JP2521618B2 - 顆粒状易分散性顔料、その製法及びそれを用いた印刷インキの製造方法 - Google Patents

顆粒状易分散性顔料、その製法及びそれを用いた印刷インキの製造方法

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JP2521618B2 JP23879992A JP23879992A JP2521618B2 JP 2521618 B2 JP2521618 B2 JP 2521618B2 JP 23879992 A JP23879992 A JP 23879992A JP 23879992 A JP23879992 A JP 23879992A JP 2521618 B2 JP2521618 B2 JP 2521618B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、顆粒状易分散性顔料の
製造方法及びそれを用いた印刷インキの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】有機顔料は、その使用に際して、色相、
着色力、隠ペイ力、分散性、流動性、練和性、耐溶剤
性、耐光性、耐候性、耐熱性、耐水性などにすぐれたも
のであることが要求される。これらの性質は化学構造式
ばかりでなく、その結晶形または粒子の大きさと深い関
係があり、所望の顔料を得るため粗顔料を合成時あるい
は合成後に種々の顔料化処理が施され、乾燥粉体、湿潤
ケーキ又はその中間等種々の形で使用されているが、い
ずれも種々の長所、短所がある。
【0003】すなわち、乾燥粉体の場合は、次のような
点が問題とされる。 (1) 乾燥により粒子の凝集が起り、分散性を損なう
ことから実用的に使用する場合には粉砕を必要とする
か、あるいは更に使用段階において分散工程を必要とす
る。 (2) 粉砕工程およびその後の取扱いにおいて粉塵が
出やすく作業環境を悪くする。 (3) 乾燥工程においては、含水率5重量%以下にす
るため、かなりの時間とエネルギーを必要とする。
【0004】他方、湿潤ケーキの場合は、乾燥などの工
程がないため分散性はすぐれているが、次のような問題
点が指摘されている。 (1) 含水率が高いために使用上の制限が多く、用途
が限定される。たとえば、水性フレキソ印刷インキに使
用する場合、含水率55重量%以上では使用上かなりの
制約を受け、必要とする着色濃度が出ないことが多い。 (2) 水の分離を要する用途が多く、この工程が作業
的に非合理的となる。たとえば、印刷インキ用顔料の湿
潤ケーキをインキ化する場合、ワニスと湿潤ケーキをニ
ーダーなどにより水を分離する操作があり、この工程に
かなりの時間と労力を要する。 (3) 湿潤ケーキの取扱および運搬は工業的には非合
理的な面が多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記乾
燥粉体及び湿潤ケーキの持つ欠点を改善すべく、その中
間形態である特定の含水率を有する成形顔料を先に見出
した(特公昭62−45904号公報)。しかしるに、
この成形顔料は、乾燥粉体と湿潤ケーキの欠点を解消
し、両者の利点を兼ね備え、かつ光沢および着色力に優
れる等の性能を具備しているが、実際の使用に際して、
特に物流面及び粉立ち汚染等において改良の余地があ
り、又インキ製造上における予備分散性において必ずし
も充分とは言えず、その改善が要望されるに至った。
【0006】そこで、本発明者らは鋭意検討、研究の結
果、所定の含水率の微粉砕顔料に特定の調湿手段を施す
ことによって、上記問題点が一挙に解決できる顆粒状易
分散性顔料を製造し得ることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、顔
料の湿潤ケーキを乾燥或いは半乾燥してから粉砕し、次
いで混合、流動、振動及び/又は解砕状態で水を添加、
調湿してなる柔らかい凝集状態を実質的に保った顆粒状
