JP2522076B2 - インバ―タのパルス幅変調制御装置 - Google Patents

インバ―タのパルス幅変調制御装置

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JP2522076B2
JP2522076B2 JP2002674A JP267490A JP2522076B2 JP 2522076 B2 JP2522076 B2 JP 2522076B2 JP 2002674 A JP2002674 A JP 2002674A JP 267490 A JP267490 A JP 267490A JP 2522076 B2 JP2522076 B2 JP 2522076B2
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広之 山井
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はインバータのパルス幅変調制御装置の改良に
関し、特に、インバータの出力電圧に含む高調波電圧の
低減対策に関する。
(従来の技術) 従来、インバータのパルス幅変調制御装置は、第16図
に示すように、直列接続した上下一対のトランジスタ
(Ta),(Ta′)を三相交流のu相,v相及びw相に対応
して3組設け(図では1組のみ図示している)、この各
トランジスタのON/OFF制御により負荷に対して可変電
圧,可変周波数の正弦波電圧を供給する構成であるが、
上記の上下一対のトランジスタ(Ta),(Ta′)が同時
にON作動するアーム短絡を防止する必要から、第17図
(a)に示すように、その上側トランジスタ(Ta)と下
側トランジスタ(Ta′)とのON時間の間に短絡防止時間
tdを設けている。
(発明が解決しようとする課題) そのため、従来では、短絡防止時間tdを設けなくても
良い理想状態での同図(b)に示すような出力電圧に対
して、同図(c)に示すように出力電流iを第16図に矢
印で示す方向に取った場合にi<0のとき実線で示す出
力電圧となり、i>0のとき破線で示す必要電圧となっ
てずれが生じ、このため同図(d)に示すような誤差電
圧が発生する。つまり、出力電流iの極性およびトラン
ジスタのON/OFFの状態に応じて発生する誤差電圧は異な
る。その結果、従来では、誤差電圧の分、損失が生じる
と共に,磁気騒音や電流波形の歪が増大するという欠点
があった。
そこで、従来では、上記のような短絡防止時間tdによ
る悪影響を補償するべく、例えば特開昭63-234878号公
報や特開昭63-157676号公報に開示されるものでは、パ
ルス幅変調制御はそのままとし、ハードやソフトの後付
け回路を追加して、出力電圧波形を理想電圧に近つけて
いるが、後付け回路の追加であるため、本質的な改善対
策ではない。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その
目的は、パルス幅変調制御それ自体を改良することによ
り、短絡防止時間tdの存在に起因する誤差電圧を低減し
て、損失,磁気騒音,電流波形の歪の増大などを抑制す
ることにある。
(課題を解決するための手段) 上記の目的を達成するため、本発明者等は、パルス幅
変調制御として次の制御方式を採用する場合には、比較
的容易に解決し得ることを見出した。つまり、パルス幅
変調制御として、出力電圧の時間積分の軌跡を円軌跡に
近づけるようパルス幅変調制御パターンを決定して行う
ものを採用する。これを詳述するに、先ず、インバータ
の出力端子の電位をva,vb,vc、三相巻線の中性点の電位
をvnとし、また次式で定義される出力電圧ベクトル 及び該電圧ベクトル の時間積分 を考える。
今、誘導電動機の三相巻線に角周波数ωの平衡三相電
が加わる時の電圧ベクトル 及びその時間積分 は、複素平面上で円軌跡を描く。
一方、電圧形インバータでは、各相アーム中の何れか
一方のトランジスタは必ずON状態にあるから、便宜上、
+側のON状態を「1」、−側のON状態を「0」で表わ
し、a相、b相、c相の順に「101」、「011」等と表記
すると、インバータの状態は8通り存在する。この各状
