JP2521739B2 - 肝臓疾患治療剤 - Google Patents

肝臓疾患治療剤

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JP2521739B2
JP2521739B2 JP62016914A JP1691487A JP2521739B2 JP 2521739 B2 JP2521739 B2 JP 2521739B2 JP 62016914 A JP62016914 A JP 62016914A JP 1691487 A JP1691487 A JP 1691487A JP 2521739 B2 JP2521739 B2 JP 2521739B2
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【発明の詳細な説明】 本発明は式(I) で示される1,3−ベンゾジオキソール誘導体を必須成分
とする肝臓疾患治療剤に関するものである。
本発明者らは先に、アルキル置換−1,3−ベンゾジオ
キソールが優れた肝臓疾患治療効果を有することを見い
出し、これを特許出願した(特願昭60−168422号)。本
発明は、この肝臓疾患治療剤についての研究を更に発展
させた結果、完成されたものである。
前記式(I)で示される化合物は大部分が既に公知の
化合物である。しかし、今迄のところ本化合物(I)の
用途、とくに医薬としての用途は全く知られていない。
本発明者らは本化合物(I)の薬理作用について鋭意研
究を重ねた結果、肝障害抑制作用を有することを見出
し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は式
(I) [式中、Xは独立して低級アルコキシ基、低級アルキル
チオ基、低級アルカノイル基、アミノ基、低級アルキル
アミノ基、ジ(低級アルキル)アミノ基、低級アルカノ
イルアミノ基、(N−低級アルキル−N−低級アルカノ
イル)アミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、ま
たはウレイド基であるか、あるいは2個のXが一緒にな
って、メチレンジオキシ基を形成していてもよく、Yは
独立して低級アルキル基であり、nは1〜4の整数であ
り、n′は0〜3の整数である。但し、nとn′の総和
は4をこえることはない] で示される1,3−ベンゾジオキソール誘導体を必須成分
として含有する肝臓疾患治療剤を提供するものである。
式(I)で表わされる化合物は、例えば以下に示す合
成経路に従って製造することができる。
上記の各合成経路において、RおよびR′は低級アル
キル基、Xはハロゲン原子を示し、記号a〜tはそれぞ
れ以下の意義を有する。
この合成経路に従って式(I)の化合物を製造するに
は、公知の方法[例えば、テトラヘドロン・レターズ
(Tetrahedron Letters),23巻、949−952頁(1982)や
リービッヒ・アンナーレン・デル・ケミー(Liebigs An
nalen der Chemie),1975年,611−616頁]により容易に
合成することができ、かつ市販品として容易に入手する
ことができるフェノール性の水酸基あるいはアミノ基を
有する1,3−ベンゾジオキソール誘導体を出発物質と
し、これにハロゲン化アルキル、酸無水物、塩化アルキ
ルスルホニル等の試剤の反応されるか、又は1,3−ベン
ゾジオキソール誘導体と酸塩化物あるいは酸無水物との
フリーデル・クラフト反応等を行なう。
式(I)で表わされる化合物の代表例を以下に示す。
式(I)で表わされる化合物を肝臓疾患治療剤として
使用するには、当該化合物を単独で、又は慣例に従って
製薬的に許容し得る賦形剤、希釈剤、補助剤を用いて散
剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、注射剤等を調製し、通
常の方法によって経口的に、又は非経口的に適用する。
式(I)の化合物の投与量は、患者の年令、性別、体
重、症状等によって変動するが、経口投与の場合、体重
