JP2522491Y2 - 方向転換機構を備えたローラコンベヤ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、例えば、滑りの悪い
底面を有する物品や柔らかい物品に計量ラベルを貼る
時、物品の向きを９０度変換した後に物品を位置決めし
てラベル貼着装置へ搬出するコンベヤに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、特開昭６３ー３７０２１号公報に
示すコンベヤにおいては、各プーリ間に多数のエンドレ
ス丸ベルトが巻掛けられ、物品はこのエンドレス丸ベル
ト上で方向転換機構により向きが９０度変えられて搬出
されるようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところが、このような
ベルトコンベヤにおいて、前述したような物品は丸ベル
トとの間の抵抗が大きくなって向きを変えにくいため、
その抵抗により丸ベルトがプーリの溝からずれたり、物
品に傷が付いたりすることも起こり得た。

【０００４】そこで、ローラコンベヤを利用すればこの
間題はある程度解決することができる。しかし、物品が
方向転換せずに停止しても搬送ローラが強制回転される
と、搬送ローラにより物品が傷付く問題は残る。

【０００５】この間題は搬送口ーラに負荷がかかった場
合同口ーラに回転が伝達されないようにすれば解決する
ことができる。本考案は、方向転換機構を備えたローラ
コンベヤにおいて、このような負荷回避回転伝達装置を
より簡単な構造のもとに実現するとともに、搬送ローラ
に接触する物品底面の方向転換抵抗を軽減して良好な方
向転換を行うことを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案は、フレーム３に対し複数の搬送ローラ２を
回転可能に支持して物品搬送方向Ａへ並設するととも
に、ベルト７を回転可能に支持し、この回転ベルト７に
各搬送ローラ２を圧接したローラコンベヤにおいて、物
品短手方向長さＷＳが物品搬送方向Ａとほぼ平行になる
ように導入された物品Ｗの向きを、物品長手方向長さＷ
Ｌが物品搬送方向Ａとほぼ平行になるように変換するこ
とができる方向転換機構１１を備え、この方向転換機構
１１の配設基準位置Ｐを境にして区分される物品搬送方
向Ａ上流側の搬送ローラ群２Ｕと物品搬送方向Ａ下流側
の搬送ローラ群２Ｌにあって、この上流側搬送ローラ群
２Ｕのローラ間隔ＳＵを下流側搬送ローラ群２Ｌのロー
ラ間隔ＳＬよりも密に設定し、フレーム３には各搬送ロ
ーラ２を回転可能に支持する各支軸２ａと、この各支軸
２ａ間に配設した各引掛部材８とを支持し、この各支軸
２ａと各引掛部材８とには可撓性エンドレス状の締付索
９を巻掛け、回転ベルト７に対する各搬送ローラ２の圧
接力をこの締付索９により付与し、ローラ間隔ＳＵを密
に設定した上流側搬送ローラ群２Ｕにおける支軸２ａと
引掛部材８との離間距離ＤＵ及び高さの差ＨＵと比較し
て、このローラ間隔ＳＵよりもローラ間隔ＳＬを粗に設
定した下流側搬送ローラ群２Ｌにおける支軸２ａと引掛
部材８との離間距離ＤＬ及び高さの差ＨＬを、これらの
ローラ間隔ＳＵ，ＳＬの差に対応して大きく設定したこ
とを要旨としている。

【０００７】

【０００８】

【０００９】

【作用】即ち、物品は、その短手方向長さが物品搬送方
向と平行になるように上流側搬送ローラ群に導入され
る。方向転換機構で物品が方向転換されるまでは、上流
側搬送ローラ群のローラ間隔が密に設定されているた
め、短手方向長さがたとえ短い物品であっても、各搬送
ローラ間に落ち込むことはない。方向転換時、物品は、
ローラ間隔が密に設定された上流側搬送ローラ群から、
ローラ間隔が粗に設定された下流側搬送ローラ群に移し
換えられる。方向転換後の物品は、その長手方向長さが
物品搬送方向と平行になるように下流側搬送ローラ群に
導入される。この下流側搬送ローラ群ではローラ間隔が
上流側搬送ローラ群のローラ間隔よりも粗に設定されて
いるが、物品の長手方向長さが物品搬送方向と平行にな
るため、物品は各搬送ローラ間に落ち込むことはない。
この搬送中に、搬送ローラに負荷がかかった場合には、
搬送ローラと回転ベルトとの間に滑りが生じ、搬送ロー
ラにベルトの回転が伝達されない。