態の電圧ベクトル (P=0〜7)は、大きさが (Vdは直流電圧)であり、その方向は、第3図に示す方
向となる。ここに、 で零ベクトルである。上記電圧ベクトルの時間積分 であるから、インバータの駆動時の時間積分 は、電圧ベクトル の方向に の速度で動く(但し、零ベクトルの場合は停止する)。
以上から、電圧形インバータのパルス幅変調制御パタ
ーンは、電圧ベクトルの時間積分 の複素平面上でのベクトル軌跡が指定半径Rの円周に沿
って角速度ωで動くよう電圧ベクトル を適宜選定して決定する。(指定半径Rは、基本波電圧
の線電圧の実効値をV1、角周波数をωとすると、R=V1
/ω)である。
つまり、例えば第4図に示す如く、角度φが0≦φ≦
π/3の範囲では、電圧ベクトル 及び零ベクトル(例えば を用い、点P0にて時間τだけ留まり(この状態を記号
°で示す)、その後、 を時間τだけ取って点q1に達し、更に を時間τだけ取って点P1に到達する場合を考える。こ
の場合、ΔP0q1P1において、▲▼V1・T0 であり、またT0を制御周期とするとτ+τ+τ
T0であるから、上式を解いて、制御周期T0内での電圧ベ
クトル を取る時間τ,τ,τが得られる。
τ/T0=ks・Sin(π/3−φ) τ/T0=ks・Sinφ τ/T0=1-ks・Sin(φ+π/3) ……(3) ただし、ksは電圧制御率であって、 である。
上記の(3)式は角度φが0≦φ≦π/3の範囲での関
係式だが、他の区間では、インバータが対称三相の動作
を行うことから、次頁に示す表の如く各記号を置換し
て、0≦φ≦2πの範囲での関係式が得られる。
その場合、上記の表に従ってパルス幅変調制御を行う
際に、角度φの全期間(0≦φ<2π)について零ベク
トルとして を使用する場合を考えるに、短絡防止時間tdをtd=0と
して、基本波周波数60Hz、基本波電圧90V、キャリア周
波数4.3KHzの条件下でシュミレーションした結果を示す
と、出力電圧の高調波は第13図に示すようになる。
一方、短絡防止時間tdをtd=20μSとして、上記と同
条件下でシュミレーションした場合の出力電圧の高調波
は第14図に示すようになり、この第14図から線間電圧の
誤差電圧を示すと、出力電圧と出力電流との位相差を30
°として、第15図のようになり、偶数調波が含まれてい
ることが判る。今、第13図と第14図とを比較すると、短
絡防止時間tdの存在する第14図の場合には、2次,4次な
どの遇数調波が発生すると共に、5次,7次調波成分が増
加し、それ故に、損失及び磁気騒音が増加すると共に高
調波の次数が低いほど出力電流の波形が大きく歪むこと
になる。
そこで、本発明では、偶数調波の発生を抑制するよう
に対処する。これを考察するに、先ず、上記第15図で誤
差電圧が顕著な0≦φ<π/3、及びこの範囲と位相差
が180°異なるπ≦φ<4π/3の範囲について検討す
るに、前者の範囲で零ベクトルを に選定し、後者の範囲で の零ベクトルを選定するとすると、u相,v相,w相の各ト
ランジスタのON/OFFの状態は、上記の表記方法では第10
図のようになる。この第10図から判るように、この両者
の範囲ではトランジスタの状態は全く逆である。また、
出力電流の極性も180°位相がずれるので逆となり、発
生する誤差電圧の極性も形も逆になる。
従って、180°位相のずれた位置で極性の異なる同一
現象が起るので、出力電圧には偶数調波の発生が有効に
抑制されると共に、奇数調波の余分な低次調波の発生も
有効に軽減される。
出力電圧は三相交流であるので、その三相交流が120
°づつ位相がずれている対称性を考慮して、 の零のベクトルと の零ベクトルとを電気角でπ/3期間毎に交互に使用す
る。
つまり、本発明の具体的な解決手段は、三相巻線に接
続され、各相一対で合計6個のスイッチング素子を有す
るブリッジ回路と、下記式 で定義され、上記ブリッジ回路の各相スイッチング素子
のON/OFF状態に応じて取り得る全8種の電圧ベクトル を適宜選定する電圧ベクトル選定手段と、該電圧ベクト
ル選定手段により選定された電圧ベクトルに応じて上記
ブリッジ回路の各相スイッチング素子をON/OFF制御する