1Kg当たり1日に0.1〜50mg、好ましくは1〜10mg、非経
口投与の場合、体重1Kg当たり1日0.05〜25mg、好まし
くは0.5〜5mgの範囲が有利である。なお、投与は1日量
を数回に分けて投与するので好ましい。なお、症状によ
っては、この上限の薬用量を越えて投与する必要の生ず
ることもあり得るが、式(I)の化合物のマウスにおけ
る急性毒性値(50%致死量)は経口投与で500mg/Kg体重
以上、腹腔内注射で250mg/Kg体重以上であって、安全性
に問題はない。
以下に式(I)で示される化合物の製造例、薬理試
験、毒性試験、製剤例を挙げ、本発明を更に詳細に説明
する。
製造例1 ピロガロール5.00g(40ミリモル)と5%ホウ酸ナト
リウム水溶液600mlをとり、撹拌しながらジメチル硫酸1
9mlと15%水酸化ナトリウム水溶液50mlとを、ゆっくり
と滴下し一夜放置する。反応液を10%硫酸でコンゴレッ
ド酸性とした後、エーテル600mlで抽出する。エーテル
溶液を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥す
る。
溶媒を留去し得られる粗製の3−メトキシカテコール
4.1g、無水炭酸カリウム8.0gと臭化メチレン6.0gとN,N
−ジメチルホルムアミド50mlをとり、窒素雰囲気下、撹
拌しながら100℃付近で4時間加熱を続ける。反応液を
濃縮した後、水100mlを加え、ベンゼン200mlで抽出す
る。ベンゼン溶液を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥する。溶媒を留去した後、残留物を減圧蒸留
し、無色結晶の4−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソー
ル1.56g(25.9%収率)を得る。
製造例2 セサモール2.51g(18ミリモル)、ヨウ化メチル3.88g
(27ミリモル)、無水炭酸カリウム2.5g及びアセトン35
mlを撹拌しながら60℃付近で14時間加熱する。冷却後、
反応液に水50mlを加え、エーテル150mlで抽出する。エ
ーテル溶液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液及び水で順
次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒
を留去した後、残留物を減圧蒸留し、無色油状の5−メ
トキシ−1,3−ベンゾジオキソール1.90g(69.0%収率)
を得る。
上記製造例中のヨウ化メチルにかえてヨウ化n−ブチ
ル5.02g(27ミリモル)を用いることにより、5−(n
−ブトキシ)−1,3−ベンゾジオキソール2.87g(81.6%
収率)を得る。
製造例3 3,4−(メチレンジオキシ)アニリン5.48g(40ミリモ
ル)と濃塩酸10mlを撹拌しながら70℃付近で加熱後、砕
氷を約10g加え0℃付近に冷却後、亜硝酸ナトリウム2.9
0gの冷水溶液10mlを、反応温度4℃以下で撹拌下に滴下
し、そのまま30分撹拌する。反応液を酢酸ナトリウム冷
飽和水溶液で中和後、ろ過し、ろ液を4℃以下に保って
おく。水酸化ナトリウム5.0gと15%メチルメルカプタン
ナトリウム水溶液22.4gを水80mlに溶かした液を75℃付
近に保ち、撹拌しながら先のろ液をゆっくり滴下する。
滴下終了後、90℃付近で1時間加熱する。冷却後ベンゼ
ン450mlで抽出し、水洗後、ベンゼン溶液を無水硫酸マ
グネシウムで乾燥する。溶媒を留去した後、残留物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色油
状の5−メチルチオ−1,3−ベンゾジオキソール1.82g
(27.1%収率)を得る。
製造例4 2,3−(メチレンジオキシ)ベンズアルデヒド12.0g
(80ミリモル)と水300mlをとり、80℃付近に保ち、撹
拌しながら過マンガン酸カリウム18.6gの水溶液350mlを
約45分間で滴下する。滴下後さらに1時間30分撹拌した
後、10%水酸化カリウム水溶液でアルカリ性とし、熱時
