JP2522131Y2 - フランジ部付き成形体 - Google Patents
フランジ部付き成形体Info
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- JP2522131Y2 JP2522131Y2 JP3158191U JP3158191U JP2522131Y2 JP 2522131 Y2 JP2522131 Y2 JP 2522131Y2 JP 3158191 U JP3158191 U JP 3158191U JP 3158191 U JP3158191 U JP 3158191U JP 2522131 Y2 JP2522131 Y2 JP 2522131Y2
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- Japan
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- sheet
- flange
- notch
- strength
- molded article
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- Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は真空成形又は圧空成形に
よるフランジ部付き成形体に関し、特に手で容易に引き
裂くことができ、かつ強度的にも優れた真空成形又は圧
空成形によるフランジ部付き成形体に関する。
よるフランジ部付き成形体に関し、特に手で容易に引き
裂くことができ、かつ強度的にも優れた真空成形又は圧
空成形によるフランジ部付き成形体に関する。
【0002】
【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】各種食
品類、菓子等の容器として従来よりプラスチック製の原
反シートを真空成形又は圧空成形したフランジ部付き成
形体が広く用いられている。
品類、菓子等の容器として従来よりプラスチック製の原
反シートを真空成形又は圧空成形したフランジ部付き成
形体が広く用いられている。
【0003】このようなプラスチックシートを真空成形
又は圧空成形してなるフランジ部付き成形体としては、
例えば包装鏡餅用の容器が挙げられる。
又は圧空成形してなるフランジ部付き成形体としては、
例えば包装鏡餅用の容器が挙げられる。
【0004】包装鏡餅1は、図7に示すように、プラス
チックス製の鏡餅容器本体3に鏡餅2を充填した後で底
シート4をヒートシールするものである。
チックス製の鏡餅容器本体3に鏡餅2を充填した後で底
シート4をヒートシールするものである。
【0005】容器体部3は、プラスチックのシート状物
を底部が開口した鏡餅形状に真空成形してなり、これを
倒立させて餅2を充填した後、底部をプラスチック製の
密封シート(底シート)4で密封し、次いで加熱処理す
る。このような容器体部3には、強度、耐水性、密封
性、ヒートシール性等の観点からポリプロピレン等が用
いられている。しかもこのポリプロピレンは、形状保持
性及びガスバリア性を確保するために、かなりの肉厚と
硬度のものを用いている。また底シート4としては、ポ
リエチレンのようにヒートシール性のあるプラスチック
が用いられている。
を底部が開口した鏡餅形状に真空成形してなり、これを
倒立させて餅2を充填した後、底部をプラスチック製の
密封シート(底シート)4で密封し、次いで加熱処理す
る。このような容器体部3には、強度、耐水性、密封
性、ヒートシール性等の観点からポリプロピレン等が用
いられている。しかもこのポリプロピレンは、形状保持
性及びガスバリア性を確保するために、かなりの肉厚と
硬度のものを用いている。また底シート4としては、ポ
リエチレンのようにヒートシール性のあるプラスチック
が用いられている。
【0006】この包装鏡餅において容器体部3から餅2
を取り出すには、通常、包丁等で容器体部3ごと餅2を
切り、切ってから容器体部3と餅2とを分離している。
これは、容器体部3と餅2とがぴったりと密着してお
り、底シート4を剥離しただけでは、餅を取り出すこと
が容易でないからである。しかしながら、包丁等で容器
体部3ごと餅2を切断する際、容器体部3は、上述した
ようにある程度の硬さと肉厚とを有しているので、最初
