JP2520540Y2 - パワーステアリング用流量制御装置 - Google Patents

パワーステアリング用流量制御装置

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JP2520540Y2
JP2520540Y2 JP1989114612U JP11461289U JP2520540Y2 JP 2520540 Y2 JP2520540 Y2 JP 2520540Y2 JP 1989114612 U JP1989114612 U JP 1989114612U JP 11461289 U JP11461289 U JP 11461289U JP 2520540 Y2 JP2520540 Y2 JP 2520540Y2
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steering
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control valve
oil
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敏雄 中嶋
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、パワーステアリング内のパワーシリンダを
駆動する油圧回路に装着されたパワーステアリング用流
量制御装置に関する。
(従来の技術) 車両のハンドル側操舵力を受け、これを油圧により倍
力してタイヤ側に伝え、その倍力された操舵力によりス
ムーズにタイヤの操舵角を切り換える様になしたパワー
ステアリングが多用されている。
処で、操舵力は、車庫入れや路面抵抗の大きな場所で
の走行時にその倍力率が大きくなることか望ましい。他
方、車両が舗装路を高速走行するような場合にはハンド
ル操舵力が適度に重くなり安定感を与えられることが望
ましい。
これに対して、パワーステアリングは油圧回路内に油
圧ポンプを備えており、そのポンプ吐出量は、通常、ポ
ンプ回転数に応じて増加することとなる。
このように、ポンプ回転に基づくオイル吐出量は操舵
特性を向上させる上で的確でなく、従来は吐出量制御弁
や流量制御弁を用いて、ポンプ低回転域での吐出量を比
較的大きくし、高回転域での吐出量を低く押えるように
吐出流量制御を行なっている。
ここで、第4図のパワーステアリングの油圧回路で用
いられているパワーステアリング用流量制御装置を説明
する。
パワーステアリング用のステアリングギア1,2は図示
しないハンドル側のステアリングシャフト3により回転
駆動される。このステアリングギアの内、ラック2には
左右にパワーシリンダ4,5が対設され、両パワーシリン
ダ4,5はロータリー式の油路切り換え弁6を介して油圧
回路Aに接続されている。なお、油路切り換え弁6及び
ステアリングギアは、ギアケース及びシリダチューブ等
からなるパワーステアリングギアケーシング7内に収容
されている。
油圧回路Aは両パワーシリンダ4,5と油路切り換え弁
6の他に、油圧ポンプ8、吐出量制御弁9、流量制御弁
10、タンク11が配設されている。
油圧ポンプ8は周知のベーンポンプであり、吐出量制
御弁9はスプール弁12と戻しばね13と弁体に内蔵された
リリーフ弁22とで構成されている。この吐出量制御弁9
の弁体をなすスプール弁12はその一端にポンプ吐出圧P0
を他端に吐出路14の吐出圧P1及び、戻しばね13の押圧力
を受ける。このスプール弁12は、ポンプ吐出圧P0が吐出
圧P1とこれに加わるばね力を上回ると、吸込ポート15を
開き、それ以上の吐出圧P1の上昇を規制している(第5
図参照)。
他方、流量制御弁10は吐出圧P1のオイルを流入ポート
16で受け、そのオイルをコントローラ21に操作されるソ
レノイド弁17により流量制御して、出力油圧P2のオイル
を吐出ポート18よりパワーシリンダ側に吐出するように
構成されている。
ここで、ソレノイド弁17はコントローラの制御信号に
より作動し、第6図に示すように、低速時は破線aで、
高速時は2点鎖線bでそれぞれ示すようにパワーシリン
