JP2522495Y2 - 減速装置の出力制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、中空モータを利用した減速装置を有する駆
動装置の出力回転数の制御に関する。

従来の技術 減速装置、特に調和歯車装置は、少ない歯車で大きく
減速できるので精密機械等に多用されている。この調和
歯車装置は、一用途として、モータと、このモータの回
転軸によって駆動される減速装置と、前記モータの出力
に接続されてそのモータの回転数を検知する第１のセン
サと、この第１のセンサの出力を受けて前記モータの回
転数を制御する第１の制御手段とから成る出力制御装置
において使用されている。

従来の実施例をブロック図を用いて第１図に示す。第
１図において、C1は第１の制御装置、S1は第１のセンサ
（例えば、タコメータジェネレータ）、Ｍはモータ、Ｈ
は調和歯車装置、Ｖは入力電圧をそれぞれ示す。外部か
らの指令入力Ｖと第１のセンサS1の出力とが第１の制御
装置に与えられている。この第１の制御装置C1は、この
二入力の差をとり、その差を所定の方法で増幅してそれ
を出力する。第１の制御装置C1からの出力はモータＭに
与えられて、このモータＭの回転数（又は速度）が制御
されることになる。モータＭの出力の一方は第１のセン
サS1に与えられ、その他方は調和歯車装置Ｈに与えられ
る。第１のセンサS1はモータＭの回転数をうけてそれに
相応する電圧を出力し、調和歯車装置Ｈがモータの回転
数を一定の比で減速して出力する。

このように、従来技術により装置は、モータＭの出力
を検知して、負帰還信号として第１の制御装置C1に与え
る第１のセンサS1を用いて出力回転数を制御するもので
ある。

考案が解決しようとする問題点 しかし、このような構成による装置は、出力装置とな
る調和歯車装置Ｈの出力回転数を検知する手段を何ら有
しておらず、その出力回転数を直接制御していない。し
たがって、調和歯車装置Ｈの出力には低周波及び高周波
から成る振動成分が存在しており、その振動成分を十分
抑圧できないため、本来の目的である調和歯車Ｈそのも
のの出力回転数を十分な精度で制御することができな
い。

一方、第１図において、調和歯車装置Ｈの出力を検出
して、その検出した信号を第１のセンサーに入力する構
成も使用されている。しかし、かかる構成においては、
調和歯車装置Ｈが弾性を有するため調和歯車装置Ｈの入
力と出力との間に時間の遅れが生じ、整定時間が大きい
という欠点が存在する。

そこで、本考案の目的は、出力回転数を十分な精度で
制御できる装置を提供することである。

問題を解決するための手段 本考案は、従来の装置において、第２の制御装置と、
第２のセンサとを追加して別の負帰還ループを構成して
制御を行うことである。この第２のセンサは、出力回転
数を受けて、第２の制御装置に出力し、第２の制御装置
は、第２のセンサからの出力と入力電圧とを受けて、そ
の差を第１の制御装置に出力するものである。

作用 このような構成を用いることにより、入力電圧が第２
の制御装置に与えられると、調和歯車装置の出力がこの
第２の制御装置に負帰還されているので、その調和歯車
装置の出力が十分な精度をもって制御される。

実施例 本考案の実施例をブロックで示した図を第２図に示
す。第２図は、第１図に示す従来例に第２の制御装置C2
と第２のセンサS2を付加したものである。従って、第１
図の構成要素と同じものには同じ符号を用い、その説明
は重複するので省略し、新たに付加された要素について
のみ説明する。

第２のセンサS2は、調和歯車装置Ｈの出力をうけて第
２の制御装置C2にその出力を与え、第２の制御装置C2
は、第２のセンサS2からの出力の他に外部からの指令入
力Ｖである入力電圧を受けて、その差を第１の制御装置
C1に与えるものである。第２のセンサS2の機能は第１の
センサS1に、第２の制御装置C2の機能は第１の制御装置
C1に、それぞれ基本的には同じである。