の顔料であって、含水率が20〜50重量%であり、平
均粒径が100ミクロン〜700ミクロン(直径)であ
ることを特徴とする顆粒状易分散性顔料である。
【0008】また、本発明は、顔料の湿潤ケーキを乾燥
或いは半乾燥してから粉砕し、次いで混合、流動、振動
及び/又は解砕状態で水を添加、調湿することを特徴と
する柔らかい凝集状態を実質的に保った顆粒状の顔料で
あって、含水率が20〜50重量%であり、平均粒径が
100ミクロン〜700ミクロン(直径)である顆粒状
易分散性顔料の製造方法である。さらにまた、本発明は
上記顆粒状易分散性顔料をワニスと混練りし、水を分離
することを特徴とするインキの製造方法である。ここ
で、平均粒径とは、対物顕微鏡による実測値である。
【0009】本発明の顆粒状易分散性顔料の特徴は、柔
らかい凝集であること、形態が顆粒状であること、かつ
湿潤顔料(含水率20〜50重量%)であること等であ
り、これによって従来技術の長所を保持し、かつ短所を
解消したものである。特に、従来、分散性の向上、物流
面及び粉立ち汚染(ノンダスト)の改善には、種々の薬
剤、添加剤や溶媒等を用いて行われるのが通例である
が、本発明の顆粒状易分散性顔料は、単に水のみをバイ
ンダーとして、一定の操作手段を施すことによって製造
されるものであるので、印刷インキとしての使用に際し
ての制約が殆どないという極めて優れた利点を有するも
のである。
【0010】本発明において有機顔料としては、アゾ
系、ジスアゾ系、アントラキノン系、フタロシアニン
系、縮合系顔料があげられる。中でも、粉体化する場合
に凝集の問題が生じ易い一般にレーキ顔料といわれてい
るアゾ系顔料に効果的に適用される。
【0011】本発明の顆粒状易分散性顔料は、次のよう
な方法によって製造される。すなわち、通常の有機顔料
合成反応で得られた湿潤ケーキ(通常、含水率は60〜
85重量%)を、乾燥或いは半乾燥させて含水率1〜3
0重量%、好ましくは5〜20重量%の半乾燥顔料と
し、これを粉砕する。粉砕は、通常の粉砕機を用いて、
平均粒径が1ミクロン〜100ミクロン程度の微粉砕顔
料とする。この微粉砕では、特に半乾燥状態でもよいの
で省エネルギーで済み、工業的である。
【0012】次いで混合、流動、振動及び/又は解砕状
態で水を添加、調湿して含水率が20〜50重量%、好
ましくは30〜45重量%とする。この調湿の工程で、
微粉砕顔料は柔らかい凝集状態となり、平均粒径が10
0ミクロン〜700ミクロン(直径)の顆粒状易分散性
顔料となる。
【0013】ここで、混合、流動、振動及び/又は解砕
状態とは、例えば回転配合、流動配合、振動配合、遠心
拡散及び渦流解砕等の作用を伴う装置によって出来るだ
け均一に加湿する手段をいい、具体的、実際的な装置と
しては、V型混合機、サイクロ混合機、ナウターミキサ
ー(細川ミクロン社製)、スパイラル・ピンミキサー
(太平洋機工社製)、レーディゲミキサー(西独レーデ
ィゲ社製)、フロージェットミキサー((株)粉研パウ
テックス)、スパイラフロー(フロイント産業社製)等
を用いて行う方法が挙げられる。特にナウターミキサ
ー、レーディゲミキサーを用いるのが工業的に好まし
い。
【0014】含水率の調製は、適当なセンサーを用いて
測定し、例えば水を霧状に噴霧すること等により、容易
に行なわれる。本発明の方法によって得られる顆粒状易
分散性顔料の特に好ましい態様は、含水率が30〜45
重量%であり、かつ平均粒径が200ミクロン〜500
ミクロン(直径)である顆粒状易分散性顔料である。
【0015】本発明の顆粒状易分散性顔料は、上記した
特徴を有し、しかもその製造方法も、工業的に極めて優
れている。すなわち、まず最初の半乾燥或いは乾燥させ
る工程は、完全乾燥の必要がないから省エネルギー的で
あり、また添加、調湿する工程は、例えば適当な手段に
より含水率を測定し、所定の含水率となるようにして混
合、流動、振動及び/又は解砕状態を維持すればよく、
一度最適条件を設定すれば、目的とする顆粒状易分散性