に包丁等で大きな押圧力を加える必要があり、しかも容
器体部3の外面は平滑であるので、包丁が滑り易く、け
がをしやすいという問題がある。
を取り出すには、通常、包丁等で容器体部3ごと餅2を
切り、切ってから容器体部3と餅2とを分離している。
これは、容器体部3と餅2とがぴったりと密着してお
り、底シート4を剥離しただけでは、餅を取り出すこと
が容易でないからである。しかしながら、包丁等で容器
体部3ごと餅2を切断する際、容器体部3は、上述した
ようにある程度の硬さと肉厚とを有しているので、最初
に包丁等で大きな押圧力を加える必要があり、しかも容
器体部3の外面は平滑であるので、包丁が滑り易く、け
がをしやすいという問題がある。
【0007】このように真空成形容器は開封するのが困
難である。そこで、原反シートに線状の薄肉部や切込み
等の低強度部を設けてから、真空成形又は圧空成形を行
うとともに、フランジ部にV字形の切欠部を設けること
により、そこから手で容易に引き裂けるようにした容器
が提案されている。
難である。そこで、原反シートに線状の薄肉部や切込み
等の低強度部を設けてから、真空成形又は圧空成形を行
うとともに、フランジ部にV字形の切欠部を設けること
により、そこから手で容易に引き裂けるようにした容器
が提案されている。
【0008】しかしながら、その後の研究の結果、原反
シートに線状の低強度部を設けてから、真空成形又は圧
空成形を行った後、シートを切出すことにより線状の薄
肉部を有する容器を製造すると、切欠部の中心部分から
線状の低強度部がずれてしまうことがあることがわかっ
た。さらに、このようにずれを生じると、手で引き裂こ
うとした場合に、切欠部にかかる力の方向と、低強度部
の方向とがずれるため、容易に手で引き裂くことができ
なくなることがわかった。
シートに線状の低強度部を設けてから、真空成形又は圧
空成形を行った後、シートを切出すことにより線状の薄
肉部を有する容器を製造すると、切欠部の中心部分から
線状の低強度部がずれてしまうことがあることがわかっ
た。さらに、このようにずれを生じると、手で引き裂こ
うとした場合に、切欠部にかかる力の方向と、低強度部
の方向とがずれるため、容易に手で引き裂くことができ
なくなることがわかった。
【0009】したがって本考案の目的は、手で容易に引
き裂くことが可能であり、かつ強度的にも優れた真空成
形又は圧空成形によるフランジ部付き成形体を提供する
ことである。
き裂くことが可能であり、かつ強度的にも優れた真空成
形又は圧空成形によるフランジ部付き成形体を提供する
ことである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本考案者らは、切込み、溝等の低強度部を有す
るプラスチック製原反シートを真空成形又は圧空成形し
てなるフランジ部付き成形体の低強度部とフランジ部の
末端部との交差箇所に切欠部を設けるとともに、この切
欠部の周辺部分に効率よく引き裂くための実質的にV字
形状の複数の切り抜きあるいは薄肉部分からなる誘導部
を設ければ、手で確実かつ容易に引き裂くことができる
ことを見出し、本考案に想到した。
の結果、本考案者らは、切込み、溝等の低強度部を有す
るプラスチック製原反シートを真空成形又は圧空成形し
てなるフランジ部付き成形体の低強度部とフランジ部の
末端部との交差箇所に切欠部を設けるとともに、この切
欠部の周辺部分に効率よく引き裂くための実質的にV字
形状の複数の切り抜きあるいは薄肉部分からなる誘導部
を設ければ、手で確実かつ容易に引き裂くことができる
ことを見出し、本考案に想到した。
【0011】すなわち線状の低強度部を有するプラスチ
ック製原反シートを真空成形又は圧空成形してなる本考
案のフランジ部付き成形体は、前記線状の低強度部の少
なくとも一端が、前記フランジ部の縁部に設けられた切
欠部まで延在しており、前記切欠部から前記線状の低強
度部に沿って効率よく引き裂くための誘導部が前記切欠
部の周辺部分に設けられていることを特徴とする。
ック製原反シートを真空成形又は圧空成形してなる本考
案のフランジ部付き成形体は、前記線状の低強度部の少
なくとも一端が、前記フランジ部の縁部に設けられた切
欠部まで延在しており、前記切欠部から前記線状の低強
度部に沿って効率よく引き裂くための誘導部が前記切欠
部の周辺部分に設けられていることを特徴とする。
【0012】