第３図に本考案の実施例を示す。

調和歯車装置は、ウェーブジェネレータ３、内歯車
５、及び外歯車７から構成されており、ウェーブジェネ
レータ３にはモータＭの負荷側のモータ軸１が結合され
ている。このモータ軸１の負荷側とは反対側の端部には
第１のセンサS1が取り付けられ固定されている。調和歯
車装置の出力軸は、負荷側と反対側において、その細く
長く伸びた一方15が非接触の状態でモータ軸１の内部を
貫通し、さらに第１のセンサS1を貫通してその端部にお
いて第２のセンサS2に固定されている。そして、調和歯
車装置の負荷側においては、その太い他方13が外歯車７
に結合され、出力ベアリング９を介して外部に伸びてい
る。

このように第２のセンサS2は、モータの中空部を利用
することによって、調和歯車装置の出力側でなく、第１
のセンサS1と一体化して構成している。

第１の制御装置及び第２の制御装置は通常の装置であ
るので省略してある。

モータＭが回転すると、その回転数は、第１のセンサ
S1によって検知され、またウェーブジェネレータ３、内
歯車５及び外歯車７を介して減速されて出力軸13、15に
伝達される。この減速された回転数は、出力軸15に固定
された第２のセンサS2によって検知される。

考案の効果 以上述べたように、出力回転数を直接検知して負帰還
することにより、より正確な制御が可能になる。また、
第１のセンサ及び第２のセンサを一体的に構成すること
により小型化が可能になり、又、第１のセンサの出力リ
ード線と、第２のセンサの出力リード線とを一括して処
理できるようになり、狭い場所にも取り付けられるよう
になる。更に、中空モータと調和歯車装置との組合せに
より、出力軸の剛性を下げないまま出力を直接制御でき
るようになる。

減速装置の負荷側の出力軸を負荷となる他の装置に結
合したとき、負荷と反対側の出力軸15側にセンサが設け
られているので、減速装置をその他の装置から外すこと
なく、センサの調整及び保守が可能となる。

また、減速装置は回転に伴い発熱するが、出力軸15側
にセンサが設けられているので、第２のセンサは発熱の
影響を受け難く、出力の制御の精度は向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来技術による減速装置の出力制御装置をブロ
ックで示した図、第２図は本考案による減速装置の出力
制御装置をブロックで示した図、第３図は本考案による
減速装置の出力制御装置の実施例を示す図である。 C1、C2……制御装置、S1、S2……センサ、Ｍ……モー
タ、Ｈ……調和歯車装置、Ｖ……入力電圧、１……モー
タ軸、３……ウェーブジェネレータ、５……内歯車、７
……外歯車、13、15……出力軸。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】モータと、このモータの負荷側に結合され
   た減速装置と、前記モータの負荷側とは反対側において
   そのモータと結合され、そのモータの回転数を検出する
   第１のセンサーと、一方の入力に前記第１のセンサーの
   出力が与えられ、他方の入力に外部からの入力が与えら
   れ、その両方の入力を比較してその差を前記モータに出
   力する第１の制御装置とを含む駆動装置において、 前記モータ及び前記第１のセンサーをそれぞれ中空に
   し、前記第１のセンサーに隣接して第２のセンサーを設
   け、前記減速装置の負荷側には一方の出力軸及びその負
   荷側とは反対側に他方の出力軸を設け、この他方の出力
   軸を前記中空のモータ及び前記中空の第１のセンサーを
   貫通するように延ばして前記第２のセンサーに隣接させ
   て前記減速装置の出力回転数を検出し、 更に、２つの入力を受入れ、その両方の入力を比較して
   その差を前記第１の制御装置の他方の入力に出力する第
   ２の制御装置を設け、この第２の制御装置の一方の入力
   に前記第２のセンサーの出力を与え、前記第２の制御装
   置の他方の入力に外部からの指令入力を与えることによ
   り、前記減速装置の出力が所望の回転数になるように制
   御することを特徴とする減速装置を有する駆動装置。