ろ過する。ろ液を冷却後希塩酸でコンゴレッド酸性とす
る。析出する結晶をろ取し、乾燥を行い、粗製の2,3−
(メチレンジオキシ)安息香酸6.1gを得る。このものと
ベンゼン100mlを撹拌し、冷水で冷却下、塩化チオニル1
2.8g及びピリジン2滴を順次滴下し、さらに1時間30分
加熱還流した後、溶媒を留去し、残留物を28%アンモニ
ア水に撹拌しながらゆっくり加える。液温を15℃以下に
保ち1時間撹拌後、反応液をろ過し、析出した結晶をろ
取すると、粗製の2,3−(メチレンジオキシ)ベンズア
ミド5.3gを得る。
次に、水酸化ナトリウム4.9gと水50mlをとり、氷−食
塩で冷却下、臭素6.2gを撹拌しながらゆっくり加えた
後、液温を0℃付近に保ち、先の2,3−(メチレンジオ
キシ)ベンズアミド5.3gを加え25分間撹拌後さらに液温
を75℃付近で2時間30分加熱する。反応液を冷却し、エ
ーテル300mlで抽出する。エーテル溶液を水洗した後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を留去した後、
残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
し、淡褐色油状の2,3−(メチレンジオキシ)アニリン
1.90g(全収率17.3%)を得る。
製造例5 3,4−(メチレンジオキシ)アニリン5.20g(38ミリモ
ル)と水素化ナトリウム2.2g及び乾燥したテトラビドロ
フラン50mlを窒素雰囲気下で50℃付近で加熱し、ジメチ
ル硫酸10.8gをゆっくりと加えた後、2時間加熱還流す
る。冷却後室温で約15時間撹拌した後、5℃付近に冷却
し、メチルアルコール5mlと水酸化ナトリウム3.6gを水8
0mlに溶かした水溶液を、順次撹拌しながらゆっくり滴
下し、滴下終了後、エーテル150mlで抽出する。エーテ
ル溶液を水で洗浄した後、無水炭酸カリウムで乾燥す
る。溶媒を留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーで精製し、微赤褐色油状の5−ジメチル
アミノ−1,3−ベンゾジオキソール1.10g(17.6%収率)
を得る。
製造例6 3,4−(メチレンジオキシ)アニリン5.00g(36ミリモ
ル)と氷酢酸10mlをとり、無水酢酸15mlを加える。室温
で10分間放置し、さらに10分間50℃付近で保つ。冷却
後、反応液を冷水100mlに注ぎ結晶が析出後、ろ過す
る。得られた結晶をエタノールで再結晶を行い、微褐色
結晶の5−アセチルアミノ−1,3−ベンゾジオキソール
5.11g(78.4%収率)を得る。
製造例7 水素化ナトリウム0.29gと乾燥したキシレン10mlを100
℃付近に加熱し、5−アセチルアミノ−1,3−ベンゾジ
オキソール2.00g(11ミリモル)を乾燥したキシレン50m
lに溶解した溶液を窒素雰囲気下撹拌しながらゆっくり
と滴下し、140℃付近で24時間加熱する。次いでこの反
応液にヨウ化メチル6.30gを撹拌しながら滴下し、140℃
付近でさらに8時間加熱を続ける。冷却後反応液をろ過
し、得られた結晶をエタノールで再結晶を行い、5−
(N−アセチル−N−メチル)アミノ−1,3−ベンゾジ
オキソール1.21g(56.4%収率)を得る。
製造例8 3,4−(メチレンジオキシ)アニリン2.50g(18ミリモ
ル)、トリエチルアミン2.8g及び乾燥したテトラヒドロ
フラン10mlをとり撹拌しながら液温10℃以下に保ち、塩
化メタンスルホニル2.30gをゆっくり滴下し、滴下終了
後さらに2時間撹拌を続ける。反応液を2N塩酸30ml及び
氷30gの混合液に加えた後、ベンゼン300mlで抽出する。
ベンゼン溶液を水洗した後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥する。溶媒を留去した後、残留物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーで精製し、無色結晶の5−(メタン
スルホニル)アミノ−1,3−ベンゾジオキソール1.97g