【００１０】また、上流側搬送ローラ群や下流側搬送ロ
ーラ群で、支軸及び引掛部材に対する締付索の巻掛け角
がほぼ同一になり、締付索の張力がほぼ一定になる。

【００１１】

【実施例】以下、本考案の一実施例にかかるローラコン
ベヤを図面を参照して説明する。図１, ２に示すよう
に、ローラコンベヤ１は包装機から搬出される包装トレ
イＷの向きを変換するものであって、多数の搬送ローラ
２が包装トレイＷの搬送方向Ａへ並設されている。図３
に示すように、両フレーム３には切欠き４が各搬送ロー
ラ２に対応して並設され、各搬送ローラ２を回転可能に
支持する支軸２ａが各切欠き４に上方から上下動可能に
挿入されて各搬送口ーラ２が両フレーム３間に架設され
ている。

【００１２】図４に示すように、一方のフレーム３には
プーリ５が各搬送口ーラ２の下方でそれらに対応して並
設されている。各プーリ５には駆動モータ６により回転
する一本のエンドレス平ベルト７が巻掛けられている。
この平ベルト７は互いに対応するプーリ５と搬送ローラ
２との間を通り、各搬送ーラ２が平ベルト７上に接触可
能となっている。

【００１３】図３に示すように、一方のフレーム３には
引掛ピン８（引掛部材）が各搬送ローラ２の支軸２ａ間
の中央部において螺着されている。各搬送ローラ２の支
軸２ａと各引掛ピン８との間には可撓性を有する締付索
としての一本のエンドレス丸ベルト９がフレーム３の両
端のピン１０を介して巻掛けられている。この丸ベルト
９は、各支軸２ａの上側に巻掛けられるとともに、各引
掛ピン８の下側に巻掛けられ、その状態で丸ベルト９に
張力が与えられる。その張力により、各支軸２ａが下方
へ押さえられて各搬送ローラ２が平ベルト７に圧接さ
れ、その圧接力を各プーリ５が受けるようになってい
る。従って、駆動モータ６により平ベルト７が回転する
と、平ベルト７と各搬送ローラ２との間の摩擦伝動によ
り各搬送ローラ２が回転するようになっている。

【００１４】このローラコンベヤ１上には方向転換機構
１１が設けられ、この方向転換機構１１は特開昭６３一
３７０２１号公報に示すものと同様な機能を果たす。さ
て、包装トレイＷは、ローラコンベヤ１の搬入側に載る
と、回転する各搬送ローラ２によりローラコンベヤ１の
搬出側へ送られ、方向転換機構１１により包装トレイＷ
の向きが変えられて搬出される。コンベヤ１として搬送
ローラ２を利用する場合には、前述した従来技術の丸ベ
ルトを利用する場合と比較して、包装トレイＷの底側の
フィルム折込み部が巻込まれにくくなる。仮に搬送口ー
ラ２に包装トレイＷのフィルム折込み部が巻込まれて負
荷がかかった場合には、フィルム折込み部を巻込んだ搬
送ローラ２と平ベルト７との間に滑りが生じ、同ローラ
２に平ベルト７の回転が伝達されない。そのため、フィ
ルム折込み部が必要以上に搬送ローラ２に巻込まれるお
それはなくなり、フィルム折込み部の破損を防止するこ
とができる。

【００１５】本実施例においては、 （イ） 図４に示すように、各搬送ローラ２への摩擦伝
動をベルト７により行っているので、このベルト７によ
り多数の搬送ローラ２へ回転を同時に伝達でき、各搬送
ローラ２への回転伝達機構が大変簡単になる。

【００１６】（ロ） 図３に示すように、ベルト７に対
する各搬送口ーラ２の圧接を同じくベルト９により行っ
ているので、このベルト９により多数の搬送ローラ２を
同時に圧接でき、より一層構造が簡単になる。という優
れた特徴を有し、この特徴（イ）（ロ）以外にさらに下
記（ハ）（ニ）の特徴を有する。