【実施例】以下本考案を添付図面を参照して以下詳細に
説明する。図1及び図2は、本考案のフランジ部付き成
形体の典型的な例である包装鏡餅の正面図及び平面図で
ある。
説明する。図1及び図2は、本考案のフランジ部付き成
形体の典型的な例である包装鏡餅の正面図及び平面図で
ある。
【0013】この包装鏡餅1は、容器体部3に餅2を充
填した後、底シート4をヒートシールしてなる。容器体
部3は、中央及び下端近傍に括れを有する鏡餅形状にプ
ラスチック製のシート状物を真空成形又は圧空成形した
ものであり、下端部にはフランジ5が形成されている。
填した後、底シート4をヒートシールしてなる。容器体
部3は、中央及び下端近傍に括れを有する鏡餅形状にプ
ラスチック製のシート状物を真空成形又は圧空成形した
ものであり、下端部にはフランジ5が形成されている。
【0014】また、底シート4もプラスチック製のシー
トからなり、フランジ5にヒートシールされて容器体部
3を密封する(ただし、図2には図示していない)。こ
の底シート4の素材としては、容器体部3に対してイー
ジーピール性のあるものが用いられ、餅2を取り出す際
に密封シート(底シート)4を容器体部3から容易に剥
がせるようにしてある。
トからなり、フランジ5にヒートシールされて容器体部
3を密封する(ただし、図2には図示していない)。こ
の底シート4の素材としては、容器体部3に対してイー
ジーピール性のあるものが用いられ、餅2を取り出す際
に密封シート(底シート)4を容器体部3から容易に剥
がせるようにしてある。
【0015】このような鏡餅容器において、容器体部3
の鏡餅形状部の表面には線状の低強度部(薄肉部)6が
形成されている。またフランジ5の縁部と線状の薄肉部
6とが交差した箇所には、切欠部7を設けてあり、さら
に切欠部7の上部には誘導部8が形成されている。な
お、本実施例においては、低強度部6は、薄肉部となっ
ているが、切欠部を把持して手で引き裂いた際に容易に
引き裂くことが可能であれば薄肉化している必要はな
く、熱変性あるいは化学的変性により低強度化している
ものでもよい。
の鏡餅形状部の表面には線状の低強度部(薄肉部)6が
形成されている。またフランジ5の縁部と線状の薄肉部
6とが交差した箇所には、切欠部7を設けてあり、さら
に切欠部7の上部には誘導部8が形成されている。な
お、本実施例においては、低強度部6は、薄肉部となっ
ているが、切欠部を把持して手で引き裂いた際に容易に
引き裂くことが可能であれば薄肉化している必要はな
く、熱変性あるいは化学的変性により低強度化している
ものでもよい。
【0016】このような鏡餅容器における切欠部7と誘
導部8とその周辺部の拡大図を図3に示す。図3におい
ては、誘導部8は実質的にV字形状の切り抜き81,82,83
から形成されており、これらの切り抜きを三角形状に配
置(切り抜き81を頂点とし、切り抜き82,83 を他の点と
して配置)してなる。上記V字形状の切り抜き82,83 は
ある程度鋭角的であるのが好ましく、例えば本実施例の
ように約60°程度であるのが好ましい。またV字形状の
切り抜き81は上述した切り抜き82,83 の2倍程度の角度
を有し、V字の脚部が82,83 の頂上の僅かに上部にまで
延在しているのが好ましい。
導部8とその周辺部の拡大図を図3に示す。図3におい
ては、誘導部8は実質的にV字形状の切り抜き81,82,83
から形成されており、これらの切り抜きを三角形状に配
置(切り抜き81を頂点とし、切り抜き82,83 を他の点と
して配置)してなる。上記V字形状の切り抜き82,83 は
ある程度鋭角的であるのが好ましく、例えば本実施例の
ように約60°程度であるのが好ましい。またV字形状の
切り抜き81は上述した切り抜き82,83 の2倍程度の角度
を有し、V字の脚部が82,83 の頂上の僅かに上部にまで
延在しているのが好ましい。
【0017】なお、本考案において実質的にV字形状と
は、本実施例のように先端が尖状のものである必要はな
く、僅かに先端がまるみを帯びた形状、あるいは2つの
凹曲線又は凸曲線により形成れるもの等も含む。また誘
導部は強度的にある程度弱ければよいので、本実施例の
ように切り抜きである必要はなく、薄肉部(溝を含む)
でもよい。ただし、易開封性の点で、容器体部に設けら
れる線状の低強度部(薄肉部6)よりも低強度化されて
いるのが好ましい。
