JP2520000Y2 - クリーム状物注出容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案はクリーム状物注出容器に関する。

「従来の技術及び考案が解決しようとする課題」 筒状の胴部を有する容器体と、該容器体に装着させた
縦型ポンプとを有し、縦型ポンプの押下げヘッドを上下
動させることにより容器体内のクリーム状物をポンプ下
端に嵌着した吸上げパイプより吸上げるとともに、押下
げヘッドのノズル孔より注出する如く構成してなるクリ
ーム状物注出容器が知られている。これらの容器は、収
納するクリーム状物が高粘度のため、クリーム状物上面
に当接載置して上面を被覆する可動蓋を、その内周縁を
吸上げパイプ外周に摺動可能に装着しているのが一般的
である。何故なら、クリーム状物は高粘度の為、可動蓋
がないと充填したクリーム状物内に吸上げパイプ下端よ
りクリーム状物上面に至る空孔が出来てしまい、内容物
の注出が著しく阻害される。従って、内容物の注出に伴
って可動蓋が下降し、該蓋によって常時クリーム状物上
面を概閉塞することによって上記空孔の発生を阻止する
様構成したものである。

従来のこの種の容器では、内容物の外気との遮断性等
の諸事情で容器体を剛性を有するプラスチックの射出成
形品で構成することが一般的であり、その際、容器体の
胴部が金型からの良好な抜き出し性を得るため、若干上
方に広がるテーパー状をなしているのが一般的である。
その為、従来の可動蓋ｉは第４図示の如く、吸上げパイ
プ外周を摺動下降可能に嵌着させる摺動筒iiの下部より
容器体内下端の内径と略等しい外径を有する被覆板iii
を突設して構成している。従って、クリーム状物の量が
多い場合には被覆板iii外周縁と容器体内周面との間に
隙間が生じ、この隙間から内容物が可動蓋ｉ上方へ浸入
し、注出されない内容物となり、特に容器体を倒した場
合などその量が著しく増加する場合があり好ましくな
い。

本考案は、上記した従来技術の欠点を解消したクリー
ム状物注出容器を提供することを目的とするものであ
る。

「課題を解決するための手段」 本考案クリーム状物注出容器は上記課題を解決するた
め、筒状胴部を有し且つ胴部の周壁７を上方に行くに従
ってその径を広げる如く構成してなる容器体２と、該容
器体２内に下端のシリンダー10を垂下させるとともに、
上端の押し下げヘッド14を容器体２上方へ上下動可能に
突出させて装着した縦型ポンプ３と、上記シリンダー10
に上端を嵌着するとともに、下端を容器体内下方まで垂
下させた吸上パイプ４とを備えてなるクリーム状物注出
容器に於いて、上記吸上パイプ４外周面を摺動下降可能
に装着させた摺動筒15下端縁よりクリーム状物16上面を
被覆する外向きフランジ状の被覆板17を延設するととも
に、該被覆板17外周縁より上方に行くに従って外方へ広
がるテーパー状で、且つその外周上部を容器体２内周面
に摺動下降可能に当接させた摺動壁18を立設し、且つ、
上記摺動壁18上面より複数の切り溝19を縦設させてなる
可動蓋５を設けてなることを特徴とするクリーム状物注
出容器として構成した。

「作用」 第１図示の状態から押下げヘッド14を上下動させて容
器体２内のクリーム状物16を吸上げパイプ４下端より吸
上げ、ヘッド14のノズルより注出する。この際、容器体
２内のクリーム状物16の減少に伴って可動蓋５が下降
し、常時クリーム状物上面を可動蓋が被覆しているた
め、クリーム状物16中に空孔が出来る等の不具合なくス
ムーズに内容物の注出を行える。又可動蓋５の摺動壁18
は、第１図示のごとく、容器体２の内径の変化にかかわ
らず常時その外周を容器体内周壁面に摺動して下降する
ため、クリーム状物が可動蓋５上方へ洩出して、注出不
可能になるという不具合を生じることはない。

「実施例」 以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。図
中１はクリーム状物注出容器を示し、該容器１は、容器
体２と、縦型ポンプ３と、吸上げパイプ４と、可動蓋５
とから構成している。

容器体２は、底壁６外周縁より、円筒状の周壁７を立
設し、周壁７上端縁より頂壁８を延設している。上記周
壁７は上方に行くに従って若干その径を広げて構成して
いる。

縦型ポンプ３は、容器体頂壁８裏面より垂設した嵌合
筒９内周に上端外周を嵌着するとともに、下端を容器体
内に垂下させたシリンダー10と、容器体頂壁８中央に穿
設した透孔外周縁より上方に立設した案内筒11内より上
方へ上下動可能に突出した作動部材12と、該部材12の上
端に嵌着したノズル13付押下げヘッド14等から構成した
公知のポンプ機構を有するものである。