【００１７】（ハ） 図３及び図４に示すように、前記
方向転換機構１１において、物品搬送方向Ａに対し傾斜
する物品当接面１１ａのほぼ中央付近を通り且つ物品搬
送方向Ａに対し直交する面を配設基準位置Ｐとする。こ
の配設基準位置Ｐは方向転換機構１１の種類に応じて任
意に決められるものである。この配設基準位置Ｐを境に
して区分される物品搬送方向Ａ上流側の搬送ローラ群２
Ｕと物品搬送方向Ａ下流側の搬送ローラ群２Ｌにあっ
て、この上流側搬送ローラ群２Ｕの各搬送ローラ２の中
心間の間隔ＳＵは、下流側搬送ローラ群２Ｌの各搬送ロ
ーラ２の中心間の間隔ＳＬよりも、小さく密に設定され
ている。

【００１８】包装トレイＷは、その短手方向長さＷＳが
物品搬送方向Ａと平行になるようにローラコンベヤ１の
上流側搬送ローラ群２Ｕに導入される。方向転換機構１
１の物品当接面１１ａで包装トレイＷが方向転換される
までは、上流側搬送ローラ群２Ｕのローラ間隔ＳＵが密
に設定されているため、短手方向長さＷＳがたとえ短い
包装トレイＷであっても、各搬送ローラ２間に落ち込む
ことなく、安定姿勢で搬送される。

【００１９】方向転換後の包装トレイＷは、その長手方
向長さＷＬが物品搬送方向Ａと平行になるようにローラ
コンベヤ１の下流側搬送ローラ群２Ｌに導入される。こ
の下流側搬送ローラ群２Ｌではローラ間隔ＳＬが上流側
搬送ローラ群２Ｕのローラ間隔ＳＵよりも粗に設定され
ているが、包装トレイＷの長手方向長さＷＬが物品搬送
方向Ａと平行になるため、包装トレイＷは各搬送ローラ
２間に落ち込むことなく、安定姿勢で問題なく搬送され
る。

【００２０】従って、搬送ローラ２の配設個数がローラ
コンベヤ１の全体として減少し、簡単な構成となって製
造コストを低減することができる。また、方向転換時、
包装トレイＷは、ローラ間隔ＳＵが密に設定された上流
側搬送ローラ群２Ｕから、ローラ間隔ＳＬが粗に設定さ
れた下流側搬送ローラ群２Ｌに移し換えられる。そのた
め、たとえ滑りの悪い底面を有する物品であっても、物
品底面の方向転換抵抗を軽減して良好に方向転換するこ
とができる。

【００２１】（ニ） 図３及び図４に示すように、前記
ローラ間隔ＳＵを密に設定した上流側搬送ローラ群２Ｕ
における支軸２ａの中心と引掛ピン８の中心との離間距
離をＤＵとする。この離間距離ＤＵはローラ間隔ＳＵの
半分になっている。このローラ間隔ＳＵよりもローラ間
隔ＳＬを粗に設定した下流側搬送ローラ群２Ｌにおける
支軸２ａの中心と引掛ピン８の中心との離間距離をＤＬ
とする。この離間距離ＤＬはローラ間隔ＳＬの半分にな
っている。下流側搬送ローラ群２Ｌにおける支軸２ａの
中心と引掛ピン８の中心との間の高さの差ＨＬは、上流
側搬送ローラ群２Ｕにおける支軸２ａの中心と引掛ピン
８の中心との間の高さの差ＨＵよりも大きくなってい
る。すなわち、この離間距離ＤＬ及び高さの差ＨＬは、
離間距離ＤＵ及び高さの差ＨＵよりも、これらのローラ
間隔ＳＵ，ＳＬの差に対応して大きく設定されている。

【００２２】従って、上流側搬送ローラ群２Ｕや下流側
搬送ローラ群２Ｌにおいて、支軸２ａ及び引掛ピン８に
対する丸ベルト９の巻掛け角θがすべて同一になり、丸
ベルト９の張力がほぼ一定になる。そのため、ベルト７
に対するすべての搬送ローラ２の圧接力が平均的に設定
されてほぼ同一になる。この機能により、すべての搬送
ローラ２が同一回転数で回転して包装トレイＷを確実に
搬送する。