は、本実施例のように先端が尖状のものである必要はな
く、僅かに先端がまるみを帯びた形状、あるいは2つの
凹曲線又は凸曲線により形成れるもの等も含む。また誘
導部は強度的にある程度弱ければよいので、本実施例の
ように切り抜きである必要はなく、薄肉部(溝を含む)
でもよい。ただし、易開封性の点で、容器体部に設けら
れる線状の低強度部(薄肉部6)よりも低強度化されて
いるのが好ましい。
【0018】さらに誘導部8はV字形状のものを三角形
に配置してなる必要はなく、菱形やあるいは台形等に配
置したものであってもよい。また三角形に配置した場
合、本実施例のように3個である必要はなく、6個 (V
字形状の切り抜き82,83 の下側にさらに3つの切り抜き
が存する場合)あるいはその他の個数でもよい。
に配置してなる必要はなく、菱形やあるいは台形等に配
置したものであってもよい。また三角形に配置した場
合、本実施例のように3個である必要はなく、6個 (V
字形状の切り抜き82,83 の下側にさらに3つの切り抜き
が存する場合)あるいはその他の個数でもよい。
【0019】このような容器では、その製造時に原反シ
ートに設けた線状の薄肉部が、僅かではあるがずれやす
い。このずれかの幾つかの態様を図4乃至6に例示す
る。図4乃至図6のいずれの場合にも、線状の薄肉部6
はV字形状の切り抜きと複数箇所にわたって交差してい
る。このためこの部分の強度は大幅に低下しており、引
き裂きを開始すると、切り抜き82(又は切り抜き83) の
頂上、次の切り抜き81の頂上へと順次に勢い良く引き裂
かれていき、その切り抜き81の頂上から薄肉部まで到達
する。また場合によっては切り抜き82の頂上から薄肉部
まで到達すること、さらには切り抜き82(又は切り抜き
83) から直接薄肉部6に沿って引き裂かれる場合もあり
うる。
ートに設けた線状の薄肉部が、僅かではあるがずれやす
い。このずれかの幾つかの態様を図4乃至6に例示す
る。図4乃至図6のいずれの場合にも、線状の薄肉部6
はV字形状の切り抜きと複数箇所にわたって交差してい
る。このためこの部分の強度は大幅に低下しており、引
き裂きを開始すると、切り抜き82(又は切り抜き83) の
頂上、次の切り抜き81の頂上へと順次に勢い良く引き裂
かれていき、その切り抜き81の頂上から薄肉部まで到達
する。また場合によっては切り抜き82の頂上から薄肉部
まで到達すること、さらには切り抜き82(又は切り抜き
83) から直接薄肉部6に沿って引き裂かれる場合もあり
うる。
【0020】このような引き裂いた際の、切れ方は力の
方向、量等により不確定である。しかしながら本考案の
ように実質的にV字形状の切り抜きからなる誘導部を有
すると、引き裂きの線のたどる軌跡は切れ始めた箇所か
ら切り抜きを経由して軽快かつ迅速に薄肉部まで到達
し、その後薄肉部に沿ってスムーズに進行していく。こ
のようにして、容器の内容物を容易に取り出すことが可
能となる。
方向、量等により不確定である。しかしながら本考案の
ように実質的にV字形状の切り抜きからなる誘導部を有
すると、引き裂きの線のたどる軌跡は切れ始めた箇所か
ら切り抜きを経由して軽快かつ迅速に薄肉部まで到達
し、その後薄肉部に沿ってスムーズに進行していく。こ
のようにして、容器の内容物を容易に取り出すことが可
能となる。
【0021】しかも、本考案のフランジ部付き成形体は
内容物の充填部分はそのままの状態であるので、強度的
にも優れたものである。
内容物の充填部分はそのままの状態であるので、強度的
にも優れたものである。
【0022】このような本考案のフランジ部付き成形体
を形成するプラスチック製シートとしては、特に制限は
なく、プラスチックの単体あるいはプラスチックの積層
物等を使用することができる。プラスチックの単体とし
てはポリプロピレンが好ましく、また積層物としてはポ
リプロピレン/ポリビニルアルコール/ポリプロピレン
等の層構成のものが好ましい。なお、本実施例のように
鏡餅容器とする場合には、餅との剥離性の向上を目的と
して、プラスチック樹脂にステアリン酸等の高級脂肪酸
を加えることができる。上記シート状物がプラスチック
単体からなる場合は、そのプラスチックに高級脂肪酸を
加えればよく、またシート状物が積層シートの場合、そ
の最内層(餅と接する面)となる層の樹脂にステアリン
酸等の高級脂肪酸を加えればよい。ステアリン酸等の高