顔料を一定品質で安定的に製造することができる。
【0016】本発明の目的とする顆粒状易分散性顔料に
おいて、含水率は重要なファクターであり、実質的には
顔料の種類により変りうるが、通例20〜50重量%、
好ましくは、30〜45重量%である。更に顔料の種類
によりアゾ系は35〜50重量%、フタロシアニン系、
縮合系は30〜45重量%が好ましい。含水率が50重
量%を越えると、顔料特性は湿潤ケーキに近くなり、逆
に20重量%未満では部分的な凝集が起き易くなり粉体
と同じような性質になるので、いずれも好ましくない。
【0017】また、本発明において、顆粒状顔料の平均
粒径は、顆粒状を保持するために重要なファクターであ
り、平均粒径が100ミクロン〜700ミクロン(直
径)であることを特徴とする。平均粒径(直径)が10
0ミクロン以下であったり、700ミクロン以上では、
目的とする特性は生まれず、粉体或いは湿潤ケーキの欠
点が出てくる。中でも好ましい平均粒径が200ミクロ
ン〜500ミクロンであることを見出した。
【0018】本発明の顆粒状易分散性顔料は、混合配合
による調色、袋詰なども粉体顔料と全く同様に取扱うこ
とができる。本発明の顆粒状易分散性顔料は、たとえば
水性フレキソインキを製造する場合に有利に使用され
る。この場合は通常、所定量のワニスと前記湿潤顔料及
びその他の添加剤を加え、予備分散を行ない、ビーズミ
ル等の分散機によりインキ化するが、本発明の顆粒状顔
料はこの予備分散を含めて極めて易分散であり、かつ得
られたインキの光沢および着色力においてすぐれた品質
のインキを工業的に有利に製造することができる。
【0019】また、オフセット印刷インキを製造する場
合に、本発明の顆粒状易分散性顔料を所定量のワニスと
混練りし、好ましくは加熱脱水(真空脱水が好ましい)
した後、ロール練りを簡単に行う。この場合、湿状顔料
(含水率65〜85重量%)のように水を多量に分離す
ることも不要であり、このため分離水(一般にフラッシ
ング水という)の排水処理も不要であるという利点を有
し、連続インキ製造システム上からも工業的に極めて効
果的である。
【0020】また、この顆粒状易分散性顔料とワニスの
混煉りは、各種混和機、例えばプラネタリーミキサー
(井上製作所製)、トリミックス(井上製作所製)や各
種ニーダー、混練り機や、ビーズミル等の分散機が用い
られるが、特にプラネタリーミキサー(井上製作所
製)、トリミックス(井上製作所製)等の加熱脱水型の
混和機を用いることにより、インキの取り出し作業工程
において大幅な作業の軽減が図られる等の利点があり、
本発明の好ましい態様である。
【0021】更に、本発明の顆粒状易分散性顔料は、粉
体でありながら流動性があるので連続的定量フィードが
可能であり、インキの連続生産が可能となり、大幅なF
A化が可能となるという利点がある。なお、本発明にお
いては、顔料特性上の目的などから、その工程中におい
て界面活性剤、各種樹脂などを適宜添加しても何らさし
つかえない。
【0022】
【発明の効果】本発明の顆粒状易分散性顔料は、前記特
公昭62−45904号の発明の利点をそのまま具備
し、更に次のような特有の効果を奏する。 1) 顆粒状でありながら、粉立ちが殆ど無くなり(ノ
ンダスト)、作業環境面で更に優れる。 2) 顆粒状であるから、顔料粒子の流動性が極めてよ
く、最近のFA化、計装、自動化に要求される定量供給
が可能であり、運搬、ハンドリング等の物流面において
もその扱いが極めて優れている。 3) 形態は顆粒状態でありながら、湿潤ケーキと全く
変わらない物性が出る。しかも、水のみをバインダーと
するので、使用に際しての制約が殆ど無いという利点を
有する。 4) 顆粒状であっても、柔らかい凝集の為に、簡単な
分散力によって水等の媒体に容易に分散する。特に水性
インキの調製に必要な予備混合も簡素化される。 5) 湿潤ケーキを用いる場合、油性タイプのインキ化
には水の分離が必要となるが、本発明の顆粒状易分散性