ダへの吐出量や出力油圧P2を増減制御している。尚、符
号19は、リターンバルブを示しており、これは吐出圧P1
のオイルの圧力変動をばね23の働きにより制御すべく増
圧時に開作動してオイルをタンク11に戻すよう構成され
ている。
このようなパワーステアリング用油量制御装置はステ
アリングシャフト3の回転に応じて油路切り換え弁6が
作動し、この場合、ハンドル切り方向のパワーシリンダ
4,5に圧油を供給するように切り替わる。これにより、
各パワーシリンダ4,5はポンプ8から、吐出量制御弁
9、流量制御弁10を介して所定流量Qで出力油圧P2の圧
油を受け、操舵力の倍力作動を行なうことができる。
この場合、負荷であるタイヤからの操舵抵抗に応じて
出力油圧P2は増加するので、結果として、操舵力を大き
く倍力させたい場合には、ソレノイドバルブ17は絞り口
20を拡大させ、操舵力を低下させたい場合には、絞り口
20を狭めるように制御される必要が在る。
特に、第4図の油圧回路Aは車速感応形パワーステア
リングを構成するものである。このため、ここではソレ
ノイドバルブ17を制御するコントローラ21は図示しない
車速センサからの車速情報に基づき、低速時には出力油
圧P2を第6図に破線aで示すように制御し、これによ
り、第5図にc線として示すように操舵抵抗の増加と共
に流量を急増させ、倍力率が大きくなるように制御して
いる。これにより、スムーズな操舵を行なえるようにし
ている。
他方、高速時には吐出流量を押え、出力油圧P2を第6
図に2点鎖線bで示すように制御し、これにより第5図
にd線として示すように操舵力の倍力を押え、適度に操
舵力を重くして操舵に安定感を与え、これにより操舵特
性をポンプ回転数の全域にわたり良好に保っている。
(考案が解決しようとする課題) しかし、このような第4図のパワーステアリング用油
量制御装置はパワーシリンダに供給されるオイルの吐出
量を制御するために、吐出量制御弁9、流量制御弁10を
用い、しかも、流量制限弁を制御するコントローラや、
車速情報を出力する車速センサ等を要し、構成が複雑化
し、コスト高を招くこととなり、問題となっている。
本考案の目的は、低速及び高速時の操舵特性が良好で
しかも簡素化されたパワーステアリング用油量制御装置
を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 上述の目的を達成するために、本考案はステアリング
ギアの操舵作動を加勢するパワーシリンダに油圧回路が
接続され、上記油圧回路内の油圧ポンプからのオイルの
吐出量を増減調整して上記パワーシリンダに供給するよ
うに構成されたもので、特に、上記油圧ポンプと上記パ
ワーシリンダとの間に流量制御弁が介装され、上記流量
制御弁の弁体は上記パワーシリンダ側に加わる出力油圧
と上記油圧ポンプの吐出圧との差圧に応じて摺動穴内を
摺動可能なスプール弁として形成され、上記摺動穴には
上記流量制御弁の吸込ポートと吐出ポート及び上記油圧
ポンプの吸込ポートにそれぞれ連通する3つの開口が形
成され、上記スプール弁には上記流量制御弁の吐出ポー
ト及び吸込ポート間を連通可能な第1油路と上記流量制
御弁の吸込ポート及び上記油圧ポンプの吸込ポート間を
連通可能な第2油路とが形成され、上記第1油路と上記
流量制御弁の吸込ポートの開口とで第1可変オリフィス
が形成され、上記第2油路と上記流量制御弁の吸込ポー
トの開口とで第2可変オリフィスが形成され、上記第1
及び第2可変オリフィスが上記オイルの吐出量を増減調
整することを特徴とする。
(作用) タイヤの操舵抵抗の大小情報を含む出力油圧が大きく
なると、第1可変オリフィスが拡大してパワーシリンダ
へのオイルの吐出量を増加でき、逆に出力油圧が小さく
なると、第1可変オリフィスが狭まり、第2可変オリフ
ィスが拡大してポンプの吐出するオイルをポンプの吸込
ポート側に戻すようになる。ここで、スプール弁上の第
1、第2油路と吸込みポートとにより形成された第1、
第2可変オリフィスの内、第1可変オリフィスが動力操
縦装置に供給される油量調整をし、第2可変オリフィス
が供給ポンプの流量を調整する。このため、パワーシリ
ンダへのオイル吐出量が、タイヤの操舵抵抗が大きい