【００２３】なお、本考案はラベル貼着と関係のない一
般のコンベヤにも応用できる。

【００２４】

【考案の効果】以上詳述したように、本考案にかかるロ
ーラコンベヤによれば、ベルトにより複数の搬送ローラ
へ同時に摩擦電動でき、各搬送ローラへの回転伝達機構
を大変簡単にすることができる。また、締付索により複
数の搬送ローラをベルトに対し同時に圧接でき、より一
層構造を簡単にできる。

【００２５】さらに、方向転換機構を境にして、上流側
搬送ローラ群のローラ間隔を密に、下流側搬送ローラ群
のローラ間隔を粗に設定したので、物品を安定姿勢で搬
送できるとともに、搬送ローラの配設個数をローラコン
ベヤの全体として減少でき、簡単な構成となって製造コ
ストを低減することができる。また、滑りの悪い底面を
有する物品であっても、物品底面の方向転換抵抗を軽減
して良好に方向転換することができる。

【００２６】しかも、上流側搬送ローラ群や下流側搬送
ローラ群で、支軸及び引掛部材に対する締付索の巻掛け
角がほぼ同一になるので、ベルトに対する搬送ローラの
圧接力を平均的に設定でき、物品を確実に反そうするこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 包装機の包装品搬出コンベヤの一実施例を示
す平面図である。

【図２】 同じく側面図である。

【図３】 図１のＸ一Ｘ線から見たローラコンベヤを示
す断面図である。

【図４】 図１のＹ一Ｙ線から見たローラコンベヤを示
す断面図である。

【符号の説明】

１…ローラコンベヤ、２…搬送ローラ、２ａ…支軸、３
…フレーム、７…平ベルト、８…引掛ピン（引掛部
材）、９…丸ベルト( 締付索) 、１１…方向転換機構、
Ｗ…包装トレイ（物品）、Ａ…物品搬送方向、Ｐ…方向
転換機構配設基準位置、２Ｕ…上流側搬送ローラ群、２
Ｌ…下流側搬送ローラ群、ＳＵ…上流側搬送ローラ群ロ
ーラ間隔、ＳＬ…下流側搬送ローラ群ローラ間隔、ＤＵ
…上流側離間距離、ＤＬ…下流側離間距離。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フレーム（３）に対し複数の搬送ローラ
   （２）を回転可能に支持して物品搬送方向（Ａ）へ並設
   するとともに、ベルト（７）を回転可能に支持し、この
   回転ベルト（７）に各搬送ローラ（２）を圧接したロー
   ラコンベヤにおいて、 物品短手方向長さ（ＷＳ）が物品搬送方向（Ａ）とほぼ
   平行になるように導入された物品（Ｗ）の向きを、物品
   長手方向長さ（ＷＬ）が物品搬送方向（Ａ）とほぼ平行
   になるように変換することができる方向転換機構（１
   １）を備え、 この方向転換機構（１１）の配設基準位置（Ｐ）を境に
   して区分される物品搬送方向（Ａ）上流側の搬送ローラ
   群（２Ｕ）と物品搬送方向（Ａ）下流側の搬送ローラ群
   （２Ｌ）にあって、この上流側搬送ローラ群（２Ｕ）の
   ローラ間隔（ＳＵ）を下流側搬送ローラ群（２Ｌ）のロ
   ーラ間隔（ＳＬ）よりも密に設定し、 フレーム（３）には各搬送ローラ（２）を回転可能に支
   持する各支軸（２ａ）と、この各支軸（２ａ）間に配設
   した各引掛部材（８）とを支持し、この各支軸（２ａ）
   と各引掛部材（８）とには可撓性エンドレス状の締付索
   （９）を巻掛け、回転ベルト（７）に対する各搬送ロー
   ラ（２）の圧接力をこの締付索（９）により付与し、 ローラ間隔（ＳＵ）を密に設定した上流側搬送ローラ群
   （２Ｕ）における支軸（２ａ）と引掛部材（８）との離
   間距離（ＤＵ）及び高さの差（ＨＵ）と比較して、この
   ローラ間隔（ＳＵ）よりもローラ間隔（ＳＬ）を粗に設
   定した下流側搬送ローラ群（２Ｌ）における支軸（２
   ａ）と引掛部材（８）との離間距離（ＤＬ）及び高さの
   差（ＨＬ）を、これらのローラ間隔（ＳＵ，ＳＬ）の差
   に対応して大きく設定した ことを特徴とする方向転換機
   構を備えたローラコンベヤ。