JP2524615Y2 - サイトプレキャスト装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、建築現場等におけるプ
レキャストコンクリート部材の製造に用いるサイトプレ
キャスト装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、建築現場において連続的にプレキ
ャストコンクリート部材を製造する場合には、プロジェ
クト毎に製造施設を構築して該部材を製造し、終了後、
該施設を解体して撤去している。該製造施設は、仮設Ｈ
鋼、ベッド、型枠、養生設備等から成っている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかるに、サイトプレ
キャスト工法の実施には、プレファブベッドヤード、鉄
筋先組ヤード、部材ストックヤード等の広大な敷地を必
要とするとともに、施工条件を考慮したレイアウト計
画、構築、解体に技術と時間を要するため、小規模なプ
ロジェクトや敷地に制約がある場合には、サイトプレキ
ャスト工法を採用することが難しかった。また、コンク
リート部材の移動や吊込みには大型重機を必要とし、特
に水平運搬はコストへの影響が大きく、運搬効率が悪か
った。

【０００４】そこで本考案の目的は、敷地に制約がある
場合でもサイトプレキャスト工法を容易に実施でき、か
つ運搬効率の向上を図ることのできるサイトプレキャス
ト装置を提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第１の考案は、ベッド及び複数本の支柱により、該ベ
ッドの下方に車輌の荷台が進入可能とした架台と、上記
ベッドの両側端に回動可能に取付けられ、かつ水平位置
及び起立位置で固定可能とした作業台と、を備えて成る
サイトプレキャスト装置である。

【０００６】また第２の考案は、自走可能な車輌に、ベ
ッド、型枠、養生設備等のコンクリート部材の製造設備
を装備して成るサイトプレキャスト装置である。

【０００７】

【作用】第１の考案の作用；コンクリート部材の製造時
には作業台を水平状に固定し、ベッド上において該部材
を製造する。また架台運搬時には、作業台を起立させて
側板とし、ベッド下方に車輌の荷台を進入させ、ジャッ
キ等により荷重を支柱から荷台に移行させて所定の場所
へ運搬する。

【０００８】第２の考案の作用；車輌に装備したベッド
上において、型枠等を適宜配置してコンクリート部材の
製造を行ない、製造後、所定の場所へ運搬する。

【０００９】

【実施例】図１〜４は第１の考案の一実施例を示したも
ので、搬送可能な架台１０から成る装置である。図中、
１はベッドで、その下面端部に設けた複数本の支柱２及
び該各支柱２の下端に取付けた着脱式の台３（又はジャ
ッキ）により支持されている。また、ベッド１の下面の
上記各支柱２の内側には、それぞれジャッキ４が取付け
てある。５はベッド１の両側端に回動可能に取付けられ
た作業台で、作業時には図１のように複数の方杖６によ
って水平状に支持される。該方杖６はその一端が作業台
５の先端部に枢着されているとともに、他端は支柱２に
着脱可能に取付けられている。

【００１０】図１はプレキャストコンクリート部材の製
造時の状態を示したもので、作業台５を方杖６によって
水平状に支持し、ベッド１上において、型枠８の建込
み、鉄筋吊込み、コンクリート打設、コンクリート養
生、脱型等を行なってコンクリート部材を製造する。

【００１１】図２〜４は架台運搬時の状態を示したもの
で、ベッド１の下方にトラッククレーン等の車輌１１の
荷台１２が入り、ジャッキ４により架台１０を浮き上が
らせて荷重を支柱２から荷台１２に移行させ、支柱２の
下端の台３を取外す。そして、各方杖６の一端を支柱２
から取外し、作業台５を上方へ回動させて垂直状に起立
させた後、方杖６を上方へ回動させて水平状とし、各方
杖６を紐等で結束してコンクリート部材７をベッド１上
に固定する。即ち、この場合、作業台５はコンクリート
部材７をベッド１上に保持する側板となる。このように
して架台１０及びコンクリート部材７を車輌１１により
所定の場合へ搬送する。なお、ベッド１の下面に取付け
たジャッキ４は、これを車輌１１の荷台１２に設けても
よい。

【００１２】図５は第２の考案の一実施例を示したもの
で、可走型のサイトプレキャスト装置である。即ち、道
路走行が可能な車輌２０（例えば低床トレーラ）に、ベ
ッド２１、型枠２２、養生設備２３等のプレキャストコ
ンクリート部材の製造に必要な設備を装備しておき、現
場の条件に応じてこれらの設備を適宜配置してコンクリ
ート部材を製造する。なお、図示実施例では、ベッド２
１を幅方向に３分割して両外側のベッドを中央側に起立
可能とし、使用しない場合には起立させておくことによ
りスペースの節約を図っている。

【００１３】上記のようにこのサイトプレキャスト装置
は可走型で、容易に移動、運搬できるため、現場への適
応性及び運搬効率が大幅に向上する。

【００１４】

【考案の効果】本考案によれば、搬送可能な架台上もし
くは自走可能な車輌上においてプレキャストコンクリー
ト部材の製造を行なうことができ、容易に移動、運搬す
ることができるので、敷地条件の悪い場合でも容易にサ
イトプレキャスト工法を実施することが可能となり、ま
た運搬効率も大幅に向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の考案の一実施例を示したもので、コンク
リート部材製造時の正面図。

【図２】同、運搬時の正面図。

【図３】同、運搬時の平面図。

【図４】同、運搬時の側面図。

【図５】第２の考案の一実施例を示す要部斜視図。

【符号の説明】

１，２１ ベッド ２ 支柱 ５ 作業台 ７ コンクリート部材 ８，２２ 型枠 １０ 架台 １１，２０ 車輌 １２ 荷台 ２３ 養生設備

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベッド及び複数本の支柱により、該ベッ
   ドの下方に車輌の荷台が進入可能とした架台と、 上記ベッドの両側端に回動可能に取付けられ、かつ水平
   位置及び起立位置で固定可能とした作業台と、 を備えて成るサイトプレキャスト装置。
2. 【請求項２】 自走可能な車輌に、ベッド、型枠、養生
   設備等のコンクリート部材の製造設備を装備して成るサ
   イトプレキャスト装置。