級脂肪酸を添加する場合、その添加量は0.1 〜5重量%
が好ましい。
を形成するプラスチック製シートとしては、特に制限は
なく、プラスチックの単体あるいはプラスチックの積層
物等を使用することができる。プラスチックの単体とし
てはポリプロピレンが好ましく、また積層物としてはポ
リプロピレン/ポリビニルアルコール/ポリプロピレン
等の層構成のものが好ましい。なお、本実施例のように
鏡餅容器とする場合には、餅との剥離性の向上を目的と
して、プラスチック樹脂にステアリン酸等の高級脂肪酸
を加えることができる。上記シート状物がプラスチック
単体からなる場合は、そのプラスチックに高級脂肪酸を
加えればよく、またシート状物が積層シートの場合、そ
の最内層(餅と接する面)となる層の樹脂にステアリン
酸等の高級脂肪酸を加えればよい。ステアリン酸等の高
級脂肪酸を添加する場合、その添加量は0.1 〜5重量%
が好ましい。
【0023】またシートの厚さは、成形体の用途により
適宜設定すればよく、例えば容器の場合、充填する物
品、大きさ、形状、重さ等により適宜設定すればよい。
本実施例のように鏡餅容器とするときには、上記鏡餅容
器体部3に充填する餅の重量は通常160 g〜8kg程度で
あるから、550 μm〜1.5mm 程度のものを使用するのが
好ましい。シートの厚さが550 μm未満では餅の充填時
に鏡餅形状を維持するのが困難となるとともに、ガスバ
リア性を有するのが困難となり、また1.5 mmを超える
と、真空成形又は圧空成形が困難となる。
適宜設定すればよく、例えば容器の場合、充填する物
品、大きさ、形状、重さ等により適宜設定すればよい。
本実施例のように鏡餅容器とするときには、上記鏡餅容
器体部3に充填する餅の重量は通常160 g〜8kg程度で
あるから、550 μm〜1.5mm 程度のものを使用するのが
好ましい。シートの厚さが550 μm未満では餅の充填時
に鏡餅形状を維持するのが困難となるとともに、ガスバ
リア性を有するのが困難となり、また1.5 mmを超える
と、真空成形又は圧空成形が困難となる。
【0024】このようなシートを用いて本考案のフラン
ジ部付き成形体を製造する方法を以下に説明する。まず
上述したシートに低強度部を設ける。低強度部は通常切
込み又は溝をシートに設けることにより形成することが
できる。切込みは、レーザ加工、回転刃等により設けれ
ばよい。また溝の場合、回転刃等により設ければよい。
なお、レーザ加工を施した場合、薄肉化とともに熱変性
による低強度化も進行するので、薄肉化の度合いが小さ
くとも十分な低強度化が得られる。
ジ部付き成形体を製造する方法を以下に説明する。まず
上述したシートに低強度部を設ける。低強度部は通常切
込み又は溝をシートに設けることにより形成することが
できる。切込みは、レーザ加工、回転刃等により設けれ
ばよい。また溝の場合、回転刃等により設ければよい。
なお、レーザ加工を施した場合、薄肉化とともに熱変性
による低強度化も進行するので、薄肉化の度合いが小さ
くとも十分な低強度化が得られる。
【0025】次にこのシートに対して真空成形又は圧空
成形を行う。真空成形及び圧空成形の方法は、通常行わ
れている方法でよい。例えば真空成形の場合、シート状
物をヒーター等により加熱軟化し、必要に応じて加圧し
ながら所望の形状となるような雌型側から吸引すること
により雌型に押しつけて成形すればよい。また圧空成形
の場合、シート状物をヒーター等により加熱軟化し、雄
型側からエア等により圧力をかけ、所望の形状となるよ
うな雌型に押しつけて成形すればよい。なお、容器の外
面に薄肉部を設ける場合、雌型と接する側を切込みの方
にすればよい。
成形を行う。真空成形及び圧空成形の方法は、通常行わ
れている方法でよい。例えば真空成形の場合、シート状
物をヒーター等により加熱軟化し、必要に応じて加圧し
ながら所望の形状となるような雌型側から吸引すること
により雌型に押しつけて成形すればよい。また圧空成形
の場合、シート状物をヒーター等により加熱軟化し、雄
型側からエア等により圧力をかけ、所望の形状となるよ
うな雌型に押しつけて成形すればよい。なお、容器の外
面に薄肉部を設ける場合、雌型と接する側を切込みの方
にすればよい。
【0026】成形の条件は使用するプラスチックの種類
により異なるが、真空成形の場合、シートの加熱温度を