制御手段とを備えて、上記三相巻線に三相交流電圧を印
加するようにしたインバータのパルス幅変調制御装置を
対象とする。そして、上記電圧ベクトル選定手段が選定
する零ベクトルを、各相上側の3個のスイッチング素子
が同時にONする第1零ベクトルV7と、各相下側の3個の
スイッチング素子が同時にONする第2零ベクトルV0
に、電気角でπ/3毎に交互に選定させる零ベクトル選定
手段を設ける構成としている。
(作用) 以上の構成により、本発明では、角度φと、これと
は180°ずれた角度(φ+180°)では、パルス幅変調
制御に使用される零ベクトルは、一方では となるので、各相スイッチング素子のON,OFFの変化は全
く逆になる。また、この両角度は位相が180°ずれてい
るので、出力電流の極性も反対になる。従って、角度φ
でアームの短絡防止時間の存在に起因して誤差電圧が
発生しても、その位相が180°異なる角度で同様に発生
する誤差電圧は、角度φで発生した誤差電圧と極性が
逆で且つ波形も逆の波形となるので、誤差電圧が十分に
小値になり又は無くなって、偶数調波の発生が有効に抑
制されると共に、5次,7次などの余分な低次調波の発生
が抑制され、その結果、出力電圧の波形は正弦波の理想
波形に近付いて、損失や磁気騒音が軽減されると共に、
電流波形の歪みが低減されることになる。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明のインバータのパルス幅
変調制御装置によれば、一対の上下スイッチング素子の
ON時間にアーム短絡防止時間を設けた場合に、このアー
ム短絡防止時間の存在により誤差電圧が発生しても、位
相の180°異なる位置でその誤差電圧同志を、極性及び
形が全く逆になるようにできるので、偶数調波及び余分
な低次調波の発生を有効に抑制することができ、損失及
び磁気騒音を軽減できると共に、出力電流波形の歪みを
低減することができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基いて説明する。
第1図及び第2図は本発明に係るインバータのパルス
幅変調(以下、PWMと略す)制御装置を示す。各図にお
いて、(1)は3つの巻線(2a),(2b),(2c)をY
接続した三相巻線(2)を有する誘導電動機、(3)は
該誘導電動機(1)に接続された電圧形のインバータで
あって、該インバータ(3)には、上記誘導電動機
(1)の三相巻線(2)に接続されたトランジスタ・ブ
リッジ回路(4)が備えられ、該ブリッジ回路(4)
は、各々還流ダイオード(Da)〜(Dc′)を有する複数
個(6個)のMOSFET等のトランジスタ(スイッチング素
子)(Tra),(Tra′),(Trb),(Trb′),(Tr
c),(Trc′)を有する。そして、該インバータ(3)
には、三相電源(5)の三相交流を整流する整流器
(6)から直流電圧が印加されている。
また、(8)は上記ブリッジ回路(4)の6個のトラ
ンジスタ(Tra)〜(Trc′)のON時間、つまりPWM制御
パターンを形成する1チップのマイコンであって、該マ
イコン(8)には、上記各トランジスタ(Tra)〜(Tr
c′)をON/OFF作動させるベースドライバ(8a)が備え
られており、該マイコン(8)によるトランジスタ(Tr
a)〜(Trc′)のON/OFF制御により、直流をパルス幅変
調するようにしている。
次に、上記マイコン(8)によるPWM制御パターンの
形成について説明する。
このPWM制御パターンの形成は、出力電圧の時間積分
の軌跡を円軌跡に近づけるようPWM制御パターンを決定
して行うものである。つまり、インバータ(3)の出力
端子の電位をva,vb,vcとして、次式で定義される出力電
圧ベクトル 及びこの電圧ベクトル の時間積分 を考える。
今、誘導電動機(1)の三相巻線(2)に角周波数ω
の平衡三相電圧 が加わる時の電圧ベクトル 及びその時間積分 は、複素平面上で円軌跡を描く。
一方、電圧形インバータ(3)において、+側(図中
上側)のトランジスタのON状態を「1」、−側(図中下
側)のON状態を「0」で表わし、a相、b相、c相の順
