JP2521212B2 - コグドvベルト - Google Patents

コグドvベルト

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JP2521212B2
JP2521212B2 JP4122617A JP12261792A JP2521212B2 JP 2521212 B2 JP2521212 B2 JP 2521212B2 JP 4122617 A JP4122617 A JP 4122617A JP 12261792 A JP12261792 A JP 12261792A JP 2521212 B2 JP2521212 B2 JP 2521212B2
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泰介 木村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はVベルトの内周面全域
に亘ってベルト長手方向に一定のピッチをもって腹のふ
くらんだ丸形コグ山群を形成し、このコグ山間にコグ谷
を形成してなるコグドVベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】コグドVベルトは、プーリのV字形溝の
側壁面にVベルトの両側壁面を圧接せしめて、その間の
摩擦力を利用しての効率的な動力伝達と共に、プーリに
巻掛けられた折のベルトのプーリ上での良好なる屈曲性
の確保によりベルトの屈曲ロスおよびベルトの発熱を抑
制した屈曲疲労の解消によるベルトの延命化を意図した
動力伝達用ベルトである。そして、このコグドVベルト
は変速ベルト、自動車補機駆動ベルト、農機用ベルトな
ど多方面に亘って使用されている。
【0003】 しかし、このコグドVベルトは、ベルト
がV形プーリに入り込む時、およびプーリより出る時
に、プーリとベルトのコグ部が接触したり離れたりする
折、特有のキーンという耳障りな衝撃音を発生せしめ
る。これが所謂ピッチノイズである。このピッチノイズ
はコグドVベルトがV形プーリに入り込む時、駆動プー
リ側の方が従動プーリ側より大きく、またべルトがプー
リに入る時の方が、出る時よりもその発生頻度ははるか
に多い。
【0004】 コグドVベルトにおけるコグ山によるピ
ッチノイズの発生原因は、具体的に、例えばベルトがプ
ーリに入り込む時、プーリと接触することによりベルト
のコグ山が断続して応力を受け、コグ山のピッチに従っ
て、断続的に異音を発する。特にベルトの高速走行時に
おいては、ベルトがプーリに入り込む折、1つのコグ山
がプーリと強く接触し、次の瞬間に、次位のコグ山がプ
ーリに接触し、このコグ山毎のプーリとの接触時に発生
する衝撃音により、耳障りなキーンという高周波音を発
生する。
【0005】コグドVベルトに特有のこのピッチノイズ
の拡大を抑制するために、種々の提案がなされている。
例えば実公昭57−24997号公報には、Vベルトの
底部に横方向の切込みもしくはノッチを設けたコグドV
ベルトにあって、コグのピッチとコグの深さをランダム
に設けた構成のベルトが開示されている。また、実開昭
54−95663号公報には、断面V形状のコグ部に、
V芯ゴム層より低い硬度のゴム層を設けたコグドVベル
トが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これら公報に開示され
た提案は確かにピッチノイズの拡大の解消面ではみるべ
きものがあったが、前者、即ち実公昭57−24997
号公報の考案にあっては、コグドVベルトの長期使用の
過程において、切込みまたはノッチのうちコグの深さが
小さい部分にクラックが集中的に発生し、このことが原
因でベルトの短命化につながる問題点が発生した。また
後者、即ち実開昭54−95663号公報の考案にあっ
ては、V芯ゴム部のうちコグ部分がV芯ゴム層より特に
低硬度の材質をもって構成されているため、コグドVベ
ルトの長期使用の過程において、該コグ部分の摩耗、変
形が著しく、このことが原因でベルトの短命化の一因と
なる問題点が残された。
【0007】この発明はコグドVベルトの短命化の一因
となる亀裂、摩耗、変形の発生を極力抑止し、併せてコ
グドVベルト上に派生するピッチノイズの拡大を抑制し
うるコグドVベルトを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するた