顔料ではこの工程の簡略化により、大幅な合理化が可能
となる。
【0023】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に詳しく説明
する。実施例中、部、%は重量部、重量%を表わす。 実施例1 p−トルイジン−m−スルホン酸ソーダをジアゾ成分、
β−オキシナフトエ酸をカップリング成分として水溶媒
中でカップリングを行い、ついでロジン及び塩化カルシ
ウムを添加した後、濾過、水洗してモノアゾレーキ顔料
の湿潤ケーキ(含水率77重量%)を得る。これをバン
ド型透気乾燥機(大瓦製作所製)に入れ、熱風で乾燥
し、含水率10重量%の半乾燥顔料を得る。これを粉砕
機(アトマイザー)で粉砕して、平均粒径30ミクロン
の微粉砕顔料を得る。
【0024】次に、この微粉砕顔料をナウターミキサー
に入れ、水を噴霧しながら加湿し、含水率35重量%、
平均粒径300ミクロンの顆粒状易分散性顔料を得た。
この顆粒状易分散性顔料を使用して、次の配合処方 顆粒状易分散性顔料 150部 樹脂ワニス 400部 によって、混和機(プラネタリーミキサー(井上製作所
製))を用いて加熱混合脱水後、3本ロールを簡単に通
し、オフセット印刷用インキを作成した。インキの製造
工程での作業性にすぐれ、かつ得られた着色力、透明
性、光沢がすぐれたインキを得た。比較のために、同じ
化学構造の粉体顔料及び湿潤ケーキと比較した結果を第
1表に示す。
【0025】
【表1】
【0026】*1 湿潤ケーキを用いて同一乾燥機によ
り通常乾燥した顔料(含水率2%) *2 湿潤ケーキ(含水率77%)をそのまま使用。 *3 平行板粘度計による
【0027】比較例1 特開昭62−161861号の実施例1で得られた成形
顔料(含水率約40%、粒径約5mm)と本発明の実施
例1によって得られた顆粒状易分散性顔料(含水率35
%、平均粒径300ミクロン(0.3mm)を用い、実
施例1の方法によって樹脂ワニスを混練し、オフセット
印刷用インキを作成した。比較結果を第2表に示す。
【0028】
【表2】
【0029】実施例2 1−アセトアセチルアミノ−2−メチルベンゼンをカッ
プリング成分、3、3’−ジクロルベンジジンをジアゾ
成分として水溶媒中でカップリングを行い、ロジン及び
活性剤を添加して、加熱処理を行ない、ついで濾過、水
洗してジスアゾ顔料の湿潤ケーキ(含水率73%)を得
る。通過させて乾燥する。このとき含水率10重量%と
なるよう通過時間を調節する。これを粉砕機(スーパー
ミクロンミル)で粉砕して、平均粒径20ミクロンの微
粉砕顔料を得る。
【0030】次に、この微粉砕顔料をナウターミキサー
に入れ、水を噴霧しながら加湿し、含水率35重量%、
平均粒径350ミクロンの顆粒状易分散性顔料を得た。
比較のため同じ化学構造の粉体顔料及び湿潤ケーキを顔
料分として50部及びスチレンマレイン酸水溶性樹脂ワ
ニス200部をボールミルを用いてそれぞれフレキソ印
刷インキを調製し、紙に展色して比較した結果は第3表
の通りである。
【0031】
【表3】
【0032】*1 同一湿潤ケーキを用いて同一乾燥機
により通常乾燥した顔料(含水率2%) *2 湿潤ケーキ(含水率73%)をそのまま使用。 *3 B型粘度計による
【0033】比較例2 特開昭62−161861号の実施例2で得られた成形
顔料(含水率約45%、粒径約10mm)と本発明の実
施例2によって得られた顆粒状易分散性顔料(含水率3
5%、平均粒径350ミクロン(0.35mm)を用
い、実施例2の方法によって樹脂ワニスを混練し、フレ
キソ印刷インキを作成した。比較結果を第4表に示す。
【0034】第4表
【表4】
【0035】実施例3 4−メチル−5−クロルアニリン−2−スルホン酸ソー
ダをジアゾ成分、β−オキシナフトエ酸をカップリング
成分として水溶媒中でカップリングを行い、ついで塩化
ストロンチウムを添加した後、濾過、水洗してモノアゾ
レーキ顔料の湿潤ケーキ(含水率70%)を得る。これ
