JP2521598B2 - 地中共同管路の施工方法および地中共同管路 - Google Patents

地中共同管路の施工方法および地中共同管路

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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)
  • Underground Structures, Protecting, Testing And Restoring Foundations (AREA)
  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
  • Laying Of Electric Cables Or Lines Outside (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【001】
【産業上の利用分野】地中に埋設され、有線放送線、電
話線、電力線等のケーブルや、水道管、ガス管、下水道
管、地域暖房用温水管等の複数個の管路を収納する地中
共同管路に関するものである。
【002】
【従来の技術】路上よりオープンカット工法で施工され
る断面四角形状の地中共同溝が公知である。また、断面
円形の管路内を複数個に区分して形成した地中共同管路
として、実公昭51−19695号公報「隔壁を取付け
た円管」が公知である。
【003】
【発明が解決しようとする課題】前者の公知の共同溝に
おいては、完成している道路の地下に施工するに際し、
オープン工法であるため道路を破壊し地中共同溝完成後
に再び道路を復旧する必要があり施工コストが増大する
欠点がある。また、最近重量運搬車の増加に伴う道路土
圧の増大に対し、断面四角形状の地中共同溝ではその溝
壁の強度を増加させねばならない欠点を有している。後
者の公知の「隔壁を取付けた円管」においては、隔壁部
材の挿入により管内を二分するものではあるが、隔壁部
材は垂直方向であり結合部材で隔壁を円管に固定する作
業を必要とするとともに、円管内が隔壁で二分されるも
のであるので、二分された各室はいずれもその下端部は
円管の最下部となり、漏水に対し両方の室の下端部が排
水路となる。したがって、二分された各室にはいずれも
湿気が溜ることとなり、その一部を管路、電線路用とし
て使用する地中共同管路に適用することは、現実的に不
適当である。よって、本発明は、円形状の断面構造とし
て周面荷重に対する強度を増大すること、および地中共
同管路の湿水に対する排水路または下水道として管路底
面を効果的に使用することを課題とする。
【004】
【課題を解決するための手段】本願第1発明は、適宜の
間隔で複数個の堅坑を設け、隣接する前記堅坑間を内径
1.5M以上の大径の円断面管のシールド工法施工によ
り円断面管群で接続して円形共同管路を形成し、前記円
形共同管路内に円断面管直径方向と平行方向に水平仕切
部材を挿入して円形共同管路内部を上下方向に複数個に
区分して、パイプ、ケーブル等を収納するとともに保守
点検空間が存在するところの、管路、電線路および水路
等の管路室を少なくとも上下方向に複数個形成し且つ最
下段の管路室断面の下方形状を円弧面とすることを特徴
とする地中共同管路の施工方法を提供する。本願第2発
明は、適宜の間隔で設けられた複数個の堅坑と、隣接す
る前記堅坑間を内径1.5M以上の大径の円断面管群で
接続して形成された円形共同管路と、前記円形共同管路
内に円断面管直径方向と平行方向に内装されて円形共同
管路内部を上下方向に複数個に区分する水平仕切部材と
を含み、パイプ、ケーブル等を収納するとともに保守点
検空間が存在するところの、管路、電線路および水路等
の管路室を少なくとも上下方向に複数個有し且つ最下段
の管路室について、その断面の下方形状を円弧面とする
とともに保守点検空間が存在する管路室を形成したこと
を特徴とする地中共同管路を提供する。本願第3発明
は、本願第2発明に加えて、最下段の水平仕切部材を密
封遮蔽部材とし最下段の管路室を他の管路室に対し密封
遮蔽状態とし、最下段の管路室を他の管路室と遮蔽して
水路用専用とし、最下段の水平仕切部材を円形共同管路
の下半部の中間位置より下方に位置させて、最下段の水
平仕切部材の上方の空間を保守点検空間が存在する管路
室を形成するに十分な断面とするとともに、水平仕切部
材および垂直仕切部材を装備して、最下段の管路室と密
封遮蔽状態とした複数個の管路室を、最下段の水平仕切
部材の上方に、形成したことを特徴とする地中共同管路
を提供する。
【005】