めに、この発明に係るコグドVベルトの構成は、ベルト
内周面にあって、ベルト長手方向に一定のピッチを保っ
て丸形コグ山群を、各コグ山部間にコグ谷群を設けた基
本構成からなり、このベルトがプーリに巻装された折、
プーリ上にてベルトを構成する隣り合う各丸形コグ山同
志は当接し、コグ山間にあるコグ谷は一時的に消失する
ようコグ山およびコグ谷はその形状、大きさおよびピッ
チが設定されている。
【0009】 さらに具体的に、この発明に係るコグド
Vベルトの構成は、ベルト内周面全域に亘って、ベルト
長手方向に一定のピッチを保って丸形コグ山群と、この
各コグ山群間にコグ谷群を交互に設けた基本構成からな
り、このベルトが、径60〜130mmのプーリに巻装
された折、プーリ上で隣り合う丸形コグ山同志が最初に
接触する位置でのベルトのピッチラインに平行するコグ
山長さaと、このコグ山長さaの延長線上にあるコグ谷
長さbとの長さ比a/bが3〜10の範囲にあり、かつ
各コグ山における前後それぞれのコグ山角度αおよび
αの合計角度が30°以下に設定されていることを特
徴とする。
【0010】 この発明に係るコグドVベルトがV形溝
を有するプーリに巻装されると、ベルトのプーリへの進
入に伴い、プーリ上におけるコグ山群は次第に接近し、
ついには隣り合うコグ山同志は当接し、ベルト上のコグ
谷は消失し、これに伴い一対のコグ山およびプーリのV
形溝間に気密状に形成され、Vベルトのコグ山のプーリ
との接触により発生する衝撃音を未然に取除き、耳障り
なピッチノイズの抑止に大きく貢献する。
【0011】
【実施例】つぎにこの発明に係るコグドVベルトの具体
的実施例を図面を用いて説明する。図1はこの発明を実
施したコグドVベルトの斜視図、図2はその一部の拡大
正面図である。この発明に係るコグドVベルト(1)の
構成は、ゴムあるいは弾性合成樹脂などのゴム状弾性材
からなるクッション層(2)内には、ポリエステル繊
維、ナイロン繊維、芳香族ポリアミド繊維などの低伸度
高強力の抗張体ロープ(3)が埋設され、該クッション
層(2)の上面にはバイアス帆布または伸縮性帆布など
からなる上カバー布(4)が貼着され、さらに前記クッ
ション層(2)の下面には、クッション層(2)と同一
材からなる圧縮層(5)が積層され、Vベルトの下面部
を構成するこの圧縮層(5)の下面にはベルト長手方向
に一定の間隔を保って、腹のふくらんだ丸形コグ山
(6)およびコグ谷(7)が交互に形成されている。こ
れにより、V形溝を有するプーリに巻掛けられたVベル
ト(1)の屈曲性を良好なものとしている。以上の構成
からなるコグドVベルトは従来のこの種のベルトの構成
と異なるところはない。
【0012】 この発明はVベルトの下面部にて交互に
形成したコグ山(6)およびコグ谷(7)の大きさ、形
状に特徴がある。すなわち、丸形コグ山(6)にあっ
て、ベルト(1)の長手方向に一致し、プーリに巻装さ
れプーリ上にて当接する隣接コグ山同志が最初に当接す
る位置にて、ベルトのピッチライン(PL)に平行する
コグ山(6)の長さ(a)、このコグ山の長さ(a)の
延長線上に位置するコグ谷(7)の長さを(b)とした
とき、コグ山とコグ谷のそれぞれの長さ(a),(b)
間における長さ比a/bが3〜10の範囲にあり、さら
にコグ山(6)の前記長さの計測位置における接線
(S)と同計測位置における垂直線(T)との交叉角に
て測定されるコグ山(6)の前後両側におけるコグ山角
度(α)および(α)の合計が30°以下となるよ
う設定されている。なお、(P)はコグピッチで、コグ
山の長さ(a)とコグ谷の長さ(b)の合計長さで表わ
される。 そして、コグ山(6)が均一な場合、コグ山
角度(α)およひ(α)は等しくなるも、例えばス
クーター用として用いられているコグドVベルトのコグ
山(6)の場合、その両側のコグ山角度(α)および
(α)は同一とはならず、当然左右非対称となること
がある。
【0013】コグ山(6)およびコグ谷(7)のそれぞ
れの長さ(a)および(b)間の長さ比a/bを3〜1
0の範囲に設定した技術的根拠は、a/b値が3未満の
場合は、コグ谷(7)の長さ(b)が大きくなりすぎ、
小さい曲げ径(曲率)でなければ隣接するコグ山(6)
(6)同志が当接せず、巻掛けられたプーリ上での各コ
グ山間に発生する気柱の解消には寄与しない。また、a
/b値が10以上では、コグ山(6)の長さ(a)が大
きくなりすぎ、大きい曲げ径(曲率)でも、隣接するコ
グ山(6)(6)同志は十分当接はするが、ベルトの屈
曲性は極端に悪くなる。
【0014】また、コグ山(6)の両側のコグ山角度
(α1 )および(α2 )の合計角度を30°以下に設定
した技術的根拠は、30°以上の場合、ベルトを小さい
曲げ径(曲率)までベルトを屈曲しなければプーリ上で
のコグ山(6)(6)同志は当接せず、各コグ山間に発
生する気柱の積極的な解消とはならない。
【0015】 つぎに、下記〔表1〕に示す、具体的数
値をもって構成されたこの発明を実施したコグドVベル
ト(実施例)と、プーリ上でのコグ山同志の当接接触状
態の発生を全く考慮されていない従来のコグドVベルト
(比較例)を図4にて、その概略をもって示すピッチノ
イズ確認用試験装置(11)を用いて両ベルトのピッチ
ノイズの発生状況を考察した。
【表1】 但し、P=a+b
【0016】ピッチノイズ確認用試験装置(11)は、
径120mmのV形溝を有する駆動プーリ(Dr)と径
65mmの同じくV形溝を有する従動プーリ(Dn)
に、それぞれ長さ995mmのA形コグドVベルトを巻
掛け、ベルト張力30kgf、無負荷の状況下にて、駆
動プーリ(Dr)の回転数が4000rpmに達するま
でに発生する各回転数毎のピッチノイズの音圧変化を測
定し、図5に示す実施例ベルトのノイズおよび図6に示
す比較例ベルトのノイズ変化をグラフにて示すような測
定結果を得た。
【0017】以上の測定結果より、図5に示す本実施例
に係るベルトでは、コグ山による極端な音圧変化はな
く、すなわち顕著なピッチノイズ変化は存在せず、緩や
かに上昇する。一方図6に示す比較例に係るベルトで
は、プーリ回転数が特定の領域に達した折、具体的にプ
ーリの回転数2260rpm付近で顕著に変化する92
dBに達するコグの明確なるピッチノイズが発生してい
ることが理解できる。
【0018】
【発明の効果】 この発明に係るコグドVベルトは丸形
コグ山群およびコグ山間に形成されるコグ谷の大きさ、
さらに各コグ山の前後のコグ角度を所定の領域に設定す
ることにより、プーリに巻掛けられたベルトがプーリ上
にて彎曲する折、ベルトの各コグ山同志が当接して特有
の断続性のピッチノイズの発生を抑制、低減することが
できる。また付帯効果として、高温高負荷の環境下にあ
って、コグ山群間のベルト周方向の剪断変形に伴うコグ
谷部におけるクラックの発生を抑制し、これにてベルト
の延命効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るコグドVベルトの一部の斜視図
である。
【図2】同ベルトの一部の正面図である。
【図3】同ベルトがプーリに巻装された折りのベルトの
一部の正面図である。
【図4】ピッチノイズ確認用試験装置の概略正面図であ
る。
【図5】この発明に係るコグドVベルトを巻装したプー
リの回転数と音圧の関係を示すグラフである。
【図6】従来のコグドVベルトにおける図5に相当する
図である。
【符号の説明】
1 コグドVベルト 5 圧縮層 6 コグ山 7 コグ谷 PL ベルトのピッチライン P コグピッチ a コグ山の長さ b コグ谷の長さ α コグ山の前コグ角度 α コグ谷の後コグ角度

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト内周面全域に亘って、ベルト長手
    方向に一定の間隔を保って丸形コグ山群と、各丸形コグ
    山間にコグ谷群を交互に形成したコグドVベルトにおい
    て、このベルトが、径60〜130mmのプーリに巻装
    された折、プーリ上で隣接する丸形コグ山同志が最初に
    接触する位置でのベルトのピッチラインに平行するコグ
    山長さaと、このコグ山長さaの延長線上にあるコグ谷
    長さbとの長さ比a/bが3〜10の範囲にあり、かつ
    各コグ山における前後それぞれの丸形コグ山角度α
    よびαの合計角度が30゜以下に設定されていること
    を特徴とするコグドVベルト。
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CN104487738A (zh) 2012-07-26 2015-04-01 阪东化学株式会社 有凹口的传动带

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