吸上げパイプ４は、シリンダー10下部の第１縮径部外
周および第２縮径部外周を被覆して上端内周を嵌着して
おり、下端を容器体内下方迄垂下させている。

可動蓋５は、シリンダー10の外周面に摺動下降可能に
嵌合させるとともに、吸上げパイプ４外周面を摺動下降
可能に構成した摺動筒15の下端外周より、容器体内に充
填したクリーム状物16上面に下面を当接する外向きフラ
ンジ状の被覆板17を延設し、該被覆板17の外周縁より摺
動壁18を立設して構成している。この摺動壁18は、上方
に行くに従って外方へ広がるテーパー状をなし、その外
周上端を容器体内周面に摺動下降可能に当接させてい
る。又、この摺動壁18の前後左右の４ケ所に縦に切り溝
19を施しており、摺動壁18が弾性変形可能に構成してい
る。従って、下降するに従って縮径する容器体内周壁に
よって、その摺動壁18が縮径する如く弾性変形する。更
に、摺動筒15外周より被覆板17上面に延設した三角板状
のリブ20を複数設けている。このリブ20の存在により、
可動蓋５製造の際閉塞板17のソリを防止でき、閉塞板17
の底面をフラットに形成できる。又、このリブ20の存在
により、可動蓋５が容器体２内を下降する際、閉塞板17
に不均一な力が加わっても、閉塞板17が変形することを
極力防止でき、その結果可動蓋５のスムーズな下降が行
える。

尚、上記各部材は全て合成樹脂にて形成すると良い。

「考案の効果」 以上説明した如く本考案クリーム状物注出容器は、射
出成形により形成される如き、胴部の周壁を上方に行く
に従ってその径を広げる如く構成してなる容器体を備え
た注出容器であって、吸上パイプ外周面を摺動下降可能
に装着させた摺動筒下端縁よりクリーム状物上面を被覆
する外向きフランジ状の被覆板を延設するとともに、該
被覆板外周縁より上方に行くに従って外方へ広がるテー
パー状で、且つその外周上部を容器体内周面に摺動下降
可能に当接させた摺動壁を立設し、且つ、摺動壁上面よ
り複数の切り溝を縦設させてなる可動蓋を設けたので、
クリーム状物が可動蓋上方に洩出する虞はなく、また、
容器体胴部の径の減少に伴って各切り溝の隙が減少し、
その結果良好な摺動下降性を得られるとともに、摺動壁
に径の減少に伴う歪みが生じるのを極力防止でき、良好
な液密性を得られるものである。

又、その他胴部内面に製造状の誤差で凹凸が生じて
も、可動蓋の摺動壁がそれに沿って摺動下降する為、同
様に蓋上方への洩出を防止できる。

又、可動蓋の被覆板が容器体下端まで下降可能なた
め、容器体内のクリーム状物を無駄なく注出できる。

更に、この可動蓋により、吸上げパイプ下端よりクリ
ーム状物上面に至る透孔の発生を防止できることは言う
までもない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は本考案クリーム
状物注出容器の一実施例を示す縦断面図、第２図及び第
３図は可動蓋の一例を示し、第２図は要部切欠き正面
図、第３図は平面図、第４図は可動蓋の摺動下降を説明
する説明図、第５図は従来の可動蓋を示す要部切欠き正
面図である。 ２…容器体、３…縦型ポンプ ４…吸上げパイプ、５…可動蓋

フロントページの続き (72)考案者 阿部 孝之 東京都江東区大島３―２―６ 株式会社 吉野工業所内 (56)参考文献 特開 昭63−96050（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】筒状胴部を有し且つ胴部の周壁７を上方に
   行くに従ってその径を広げる如く構成してなる容器体２
   と、該容器体２内に下端のシリンダー10を垂下させると
   ともに、上端の押し下げヘッド14を容器体２上方へ上下
   動可能に突出させて装着した縦型ポンプ３と、上記シリ
   ンダー10に上端を嵌着するとともに、下端を容器体内下
   方まで垂下させた吸上パイプ４とを備えてなるクリーム
   状物注出容器に於いて、上記吸上パイプ４外周面を摺動
   下降可能に装着させた摺動筒15下端縁よりクリーム状物
   16上面を被覆する外向きフランジ状の被覆板17を延設す
   るとともに、該被覆板17外周縁より上方に行くに従って
   外方へ広がるテーパー状で、且つその外周上部を容器体
   ２内周面に摺動下降可能に当接させた摺動壁18を立設
   し、且つ、上記摺動壁18上面より複数の切り溝19を縦設
   させてなる可動蓋５を設けてなることを特徴とするクリ
   ーム状物注出容器。