150 〜180 ℃とし、減圧度を 600〜650mmHg とするのが
好ましい。また、圧空成形の場合、シートの加熱温度を
150 〜180 ℃とし、シートが変形する程度の圧力をかけ
ればよい。
により異なるが、真空成形の場合、シートの加熱温度を
150 〜180 ℃とし、減圧度を 600〜650mmHg とするのが
好ましい。また、圧空成形の場合、シートの加熱温度を
150 〜180 ℃とし、シートが変形する程度の圧力をかけ
ればよい。
【0027】シートに切込みを設けた場合、シート状物
を真空成形又は圧空成形することにより延伸される部分
(本実施例においては鏡餅形状となる部分) では切込み
が拡開し、薄肉部6が形成され、フランジ部5では切込
みは、拡開せず、そのまま残る。またシートに溝を設け
た場合、延伸部分ではその溝がある程度拡大し、フラン
ジ部5ではそのま残る。
を真空成形又は圧空成形することにより延伸される部分
(本実施例においては鏡餅形状となる部分) では切込み
が拡開し、薄肉部6が形成され、フランジ部5では切込
みは、拡開せず、そのまま残る。またシートに溝を設け
た場合、延伸部分ではその溝がある程度拡大し、フラン
ジ部5ではそのま残る。
【0028】このようにして鏡餅形状を形成した後、切
欠部及び誘導部を設ける。切欠部及び誘導部の形成は、
容器を切り出すのと同時に行うことができる。なお、誘
導部を切り抜きとするか薄肉部とするかは、カッターの
押圧力を適宜設定することにより、自在に変更可能であ
る。なお、容器の切出しと同時あるいはその後、後述す
る密封シートを剥離しやすくするために、シートの角の
部分をわずかに切り落としたり、シートの角の部分に折
り目をつける等の加工を施してもよい。
欠部及び誘導部を設ける。切欠部及び誘導部の形成は、
容器を切り出すのと同時に行うことができる。なお、誘
導部を切り抜きとするか薄肉部とするかは、カッターの
押圧力を適宜設定することにより、自在に変更可能であ
る。なお、容器の切出しと同時あるいはその後、後述す
る密封シートを剥離しやすくするために、シートの角の
部分をわずかに切り落としたり、シートの角の部分に折
り目をつける等の加工を施してもよい。
【0029】このような本考案のフランジ部付き成形体
は、通常底部 (開口部) を密封する密封シートを有す
る。密封シートとしては、上述の容器体部用シートと同
様に種々のプラスチックを用いることができるが、特に
ポリプロピレン、ポリエチレン等の単層物や、それらと
ポリエステル、アルミニウム箔等との積層物等を用いる
のが好ましい。その厚さは70〜100 μmが好ましい。ま
た密封シートの大きさ及び形状は少なくとも容器の底部
の開口部分を完全にカバーできればよいが、シート状物
とほぼ同じ大きさであるのが好ましい。
は、通常底部 (開口部) を密封する密封シートを有す
る。密封シートとしては、上述の容器体部用シートと同
様に種々のプラスチックを用いることができるが、特に
ポリプロピレン、ポリエチレン等の単層物や、それらと
ポリエステル、アルミニウム箔等との積層物等を用いる
のが好ましい。その厚さは70〜100 μmが好ましい。ま
た密封シートの大きさ及び形状は少なくとも容器の底部
の開口部分を完全にカバーできればよいが、シート状物
とほぼ同じ大きさであるのが好ましい。
【0030】このような密封シートを内容物 (本実施例
においては餅) を充填した後の容器体部の底部にヒート
シールすることにより包装することができる。
においては餅) を充填した後の容器体部の底部にヒート
シールすることにより包装することができる。
【0031】このような本考案のフランジ部付き成形体
は、例えば先ず密封シートを容器体部から剥し、次い
で、切欠7の両側部を手で保持し、引張し切欠7からV
字形状の切り抜き8を経由して薄肉部6に沿って容器体
部を引裂して餅2を取り出せばよい。
は、例えば先ず密封シートを容器体部から剥し、次い
で、切欠7の両側部を手で保持し、引張し切欠7からV
字形状の切り抜き8を経由して薄肉部6に沿って容器体
部を引裂して餅2を取り出せばよい。
【0032】以上本考案をその典型的な例である鏡餅容
器を参照して説明してきたが、本考案はこれに限定され
ることなく、例えば誘導部をV字形状に類する種々の形
状としたり、その配列のしかたを種々に変更したりする
ことが可能である。
器を参照して説明してきたが、本考案はこれに限定され
