JP2523786Y2 - 化粧用コンパクト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、化粧品の香気の放散を防止する密封機構を
有する化粧用コンパクトに関する。

「従来の技術」 化粧用コンパクトはいうまでもなく、化粧品を充填し
た化粧品皿の上面部に、一端をヒンジで枢着し他端をフ
ックで旋錠可能として片開きの蓋を設け、全体を扁平か
つ小形に形成して携帯に便とし、また蓋裏面に鏡を取付
け化粧に便とした構造のものである。

このコンパクトで、化粧品に含まれる香料の香気の放
散を防止する目的で、化粧品室上面開口部まわりにリン
グ状の気密化用パッキングを配し、蓋を閉じたときこの
蓋下面でこのパッキングを押圧して化粧品を外気からし
ゃ断するようにしたものがある。

「考案が解決しようとする課題」 片開きの蓋は、遊端の前部側をフックによる止め金で
化粧皿前部に施錠するので、前部と後部の両端部を化粧
品皿に締付けている方式であり、このため前部と後部以
外の部分でのパッキング押圧は不十分となり、完全な密
封が得られていない。

本考案は蓋を独立体とし、この蓋をねじ込みにより化
粧品皿に閉蓋させ、このねじ込み閉蓋時、蓋の下降を利
用してパッキングを全周的に押圧して略完全に密封でき
るようにした化粧用コンパクトを得るにある。

「課題を解決するための手段」 本考案の化粧用コンパクトは、周壁４外周面の少なく
とも四方にとびとびにねじ山５を形成し、かつこの周壁
４下部まわりに上向きの支持用周溝６を形成した化粧品
皿１と、垂下周壁７の内周面に前記ねじ山５に螺合でき
るねじ山８をとびとびに形成し、裏面の中央部には鏡９
を、周縁部には前記化粧品皿１にねじ込まれたときその
口頂部に圧接するリング状パッキング10を取付けた蓋２
と、前記支持用周溝６の任意箇所に差込み、引抜きで着
脱できる脚片11を有して前記蓋２の外周一部に枢着さ
れ、開蓋後とり外されたこの蓋２を化粧品皿１の周縁部
に所望の開度に起立保持する支承部材３とで構成してい
る。

「作用」 上記構成において、閉蓋時には第１図に示すように、
蓋２はねじ山５群と８群の螺合によりねじ込みで閉蓋さ
れ、この閉蓋時下降する蓋２が気密化用のパッキング10
を化粧品皿１口頂部に圧接させてこの化粧品皿１内を密
封する。この場合、蓋２は少なくとも四方４箇所の螺合
部を介しねじ込まれるので全周的に平均して下降し、従
ってパッキング10は全周的に押圧されることになり、化
粧品皿１内は完全に密封される。

つぎに化粧品の使用時には、蓋２は、ねじ山５群と８
群の螺合を解消してとり外されるが、蓋２をとり外した
のち、第２図のように支承部材３の脚片11を化粧品皿１
の支持用周溝６の一部の差込み固定し、この状態で鏡９
が見やすいように蓋２を所望角度に聞く。これにより、
片開き形の蓋と同様状態となり利用しやすく、しかも蓋
２の置き場所に困ることもなくなる。

「実施例」 以下図面を参照して一実施例を説明するに、本考案は
蓋２を独立体とし、この蓋２を少なくとも四方４箇所で
のねじ込みにより化粧品皿１に閉蓋させ、この閉蓋時、
蓋２の下降を利用して気密化用のパッキング10を全周的
に押圧して略完全に密封できるようにし、さらにとり外
した蓋２の置き場所に工夫をした点に特徴を有する。

化粧品皿１は、底板部材1aと周壁部材1bとの２部材の
組合わせで丸皿状に構成している。

底板部材1aは、円板状の底板の周縁部に狭い間隔を隔
てて内外２重に高さの違う周壁12,13を起立した上向き
の支持用周溝６を形成し、その内方にやや背の高い取付
け用周壁14を起立した形状である。