【実施例】第1図及至第3図に示す第1実施例におい
て、堅坑1は、地上よりオープンカット方法で現場施工
した鉄筋コンクリート製の箱であり、工事完了後には頂
壁1aを形成して密封状態とする。頂壁1aには、マン
ホール2が装備されるか、開口3をふさぐ遮板3’を取
付ける。堅坑1は、円断面管のシールド施工を行なうに
十分な空間を有する形状、容積とする。また、ガス管、
水道管等のパイプや電力線、電話線等の電線ケーブルを
引出すための孔5を、堅坑1の側壁1bの上部、頂壁1
aに設ける。対向する堅坑1・1間を、シールド工法
(例えば押管工法)で埋設された円断面管11を順次連
設して形成される円断面管群で構成される円形共同管路
10で連通する。円断面管11は、一般にシールド工法
の下水道用として広く用いられているところの、レジン
コンクリート管、ヒューム管、鋳鉄管等を用い、コスト
低減をはかる。収容するケーブル、管路に応じて所望さ
れる管路室の数および断面が多様であるので、直径、長
さ、材質を適宜選択して用いうるものであるが、保守点
検空間が存在する複数個の管路室を形成するに十分な直
径のもの、即ち内径1.5M以上の大径のものを選択す
る。例えば、5mφ,3mφリング状の鋳鉄管の大径と
する。なお、第2図および第3図には、路上の成人の身
長よりやや小さい値を直径とする円断面管を示し、内径
1.5Mに近い値の円断面管を使用する実施例を示して
いる。
【006】堅坑1の側壁1bには、円断面管11を挿入
するための管孔1cを設ける。円形共同管路10の完成
後には、両端の断面管11と管孔1cとの間隙をセメン
ト等で塞ぎ円形共同管路10および堅坑1を大地に対し
密封状態とする。円形共同管路10内のチューブ状空間
を、円形共同管路10内に挿入した水平仕切部材12に
より、上下に複数個の管路室に区分する。実施例では、
更に、垂直仕切部材により上下に複数個に区分した管路
室の一部をさらに左右に複数個に区分する。かくして、
円形共同管路10内に複数個の管路室A,B,C,D…
が形成される。
【007】上述の水平仕切部材12は、図2、図3の実
施例においては水平板7・7・7、図4の実施例におい
ては横杆4、連結水平杆13が該当する。垂直仕切部材
は、図2、図3の実施例においては垂直板8[所望によ
り、側板9を追加(図2)]、図4の実施例においては
垂直杆6が該当する。水平仕切部材12および垂直仕切
部材の組合せで、例えば上述の垂直板8[所望により、
側板9を追加し]を組合わせで、管路室A、B、C、・
・を完全に隔離され密封状態に近い部屋とすることもで
きるが、図4に示す第2実施例のごとく、横杆4、垂直
杆6、連結水平杆13の組合わせにより格子状枠組で仕
切り、横杆4上にケーブル、管路等を固定してもよい。
また、支持板15、仕切板16を追加してもよい。要す
るに、収納するケーブル、管路を、種別毎に区分して支
持できる構造であればよく、特別の場合をのぞき、各管
路室A,B…を互いに密封状態に隔離することを必要と
するものではない。
【008】配線。配管にあたっては、堅坑1より各家
屋、店、ビル内へ孔5より導入するが、円断面管群10
の中間に位置するビル等にケーブル、管路Pを引出す必
要が生じた場合に対応すべく、第6図に示すごとく、分
岐用小室14を付設する。分岐用小室14は分岐、引出
しを必要とする管路の分岐、引出し作業が可能な空間、
形状を確保した大きさであることは勿論である。分岐用
小室14は、現場打ちコンクリートまたは所定形状に製
作されたコンクリート二次製品を埋設することにより製
作し、導入孔17に対向する引出し孔21を円断面管1
1にダイヤモンドカッター等により形成する。孔22に
マンホール18を連設してビル等に配線、配管を引き込
むか、孔23よりビル地下室へ直接引き込む。なお、必
要に応じ、変圧器室、配電室、配管室等24を、分岐用
小室14、堅坑1に付設するか、分岐用小室14、堅坑
1内に装備する。
【009】なお、分岐用小室14は管路室A,B…の少
なくとも一室と連通すれば十分である。隣接する管路室
を通過させてケーブル、管路Pを引出すことにより複数
個の管路室A,B…からのケーブル、管路Pを分岐用小
室14へ導くことができる。なお、分岐用小室は円断面
管11の周面のうち、側面に隣接させて設ける。なお、
管路室A・B・CまたはC1,C2…が互いに密封状態
のときは、分岐用小室14を複数個の管路室に連通させ
(例えば、第3図において、A・B・Dの3個の管路室
と連通)、それぞれの管路室より分岐用小室へ必要なケ
ーブル、回路Pを分岐させて地中共同管路の完成後にお
けるビル等への個別配線、配管の追加を容易にする。