を一段バンド型乾燥機へ連続的に供給し、80〜110
℃の熱風中を強制通過させて乾燥する。このとき含水率
15重量%となるよう通過時間を調節する。これを粉砕
機(アトマイザー)で粉砕して、平均粒径40ミクロン
の微粉砕顔料を得る。
【0036】次に、この徴粉砕顔料をレーディゲミキサ
ーに入れ、水を噴霧しながら加湿し、含水率40重量
%、平均粒径250ミクロンの顆粒状易分散性顔料を得
た。この顆粒状易分散性顔料を用いて、実施例2と同様
の方法で水性フレキソ印刷インキの展色テストを行っ
た。比較の為に同様にして行った同じ化学構造の粉体顔
料及び湿潤ケーキを用いた結果を第5表に示す。
【0037】
【表5】
【0038】*1 同一湿潤ケーキを用いて同一乾燥機
により通常乾燥した顔料(含水率1.5%) *2 湿潤ケーキ(含水率70%)をそのまま使用。 *3 B型粘度計による
【0039】実施例4 実施例3において、塩化ストロンチウムの代りに、塩化
バリウムを用い、他は全く同様にして含水率35%、平
均粒径150ミクロンの実施例3と同様にすぐれた顆粒
状易分散性顔料を得た。
【0040】実施例5 5−メチル−4−クロルアニリン−2−スルホン酸ソー
ダをジアゾ成分、β−ナフトールをカップリング成分と
して水溶媒中でカップリングし、ついで塩化バリウムを
添加した後、濾過、水洗して湿潤ケーキを得、これを押
出成形機を通して含水率68%の成形湿潤ケーキを得
た。この湿潤ケーキを一段式バント型乾燥機(80〜1
10℃)へ連続的に供給して乾燥する。このとき含水率
13重量%となるよう通過時間を調節する。
【0041】これを粉砕機(遠心ミル)で粉砕して、平
均粒径30ミクロンの微粉砕顔料を得る。次に、この微
粉砕顔料をレーディゲミキサーに入れ、水を噴霧しなが
ら調湿し、含水率38重量%、平均粒径250ミクロン
の顆粒状易分散性顔料を得た。この顆粒状易分散性顔料
と、比較のため同じ化学構造の粉体顔料および湿潤ケー
キを使用して下記のようにしてオフセット印刷インキを
調製し、展色して比較テストを行った。その結果を第6
表に示す。
【0042】(I) 粉体顔料を用いたインキ 同一湿潤ケーキを用いて、同一乾燥機で通常乾燥して得
られた粉体顔料(含水率1.5%)をオフセット用樹脂
ワニスと共に3本ロールで混練りしてインキとし、紙上
に展色する。 (II) 実施例5の顆粒状易分散性顔料を用いたイン
キ 顆粒状易分散性顔料をオフセット用樹脂ワニスと共に混
練りした後、真空脱水を行い、3本ロールに簡単に通過
させてインキとし、紙上に展色する。
【0043】(III)湿潤ケーキを用いたインキ 湿潤ケーキ(含水率68%)をオフセット用樹脂ワニス
と共に混練りを行い、分離してくる水を排出した後、真
空脱水を行い、3本ロールに簡単に通過させてインキと
し、紙上に展色する。
【0044】
【表6】
【0045】*1 同一湿潤ケーキを用いて同一乾燥機
により通常乾燥した顔料(含水率1.5%) *2 湿潤ケーキ(含水率68%)をそのまま使用。 *3 平行板粘度計による
【0046】実施例6 ニーダーに粗製の安定型銅フタロシアニン(純度95
%)と塩化ナトリウムおよびエチレングリコールを添加
して混練り磨砕した後、5%硫酸水溶液を加え、濾過、
水洗し、ついで得られた湿潤ケーキを押出成形機を通し
て含水率60%、平均粒径約6mm(直径)の成形湿潤
ケーキを得た。
【0047】これを、一段式バント型乾燥機(90〜1
10℃)へ連続的に供給して乾燥する。このとき含水率
15〜20重量%となるよう通過時間を調節する。これ
を粉砕機(アトマイザー)で粉砕して、平均粒径25ミ
クロンの微粉砕顔料を得る。
【0048】次に、この微粉砕顔料をレーディゲミキサ
ーに入れ、水を噴霧しながら加湿し、含水率40重量
%、平均粒径300ミクロンの顆粒状易分散性顔料を得
た。この顆粒状易分散性顔料は、水性フレキソ印刷イン
キ用オフセット印刷インキ用としてすぐれている。
【0049】実施例7 ニーダーに粗製のジオキサジン バイオレット(C.