時、即ち負荷が大きい時増加し、タイヤの操舵抵抗が小
さい時、即ち負荷が小さい時減少するようになる。
(実施例) 第1のパワーステアリング用流量制御装置は、第4図
に示した油圧回路A内の吐出量制御弁9及び流量制御弁
10を除き、それ以外の部材は同様の部材が用いられて構
成されているため、以下、重複部分の説明を略す。
油圧ポンプ8の吐出路30とステアリングギア側のパワ
ーシリンダ4,5との間には流量制御弁32が介装される。
流量制御弁32はポンプケーシング31内の摺動穴33と、
この摺動穴に摺動自在に嵌挿されたスプール弁34と、こ
のスプール弁を図中右方向に押圧する戻しばね35と、摺
動穴33に形成される3つの開口36,37,38と、開口36とポ
ンプの吐出路30を連通させる流量制御弁32の吸込ポート
39と、開口37とパワーシリンダ側を結ぶ流量制御弁32の
吐出ポート40と、開口38と油圧ポンプの吸込ポート15と
を結ぶ戻し路41と、摺動穴内の左側の第1油室42と吐出
ポート40を結ぶ連通路43と、摺動穴内の右側の第2油室
44と流量制御弁の吸込ポート39とを結ぶ連通路45と、ス
プール弁34に溝状に形成された第1油路46及び第2油路
47と、スプール弁34内部に形成され、出力油圧P2の過度
の上昇を規制すリリーフ弁48とで構成されている。
ここで、スプール弁34の第1油路46は開口37に対し常
時全開し、開口36に対してはその開口量を増減し、これ
により、パワーシリンダ4,5側への供給油の流量調整を
行う第1可変オリフィスA1が構成されている。他方、ス
プール弁34の第2油路47は開口38に対し常時全開し、開
口36に対してはその開口量を増減し、これにより、油圧
ポンプ8の吐出油の吐出量調整を行う第2可変オリフィ
スA2が構成されている。
ここでスプール弁34はその第1圧力室42側面に出力油
圧P2及び戻しばね38の押圧力が、第2圧力室44側面に吸
込ポート30の吐出圧P1がそれぞれ作用する。そしてスプ
ール弁34はこれは油圧及びばね力Fsの差S(P1−P2)+
Fsにより、即ち、出力圧力P2が大きいほど右に摺動し
て、第1可変オリフィスA1を拡大させるように作動す
る。ここで、Sはスプール弁34の断面積である。
このようなパワーステアリング用流量油量制御装置の
作動を第2図(a),(b),(c)と共に説明する。
ハンドル操舵によりステアリングシャフト3が回転
し、油路切り換え弁6が作動する。この時、各パワーシ
リンダ4,5はポンプ8より、流量制御弁32を介して出力
油圧P2で所要吐出流量Qの吐出油を、ハンドル切り方向
側のパワーシリンダ4あるいは5で受け、これにより操
舵力の倍力作動を行なう。
例えば、第2図(a)に示すように、負荷であるタイ
ヤの操舵抵抗が大きく、即ち、車庫入れのようにタイヤ
の操舵角が大きかったり、路面抵抗が大きいような悪路
での走行の場合には、出力油圧P2が高まり、差圧値(P1
−P2)が低下する大負荷域Iでの操舵がなされる。この
時スプール弁34は摺動穴の内側壁にストッパ50が当接す
る状態に入り、第1可変オリフィスA1が拡大し、第2可
変オリフィスA21が閉じ、パワーシリンダへのオイルの
吐出量は急増し、倍力率が高く保たれる。このため、十
分な操舵倍力さようを得て、車庫入れや悪路走破を容易
に行なうことができる。
次に、第2図(b)に示すように、負荷であるタイヤ
の操舵抵抗が中程度で、即ち、車両が市街地の舗装路を
走行するような場合には、出力油圧P2が中程度となり、
差圧値(P1−P2)が中程度の中負荷域IIでの操舵がなさ
れる。この時スプール弁34は摺動穴の中央に移動し、第
1及び第2可変オリフィスA1、A2が共に中間開度に保た
れ、パワーシリンダへのオイルの吐出量、及び、ポンプ
の吸込ポート15への吐出量は共に中程度の流量に保た
れ、操舵倍力率は中程度に保たれる。このため、的確な
操舵倍力によりスムーズな操舵フィーリングが得られ
る。
更に、第2図(c)に示すように、負荷であるタイヤ
の操舵抵抗が低減し、即ち、車両が高速道路の直線域を
走行したり、あるいは凍結路面のような低μ路を走行す
るような場合には、出力油圧P2が小さくなり、差圧値