【010】つぎに、円形共同管路10の底部に形成され
る最下段の管路室N(図2および図3参照)、E(図4
参照)は、円断面管11の内面を底面とすることより、
その下方形状は断面円弧面nとなるとともに、水平仕切
部材12(仕切板7)で上方の管路室と隔離されてい
る。本発明は、円断面管群が連続して共同管路外壁を形
成することにより、長期の使用で連接する円断面管の間
からの漏水を生じるおそれがあるが、その対策として、
底面を断面円弧面nとする最下段の管路室N、Eを、排
水路として使用することができる。また、図2および図
3の実施例のごとく、最下段の管路室Nを上方の管路室
D、Eと水平仕切部材12(仕切板7)で密封遮蔽する
ことで、最下段の管路室Nを他の管路室に対し密封遮蔽
状態とする。従って、上述のごとく最下段の管路室Nを
排水路とした場合に、他の管路室内への湿気の侵入を防
ぐことができる。
【011】
【発明の効果】本願発明は、適宜の間隔で設けた隣接す
る前記堅坑間を円断面管のシールド工法施工により円断
面管群で接続して円形共同管路を形成するものであるか
ら、四角断面構造の共同溝に比して円断面構造とするこ
とで周辺荷重に対する数倍の強度とするとともに、量産
品の円断面管の使用で工期の短縮と低コスト化をはかる
ことができる。また、前記円形共同管路内に円断面管直
径方向と平行方向に水平仕切部材を挿入することで、円
形共同管路の内部を上下方向に複数個に区分して、最下
段の管路室断面の下方形状を円弧面とする複数個の管路
室を形成するものであるから、垂直隔壁部材で管内を二
分する公知技術に比して、単に水平仕切部材を挿入する
ことで自重により円形外壁と接当して支持されるので、
特別の円形外壁への固定部材を不用として施工作業がき
わめて簡単容易である。また、共同管路外壁の内部を水
平仕切部材により上下方向に複数個に区分して上下方向
に複数個の管路室を形成したので、上方の管路室をパイ
プ、ケーブル等を収納するための管路、電線路として利
用し下方の管路室を上下水道用として利用することで、
湿気を嫌う電気、通信との共同管路として有効に使用で
きる。
【012】更に、本発明は、円断面管群が連続して共同
管路外壁を形成することにより、共同溝内での漏水、管
内周面の結露に対し、最下段の管路室の断面の下方形状
を円弧面としたので、最下段の管路室を流下の良い排水
路とすることで、共同管路内より竪坑へ排水することが
できて管路室内の乾燥化をはかることができる。特に、
最下段の管路室を水路として水量が大量の場合において
も最下段の管路室の下面が円弧状であることにより水は
中央に集まって流れて流速が早くなることで、汚水等が
大量に流れ滞留することによる腐敗発生が少なくなる等
の円断面管群の接続で構成される円形共同管路の底面
(断面円弧面)を有効利用する効果は大である。最下段
の管路室について、保守点検空間が存在することで、排
水路とした最下段の管路室の清掃、点検、補修等の保守
管理を確実に行うことで、常に良好な排水路としての機
能を維持することができる。
【013】更に、本願第1発明は、内径1.5M以上の
大径の円断面管のシールド工法施工により円形共同管路
を完成したのち、完成した円形共同管路内に円断面管直
径方向と平行方向に水平仕切部材を挿入して、上下方向
に複数個の保守点検空間が存在する管路室を構成するも
のであるから、各管路室について管路、電線路および水
路等の保守点検およびパイプ、ケーブル等の収納する管
路・電線等の取替えを可能とするとともに、円形共同管
路の完成ののち管路室の構成(管路室の数、断面形状)
を変更することができる。また、完成済の円断面管群に
対して水平仕切部材を挿入することで本発明を実施する
ことができる。
【014】本願第2発明は、内径1.5M以上の大径の
円断面管のシールド工法施工により円形共同管路を完成
したのち、完成した円形共同管路内に円断面管直径方向
と平行方向に水平仕切部材を挿入して、上下方向に複数
個の保守点検空間が存在する管路室を構成するものであ
るから、各管路室について管路、電線路および水路等の
保守点検およびパイプ、ケーブル等の収納する管路・電
線等の取替えを可能とするとともに、円形共同管路の完
成ののち管路室の構成(管路室の数、断面形状)を変更
することができる。また、完成済の円断面管群に対して
水平仕切部材を挿入することで本発明を実施することが
できる。
【015】本願第3発明は、最下段の水平仕切部材を密
封遮蔽部材とし最下段の管路室を他の管路室に対し密封
遮蔽状態とし、最下段の管路室を他の管路室と遮蔽した
ことで、上段の管路室をパイプ、ケーブル等を収納する