I.ピグメント バイオレット 23)と、塩化ナトリ
ウム、ジェチレングリコールを混練り磨砕した後、5%
硫酸水溶液を加え、濾過、水洗して、含水率65%の湿
潤ケーキを得る。この湿潤ケーキを一段式バンド型乾燥
機(80〜100℃)へ連続的に供給して乾燥する。こ
のとき含水率が約10〜15重量%となるように通過時
間を調節する。
【0050】これを粉砕機(アトマイザー)で粉砕し
て、平均粒径40ミクロンの微粉砕顔料を得る。次に、
この微粉砕顔料をレーディゲミキサーに入れ、水を噴霧
しながら加湿し、含水率30重量%、平均粒径150ミ
クロンの顆粒状易分散性顔料を得た。この顆粒状易分散
性顔料は、印刷インキ用として優れていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−161861(JP,A) 特開 昭54−65731(JP,A) 特開 昭59−191765(JP,A)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顔料の湿潤ケーキを乾燥或いは半乾燥して
    から粉砕し、次いで混合、流動、振動及び/又は解砕状
    態で水を添加、調湿してなる柔らかい凝集状態を実質的
    に保った顆粒状の顔料であって、含水率が20〜50重
    量%であり、平均粒径が100ミクロン〜700ミクロ
    ン(直径)であることを特徴とする顆粒状易分散性顔
    料。
  2. 【請求項2】含水率が30〜45重量%である請求項1
    に記載の顆粒状易分散性顔料
  3. 【請求項3】平均粒径が200ミクロン〜500ミクロ
    ン(直径)である請求項1又は請求項2に記載の顆粒状
    易分散性顔料。
  4. 【請求項4】顔料の湿潤ケーキを乾燥或いは半乾燥して
    から粉砕し、次いで混合、流動、振動及び/又は解砕状
    態で水を添加、調湿することを特徴とする柔らかい凝集
    状態を実質的に保った顆粒状の顔料であって、含水率が
    20〜50重量%であり、平均粒径が100ミクロン〜
    700ミクロン(直径)である顆粒状易分散性顔料の製
    造方法。
  5. 【請求項5】含水率が30〜45重量%である請求項1
    に記載の顆粒状易分散性顔料の製造方法。
  6. 【請求項6】平均粒径が200ミクロン〜500ミクロ
    ン(直径)である請求項4又は請求項5のいずれかに記
    載の顆粒状易分散性顔料の製造方法。
  7. 【請求項7】乾燥或いは半乾燥が、含水率5〜20重量
    %である請求項4〜請求項6のいずれかに記載の顆粒状
    易分散性顔料の製造方法。
  8. 【請求項8】混合、流動、振動及び/又は解砕が、遠心
    拡散及び渦流作用を伴うことを特徴とする請求項4〜請
    求項7のいずれかに記載の顆粒状易分散性顔料の製造方
    法。
  9. 【請求項9】顔料の湿潤ケーキを乾燥或いは半乾燥して
    から粉砕し、次いで混合、流動、振動及び/又は解砕状
    態で水を添加、調湿してなる柔らかい凝集状態を実質的
    に保った顆粒状の顔料であって、含水率が20〜50重
    量%であり、平均粒径が100ミクロン〜700ミクロ
    ン(直径)である顆粒状易分散性顔料を製造し、次に該
    顆粒状易分散性顔料に所定量のワニスを混合し混練りす
    ることを特微とする印刷インキの製造方法。
  10. 【請求項10】混練りを、加熱脱水しながら行うことを
    特微とする請求項9に記載の印刷インキの製造方法。
  11. 【請求項11】含水率が30〜45重量%であり、かつ
    平均粒径が200ミクロン〜500ミクロン(直径)で
    ある請求項9又は請求項10のいずれかに記載の印刷イ
    ンキの製造方法。
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