ることなく、例えば誘導部をV字形状に類する種々の形
状としたり、その配列のしかたを種々に変更したりする
ことが可能である。
【0033】また、鏡餅容器の底部の形状は、正方形で
ある必要はなく、長方形、菱形等種々の形状とすること
ができる。
ある必要はなく、長方形、菱形等種々の形状とすること
ができる。
【0034】以下の具体的実施例により本考案をさらに
詳細に説明する。実施例1 厚さ0.55mmのポリプロピレン製シートに炭酸ガスレーザ
加工機(精電舎電子工業(株)製、LASUC-4000)を用い
て、出力25Wでレーザ加工し、シートのほぼ中央に深さ
70μmの切込みを入れた。
詳細に説明する。実施例1 厚さ0.55mmのポリプロピレン製シートに炭酸ガスレーザ
加工機(精電舎電子工業(株)製、LASUC-4000)を用い
て、出力25Wでレーザ加工し、シートのほぼ中央に深さ
70μmの切込みを入れた。
【0035】この容器体部用シートを外面が切込みとな
るように鏡餅形状の雌型を有する枠上に設置し、ヒータ
ー温度180 ℃、減圧度650 mmHgで真空成形した。成形後
のシートの切込みは深さ約80μmの線状の薄肉部となっ
ていた。このようにして鏡餅形状を形成した後、図1及
び図2に示すような形状(一辺の長さが300 mmの正方形
で、その一辺のほぼ中央に切り欠き及び3個のV字形状
の切り抜きを有し、さらに一つの角部が約45°の角度で
切り落とされた形状)に切出し、鏡餅容器体部を製造し
た。
るように鏡餅形状の雌型を有する枠上に設置し、ヒータ
ー温度180 ℃、減圧度650 mmHgで真空成形した。成形後
のシートの切込みは深さ約80μmの線状の薄肉部となっ
ていた。このようにして鏡餅形状を形成した後、図1及
び図2に示すような形状(一辺の長さが300 mmの正方形
で、その一辺のほぼ中央に切り欠き及び3個のV字形状
の切り抜きを有し、さらに一つの角部が約45°の角度で
切り落とされた形状)に切出し、鏡餅容器体部を製造し
た。
【0036】次に得られた鏡餅容器体部に餅550 gを充
填し、冷却後、鏡餅容器体部の底部をポリエステルとナ
イロンとの積層シート(厚さ80μm)でヒートシールし
た。
填し、冷却後、鏡餅容器体部の底部をポリエステルとナ
イロンとの積層シート(厚さ80μm)でヒートシールし
た。
【0037】この包装鏡餅の底部のシートを角部より剥
がし、切欠部より手で引き裂いたところ、切り欠きから
V字形状の切り抜きを経て、線状の薄肉部に沿って容易
に開封することができた。
がし、切欠部より手で引き裂いたところ、切り欠きから
V字形状の切り抜きを経て、線状の薄肉部に沿って容易
に開封することができた。
【0038】
【考案の効果】以上詳述した通り、本考案のフランジ部
付き成形体は、切込み又は溝等の低強度部を有するプラ
スチック製原反シートを真空成形又は圧空成形してなる
フランジ部付き成形体の低強度部とフランジ部の末端部
との交差箇所に切欠部を設けるとともに、この切欠部の
周辺部分に実質的にV字形状の複数の切り抜きあるいは
薄肉部分からなる誘導部を設けてなる。この本考案のフ
ランジ部付き成形体は、切欠部から効率よく引き裂くこ
とができる。
付き成形体は、切込み又は溝等の低強度部を有するプラ
スチック製原反シートを真空成形又は圧空成形してなる
フランジ部付き成形体の低強度部とフランジ部の末端部
との交差箇所に切欠部を設けるとともに、この切欠部の
周辺部分に実質的にV字形状の複数の切り抜きあるいは
薄肉部分からなる誘導部を設けてなる。この本考案のフ
ランジ部付き成形体は、切欠部から効率よく引き裂くこ
とができる。
【0039】このような本考案のフランジ部付き成形体
は、鏡餅容器等のように易開封性とともに強度の要求さ
れる用途に好適である。
は、鏡餅容器等のように易開封性とともに強度の要求さ
れる用途に好適である。
【図1】本考案の一実施例による鏡餅容器の正面図であ
る。
る。
【図2】本考案の一実施例による鏡餅容器の平面図であ
る。
る。
【図3】本考案の一実施例による鏡餅容器の切欠部及び
誘導部周辺を示す部分拡大図である。
誘導部周辺を示す部分拡大図である。
【図4】切欠部付近での線状の薄肉部のずれかたの一例
を概略的に示す部分拡大図である。
を概略的に示す部分拡大図である。
【図5】切欠部付近での線状の薄肉部のずれかたの別の
例を概略的に示す部分拡大図である。