(50.3%収率)を得る。
製造例9 3,4−(メチレンジオキシ)アニリン5.00g(36ミリモ
ル)、氷酢酸17ml及び水35mlをとり、35℃の均一溶液と
し、撹拌下シアン酸ナトリウム4.70gの水溶液40mlをゆ
っくりと滴下後、さらに2時間室温下で撹拌を続けた
後、水15mlを加えて析出する結晶をろ取する。得られた
結晶を50%エタノールで再結晶を行い、微褐色結晶の3,
4−メチレンジオキシフェニル尿素4.30g(65.6%収率)
を得る。
製造例10 ピロガロール50.0g(0.40モル)、無水酢酸38ml、活
性化したアンバーライトIR−120B(イオン交換樹脂)2
2.5gを撹拌しながら5時間還流加熱する。冷後、反応液
にアセトン1を加えろ過し、ろ液を濃縮した後、残留
物をベンゼンで再結晶を行い、黄色結晶状のガロアセト
フェノン35.5g(53.3%収率)を得る。
上記のガロアセトフェノン35.5g(0.21モル)、無水
炭酸カリウム60g、N,N−ジメチルホルムアミド260mlを
とり、窒素雰囲気下、臭化メチレン47.0gを加え、撹拌
しながら105℃付近で5時間加熱する。冷却後、反応液
を水400mlに注ぎ、塩酸で液性を弱酸性とする。エーテ
ル1.5で抽出を行い、エーテル溶液を飽和食塩水で洗
浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を留去し
残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
し、微黄色結晶の2−ヒドロキシ−3,4−(メチレンジ
オキシ)アセトフェノン7.63g(20.1%収率)を得る。
2−ビドロキシ−3,4−(メチレンジオキシ)アセト
フェノン7.63g(42ミリモル)と2%水酸化ナトリウム
溶液150mlを水冷下で撹拌しながら、7.5%過酸化水素水
33.5mlをゆっくりと滴下し、滴下終了後さらに10分間撹
拌する。反応液に濃塩酸を加え酸性とした後、水200ml
を加え、エーテル900mlで抽出する。エーテル溶液を飽
和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥す
る。溶媒を留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーで精製し、淡褐色結晶の1,3−ベンゾジ
オキソール−4,5−ジオール4.18g(64.1%収率)を得
る。前記のガロアセトフェノンにかえて、このものを用
いて先と同様にメチレン化反応を行うと、無色結晶のベ
ンゾ[1,2−d;3,4−d′]ビス[1,3]ジオキソール3.4
0g(75.5%収率;全収率5.18%)を得る。
製造例11 1,3−ベンゾジオキソール4.01g(33ミリモル)と無水
プロピオン酸6.41g及び、触媒量の70%過塩素酸を、室
温下で90分間撹拌後、反応液を水50mlに注ぎ、エーテル
150mlで抽出する。エーテル溶液を5%炭酸水素ナトリ
ウム水溶液及び水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥する。溶媒を留去した後、残留物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色針状結晶の
5−プロピオニル−1,3−ベンゾジオキソール1.56g(2
6.7%収率)を得る。
上記製造例中の1,3−ベンゾジオキソールにかえて、
ベンゾ[1,2−d;3,4−d′]ビス[1,3]ジオキソール
5.61g(34ミリモル)を用いることにより、4−プロピ
オニルベンゾ[1,2−d;3,4−d′]ビス[1,3]ジオキ
ソール4.19g(56.0%収率)を得る。
製造例12 製造例11に準じてベンゾ[1,2−d;3,4−d′]ビス
[1,3]ジオキソールと無水酢酸とから得られる4−ア
セチルベンゾ[1,2−d;3,4−d′]ビス[1,3]ジオキ
ソール38.5g(185ミリモル)と85%ギ酸280mlを水冷下
で撹拌しながら、85%ギ酸100mlと30%過酸化水素水26g