周壁部材1bは、直筒状の周壁４の上部から内方に、上
半部を摺鉢状のパフ15の収納部に、下半部を化粧品16を
充填する縮形した化粧品充填室とした内部周壁17を分岐
形成し、また周壁４の中腹部外面から前記周壁13上端周
縁に乗る外向きフランジ18を設け、そしてこの周壁４の
上部外周面の四方４箇所にとびとびにねじ山５を形成し
たものであり、内部周壁17の下半直筒部を前記取付け用
周壁14に固く内嵌固定して底板部材1aと一体化してあ
る。この両部材1a,1bの一体化は、他の手段、例えば接
着剤固定、係合突条同士による係合固定等であってもよ
い。

蓋２は伏せ皿形の形状で、垂下周壁７の内周面の周方
向とびとびの四方４箇所に、前記ねじ山５にそれぞれ螺
合するねじ山８を形成し、僅かの角度反対方向に回動操
作することにより前記化粧品皿１に開閉蓋できるように
してある。この蓋２の垂下周壁７内面に添った裏面周縁
には前記化粧品皿１口頂部に圧接するリング状の気密化
用パッキング10を設け、このパッキング10内方の中央部
には鏡９を取付けている。またこの蓋２は、垂下周壁７
の外側に化粧品皿１の周壁12上端に着座する外部周壁19
を垂設しており、そして垂下周壁７と外部周壁19間の天
板周縁部から外部周壁19にかけて一部断面逆Ｌ字形の一
部を帯状に切欠いて収納凹所20を形成している。この凹
所20は左右両面を壁面とし、凹所20の３面が壁面として
ある。

支承部材３は、丸軸状のヒンジボス21から脚片11を延
出した９字形の形状のもので、ヒンジボス21を前記凹所
20に嵌合しピンで結合して蓋２外面に枢着されている。
脚片11は前記支持用周溝６の任意の箇所に差込み固定
し、引き抜き離脱できる着脱自在のものである。

この実施例において、常時は蓋２は化粧品皿１に互い
のねじ山5,8の螺合によりねじ込んで閉蓋され、この閉
蓋時下降する蓋２がパッキング10を化粧品皿１口頂部に
圧接させて化粧品皿１内を封止するが、蓋２は、少なく
とも四方４箇所でねじ込まれるので全周的に平均して下
降し、略完全に密封する。

化粧品16の使用時にはねじ山5,8群の螺合を解消して
蓋２をとり外し、この後支承部材３の脚片を支持用周溝
６に差込み固定し、蓋２を第２図のように鏡９を見るの
に都合のよい角度に開く。この蓋２を所定の角度に開蓋
させるのは、蓋２と支承部材３の取付けをやや固めにし
ておくことで実現してもよく、また蓋２が所望開度まで
開いたとき、蓋２がそれ以上開かないように支承部材３
側に係止用突起を設けておくことで実現してもよい。

「考案の効果」 上記したように、本考案の化粧用コンパクトでは、蓋
２を独立体とし、そして少なくとも四方４箇所の螺合部
によりねじ込みで閉蓋できるようにしたので、閉蓋時パ
ッキング10を全周的に押圧して化粧品皿１を略完全に密
封することができる。また蓋２一部に支承部材３を枢着
し、開蓋したのち支承部材３によりこの蓋２を化粧品皿
１周縁部に所望角度の開蓋状態で保持できるようにした
ので、鏡９を片開き形の蓋と同様に使用することができ
て利用しやすく、しかも蓋２の置き場所に困るようなこ
とがない利点がある。

【図面の簡単な説明】 第１図a,b,cは本考案化粧用コンパクトの一実施例の上
面図、縦断面図及び右側面図、第２図は同実施例の使用
時の状態を示す縦断面図である。 １……化粧品皿、２……蓋 ３……支承部材

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】周壁４外周面の少なくとも四方にとびとび
   にねじ山５を形成し、かつこの周壁４下部まわりに上向
   きの支持用周溝６を形成した化粧品皿１と、垂下周壁７
   の内周面に前記ねじ山５に螺合できるねじ山８をとびと
   びに形成し、裏面の中央部には鏡９を、周縁部には前記
   化粧品皿１にねじ込まれたときその口頂部に圧接するリ
   ング状パッキング10を取付けた蓋２と、前記支持用周溝
   ６の任意箇所に差込み、引抜きで着脱できる脚片11を有
   して前記蓋２の外面一部に枢着され、開蓋後とり外され
   たこの蓋２を化粧品皿１の周縁部に所望の開度に起立保
   持する支承部材３とからなる化粧用コンパクト。