27上の電子部
品27aを樹脂封止成形体内に封止する樹脂封止成形工程を行う。 即ち、上下両型(1・2)の完全型締時に、上記各ポット9内の樹脂タブレットRを
プランジャ13aにて加圧して、該各ポット9内で加熱溶融化された溶融樹脂材料
を、樹脂通路部(25・26)を通して該各ポット9の側方位置に配設された所要数の
キャビティ(10・20)内に注入充填させることによって、該各キャビティ(10・20)内
に嵌装セットしたリードフレーム27上の電子部品27aを樹脂封止成形体内に封止
することができる。 【0041】 なお、上記したように、上記空間部38内の残溜空気等を該空間部38の外部へ強
制的に吸引排出する真空引き工程は、上下両型(1・2)の中間的な型締時及びその
完全型締時においても継続して行われている。 即ち、中間的な型締時においては、上記空間部38、特に、上下両型(1・2)の型面
には所要の間隔Sが構成されているので、該空間部38の残溜空気及び/又は水分
の外部排出作用は比較的に容易に行うことができるが、その完全型締時において は上記型面間の間隔Sが構成されないため、該空間部38の残溜空気及び/又は水
分の外部排出作用は比較的に困難となる。 しかしながら、上下両型(1・2)の完全型締時においても、真空源40或は瞬間真空
引き機構45と、金型のポット部9・樹脂通路部(25・26)・キャビティ部(10・20)と
は、上記したエアベント43及び真空経路39等を介して連通されているため、該空
間部38の残溜空気等の外部排出機能が完全に損なわれることはなく、従って、上
下両型(1・2)の中間的な型締時或は完全型締時を問わず、該空間部38の残溜空気
等の外部排出作用を行うことができる。 【0042】 次に、所要のキュアタイム後に該上下両型(1・2)を再び型開きすると共に、上
下両エジェクタプレート(22・12)及びエジェクタピン(22a・12a)によって、上下両
キャビティ(10・20)内の樹脂封止成形体及び樹脂通路部(25・26)内の硬化樹脂を夫
々離型すればよい。 【0043】 本発明は、上述した実施例のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を
逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意に且つ適宜に変更・選択して採用でき
るものである。 【0044】 例えば、上記した金型の型締工程における中間的な型締め状態の設定は、上記
下型2を完全に停止させることなく、図2に示す中間的な型締め状態の位置から
図3に示す完全型締め状態の位置に至るまでの間、型締めのスピード(下型2の
上昇スピード)を遅くしながら連続的に行うように設定してもよい。 【0045】 また、上記した外気遮断空間部38の真空引き工程と、その瞬間真空引き工程と
の両真空引き工程は、樹脂成形条件その他に基づいて、任意に且つ適宜に変更・
選択して行うようにすればよい。 例えば、上記空間部38の真空引き工程を行った後に該空間部38の瞬間真空引き工
程を連続して行うようにしてもよく、また、これとは逆に、上記空間部38の瞬間
真空引き工程を行った後に該空間部38の真空引き工程を連続して行うようにして も差し支えない。 更に、上記空間部38の真空引き工程を行いながら、該空間部38の瞬間真空引き工
程を行うようにしてもよい。 【0046】 また、上記した両エジェクタプレート(12・22)の嵌装空間部に連通する通気孔
を穿設し且つ該通気孔と上記した外気遮断空間部38とを連通させる構成、或は、
該通気孔と他の真空経路とを連通させる構成を採用して、該通気孔を通して該嵌
装空間部内の残溜空気等を外部へ排出するようにしてもよい。 【0047】 また、上記ポット部9とプランジャ13aとの摺動部位に、上記した外気遮断空
間部38との通気孔を穿設し、或は、該通気孔と他の真空経路とを連通させる構成
を採用して、該通気孔を通して該ポット内の残溜空気等を外部へ排出するように
してもよい。 【0048】 また、上記した真空ポンプ等の真空源40と、真空タンク等の瞬間真空引き機構
45との夫々を複数組み組み合わせた複数の構成態様を採用してもよく、また、そ
れらの複数組みの構成態様は夫々別個に独立させたものであってもよい。 【0049】 また、上記した実施例図の構成は、両チェイスブロック(7・8)を頻繁に着脱さ
せるタイプの場合を示しているが、通常の金型構成を有する電子部品の樹脂封止
成形装置においても同様に適用できるものである。 【0050】 【発明の効果】 本発明によれば、樹脂タブレットの加熱工程によって金型の各ポット内に供給
した樹脂タブレットを夫々加熱膨張させて該各樹脂タブレットの内外を通気可能
な状態とし、また、固定型と可動型との型面(P.L面)に構成される型内空間部
の真空引き工程を該両型の型面間に所定の間隙を構成する中間型締工程及び該両
型の型面を接合させる完全型締工程の両型締時において行い、更に、瞬間真空引
き工程を上記中間型締工程時において行うことによって、上記型内空間部の真空 度を短時間内で高めることができる。 従って、上記型内空間部に残溜する空気や水分及び樹脂タブレットの加熱時に
発生するガス類のみならず、ポット内に供給した樹脂タブレットの内部に含まれ