の混合液をゆっくりと滴下し、さらに24時間撹拌後、反
応液を氷水に加える。析出する結晶をろ取し、5%水酸
化ナトリウム水溶液で加水分解を行った後、濃塩酸でpH
2に調整し、析出する沈殿をろ取すると、粗製のベンゾ
[1,2−d;3,4−d′]ビス[1,3]ジオキソール−4−
オール13.5gを得る。ベンゾ[1,2−d;3,4−d′]ビス
[1,3]ジオキソール−4−オール13.5g(74ミリモ
ル)、塩化ベンジル10.3g、無水炭酸カリウム11.3g及び
N,N−ジメチルホルムアミド74mlを撹拌しながら100℃付
近で2時間加熱する。冷却後、反応液をろ過し、ろ液を
減圧濃縮する。残留物を水100mlを加え、エーテル300ml
で抽出する。エーテル溶液を1N水酸化ナトリウム水溶液
及び水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥
する。溶媒を留去した後、残留物をメタノールで再結晶
を行い、無色針状晶の4−(ベンジルオキシ)ベンゾ
[1,2−d;3,4−d′]ビス[1,3]ジオキソール17.8g
(88.2%収率)を得る。
続いて、N−メチルホルムアニリド14.2gとオキシ塩
化リン16.1gを0℃で1時間撹拌した中に、上記の4−
(ベンジルオキシ)ベンゾ[1,2−d;3,4−d′]ビス
[1,3]ジオキソール17.8g(65ミリモル)を徐々に滴下
する。滴下終了後、撹拌しながら40℃付近で10時間加
熱、さらに70℃まで加熱した後、反応液を氷に注ぐ。析
出した結晶をろ取し、水洗後、イソプロパノールで再結
晶を行い、淡黄色結晶を5−(ベンジルオキシ)ベンゾ
[1,2−d;3,4−d′]ビス[1,3]ジオキソール−4−
カルバルデヒド17.9g(91.3%収率)を得る。
上記の5−(ベンジルオキシ)ベンゾ[1,2−d;3,4−
d′]ビス[1,3]ジオキソール−4−カルバルデヒド1
7.9gを先と同様、ギ酸と過酸化水素水で処理後、加水分
解して得られる5−(ベンジルオキシ)ベンゾ[1,2−
d;3,4−d′]ビス[1,3]ジオキソール−4−オール8.
90g(31ミリモル)、メタノール150ml、10%パラジウム
炭素1gをとり、水素雰囲気下、激しく撹拌しながら60℃
付近で10時間加熱を続ける。冷却後、反応液をろ過し溶
媒を留去した後、残留物をトルエンで再結晶を行い、無
色針状結晶のベンゾ[1,2−d;3,4−d′]ビス[1,3]
ジオキソール−4,5−ジオール5.65g(92.6%収率)を得
る。
塩化メチレン3.64g(43ミリモル)、N,N,N´,N´,
N″,N″−ヘキサメチルホスホリックトリアミド80mlを
とり、窒素雰囲気下で撹拌しながら125℃に加熱する。
上記のベンゾ[1,2−d;3,4−d′]ビス[1,3]ジオキ
ソール−4,5−ジオール5.65g(29ミリモル)及び水酸化
ナトリウム2.5gを少しずつ溶液に加え、さらに125℃付
近で20分間加熱を続ける。冷却後、反応液を氷水1に
注ぐ。析出する結晶をろ取した後、トルエンで再結晶を
行い、無色結晶のベンゾトリス[1,3]ジオキソール4.9
7g(83.0%収率)を得る。
製造例13 サフロールの還元により容易に得られる5−プロピル
−1,3−ベンゾジオシソール6.30g(38ミリモル)と氷酢
酸30mlを冷却撹拌しながら硝酸10.2gと氷酢酸10mlの混
合液をゆっくり滴下し、滴下終了後室温下でさらに1時
間撹拌した後、反応液に水50mlを注ぎベンゼン200mlで
抽出する。ベンゼン溶液を5%炭酸水素ナトリウム水溶
液及び水で順次洗浄した後、無水硝酸マグネシウムで乾
燥する。溶媒を留去した後、残留物を石油エーテルで再
結晶を行うと、黄色結晶状の5−ニトロ−6−プロピル
−1,3−ベンゾジオキソール4.80g(59.9%収率)を得
る。
5−ニトロ−6−プロピル−1,3−ベンゾジオキソー
ル4.80g(23ミリモル)、還元鉄粉5.4g、95%エタノー
ル30mlを撹拌しながら18%塩酸2.6mlを滴下し、95℃付
近で3時間加熱する。冷却後、反応液を吸引ろ過し、ろ