(P1−P2)が大きな低負荷域IIIでの操舵がなされる。
この時スプール弁34は戻しばね35を圧縮し、摺動穴の
内側壁に左ストッパ50が近接する状態に入り、第1可変
オリフィスA1が絞られ、第2可変オリフィスA21が拡大
し、パワーシリンダへのオイルの吐出は控えられ、ポン
プの吸込ポート15への吐出量が急増し、倍力率は最小と
なる。このため、パワーステアリングに供給されるオイ
ル量は少なく操舵力は適当に重く、安定感が与えられ
る。
このように、第1図のパワーステアリング用流量油量
制御装置は、操舵抵抗である負荷に感応して吐出量を増
減させ、操舵力の倍力率を増減でき運転域全体での操舵
特性を向上させることができる。
(考案の効果) 以上のように、本考案はタイヤの操舵抵抗情報を含む
出力油圧とポンプの吐出圧との差圧に応じてスプール弁
が第1及び第2オリフィスの面積を増減させ、パワーシ
リンダへの吐出流量を増減させこれにより操舵力の倍力
率を増減させるので、全運転域での操舵特性が良好とな
る。特に、スプール弁上の第1、第2油路と吸込みポー
トとにより形成された第1、第2可変オリフィスの内、
第1可変オリフィスが動力操舵装置に供給される油量調
整をし、第2可変オリフィスが供給ポンプの流量を調整
でき、スプール弁が差圧に応じて作動した際に動力操舵
装置に供給される油量調整と、供給ポンプの流量調整が
同時に成され、構成を簡素化でき、コンパクト化が容易
で、コストを低く押えることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例としてのパワーステアリング
用油量制御装置の要部構成図、第2図(a),(b),
(c)は同上装置の流量制御弁の作動説明図、第3図
(a),(b),(c)は第2図(a),(b),
(c)にそれぞれ対応した差圧−オリフィス面積線図、
第4図は従来のパワーステアリング用油量制御装置が取
付けられた油圧回路図、第5図は第4図の装置の出力油
圧−操舵力特性線図、第6図は第4図の装置の吐出圧−
ポンプ回転数特性線図をそれぞれ示している。 1……ラック、2……ピニオン、4,5……パワーシリン
ダ、8……油圧ポンプ、15……ポンプの吸込ポート、30
……流量制御弁の吸込ポート、32……流量制御弁、33…
…摺動穴、34……スプール弁、40……吐出ポート、41…
…戻し路、46……第1油路、47……第2油路、A1……第
1オリフィス、A2……第2オリフィス、P1……吐出圧、
P2……出力油圧、A……油圧回路。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステアリングギアの操舵作動を加勢するパ
    ワーシリンダに油圧回路が接続され、上記油圧回路内の
    油圧ポンプからのオイルの吐出量を増減調整して上記パ
    ワーシリンダに供給するように構成されたパワーステア
    リング用流量制御装置において、上記油圧ポンプと上記
    パワーシリンダとの間に流量制御弁が介装され、上記流
    量制御弁の弁体は上記パワーシリンダ側に加わる出力油
    圧と上記油圧ポンプの吐出圧との差圧に応じて摺動穴内
    を摺動可能なスプール弁として形成され、上記摺動穴に
    は上記流量制御弁の吸込ポートと吐出ポート及び上記油
    圧ポンプの吸込ポートと吐出ポート及び上記油圧ポンプ
    の吸込ポートにそれぞれ連通する3つの開口が形成さ
    れ、上記スプール弁には上記流量制御弁の吐出ポート及
    び吸込ポート間を連通可能な第1油路と上記流量制御弁
    の吸込ポート及び上記油圧ポンプの吸込ポート間を連通
    可能な第2油路とが形成され、上記第1油路と上記流量
    制御弁の吸込ポートの開口とで第1可変オリフィスが形
    成され、上記第2油路と上記流量制御弁の吸込ポートの
    開口とで第2可変オリフィスが形成され、上記第1及び
    第2可変オリフィスが上記オイルの吐出量を増減調整す
    ることを特徴としたパワーステアリング用流量制御装
    置。
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