に「101」、「011」等と表記すると、インバータ(3)
の状態は8通り存在し、この各状態の電圧ベクトル は、第3図に示すように、大きさが (Vdは整流器(6)の直流電圧)で、その方向は同図に
示す方向となる。ここに、 で零ベクトルであり、零ベクトル は各相+側の3個のトランジスタ(Tra),(Trb),
(Trc)が同時にONするベクトルであって説明上、第1
零ベクトルとし、零ベクトル は各相−側の3個のトランジスタ(Tra′),(Tr
b′),(Trc′)が同時にONするベクトルであって第2
零ベクトルとする。
上記電圧ベクトルの時間積分 であるから、インバータ(3)の駆動時の時間積分 は、電圧ベクトル の方向に の速度で動く(但し、零ベクトルの場合は停止する)。
従って、電圧形インバータ(3)のPWM制御パターン
は、電圧ベクトル時間積分 の複素平面上でのベクトル軌跡が指定半径Rの円周に沿
って角速度ωで動くよう電圧ベクトル を適宜選定して決定する。(指定半径Rは、基本波電圧
の線電圧の実効値をV1、角周波数をωとすると、R=V1
/ω)である。
例えば第4図に示す如く、角度φが0≦φ≦π/3の範
囲では、電圧ベクトル 及び零ベクトル(例えば を用い、点P0にて時間τだけ留まり、その後 を時間τだけ取って点q1に達し、更に を時間τだけ取って点P1に到達する場合を考えると、
ΔP0q1P1において、▲▼V1・T0 であり、またT0を制御周期とするとτ+τ+τ
T0であるから、上式を解いて、期間T0内での電圧ベクト
を取る時間τ,τ,τが得られる。
τ/T0=ks・Sin(π/3−φ) τ/T0=ks・Sinφ τ/T0=1-ks・Sin(φ+π/3) ……(3) ただし、ksは電圧制御率であって、 である。
上記の角度φの0≦φ≦π/3の範囲での関係式(3)
を、インバータ(3)の対称三相の動作を考慮しつつ次
頁に示す表の如く各記号を置換して、0≦φ≦2πの範
囲での関係式が得られる。
よって、以上の構成により、上記(1)式で定義され
る電圧ベクトルVPにおいて、ブリッジ回路(4)の各相
トランジスタ(Tra)〜(Trc′)のON/OFF状態に応じて
取り得る第3図に示すような全8種の電圧ベクトルV0
V7のうち、零ベクトルV0又はV7を含む3種の電圧ベクト
ルVPを、該電圧ベクトルVPの時間積分の複素平面上のベ
クトル軌跡が円軌跡を描くように電気角でπ/3毎に適宜
選定するようにした電圧ベクトル選定手段(10)を構成
している。
次に、上記(3)式の電圧ベクトルを取る時間τに基
いて各トランジスタ(Tra)〜(Trc′)のON/OFFパター
ン(PWM制御パターン)を求める。この場合、電圧ベク
トルの時間τとPWM制御パターンとの関係は、電圧ベク
トルを取る順序に応じて変化するから、今、簡単のた
め、各制御周期T0では同一パターンを繰返すと共に、各
制御周期T0内でのトランジスタのON/OFF切換えは1度の
みという制約条件を加えると、PWM制御パターンは、第
5図(イ)〜(ニ)に示す4パターンに代表される(図
中、τは+側のトランジスタのON時間を、τは一側
のトランジスタのON時間を各々示す)。
本実施例では、0≦φ≦π/3の範囲では、上記表から
判るように、同図(ロ)又は(ハ)のPWM制御パターン
を採用するので、そのうち特に同図(ロ)のPWM制御パ
ターンを採用することとする。電圧形インバータ(3)
では、PWM制御パターンは、制御周期T0の最初にONする
トランジスタの名称と、これがOFFに転じる時間が分れ
ば一意的に決定されるから、上記(3)式及び第5図
(ロ)を参照して、PWM制御パターンは角度φが0≦φ
<π/3の範囲では下記式で決定される。
上記0≦φ<π/3の範囲でのPWM制御パターンの関係
式(4)は、上記と同様にして各記号を置換すれば0≦
φ<2πの範囲での関係式となる。
次に、1チップマイコン(8)の動作を第6図及び第
7図の制御フローに基いて第8図を参照しつつ説明す
る。第6図の制御フローは、各トランジスタ(Tra)〜
(Trc′)のON時間(PWM制御パターン)の演算フローで
あり、第7図の制御フローは実際に各トランジスタ(Tr