液に水200mlを加え10%塩酸でpH2に調整した後、エーテ
ル300mlで洗浄する。水溶液を10%水酸化ナトリウム水
溶液でpH11に調整し、エーテル400mlで抽出する。エー
テル溶液を塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄した後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を留去した後、
残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製す
ると、赤色油状の2−プロピル−4,5−(メチレンジオ
キシ)アニリン2.30g(56.0%収率;全収率33.5%)を
得る。
上記製造例中の5−プロピル−1,3−ベンゾジオキソ
ールにかえて、5−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソー
ル5.78g(38ミリモル)を用いることにより、2−メト
キシ−4,5−(メチレンジオキシ)アニリン3.51g(全収
率55.3%)を得る。
製造例14 4−プロピオニルベンゾ[1,2−d;3,4−d′]ビス
[1,3]ジオキソール2.30g(10ミリモル)をトリフルオ
ロ酢酸11.4gに溶かし、撹拌しながらトリエチルシラン
2.66gをゆっくり滴下し、さらに1時間撹拌を続ける。
反応液を水100mlに注ぎ、エーテル150mlで抽出する。エ
ーテル溶液を2%水酸化ナトリウム水溶液及び水で順次
洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を
留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーで精製し、無色油状の4−プロピルベンゾ[1,2−
d;3,4−d′]ビス[1,3]ジオキソール1.44g(67.1%
収率)を得る。
上記製造例中の4−プロピオニルベンゾ[1,2−d;3,4
−d′]ビス[1,3]ジオキソールにかえて、製造例11
に準じて5−メトキシ−1,3−ベンゾジオキソールと無
水プロピオン酸とから得られる5−メトキシ−6−プロ
ピオニル−1,3−ベンゾジオキソール2.08g(10ミリモ
ル)を用いることにより、5−メトキシ−6−プロピル
−1,3−ベンゾジオキソール1.22g(62.9%収率)を得
る。
薬理試験 肝臓疾患治療剤としての効力判定は、通常、被験物質
および肝障害惹起物質を試験動物に投与し、その肝障害
抑制作用を調べることによって行われる。肝障害惹起物
質としては四塩化炭素、クロロホルム、チオアセトアミ
ド、D−ガラクトサミン等が知られているが、本試験に
於ては、肝障害の病態モデルを作るのに最も広く用いら
れている四塩化炭素を用いた。また、被験物質の肝障害
抑制作用は、肝細胞の変性・懐死を反映して上昇する血
清中のグルタミック・オキサロアセチックトランスアミ
ナーゼ(GOT)活性を指標として検索した。四塩化炭素
によって肝障害を起こした場合、肝細胞の変性・壊死に
ともなって細胞成分の逸脱が起こり、血清中のGOT活性
が顕著に上昇するので、四塩化炭素による肝障害のレベ
ル並びに被験物質によるその霜害の抑制作用を知るに
は、血清中のGOT活性を測定するこの方法が最も適当で
ある。試験に用いた動物はICR系の雄マウスで、1群に
つき5匹を使用した。4週令、体重18〜22gのものを購
入し、恒温恒湿(23±1℃、55±5%)の飼育室で固型
飼料(MF、オリエンタル酵母工業製)および水を自由に
与えて1週間予備飼育し、その中で成育良好なものを選
んで試験に供した。試験動物を予め19時間絶食したの
ち、被験物質を経口投与又は腹腔内注射し、その30分後
にオリーブ油に混和し、0.15v/v%とした四塩化炭素溶
液を10ml/kg体重(四塩化炭素として0.015ml/kg体重)
で腹腔内注射した。次いでその24時間後、腹大動脈より
採血し、ついで遠心分離(3000rpm.10分)により血清を
分離し、そのGOT活性を測定した。尚、被験物質は5%
