JP2521982B2 - 気相成長炭素繊維の製造方法 - Google Patents

気相成長炭素繊維の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、気相成長炭素繊維の製造方法に関する。
[従来の技術とその問題点] 気相成長炭素繊維は、PAN系、ピッチ系、レーヨン系
等の有機繊維を焼成して得られる炭素繊維に比べて、機
械的性質に優れている。特に、これを黒鉛化した黒鉛繊
維は、引張強度として700Kg/mm2、引張弾性率として70t
/mm2という極めて高い値を有している。さらに気相成長
炭素繊維は、生体適合性に優れているだけでなく、高い
結晶配向性のために高電気伝導性を有している等の特徴
を有している。従って、その用途は、構造材料をはじめ
として電気・電子材料、生体材料など幅が広い。このた
め気相成長炭素繊維は注目すべき材料と言える。
かかる気相成長炭素繊維は、固定床方式あるいは流動
床方式と呼ばれる方法で製造されている。特に最近で
は、特開昭60−54998号に記載された連続製造が可能で
あり、生産性の高い流動床方式による製造が主流をなし
ている。この方法として、メタン、アセチレン、ベンゼ
ン等の炭素化合物のガスとフェロセンとの有機遷移金属
化合物のガスとキャリヤーガスとの混合ガスを加熱帯に
導入し、600〜1300℃、好ましくは1050〜1200℃で加熱
反応させることにより、気相中で金属触媒を生成し連続
的に炭素繊維を製造するものがある。
このような従来の気相成長炭素繊維製造方法では、炉
内を1010〜1300℃に保ために膨大なエネルギーが必要で
あり、かつ、キャリヤーガスとして水素を用いているた
め、この水素を大量に生産することは安全性の点で好ま
しくない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、気
相成長炭素繊維を安価にかつ大量に供給できる気相成長
炭素繊維の製造方法を提供するものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、炭素繊維原料の炭素供給源としての炭素化
水素を、転炉の排ガス及び水素含有ガスからなるキャリ
ヤーガスと共に加熱帯に導入し、金属触媒の存在下で60
0〜1300℃の温度範囲で加熱反応させることを特徴とす
る気相成長炭素繊維の製造方法である。
本発明は、これまで製鉄業界でせいぜい燃料として用
られているにすぎなかった転炉ガスに着目し、これを炭
素繊維の気相成長の熱源、さらにキャリヤーガスとして
用いると共に、その中にダストとそて含まれている鉄酸
化物を触媒源として利用することができる気相成長炭素
繊維の製造方法である。
以下、本発明方法を図面を参照して詳細に説明する。
第1図は、本発明方法を実施するための装置の概略構
成を示す説明である。図中1は、転炉である。転炉1の
排ガスライン2から分岐したラインには、水冷弁5を介
してコークス充填層6が接続されている。コークス充填
層6は、ガスラインを介して反応器7、シャワー塔8及
びデカンター9に順次接続されている。デカンター9
は、ブロワー10及び磁気分離機11に夫々接続されてい
る。コークス充填層6と反応器7管のガスラインには、
水素含有ガス導入管17及び炭化水素導入管18が夫々接続
されている。また、シャワー塔8には、冷却水導入管16
及び冷却水排出管19が接続されている。
而して、転炉排ガスは、水冷弁5を経由してコークス
充填層6に導入され、ここで1μm以上の粒径を有する
ダストが除去され、かつ、転炉排ガスに含まれるCO2
一部、及び水分が除去される。この時、コークス充填層
6から出るガスに含まれるCO2の濃度は、50%以下とす
るのが好ましい。コークス充填層6から出たガスは、水
素含有導入管17から導入された水素ガス、及び炭化水素
導入管18から導入された炭化水素、フェロセンなどの有
機遷移金属錯体と共に反応器7に入る。このとき、反応
器7に導入されるキャリヤーガスの温度は、600℃以
上、好ましくは1100〜1300℃である。また、導入する炭
化水素に対する排ガスの量は、容積比で1.0以上好まし
くは、3以上である。さらに、導入する炭化水素に対す
る水素含有ガスの量は、容積比で0.01以上好ましくは、
0.05以上である。ただし、水素含有ガスは、50%以上の
水素が含有されていることが望ましい。また、添加する
有機遷移金属錯体は、炭化水素に対して0.001〜1.0重量
%、好ましくは、0.01〜0.5重量%である。
また、本発明で用いる助触媒の有機遷移金属錯体とし
ては、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コ
バルト、ニッケル、ルビジウム、ロジウム、タングステ
ン、パラジウム及び白金を含有する遷移金属化合物を指
すものであり、その内で特に鉄、ニッケル、コバルトを
含有する有機遷移金属化合物が好適であって、フェロセ
ン、鉄アセチルアセテート塩、ジ(インデニル)鉄(I