a)〜(Trc′)をON制御するフローである。先ず第6図
の制御フローから説明するに、キャリア周波数(例えば
5KHz)に応じた演算周期T0(例えば200μS)毎に繰返
し行われ、ステップSA1で出力電圧の位相ωt(=
φ)及び出力電圧の振幅V1を入力した後、ステップS
A2で上記表及びPWM制御パターンの関係式(4)に基い
て各トランジスタ(Tra)〜(Trc′)のON時間τ(n+
1)を演算すると共に、選択する零ベクトルを上記表に
基いて選定する。
しかる後、続いてステップSA3で上記で演算されたト
ランジスタ(Tra)〜(Trc′)のON時間τ(n+1)を
予め設定した数値N(例えば4)で除して、この各ON時
間τ(n+1)を複数個N(4個)のパルスτ′(n+
1)(τ′(n+1)=τ(n+1)/4)に分割する。
そして、ステップSA4でこの分割したパルスτ′(n+
1)を第9図に示す各相1個(電圧型インバータでは各
相アーム中の何れか一方のトランジスタは必ずON状態に
あるので、各相1個でよい)のスイッチング時間レジス
タに格納して、リターンする。
また、第7図の制御フローは、その繰返し周期T0′は
上記第6図の演算周期T0よりも早く、上記ON時間τ(n
+1)の分割数N(4個)に応じて、T0′=T0/Nに設定
されている(尚、分割数Nは、除算がシフトのみで実行
できるN=2m(m=1,2…)に選定するのが好まし
い)。そして、上記第6図の制御フローにて分割パルス
τ′(n+1)が各相のスイッチング時間レジスタに格
納された後は、第8図に示す如く、次の演算周期T0
で、ステップSB1でスイッチング時間レジスタの内容を
入力し、ステップSB2で分割パルスτ′(n+1)でも
って対応するトランジスタ(Tra)〜(Trc′)をON制御
して、リターンする。
よって、上記表に基いて選択された3種の電圧ベクト
ルVPになるように各トランジスタ(Tra)〜(Trc′)の
ON時間(PWM制御パターン)を上記(4)式に基いて第
7図の制御フローにより算出し、このPWM制御パターン
で各トランジスタ(Tra)〜(Trc′)を第7図の制御フ
ローにより制御することにより、上記電圧ベクトル選定
手段(10)で選定された3種の電圧ベクトルVPに応じて
上記ブリッジ回路(4)の各相トランジスタ(Tra)〜
(Trc′)をON/OFF制御するようにした制御手段(11)
を構成している。
そして、上記表において、角度φが電気角でπ/3毎に
選択する零ベクトルは、0≦φ<π/3,2π/3≦φ<π,4
π/3≦φ<5π/3では第1零ベクトルV7を選択し、π/3
≦φ<2π/3,π≦φ<4π/3,5π/3≦φ<2πでは第
2零ベクトルV0を選択するように設定されている。
よって、上記の構成により、上記電圧ベクトル選定手
段(10)が選定する2種の零ベクトル を、各相+側(上側)の3個のトランジスタ(Tra)〜
(Trc)が同時にONする第1零ベクトル と、各相−側(下側)の3個のトランジスタ(Tra′)
〜(Trc′)が同時にONする第2零ベクトル とに、電気角でπ/3毎に交互に選定させるようにした零
ベクトル選定手段(12)を構成している。
したがって、上記実施例においては、各相のトランジ
スタ(Tra)〜(Trc′)のON/OFF制御についてアーム短
絡防止時間tdを設ける場合には、第17図(d)に示すよ
うに出力電流の極性やトランジスタ(Tra)〜(Trc′)
のON-OFF状態に応じて異なる誤差電圧が発生する。
しかし、上記表のπ/3の所定の角度範囲と、この範囲
と位相が電気角で180°異なる範囲、例えば角度φ
0≦φ<π/3の範囲とπ≦φ<4π/3の範囲とで
は、第10図に示すように、各相トランジスタのON/OFFの
状態は全く逆であり、また位相が180°異なるので出力
電流の極性も逆となる。その結果、この2つの範囲にお
いて発生する誤差電圧は、互いに極性が逆で且つ波形も
全く逆になるので、偶数調波の発生が有効に抑制される
と共に、5次,7次などの余分な低次調波の発生も十分に
抑制されることになる。
今、上述のように角度φのπ/3毎に2つの零ベクトル を交互に使用した場合における出力電圧の高調波は、第
