JP2520106Y2 - リヤシートのシートバック構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、リヤシートのシートバック上端部がリヤ
パーセルトリム前縁に設けた下方への前壁と重なるよう
に配設されたリヤシートのシートバック構造に関するも
のである。

（従来の技術） この種のリヤシートのシートバック構造としては、例
えば第３図に示した様なものがある。

このシートバック構造では、車室１の後部にリヤパー
セルトリム２が設けられ、このリヤパーセルトリム２の
前縁に下方に延びる前壁３が設けられていると共に、リ
ヤパーセルトリム２の前方に配設したリヤシート４のシ
ートバック５の上端部5aが前壁３に重なるように配設さ
れている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、シートバック５やリヤパーセルトリム
２等の寸法バラツキや組付上のバラツキにより、或は、
第４図に示した様に上端部5aの後端に設けられるコーナ
部5bの形状バラツキにより、上端部5aのコーナ部5bと前
壁３との間に生じる隙間６が一定せず、隙間６が大きい
場合には見栄え上好ましくなかっなた。

そこで、この考案は、この様な隙間の生じることのな
いリヤシートのシードバック構造を提供することを目的
とするものである。

（課題を解決するための手段） この目的を達成するため、この考案は、車室後部にリ
ヤパーセルトリムが設けられ、該リヤパーセルトリムの
前縁に下方に延びる前壁が設けられていると共に、前記
リヤパーセルトリムの前方に配設したリヤシートのシー
トバックの上端部が前記前壁に重なるように配設された
リヤシートのシートバック構造において、前記シートバ
ックの上端部には前記前壁側に突出するクッション部が
設けられ、前記クッション部には前記シートバック表面
の弾性表皮が弾性伸長された状態で添着されていると共
に、前記前壁には前記クッション部が弾接させられてい
るリヤシートのシートバック構造としたことを特徴とす
るものである。

（作用） この様な構成によれば、リヤシートを車両に組み込む
前は、シートバック上端部の後方に突出するクッション
部の弾性表皮が弾性伸長させられた状態となっている。

このリヤシートを車両に組み込んで、シートバックの
クッション部をリヤパーセルトリム前縁の前壁に弾接さ
せると、シートバック上端部とリヤパーセルトリムの前
壁との間に隙間が生じない。しかも、このクッション部
の弾接時には、クッション部が圧縮変形させられるが、
弾性表皮は自己の弾性力により縮小させられることにな
って皺とならない。この結果、弾性表皮自体も滑らかな
状態が保たれることになる。

（実施例） 以下、この考案の実施例を第１図，第２図に基づいて
説明する。

第２図において、10は自動車の車体、11は自動車の車
室、12は車室11の後部に設けられたリヤパーセルトリ
ム、13はリヤパーセルトリム12の前縁に設けられた下方
に延びる前壁、14リヤパーセルトリム12の前方に配設さ
れたリヤシート、15はリヤシート14のシートバックであ
る。このシートバック15の上端部15aは前壁13に重なる
ように配設されている。

このシートバック15の上端部15aには、第１図に示し
た如く、前壁13側に突出して、この前壁13に弾接するク
ッション部15bが設けられている。このクッション部15b
は、前壁13を取り除いた状態では、破線15b′で示した
様に前壁13の配設位置から寸法ａで示した量だけ後方に
突出して、前壁13の配設位置とオーバラップするように
設定されている。

このクッション部15bには、シートバック15の表面の
弾性表皮16が延設されている。この弾性表皮６は、クッ
ション部15bが前壁13に弾接していない自由状態で且
つ、弾性伸長させられた状態でクッション部15bに添着
されている。

この様な構成によれば、リヤシート14を車両に組み込
む前は、シートバック15上端部15aの後方に突出するク
ッション部15bの弾性表皮16が弾性伸長させられた状態
となっている。

このリヤシート14を車両に組み込んで、シートバック
14のクッション部15をリヤパーセルトリム12の前縁の前
壁13に弾接させると、シートバック15の上端部15aとリ
ヤパーセルトリム12の前壁13との間に隙間が生じない。
しかも、このクッション部15bの弾接時には、クッショ
ン部15bが圧縮変形させられるが、弾性表皮16は自己の
弾性力により縮小させられることになって皺とならな
い。この結果、弾性表皮16自体も滑らかな状態が保たれ
ることになる。

（考案の効果） 以上説明したように、この考案によれば、シートバッ
クの上端部には前記前壁側に突出するクッション部が設
けられ、前記クッション部には前記シートバック表面の
弾性表皮が弾性伸長された状態で添着されていると共
に、前記前壁には前記クッション部が弾接させられてい
る構成としたので、シートバックやリヤパーセルトリム
等の寸法バラツキや組付上のバラツキにより、或は、シ
ートバック上端部の後端に設けられるコーナ部の形状バ
ラツキ等があっても、シートバックの上端部とリヤパー
セルトリムの前壁との間に隙間が生ずることはなく、見
栄えの向上を図ることができる。しかも、このクッショ
ン部の圧縮変形によっても、弾性表皮に皺が生じないの
で、上記隙間をなくすために弾接突部を前壁に弾接させ
て圧縮変形させても、このクッション部の表面に皺が発
生せず、隙間とは異なる原因によって見栄えが損なわれ
るのも未然に防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案にかかるリヤシートのシートバック
構造の一実施例の要部を断面して示した説明図である。 第２図は、第１図に示したシートバック構造を備える自
動車の一部を破断して示した説明図である。 第３図は、従来のリヤシートのシートバック構造を備え
る自動車の一部を破断して示した説明図である。 第４図は、第３図の要部拡大説明図である。 11……車室 12……リヤパーセルトリム 13……前壁 14……リヤシート 15……シートバック 15a……上端部 15b……クッション部 16……弾性表皮

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車室後部にリヤパーセルトリムが設けら
   れ、該リヤパーセルトリムの前縁に下方に延びる前壁が
   設けられていると共に、前記リヤパーセルトリムの前方
   に配設したリヤシートのシートバックの上端部が前記前
   壁に重なるように配設されたリヤシートのシートバック
   構造において、 前記シートバックの上端部には前記前壁側に突出するク
   ッション部が設けられ、前記クッション部には前記シー
   トバック表面の弾性表皮が弾性伸長された状態で添着さ
   れていると共に、前記前壁には前記クッション部が弾接
   させられていることを特徴とするリヤシートのシートバ
   ック構造。