I)などが安価な製造方法を提供する上で好ましい。
また、本発明で使用する炭素源としては、コークス炉
からの副産物である粗軽油類、カルボル油、ナフタリ
ン、中油、アントラセン油、重油、ピッチ及びコールタ
ール並びにこれらの水素化物及びこれらの混合物であ
る。これらの油種は、ベンゼン、トルエンなどに比べ
て、安価で大量に供給が可能であるため有用である。さ
らにヘテロ原子を有するものも使用可能であり、特に硫
黄を含有するチオフェン類、チオール類及びチオフェノ
ール類を用いると、生成速度が速くなり有用である。
反応器7内で生成した炭素繊維は、微細ダストと共に
シャワー塔8に入る。ここで、ガスは、冷却されたダス
トの一部と粗炭素繊維が分離され、さらに粗炭素繊維
は、デカンター9に入り、浮遊選鉱法により精製され
る。磁気分離機11は、さらに炭素繊維からダストを分離
する。このようにして炭素繊維が得られる。
[作用] 本発明にかかる気相成長炭素繊維の製造方法によれ
ば、転炉に設置されたガス回収系内から1400〜1500℃の
高温ガスを一部抜出し、コークス充填層などにより粗大
なダストを除去し水素含有ガスを一部混合した後、この
ガス中に少量の有機遷移金属錯体を溶解した粗軽油を吹
き込むことにより、気相成長炭素繊維を安価にかつ大量
に製造できる。
[実施例] 以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1 250トン転炉から生ずる転炉ガスを159Nm3/分の流量
で第1図に示した装置のガスラインに10分間供給した。
次いで、水素含有ガス導入管18からコークス炉ガスを8N
m3/分の流量で導入し、さらにフェロセンを0.1%含有
する粗軽油を50Kg/分の流量でここに吹き込んだ。この
時、反応器7の入口の温度は、1100℃であった。炭素繊
維を含む排ガスは冷却水で冷却して100℃以下にした。
次に一部微細ダストを含有する炭素繊維をデカンター9
に移し、凝集剤をこれに添加して浮遊選鉱法よる分離を
行なった。次いで、浮遊する炭素繊維を回収し、乾燥し
た。このようにして1回の仕込みについて、原料の粗軽
油に対して19%の収率で綿状の炭素繊維が得られた。ま
た、気相成長炭素繊維の繊維径と繊維長さを走査電子顕
微鏡で観察したところ、気相成長炭素繊維の径は、0.1
〜0.3μmで、繊維長さは、500μ以上であった。
実施例2 実施例1と同様の設備並びに水素含有ガス及び炭素源
原料の吹込み条件で、粗軽油の代わりにクレオソート油
を吹き込んだところ、径が0.1〜0.3μmで繊維長さが50
0μm以上の気相成長炭素繊維が21%の収率で得られ
た。
実施例3 実施例1と同様の設備並びに水素含有ガス及び炭素源
原料の吹込み条件で、粗軽油の代わりに水添アントラセ
ン油を吹き込んだところ、径が0.1〜0.3μmで繊維長さ
が500μm以上の気相成長炭素繊維が28%の収率で得ら
れた。
実施例4 実施例1と同様の設備並びに水素含有ガス及び炭素源
原料の吹込み条件で、粗軽油の代わりにコールタールを
吹き込んだところ、径が0.1〜0.3μmで繊維長さが500
μm以上の気相成長炭素繊維が18%の収率で得られた。
[発明の効果] 以上説明した如く、本発明にかかる気相成長炭素繊維
の製造方法によれば、連続製造が可能で生産性の高い流
動床方式により、しかも、転炉ガスの顕熱を利用すると
共に転炉ガスに含有される微細ダストの触媒機能を用い
ることにより、高価な触媒の使用量を低減させて気相成
長炭素繊維を安価にかつ大量に製造できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明方法を実施するための装置の概略構成
を示す説明である。 1…転炉、2…排ガスライン、5…水冷弁、6…コーク
ス充填層、7…反応器、8…シャワー塔、9…デカンタ
ー、10…ブロワー、11…磁気分離機、16…冷却水導入
管、17…水素含有ガス導入管、18…炭化水素導入管、19
…冷却水排出管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥山 泰男 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 松原 健次 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−252720(JP,A) 特開 昭60−149708(JP,A) 特公 昭53−19479(JP,B1)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素繊維原料の炭素供給源としての炭素化
    水素を、転炉の排ガス及び水素含有ガスからなるキャリ
    ヤーガスと共に加熱帯に導入し、金属触媒の存在下で60
    0〜1300℃の温度範囲で加熱反応させることを特徴とす
    る気相成長炭素繊維の製造方法。
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