ための管路、電線路として利用し下方の管路室を水路専
用とすることで、湿気を嫌う電気、通信との共同管路と
して有効に使用することができ、特に、上段の管路、電
線路として利用する管路室を最下段の水路に対して防水
できて、本発明の目的とする、通信ケーブル用、電力ケ
ーブル用、瓦斯管用と、上下下水道、排水路との共用を
実現可能とするものである。更に、水路専用とした最下
段の管路室の上方に複数個の管路室を形成することで、
本発明の目的とする、通信ケーブル用、電力ケーブル
用、瓦斯管用等の各種の管路を併設した地中共同管路を
提供できる効果があり、且つその構成(管路室の数、断
面形状)を仕切部材の選択により任意に設定できる。ま
た、内径1.5M以上の大径の大径の円断面管群で構成
したことにより作業者、自走作業車等の管路内への立入
りを可能として、完成し使用後において(後日任意に)
円形共同管路を、仕切部材の増減取替えにより、管路室
増減改良を任意とする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した地中管路の横断面図。
【図2】図1のS1−S1線による縦断面図。
【図3】図3の第1図S2−S2線による縦断面図であ
る。
【図4】仕切手段の第2実施例を示す縦断面図、
【図5】本発明によるケーブル、管路の配線、配管を説
明する平面図である。
【符号の説明】
1……堅坑、10……円形共同管路、11……円断面
管、12……水平仕切部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H02G 9/06 // E21D 9/06 311

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】適宜の間隔で複数個の堅坑を設け、 隣接する前記堅坑間を、内径1.5M以上の大径の円断
    面管のシールド工法施工により、円断面管群で接続して
    円形共同管路を形成し、シールド工法施工により完成した内径1.5M以上の大
    径の 前記円形共同管路内に、円断面管直径方向と平行方
    向に水平仕切部材を挿入して、円形共同管路内部を上下
    方向に複数個に区分して、 パイプ、ケーブル等を収納するとともに保守点検空間が
    存在して、管路、電線路および水路等の管路室を少なく
    とも上下方向に複数個形成し、且つ最下段の管路室につ
    いて、その断面の下方形状を円弧面とすることを特徴と
    する地中共同管路の施工方法。
  2. 【請求項2】適宜の間隔で設けられた複数個の堅坑と、 隣接する前記堅坑間を内径1.5M以上の大径の円断面
    管群で接続して形成された円形共同管路と、 前記円形共同管路内に円断面管直径方向と平行方向に内
    装されて円形共同管路内部を上下方向に複数個に区分す
    る水平仕切部材とを含み、 パイプ、ケーブル等を収納するとともに保守点検空間が
    存在するところの、管路、電線路および水路等の管路室
    を少なくとも上下方向に複数個有し、且つ最下段の管路
    室について、その断面の下方形状を円弧面とする管路室
    を形成したことを特徴とする地中共同管路。
  3. 【請求項3】適宜の間隔で設けられた複数個の堅坑と、 隣接する前記堅坑間を内径1.5M以上の大径の円断面
    管群で接続して形成された円形共同管路と、 前記円形共同管路内に円断面管直径方向と平行方向に内
    装されて円形共同管路内部を上下方向に複数個に区分す
    る水平仕切部材とを含み、 パイプ、ケーブル等を収納するとともに保守点検空間が
    存在するところの、管路、電線路および水路等の管路室
    を少なくとも上下方向に複数個有し、且つ最下段の管路
    室について、その断面の下方形状を円弧面とする管路室
    を形成し、 最下段の水平仕切部材を密封遮蔽部材とし最下段の管路
    室を他の管路室に対し密封遮蔽状態とし、最下段の管路
    室を他の管路室と遮蔽して水路用専用とし 最下段の水平仕切部材を円形共同管路の下半部の中間位
    置より下方に位置させて、最下段の水平仕切部材の上方
    の空間を保守点検空間が存在する管路室を形成するに十
    分な断面とするとともに、水平仕切部材および垂直仕切
    部材を装備して、最下段の管路室と密封遮蔽状態とした
    複数個の管路室を、最下段の水平仕切部材の上方に、形
    成したことを特徴とする地中共同管路。
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