アラビアゴム水溶液に懸濁させ、経口投与および腹腔内
注射のいずれの場合も、10ml/kg体重で投与した。血清
中のGOT活性はリッピ(Lippi)らの酵素法[クリニカ・
キミカ・アクタ(Clinica Chimica Acta.)、28巻、431
−437頁(1970)]に従って測定し、結果を表1および
表2に示した。
以上の薬理試験から明らかなように、本発明化合物は
経口投与および腹腔内投与ともに6.25mg/Kg体重以上の
投与量で四塩化炭素による肝細胞の変性・壊死の為に生
じる著名な血清GOT活性の上昇を押さえ、明らかな肝障
害抑制作用を示した。
毒性試験 試験に用いた動物はICR系の雄マウスで、1群につき
8匹を使用した。4週令、体重18〜22gのものを購入
し、恒温恒湿(23±1℃、55±5%)の飼育室で固型飼
料(MF、オリエンタル酵母工業製)および水を自由に与
えて1週間予備飼育し、その中で成育良好なものを選ん
で試験に供した。試験動物はあらかじめ16時間絶食した
のち被験物質を経口投与または腹腔内注射した。被験物
質は5%アラビアゴム水溶液に懸濁させ、経口投与およ
び腹腔内注射のいづれの場合も、10mg/kg体重で投与し
た。投与336時間後の死亡率から50%致死量をファンデ
ルベルデン(Van der Waerden)法[伴義雄:医薬品研
究法、101−102頁、朝倉書店(1970)]により算出し
た。結果を表3に示す。
以上の毒性試験から明らかなように、本発明化合物の
急性毒性値(50%致死量)は経口投与の場合500mg/Kg体
重以上、腹腔内注射の場合250mg/Kg体重以上で、医薬品
としての利用に充分堪え得るものである。
製剤例1 散剤 5重量部の本発明化合物を95部のラクトースと均等に
混和し、散剤とする。
製剤例2 顆粒剤 5重量部の本発明化合物を93部のラクトースと混和
し、2部のヒドロキシプロピルセルロースを結合剤とし
て用いて常法に従って顆粒とする。
製剤例3 錠剤 5重量部の本発明化合物を91部のラクトースと混合
し、2部のヒドロキシプロピルセルロースを結合剤とし
て用いて常法に従って顆粒とした後、1部のタルクおよ
び1部のステアリン酸マグネシウムを加え、圧縮成型し
て錠剤を得る。
製剤例4 カプセル 5重量部の本発明化合物を93部のラクトースと混合
し、2部のヒドロキシプロピルセルロースを結合剤とし
て用いて常法に従って顆粒とし、ハードゼラチンカプセ
ルに充填する。
製剤例5 注射剤 1重量部の本発明化合物を2.5部のポリオキシエチレ
ン硬化ヒマシ油および96.5部の生理食塩水の共に加温混
合した後、滅菌して注射剤とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 493/14 C07D 493/14 (72)発明者 中川 博司 岸和田市三田町370 新日本薬品株式会 社技術本部内 (72)発明者 松本 和夫 岸和田市三田町370 新日本薬品株式会 社技術本部内 (72)発明者 平瀬 襄二 岸和田市三田町370 新日本薬品株式会 社技術本部内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I): [式中、Xは独立して低級アルコキシ基、低級アルキル
    チオ基、低級アルカノイル基、アミノ基、低級アルキル
    アミノ基、ジ(低級アルキル)アミノ基、低級アルカノ
    イルアミノ基、(N−低級アルキル−N−低級アルカノ
    イル)アミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、ま
    たはウレイド基であるか、あるいは2個のXが一緒にな
    って、メチレンジオキシ基を形成していてもよく、Yは
    独立して低級アルキル基であり、nは1〜4の整数であ
    り、n′は0〜3の整数である。但し、nとn′の総和
    は4をこえることはない] で示される化合物を必須成分とする肝臓疾患治療剤。
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