11図に示すようになり、偶数調波の発生は無いと共に、
5次,7次などの余分な低次調波の発生も十分に抑制され
ていることが判る。また、この場合に発生する線間電圧
の誤差電圧は第12図のようになり、偶数調波は含まれて
いないことが判る。
尚、上記実施例では、0≦φ<π/3の範囲で選択す
る零ベクトルを とし、その後π/3毎に零ベクトルを とに交互に選択したが、当初の0≦φ<π/3の範囲で
選択する零ベクトルを として、その後に零ベクトルを交互に選択するようにし
てもよいのは勿論である。
また、本発明はパルス幅変調制御そのものを改良して
アーム短絡防止時間に起因する誤差電圧の発生を抑制す
るものであるので、これに加えて従来のアーム短絡防止
時間補償用の後付け回路を追設できるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第12図は本発明の実施例を示し、第1図は
全体概略構成図、第2図は電気回路図、第3図は電圧形
インバータの各種状態を8種の電圧ベクトルで表示した
説明図、第4図は電圧ベクトルの時間積分の複素平面上
での軌跡を円軌跡に近付けるための電圧ベクトル制御の
説明図、第5図は角度φの0≦φ<π/3の範囲内で取り
得るPWM制御パターンの種類の説明図、第6図及び第7
図は各々各相トランジスタのON/OFF制御を示すフローチ
ャート図、第8図はPWM制御パターンの演算の説明図、
第9図は1チップマイコンの要部ブロック構成図、第10
図は位相の180°異なる位置での各相トランジスタの状
態の説明図、第11図は出力電圧に含む高調波成分を示す
図、第12図は発生する線間電圧の誤差電圧を示す図であ
る。第13図はアーム短絡防止時間を設けない場合の出力
電圧の高調波成分を示す図、第14図ないし第17図は従来
例を示し、第14図は出力電圧の高調波成分を示す図、第
15図は発生する線間電圧の誤差電圧を示す図、第16図は
インバータの要部電気回路図、第17図は誤差電圧の発生
の様子の説明図である。 (2)……三相巻線、(3)……電圧形インバータ、
(4)……ブリッジ回路、(Tra)〜(Trc′)……トラ
ンジスタ、(8)……マイコン、(10)……電圧ベクト
ル選定手段、(11)……制御手段、(12)……零ベクト
ル選定手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堂前 浩 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工 業株式会社堺製作所金岡工場内 (56)参考文献 特開 平2−111290(JP,A) 特開 平1−91669(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三相巻線(2)に接続され、各相一対で合
    計6個のスイッチング素子(Tra)〜(Trc′)を有する
    ブリッジ回路(4)と、下記式 で定義され、上記ブリッジ回路(4)の各相スイッチン
    グ素子(Tra)〜(Trc′)のON/OFF状態に応じて取り得
    る全8種の電圧ベクトル を適宜選定する電圧ベクトル選定手段(10)と、該電圧
    ベクトル選定手段(10)により選定された電圧ベクトル
    に応じて上記ブリッジ回路(4)の各相スイッチング素
    子(Tra)〜(Trc′)をON/OFF制御する制御手段(11)
    とを備えて、上記三相巻線(2)に三相交流電圧を印加
    するようにしたインバータのパルス幅変調制御装置であ
    って、上記電圧ベクトル選定手段(10)が選定する零ベ
    クトルを、各相の上側の3個のスイッチング素子(Tr
    a)〜(Trc)が同時にON作動する第1零ベクトル と、各相の下側の3個のスイッチング素子(Tra′)〜
    (Trc′)が同時にON作動する第2零ベクトル とに、電気角でπ/3毎に交互に選定させる零ベクトル選
    定手段(12)とを備えたことを特徴とするインバータの
    パルス幅変調制御装置。
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