ている空気や水分をも上記型内空間部に流出させると共に、これらの空気・水分
・ガス類を、上記した真空引き作用と瞬間真空引き作用との両作用による相乗的
な作用によって外部へ強制的に且つ効率良く吸引排出することができる。 このため、これらの 空気・水分・ガス類が溶融樹脂材料中に混入し或は該溶融樹
脂材料中に巻き込まれるのを防止することができるので、樹脂封止成形体の内外
に、該空気・水分・ガス類の存在に起因したボイドや欠損部が形成されるのを確
実に防止することができる。 【0051】 従って、本発明によれば、樹脂封止成形体の内外にボイドを形成する大きな原
因となっている型内空間部に残溜する空気及び/又は水分と、樹脂タブレットの
内部に含まれている空気及び/又は水分と、樹脂タブレットを加熱した時に発生
するガス類を、該型内空間部の外部へ、効率良く且つ確実に、しかも、短時間内
に排出することによって、これらの空気・水分・ガス類が溶融樹脂材料中に混入
し或は該溶融樹脂材料中に巻き込まれるのを防止すると共に、樹脂封止成形体の
内外にボイドや欠損部が形成されない高品質及び高信頼性を備えた製品を成形す
ることができる電子部品の樹脂封止成形方法を提供することができると云った優
れた実用的な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】 【図1】 電子部品の樹脂封止成形装置における金型要部の一部切欠縦断面図であって、
その型開状態と、リードフレーム上に装着した電子部品の樹脂封止成形前の状態
を示している。 【図2】 図1に対応する金型の一部切欠縦断面図であって、該金型の中間的な型締状態
と、電子部品の樹脂封止成形前の状態を示している。 【図3】 図1に対応する金型の一部切欠縦断面図であって、該金型の完全型締状態と、
電子部品の樹脂封止成形状態を示している。 【図4】 図1に対応する金型の上型における型面の要部を示す一部切欠底面図である。 【符号の説明】 1 上 型 2 下 型 3・4 金型ベース 7・8 チェイスブロック 9 ポット 10・20 キャビティ 13a プランジャ 25 カル部 26 樹脂通路部 27 リードフレーム 28 供給取出機構 30・33 外気遮断用部材 31・34 駆動機構 32・35 シール部材 36・37 シール部材 38 外気遮断空間部 39 真空経路 40 真空源 43 エアベント 45 瞬間真空引き機構 47・48 開閉弁 R 樹脂タブレット S 間 隔

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 固定型及び可動型から成る樹脂成形用の金型に配設した複数個
    のポット内に樹脂タブレットを夫々供給する樹脂タブレットの供給工程と、 上記金型に配設したキャビティ部の所定位置にリードフレームに装着した電子
    部品を供給セットするリードフレームの供給工程と、 上記金型の各ポット内に供給した樹脂タブレットを加熱する樹脂タブレットの
    加熱工程と、 上記固定型及び可動型を型締めして上記リードフレーム上の電子部品を上記金
    型キャビティ部の所定位置に嵌装する金型の型締工程と、 上記金型の型締工程時に構成される少なくとも各ポット部と各樹脂通路部及び
    各キャビティ部から成る型内空間部を外部と遮断する外気遮断工程と、 上記外気遮断工程時において、上記型内空間部の残溜空気及び/又は水分と、
    上記樹脂タブレットの加熱工程時に加熱膨張された樹脂タブレットの内部から該
    型内空間部に流出した空気及び/又は水分と、加熱により発生したガス類とを該
    型内空間部の外部へ強制的に吸引排出する型内空間部の真空引き工程と、 上記外気遮断工程時において、上記型内空間部の残溜空気及び/又は水分と、
    上記樹脂タブレットの加熱工程時に加熱膨張された樹脂タブレットの内部から該
    型内空間部に流出した空気及び/又は水分と、加熱により発生したガス類とを該
    型内空間部の外部へ短時間内で且つ強制的に吸引排出することにより、該型内空
    間部の真空度を迅速に高める瞬間真空引き工程と、 上記金型の各ポット内に供給した樹脂タブレットを加圧して、該各ポット内で
    加熱溶融化した溶融樹脂材料を上記各樹脂通路部を通して該各ポットの側方位置
    に配設した所要数のキャビティ内に夫々注入することにより、該各キャビティ内
    に嵌装した上記リードフレーム上の電子部品を樹脂封止成形する樹脂封止成形工
    程とを備えた電子部品の樹脂封止成形方法であって、 上記金型の型締工程は、上記固定型と可動型との型面との間に所定の間隙を構 成する中間型締工程と、上記固定型の型面と上記可動型の型面とを接合させる完
    全型締工程とを含み、 また、上記樹脂タブレットの加熱工程により、上記金型の各ポット内に供給し
    た樹脂タブレットを夫々加熱膨張させて、該各樹脂タブレットの内外を通気可能
    な状態とし、 また、上記型内空間部の真空引き工程を、上記中間型締工程及び上記完全型締
    工程の両型締時において行い、 更に、上記瞬間真空引き工程を、上記中間型締工程時において行うことを特徴
    とする電子部品の樹脂封止成形方法

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