例を概略的に示す部分拡大図である。
【図6】切欠部付近での線状の薄肉部のずれかたのさら
に別の例を概略的に示す部分拡大図である。
に別の例を概略的に示す部分拡大図である。
【図7】鏡餅容器の餅の充填状態を示す縦断面図であ
る。
る。
1・・・包装鏡餅 2・・・餅 3・・・容器体部 4・・・底シート 5・・・フランジ部 6・・・低強度部(薄肉部) 7・・・切欠部 8・・・誘導部 81,82,83・・・V字形状の切り抜き
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 22:00
Claims (6)
- 【請求項1】 線状の低強度部を有するプラスチック製
原反シートを真空成形又は圧空成形してなるフランジ部
付き成形体であって、前記線状の低強度部の少なくとも
一端は、前記フランジ部の縁部に設けられた切欠部まで
延在しており、前記切欠部から前記線状の低強度部に沿
って効率よく引き裂くための誘導部が前記切欠部の周辺
部分に設けられていることを特徴とするフランジ部付き
成形体。 - 【請求項2】 請求項1に記載のフランジ部付き成形体
において、真空成形又は圧空成形してなるフランジ部付
き成形体の線状の低強度部が薄肉部であることを特徴と
するフランジ部付き成形体。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載のフランジ部付き
成形体において、前記誘導部が実質的にV字形状の複数
の切り抜き又は薄肉部からなることを特徴とするフラン
ジ部付き成形体。 - 【請求項4】 請求項3に記載のフランジ部付き成形体
において、前記誘導部が3個又は6個の実質的にV字形
状の切り抜きあるいは薄肉部分からなり、前記V字形状
の切り抜きあるいは薄肉部分は、前記切欠部側を底辺と
した三角形状に配列していることを特徴とするフランジ
部付き成形体。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のフラ
ンジ部付き成形体において、前記フランジ部付き成形体
が容器の開口部を密封するプラスチック製の密封シート
を備えてなることを特徴とするフランジ部付き成形体。 - 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載のフラ
ンジ部付き成形体において、前記容器のプラスチック製
シートが、ポリプロピレンの単層物、又はポリプロピレ
ン/ポリビニルアルコール/ポリプロピレンからなる積
層物であることを特徴とするフランジ部付き成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3158191U JP2522131Y2 (ja) | 1991-04-08 | 1991-04-08 | フランジ部付き成形体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3158191U JP2522131Y2 (ja) | 1991-04-08 | 1991-04-08 | フランジ部付き成形体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04120016U JPH04120016U (ja) | 1992-10-27 |
JP2522131Y2 true JP2522131Y2 (ja) | 1997-01-08 |
Family
ID=31914805
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3158191U Expired - Lifetime JP2522131Y2 (ja) | 1991-04-08 | 1991-04-08 | フランジ部付き成形体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2522131Y2 (ja) |
-
1991
- 1991-04-08 JP JP3158191U patent/JP2522131Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04120016U (ja) | 1992-10-27 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |