JP2521118B2 - 光導電性組成物 - Google Patents

光導電性組成物

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JP2521118B2 JP63039005A JP3900588A JP2521118B2 JP 2521118 B2 JP2521118 B2 JP 2521118B2 JP 63039005 A JP63039005 A JP 63039005A JP 3900588 A JP3900588 A JP 3900588A JP 2521118 B2 JP2521118 B2 JP 2521118B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、光導電体を結着樹脂中に分散させて成る光
導電性組成物において、光導電体を新規な色素により分
光増感した光導電性組成物に関する。
〔従来の技術〕
光導電体−樹脂分散系の電子写真感光層においては、
すでに多くの分光増感用色素が知られている。これらの
分光増感用色素に要求される性質はいろいろあるが、光
導電体に良く吸着すること、増感効率が高いこと、暗所
における電子写真感光層の抵抗を必要以上に低下させな
いなどは特に重要な点である。これらの要件を満す色素
の例は米国特許3052540号、同3110591号、同3125447
号、同3128179号、同3132942号、同3141959号および同3
121008号明細書、および英国特許1093823号明細書に記
載されている。
一方、赤色光ないし赤外線に対する分光増感用色素に
ついては米国特許2619154号、同3682630号明細書等に記
載されており、なかでもかかる長波長光(例えば700nm
以上)、に対する分光増感にはシアニン色素、特にメチ
ン鎖の長い(例えば5個以上)のポリメチン色素が中心
となっている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、これらの色素は概して分解し易く、色
素の保存ないしは電子写真感光層の製造工程および保存
中に著しく分解し、性能が低下するという実用上の大き
な欠点があった。原崎等は赤色光ないし赤外線に対する
増感色素が、より短波長光(可視光)に対する増感色素
より不安定であることを述べている。(「工業化学雑
誌」第66巻2号26ページ(1963年))。特にこの不安定
性は増感色素中のメチン鎖が長くなる程増大する傾向を
示すため、特に750nm以上の長波長光(例えば半導体レ
ーザー光)に対して分光増感作用を示す実用性のある安
定な色素の出現が望まれている。
更に上記の如き長波長光に対する増感効率の高い色素
の出現も望まれている。
従って、本発明の目的は、保存安定性に優れ、且つ増
感効率の高い分光増感色素を含む、光導電体−樹脂分散
系光導電性組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、レーザーを光源とした電子写真
方式の感光体として用いることのできる光導電性組成物
を提供することにある。
本発明の更なる目的は、無色透明で遠赤ないし近赤外
に吸収を有し、且つ高い増感効率を与える新規な色素を
分光増感剤として含有する光導電性組成物を提供するこ
とにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の上記目的は、光導電体、増感色素及び結着樹
脂を含有する光導電性組成物において、該増感色素が下
記一般式〔I〕で表わされる化合物であることを特徴と
する光導電性組成物により達成することが見出された。
〔式中、R1、R4は同じでも異なっても良く、各々アルキ
ル基、アリール基又は複素環基を表わし、R2、R5は同じ
でも異なっても良く、各々水素原子、アルキル基、アリ
ール基、複素環基又はアシル基を表わし、R3、R6は同じ
でも異なっても良く、各々水素原子、シアノ基、水酸
基、カルボン酸基、アルキル基、アリール基、−COO
R7、−OR7、−NR8R9、−N(R8)COR9、−N(R8)SO2R
9又は−CONR8R9、−N(R8)CONR8R9(R7はアルキル基
又はアリール基を表わし、R8、R9は同じでも異なっても
良く、各々水素原子、アルキル基又はアリール基を表わ
す。)を表わし、Z1は酸素原子又はNR10、Z2は酸素原子
又はNR11(R10、R11は夫々R1、R4と連結して5員環を形
成するのに必要な非金属原子群を表わす。)を表わし、
L1、L2、L3は各々メチン基を表わし、nは0、1、又は
2を表わす。
なお、一般式〔I〕は例えばZ1、Z2が酸素原子の場合
には下記一般式(I a)及び(I b)との互変異性体混合
物として存在し得るが、本明細書では便宜上(I)の構
造式にて記述する。
次に一般式中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8
R9、R10、R11、Z1、Z2、L1、L2およびL3について詳述す
る。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9で表わされ
るアルキル基は直鎖、分岐又は環状アルキル基のいずれ
でも良く、置換基〔例えばハロゲン原子(例えばF、C
l、Br等)水酸基、シアノ基、カルボン酸基、スルホン
酸基、アルコキシ基(例えばメトキシ基、イソプロポキ
シ基等)、アリーロキシ基(例えばフェノキシ基、4−
スルホフェノキシ基等)、アミノ基(例えば無置換のア
ミノ基、ジメチルアミノ基、N−(3−スルホプロピ
ル)−N−メチルアミノ基、アセチルアミノ基、メタン
スルホニルアミノ基、メチルカルバモイルアミノ基、メ
チルアミノ基、アニリノ基等)、アリール基(例えばフ
ェニル基、ナフチル基等)等〕を有していても良い。
具体的にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロ
ピル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、ベンジル、シ
クロヘキシル、2−スルホエチル、3−スルホプロピ
ル、4−スルホブチル、6−スルホヘキシル、2−スル
ホベンジル、2,4−ジスルホベンジル、2−カルボキシ
エチル、カルボキシメチル、4−カルボキシベンジル、
2,4−ジ(3−スルホプロポキシ)ベンジル、2−クロ
ロエチル、トリフルオロメチル、ジメチルアミノエチ
ル、N−メチル−N−(4スルホブチル)アミノ、2−
メタンスルホニルアミノエチル、2−アセチルアミノエ
チル、2−ピペラジノエチル、2−ヒドロキシエチル等
の基を挙げられる。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9で表わされ
るアリール基はフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、
これは置換基〔例えばハロゲン原子(例えばF、Cl、Br
等)アルキル基(例えばメチル基、エチル基等)、水酸
基、カルボン酸基、スルホン酸基、シアノ基、アルコキ
シ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、2−ヒドロキシ
エトキシ基、4−スルホブトキシ基、3−カルボキシプ
ロポキシ基、n−ブトキシ基等)、アミノ基(例えば無
置換のアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ
基、アセチルアミノ基、メタンスルホニルアミノ基、N
−メチル−N−(4−スルホブチル)アミノ基、カルバ
モイル基(例えばメチルカルバモイル基、3−スルホプ
ロピルカルバモイル基等)、スルファモイル基(例えば
メチルスルフアモイル基等)等〕を有していても良い。
具体的には4−スルホフェニル、2,5−ジスルホフェニ
ル、2−メチル−4−スルホフェニル、3−スルホフェ
ニル、3,5−ジスルホフェニル、4−カルボキシフェニ
ル、5,4−ジスルホ−3−ナフチル、4−ジメチルアミ
ノフェニル、4−{N−エチル−N−(2−スルホエチ
ル)アミノ}フェニル、3−アセチルアミノフェニル、
3−(2−スルホエチルカルバモイル)フェニル、4−
ヒドロキシフェニル、3−メトキシフェニル、p−トリ
ル、4−シアノフェニル、2,4−ジ(4−スルホブトキ
シ)フェニル、4−クロロフェニル、2−クロロ−4−
メチルフェニル、3,5−ジカルボキシフェニル等の基が
挙げられる。
R1、R2、R3、R4、R5で表わされる複素環基は、5又は
6員の含窒素複素環基(縮合環を含む)を表わし、置換
基〔例えばカルボン酸基、スルホン酸基、水酸基、ハロ
ゲン原子(例えばF、Cl、Br等)、アルキル基(例えば
メチル基、エチル基等)等〕を有していても良い。
具体的には、5−スルホピリジン−2−イル、5−カ
ルボキシピリジン−2−イル、5−スルホピリジン−2
−イル、5−カルボキシピリミジン−2−イル、5−ス
ルポベンゾチアゾール−2−イル、2−ピリジル、2−
ベンゾオキサゾリル、6−カルボキシメチルピリジン−
2−イル等の基が挙げられる。
Z1がNR10、Z2がNR11を表わすとき、R10とR1、R11とR4
が連結して形成される5員環は、例えばイミダゾール
環、ベンゾイミダゾール環、トリアゾール環等が挙げら
れ、置換基〔例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、水
酸基、ハロゲン原子(例えばF、Cl、Br等)、アルキル
基(例えばメチル基、エチル基等)、アルコキシ基(例
えばメトキシ基、4−スルホブトキシ基等)等〕を有し
ていても良い。
R2、R5で表わされるアシル基は、アセチル基、プロピ
オニル基等の低級アルキルカルボニル基等が好ましい。
L1、L2及びL3で表わされるメチン基は置換基〔例え
ば、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、ベンジル
基、2−スルホエチル基、2−ヒドロキシエチル基
等)、アリール基(例えば、フエニル基、p−トリル基
等)、カルボン酸基、スルホン酸基、シアノ基、アミノ
基(例えばジメチルアミノ基等)ハロゲン原子(例えば
F、Cl、Br,I等)等〕を有していても良く、又メチン基
どうしが連結して環を形成してもよい。
形成される環としては、例えば、 〔R1′は水素原子、ハロゲン原子(例えばF、Cl、Br
等)又は {R1″、R2″は同じでも異なってもよく、アルキル基
(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
ベンジル基、2−ヒドロキシエチル基、2−クロロエチ
ル基、2−スルホエチル基、2−カルボキシエチル基
等)又はアリール基(例えばフエニル基、トリル基、キ
シリル基、メトキシフエニル基等)等を表わす}を表わ
す。
R2′及びR3′は同じでも異なってもよく、水素原子、
ハロゲン原子(例えばF、Cl、Br等)、アルキル基(例
えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ベン
ジル基、フェネチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−
クロロエチル基、2−カルボキシエチル基、2−メトキ
シカルボニルエチル基等)又はアルール基(例えばフエ
ニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、メトキシ
フエニル基等)等を表わす。
pは5又は6の整数を表わす。〕 {X1′は−▲CH ▼、−O−、−S−、又は、N
−R1″の連結基を表わす。
R4′及びR5′は、同じでも異なってもよく前記R2′、
R3′と同一の内容を表わす。又、R4′とR5′は連結して
環を形成してもよい。(例えばシクロヘプタン環、シク
ロヘキサン環等)} {X2′は、−O−、又は−S−の連結基あるいは直接
炭素−炭素結合を形成させる事を表わす。R6′は前記
R2′、R3′と同一の内容を表わす。
qは0,1〜4の整数を表わす。qが2以上の場合は
R6′は同じでも異なってもよい)等が挙げられる。
一般式(I)中、好ましくは、Z1、Z2が酸素原子を表
わす。又はnは2又は3の整数が好ましい。
なお、カルボン酸基及びスルホン酸基はフリー酸でも
塩(例えばNa塩、K塩、NH4塩等の無機塩、トリエチル
アンモニウム塩等の有機塩等)でも良い。
第1表に本発明に用いられる染料の具体例を示すが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の化合物は下記一般式(II)で表わされるジオ
キソピラゾロピリジン化合物をメタノール等の適当な溶
媒中で適当なメチン源、トリメチン源、ペンタメチン源
化合物(例えばオルトギ酸エチル、1,5−ジフェニル−
1,5−ジアザ−1,3−ペンタジエン、1,5,5−トリアルコ
キシ−1,3−ペンタジエン、1,7−ジフェニル−1,7−ジ
アザ−1,3,5−ヘプタトリエンなど)と反応させること
により合成することができる。この際、トリエチルアミ
ン等の塩基性物質及び無水酢酸等の酸無水物を添加する
と、反応が促進されることがある。
より具体的には特公昭39−22069号、同43−3504号、
同52−38056号、同54−38129号、同55−10059号、特開
昭49−99620号、同59−16834号、あるいは米国特許第4,
181,225号などに記載されている方法を利用して合成す
ることができる。
一般式(II) 〔式中、R1、R2、R3、は一般式(I)における定義と同
義の基を表わす。〕 一般式(II)で表わされる化合物は下記一般式(II
I)で表わされる化合物と一般式(IV)で表わされる化
合物とを酸性条件下で加熱することによって合成でき
る。
一般式(III) 〔式中R1、R2、は一般式(I)におけるR1、R2と同義の
基を表わす。〕 一般式(IV) 〔式中R3は一般式(I)におけるR3と同義の基を表わ
す、R4はアルキル基またはアリール基を表わす。〕 具体的には特公沼58−3544号、特開昭52−135335号等
に記載の合成方法によって製造することができる。
本発明の式〔I〕のポリメチン色素は種々の光導電性
物質の光導電性、および感度特性を改良するための、無
機および有機の光導電性物質の増感剤として用いられ
る。無機の光導電性物質としては酸化亜鉛、酸化チタ
ン、硫化亜鉛、硫化カドミウム等を使用することができ
る。有機の光導電性物質としては:例えば高分子のもの
では、以下の(1)〜(5)のものを挙げることができ
る。
(1) 特公昭34−10966号公報記載のポリビニルカル
バゾールおよびその誘導体、 (2) 特公昭43−18674号公報、特公昭43−19192号公
報記載のポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、
ポリ−2−ビニル−4−(4′−ジメチルアミノフェニ
ル)−5−フェニル−オキサゾール、ポリ−3−ビニル
−N−エチルカルバゾールなどのビニル重合体、 (3) 特公昭43−19193号公報記載のポリアセナフチ
レン、ポリインデン、アセナフチレンとスチレンと共重
合体などのような重合体、 (4) 特公昭56−13940号公報などに記載のビレン−
ホルムアルデヒド樹脂、ブロムビレン−ホルムアルデヒ
ド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂な
どの縮合樹脂、 (5) 特開昭56−90833号、同56−161550号公報に記
載された各種のトリフェニルメタンポリマー。
また低分子のものでは例えば以下の(6)〜(18)の
ものを挙げることができる。
(6) 米国特許第3112197号明細書などに記載されて
いるトリアゾール誘導体、 (7) 米国特許第3189447号明細書などに記載されて
いるオキサジアゾール誘導体、 (8) 特公昭37−16090号公報などに記載されている
イミダゾール誘導体、 (9) 米国特許第3615402号、同第320989号、同35425
44号、特公昭45−555号、特公昭51−10983号、特開昭51
−93224号、特開昭55−17105号、特開昭56−4148号、特
開昭55−108667号、特開昭55−156953号、特開昭56−36
656号明細書、公報などに記載のポリアリールアルカン
誘導体、 (10) 米国特許第3180729号、同第4278746号、特開昭
55−88064号、特開昭55−88065号、特開昭49−105537
号、特開昭55−51086号、特開昭56−80051号、特開昭56
−88141号、特開昭57−45545号、特開昭54−112637号、
特開昭55−74546号明細書、公報などに記載されている
ピラゾリン誘導体およびピラゾロン誘導体、 (11) 米国特許第3615404号明細書、特公昭51−10105
号、特開昭54−83435号、特開昭54−110836号、特開昭5
4−119925号、特公昭46−3712号、特公昭47−28336号明
細書、公報などに記載されているフェニレンジアミン誘
導体、 (12) 米国特許第3567450号、特公昭49−35702号、西
独国特許(DAS)1110518号、米国特許第3180703号、米
国特許第3240597号、米国特許第3658520号、米国特許第
4232103号、米国特許第4175961号、米国特許第4012376
号、特開昭55−144250号、特開昭56−119132号、特公昭
39−27577号、特開昭56−22437号明細書、公報などに記
載されているアリールアミン誘導体、 (13) 米国特許第3526501号明細書記載のアミノ置換
カルコン誘導体、 (14) 米国特許第3542546号明細書などに記載のN,N−
ビカルバジル誘導体、 (15) 米国特許第3257203号明細書などに記載のオキ
サゾール誘導体。
(16) 特開昭56−46234号公報などに記載のスチリル
アントラセン誘導体、 (17) 特開昭54−110837号公報などに記載されている
フルオレノン誘導体、 (18) 米国特許第3717462号、特開昭54−59143号(米
国特許第415098号に対応)、特開昭55−52063号、特開
昭55−52064号、特開昭55−46760、特開昭55−85495号
公報、特開昭57−11350号、特開昭57−148749号各明細
書、公報などに開示されているヒドラゾン誘導体。
これらの光導電性物質は、場合により2種類以上併用
することもできる。
これらの光導電性物質の中では、ポリ−N−ビニルカ
ルバゾール;トリ−p−トリルアミンおよびトリフェニ
ルアミンなどの如きトリアリールアミン;4,4′−ビス
(ジエチルアミン)−2,2′−ジメチルトリフェニルメ
タンなどの如きポリアリールメタン;および3−(4−
ジメチルアミノフェニル)−1,5−ジフェニル−2−ピ
ラゾリンなどの如きピラゾリン誘導体で代表される不飽
和の複素環含有化合物等が好ましく用いられる。
本発明の式〔I〕のポリメチン色素を増感剤として含
有する本発明の光導電性組成物はこれらの色素と光導電
性物質及び結着樹脂とを有機溶剤に溶解させることによ
って得られる。
これを導電性支持体上に回転塗布、ブレード塗布、ナ
イフ塗布、リバースロール塗布、ディップ塗布、ロッド
バー塗布またはスプレー塗布のような通常用いられる方
法で塗布乾燥して感光体として使用することができ、単
一層型の電子写真感光材料の感光層(光導電層)として
用いることができるほか、電荷担体発生層と電荷担体輸
送層の二層を有する機能分離型の電子写真感光材料の電
荷担体発生層として用いることができる。
本発明の光導電性組成物はまた上記有機溶剤溶液から
ミニスプレー装置などを用いて粒子を製造し、この粒子
を絶縁性溶体に分散させた分散液として光電気泳動法に
使用することができる。
本発明の光導電性組成物は赤色体または赤外線感受性
用のビデオカメラの撮像管の光導電層として、また公知
の信号転送や走査を行う1次元または2次元配列された
半導体回路上全面に設けられた受光層(半導電層)を有
する固体撮像素子の赤色光または赤外線感受性の光導電
層として用いることができる。
本発明における通常の電子写真感光体として用いる場
合の増感色素の使用法は従来から知られている方法によ
ればよく、光導電性を結合剤樹脂中に分散させてから色
素溶解を添加する方法、あるいは予め色素溶液中に光導
電体を投入し、色素を吸着させてから結合剤樹脂中に分
散させる方法などは特に便利である。本発明における増
感色素の使用量は、要求される増感の度合との関係で広
い範囲にわたっている。すなわち光導電体100重量部に
対し0.0001〜20.0重量部で使用可能であるが、好ましく
は0.001〜10.0重量部の範囲で使用する。
本発明に使用する増感色素は、単一または二つ以上組
合わせて感光層に含有させることができる。
また、本発明の増感色素は目的により従来知られてい
る他の分光増感色素(例えばローズベンガル、エオシ
ン、等)と併用できることは言うまでもない。
また光導電体の一つである酸化亜鉛に対して、分光増
感を助長する為に必要に応じて、化学増感剤等の従来知
られている電子写真感光層用各種添加剤を併用すること
もできる。例えば、宮本晴視、武井秀彦、イメージング
1973(No.8)第12頁等の総説引例の電子受容性化合物
(例えばハロゲン、ベンゾキノン、クラニル、酸無水
物、有機カルボン酸等)、小門宏等、「最近の光導電材
料と感光体の開発・実用化」第4章〜第6章:日本科学
情報(株)出版部(1986年)の総説引例のポリアリール
アルカン化合物、ヒンダートフエノール化合物、p−フ
エニレンジアミン化合物等が挙げられる。
本発明においては本発明の増感色素の安定性が十分に
高いので、従来知られている電子写真感光層用各種添加
剤を併用することができる点で有利である。
これら各種添加剤の添加量は特に限定的ではないが、
通常光導電体100重量部に対して0.0001〜2.0重量部であ
る。
組合せ得る結合剤としては、従来知られている全ての
ものが利用できる。代表的なものは塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合物、スチレン−ブタジエン共重合物、スチレ
ン−ブチルメタクリレート共重合物、ポリメタクリレー
ト、ポリアクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブ
チラール、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹
脂、エポキシエステル樹脂、ポリエステル樹脂等であ
る。また、水性のアクリルエマルジョン、アクリルエス
テルエマルジョンと組合わせることも可能である。
バインダーとして有用な特定の重合体物質の例につい
ては、リサーチ・ディスクロージャー(Research Discl
osure)、109巻、61−67頁の「電子写真要素、材料およ
び方法」という題名の下に記載されている。
一般に増感色素類は酸化に弱く、従って酸化を促す触
媒化合物等との併用はなるべく避けることがのぞまし
い。例えばビニル重合開始剤の中、ベンゾイルペルオキ
シドの如き過酸化物質、また、不飽和脂肪酸の硬化をう
ながす貴金属の有機酸塩等の使用は注意を要する。この
点については本発明に使用する増感色素といえども、従
来の増感色素と同程度の配慮を要するが、従来のポリメ
チン色素にあっては、これらの酸化促進剤と併用しない
系にあっても短時間に分解してしてしまう難点があっ
た。しかしながら、本発明の式〔I〕の色素を用いれば
その安定性は格段に向上する。
一般に、本発明の光導電性組成物に存在させるバイン
ダーの量は、変更可能である。代表的には、バインダー
の有用な量は、光導電性材料とバインダーの混合物の全
量に対して、約10ないし約90重量%の範囲内である。
本発明による電子写真感光層は、従来知られている支
持体上に設けることができる。一般に云って電子写真感
光層の支持体は導電性であることが好ましく、金属板、
導電層を設けたプラスチックフイルム(たとえば、アル
ミニウム、パラジウム、酸化インジウム、酸化錫、沃化
第一銅等の薄層を設けたもの)、導電化処理した紙等が
よく用いられる。紙の導電化処理剤としては四級アンモ
ニウム塩を含むポリマー(例えばポリビニルベンジルト
リメチルアンモニウムクロリド、米国特許4108802号;
同4118231号;同4126467号;同4137217号に記載の主鎖
に四級窒素を含むポリマー、米国特許4070189号;特開
昭54−20977号(米国特許4147550号、Research Disclos
ure#16258)に記載の四級塩ポリマーラテックス等)、
ポリスチレンのスルホン酸塩類、コロイダルアルミナ等
がよく知られており、通常はポリビニルアルコール、ス
チレンブタジエンラテックス、ゼラチン、カゼイン等と
併用することが多い。
分散に用いる有機溶剤としては沸点が200℃以下の揮
発性炭化水素溶剤が使用され、とくにジクロロメタン、
クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロエ
タン、ジクロロプロパンまたはトリクロロエタンなど
の、炭素数1〜3のハロゲン化炭化水素が好ましい。そ
の他のクロロベンゼン、トルエン、キシレンまたはベン
ゼンなどの芳香族炭化水素、アセトンまたは2−ブタノ
ン等のケトン類、テトラヒドロフランなどのエーテルお
よびメチレンクロリドなど、塗布用組成物に用いられる
各種の溶剤および上記溶剤の混合物も使用可能である。
溶剤は染料、光導電性物質およびその他の添加剤の全量
1gに対して1〜100g、好ましくは5〜20g加えられる。
適当な支持体上の本発明の光導電性組成物の塗布厚
は、広く変えることができる。普通は、約10ミクロンか
ら約300ミクロン(但し、乾燥前)の範囲内で塗布する
ことができる。乾燥前の塗布厚の好ましい範囲は、約50
ミクロンないし約150ミクロンの範囲内である。しか
し、この範囲をはずれても有益な結果を得ることができ
る。この塗布物を乾燥させた場合の厚さは、約1ミクロ
ンから約50ミクロンの範囲内であればよい。
更に、本発明の組成物の他の使用態様として、増感剤
を光電気泳動法に使用する粒子中に含有させて、光電気
泳動法による画像を得ることもできる。光電気泳動法に
使用する粒子は、先に述べたポリ−N−ビニルカルバゾ
ールなどの光導電性物質と本発明の増感剤等からなる溶
液から、ミニスプレー装置を用いて製造される。これら
の粒子はさらにデカン、ドデカン、オクタン、パラフィ
ン、イソオクタンなどの飽和炭化水素を含む絶縁性液
体、好ましくはアイソパーE、アイソパーH、アイソパ
ーG(エッソ化学株式会社製造、商品名)等の長鎖アル
キル炭化水素中に分散させて、分散液とし、これを光電
気泳動法に使用する。アイソパーE、アイソパーHおよ
び、アイソパーGは飽和炭化水素をそれぞれ99.9、99.3
および99.8重量%、芳香族炭化水素をそれぞれ0.05、0.
2、および0.2重量%含む。但しアイソパーHは0.5重量
%以下のオレフィンを含有している。それぞれの沸点は
115℃〜142℃、174℃〜189℃および158℃〜177℃であ
る。分散液中の粒子の量は分散液に対し0.5〜10重量
%、好ましくは1〜3重量%である。光電気泳動法およ
びその装置については特公昭45−20640号に記載されて
いる。
上記光導電層および粒子中には、光導電層および粒子
の性質を改良するため適宜、必要な添加剤を加えること
ができる。
上記の光電気泳導法において、たとえば、本発明の光
導電性組成物には、電気的に絶縁性のバインダー成分も
存在させることができる。本発明の光導電性組成物をつ
くるのに用いられる好ましいバインダーは、絶縁強度が
相当に高く、電気的絶縁性のよいフイルム形成性、疎水
性重合体バインダーである。このような物質を代表する
一例を示すと、次の通りである。;ビニル樹脂、ゼラチ
ン、セルロースエステル誘導体、硝酸セルロース等の天
然樹脂;ポリエステルおよびポリカーボネートを含むポ
リ縮合物;シリコン樹脂:スチレン−アルキド樹脂等を
包含するアルキド樹脂;パラフィン;および各種のミネ
ラルワックス等である。
一般に本発明の光導電性組成物中のバインダーの量は
変更可能であり、代表的にはバインダーの有用な量は、
光導電体とバインダーの混合物の全量に対して約10ない
し約90重量%の範囲内である。
光導電性粒子を製造する際には、荷電調節剤、分散安
定剤も添加され得る、とくに荷電調節と分散安定の両方
の機能を有するラウリルメタアクリレートとスチレンの
共重合体(共重合比4〜2:1)または2−エチルヘキシ
ルメタアクリレートとスチレンとの共重合体(共重合比
4:2〜1)などが有利に使用される。
本発明の光導電性組成物には広く一般に、上記の分散
安定剤の他、柔軟性および強度などを向上させるため、
たとえば塩素化ジフエニル、ジメチルフタレートおよび
エポキシ樹脂(商品名エピコート)などの可塑剤を、光
導電性物質100重量部に対して、60重量部まで、好まし
くは10〜40重量部加えることもできる。
また、強度を向上させるため、特開昭58−65438号、
特開昭58−65439号、特開昭58−102239号、特開昭58−1
02240号、特開昭58−107544号、特開昭58−129434号公
報にそれぞれ記載されている、尿素化合物、チオ尿素化
合物、カルボニルアミン化合物、チアカルボニルアミン
化合物、スルホニルアミン化合物、ジカルボニルアミン
化合物などの化学増感剤を、光導電性物質100重量部に
対して、1〜100重量部、好ましくは3〜50重量部加え
ることもできる。
以下、本発明を実施例に基づいて、更に詳細に説明す
る。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定され
るものではない。
実施例1〜5 ポリ−N−ビニルカルバゾール(商品名ルビカン17
0、BASF社製、極限粘度〔η〕=1.18、25℃、THF中)5
g、第1表に示す化合物具体例の色素35mg、3,3′−ジニ
トロベンズアニリド30mgとをメチレンクロライド26mlと
エチレンクロライド12mlに溶解し、感光液とした。
この感光液を、ワイヤーラウンドロッドを用いて導電
性透明支持体(100μのポリエチレンテレフタレート支
持体上に、酸化インジウムの蒸着膜を有する表面抵抗10
3Ω)上に塗布して110℃、1分間乾燥し、約4μの感光
層を有する有機薄膜を得た。
この有機薄膜を、+5kVのコロナ放電により400Vに帯
電させて、その電位が1/2に減衰するのに必要な露光
量、即ち、半減露光量E1/2〔erg/cm2〕を測定した。
光源としては、ガリウム−アルミニウム−ヒ素半導体
レーザー(発振波長780nm)を用いた。
結果を第2表に示す。
実施例6 有機光導電性物質として4、4′−ビス(ジエチルア
ミノ)−2、2′−ジメチルトリフェニルメタン5g、ビ
スフェノールAのポリカーボネート(GE社製、商品名レ
キサン121)5g、化合物具体例(1)の色素40mg、化学
増感剤として下記構造式のアニリド化合物0.2gをメチレ
ンクロライド30mlとエチレンクロライド30mlとに溶解
し、感光液とした。実施例1と同様にして有機薄膜を作
製し、E1/2を測定した所、E1/2は53.2〔erg/cm2〕であ
った。
(アリニド化合物) 実施例7〜13 有機光導電性物質として、4、4′−ビス(ジエチル
アミノ)−2、2′−ジメチルトリフェニルメタン5g
と、ビスフェノールAのポリカーボネート(GE社製、商
品名レキサン121)5g、第3表に示す化合物具体例色素4
0mg、化学増感剤として、実施例6で用いたアニリド化
合物0.2gとをメチレンクロライド30mlとエチレンクロラ
イド30mlとに溶解し、感光液とした。実施例1と同様に
して有機薄膜を作製した。
この様にして作製した感光体をペーパーアナライザー
SP−428(川口電気(株)製)を用いて、スタチック方
式で+5kvでコロナ帯電し、暗所で30秒間保持した後、
照度2luxで露光し、帯電特性を調べた。帯電特性として
は、初期帯電電位(Vo)と、30秒間暗減衰させた後の電
位が初期電位(Vo)に対して、どれ程保持されている
か、即ち、暗電荷保持率(DRR(%))及び実施例1と
同様のE1/2を測定した。この結果を第3表に示す。
実施例14及び比較例A 微粒子状酸化亜鉛(平均粒子径0.5〜1μm、堺化学
製Sazex2000 )100部(部はすべて重量部を意味す
る)、アクリル系樹脂(三菱レーヨン製ダイヤナールLR
009 )40重量%トルエン溶液30部、トルエン60部、無
水フタル酸0.015部および本発明の化合物具体例(36)
の色素を1.0×10-3mol/lのメタノール溶液とした色素溶
液8部を混合し、磁器製ボールミルで2時間混練した分
散液を作った。
この分散液をアルミニウム箔上にそれぞれ乾燥膜厚約
8μmとなるように塗布し、次いで50℃の恒温槽で2時
間乾燥した電子写真感光体(イ)を作製した。
一方、上記の化合物(36)の代わりに下記の比較化合
物Aを用いた以外は上記と全く同様に処理して、感光体
Aを作製した。
以上の感光体2種について、分光反射率の測定および
カーボンブラックをトナーとする液体現像剤を用いて、
通常の電子写真法による分光写真を撮った。
分光写真の撮影の結果、化合物(36)を加えた電子写
真感光層は波長380nm付近のZnOの固有感光域の応答のほ
かに前述した分光反射率に対応する波長域に分光増感に
よる感度を示した。他方、比較化合物を加えた電子写真
感光層はZnOの固有感光域の応答のほかには何ら応答は
見られなかった、すなわち比較化合物Aを加えた電子写
真感光層は分光増感されていないことが明らかになっ
た。
一方、この感光体を−6KVのコロナ放電により−400V
に帯電させて、その電位が1/2に減衰するのに必要な露
光量、即ち、半減露光量E1/2〔erg/cm2〕を測定した。
光源としては、ガリウム−アルミニウム−ヒ素半導体
レーザー(発振波長780nm)を用いた。
化合物(36)を用いた本発明の電子写真感光体のE1/2
は58〔erg/cm2〕であり、比較化合物Aを用いた感光体
は、全く光感度が認められなかった。
以上の如き結果となったのは比較化合物Aがその不安
定性の故に分解により消失したためであり、かかる分解
は組成物の分散物を作製する際に予め酸化亜鉛等と色素
を入れてからボールミル中で2時間混練させたためにそ
の間に色素が分解したものと推測される。これに対して
本発明の増感色素はかかる条件下でも安定に存在し、分
光増感作用を示すことが判る。
実施例15 実施例14に示した2種の化合物について、実施例14と
は異なる方法により電子写真感光層を作製した。
微粒子酸化亜鉛(平均粒子径0.5〜1μm、堺化学製S
azex2000 )100部、スチレン化アルキッド樹脂(日本
ライヒホールド社製スチレゾール#4250 )の25重量%
トルエン溶液35部、およびトルエン40部を混合して磁器
製ボールミルで2時間混練し白色分散液を作った。この
分散液にポリイソシアネート樹脂(日本ライヒホールド
社製、ボーノックD−750 )25重量%酢酸ブチル溶液1
5部を加えてよく撹拌して3分し、さらにこの分散液に
実施例14に示した2種のメタノール溶液各10部加えてよ
く撹拌した。この2種類の分散液をアルミニウム箔上に
乾燥膜厚10μmとなるようにそれぞれ塗布し、次いで50
℃の恒温槽で15時間乾燥して2種類の電子写真感光材料
を得た。ここで2種類の材料について、比較化合物A及
び化合物(36)を含む電子写真感光層を有する材料をそ
れぞれ比較試料B及び試料(2)と名づける。
この2種の試料について分光反射率および電子写真法
による分光感度を測定した。2種の試料について製造直
後と50℃80%RHの条件下で1週間保存分光反射率の波長
範囲700nm〜850nmで吸収極大波長における吸光度を測定
し、加速試験後の吸光度を製造直後の吸光度で徐した値
を安定度値として安定度を見積った。安定度値が1に近
いほど安定であることを示す。安定度値は第4表に記載
されている。なお、比較試料は製造直後には反射率の極
大が波長800nm付近(比較化合物の吸収極大波長に対応
する)と波長380nm付近(ZnOの吸収極大波長に対応す
る)の2ケ所に見られたが、加速試験後には波長800nm
付近の反射率の極大は消失して分光吸光度曲線は平坦に
なっており、波長380nm付近の反射率の極大のみが見ら
れた。この事実は加速試験条件下で電子写真感光層中の
比較化合物が消失したことを示している。
別に、試料(2)について、製造直後と加速試験後の
分光増感度を実施例14の場合と同様にして測定したとこ
ろ、上記の安定度値にほぼ同等な分光増感度比が得られ
た。すなわち、試料(2)はともに製造直後と加速試験
後にそれぞれ化合物により目的とする分光増感がほぼ同
程度に実現されていることが明らかになった。
実施例16〜27 実施例14において、本発明の色素(具体例(36))の
代わりに、第5表の本発明の化合物を用いた以外は、実
施例14と全く同様に処理して感光体を作製した。実施例
14と同様にしてこれら感光体の電子写真特性を測定し
た。結果を第5表に記した。
次にこれら感光体を、実施例14と同様にして帯電露光
した後、液体現像剤ELP−T(富士写真フイルム(株)
製)を用いて現像し、(60℃10秒間)の条件で定着し、
画像を形成した。得られた複写画像は、画像濃度1.0以
上の鮮明な画質であった。
更に、不感脂化液ELP−Eを用いてエッチングプロセ
ッサーでエッチングして得られた平版印刷版を印刷機に
設置して印刷した所、(なお、印刷機にはハマダスター
(株)製ハマダスター800SX型を用いた。)1万枚印刷
後の印刷物は、カブリのない鮮明な画質であった。更
に、これらの感光体を(45℃、75%RH)の環境条件下に
2週間放置した後、全く同様の処理を行ったが、経時前
と全く変わらなかった。
(発明の効果) 本発明の光導電性組成物は、充分な増感効果を示す高
感度な感光体である。特に750nm以上の長波長域にまで
増感する本発明の色素群は、従来のレーザー用電子写真
感光体と比較して著しく高感度とすることができ且つ安
定性も非常に向上できた。
即ち、本発明では上記のような特徴ある骨格構造の増
感色素を用いることにより従来のシアニン色素を含む電
子写真感光層が長期の保存に耐えなかった欠点を克服し
た。感光層製造中における増感色素の分解が減ったこと
はもとより、感光層を50℃、80%R.H.(相対湿度)とい
うような苛酷な試験条件においても従来使用されていた
メチン色素に比べて、非常に優れた安定性を示した点に
おいて著しい効果を有する。特に従来使用の赤色光ない
し赤外線増感色素に比べて、格段の安定性を有する。
本発明における増感色素の使用法は、色素の安定性が
高いので、特別に分散混合条件を設定したり、添加する
時期を慎重に選ぶ等の配慮がいらないので、感光材料を
製造する工程が簡略になり、感光材料の品質、性能が安
定する利点がある。また、光導電体として、酸化亜鉛、
酸化チタン、硫化亜鉛、硫化カドミウム等の無機光導電
体を使用する場合、増感色素とこれらの光導電体が共存
すると、特に、光照射下で従来公知の増感色素が分解さ
れ易い傾向にあり、特に、赤色光乃至赤外線増感色素を
使う場合には、暗所で感光層製造作業をする等の制限が
必要であった。この様な制限が著しく緩和されることも
本発明の著しい効果である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも光導電体、増感色素及び結着樹
    脂を含有する光導電性組成物において、該増感色素が、
    下記一般式〔I〕で表わされる化合物であることを特徴
    とする光導電性組成物 〔式中、R1、R4は同じでも異なっても良く、各々アルキ
    ル基、アリール基又は複素環基を表わし、R2、R5は同じ
    でも異なっても良く、各々水素原子、アルキル基、アリ
    ール基、複素環基又はアシル基を表わし、R3、R6は同じ
    でも異なっても良く、各々水素原子、シアノ基、水酸
    基、カルボン酸基、アルキル基、アリール基、−COO
    R7、−OR7、−NR8R9、−N(R8)COR9、−N(R8)SO2R
    9又は−CONR8R9、−N(R8)CONR8R9(R7はアルキル基
    又はアリール基を表わし、R8、R9は同じでも異なっても
    良く、各々水素原子、アルキル基又はアリール基を表わ
    す。)を表わし、Z1は酸素原子又はNR10、Z2は酸素原子
    又はNR11(R10、R11は夫々R1、R4と連結して5員環を形
    成するのに必要な非金属原子群を表わす。)を表わし、
    L1、L2、L3は各々メチン基を表わし、nは0、1、又は
    2を表わす。
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