JP2519864B2 - 熱矯正−焼なまし法においてマンドレルを装入するための装置 - Google Patents

熱矯正−焼なまし法においてマンドレルを装入するための装置

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JP2519864B2 JP5094753A JP9475393A JP2519864B2 JP 2519864 B2 JP2519864 B2 JP 2519864B2 JP 5094753 A JP5094753 A JP 5094753A JP 9475393 A JP9475393 A JP 9475393A JP 2519864 B2 JP2519864 B2 JP 2519864B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属の成形に係り、特に
細長い管状部材の形状および寸法の不規則の矯正に係
る。
【0002】
【従来の技術】産業用装置および公共用設備の部品の中
には、寸法および形状特性が重要であり、したがって極
めて厳密な規格に従って製造しなければならないものが
たくさんある。そのように重要な部品の中で注目すべき
ものは、米国特許第3,689,358号に開示されて
いるような核燃料集合体すなわちバンドルのフローチャ
ネルである。これらのチャネルは正方形断面の細長い管
状部品であり、その寸法は各辺が約6インチ、長さが1
4フィート程度になり得る。一般にこれらのチャネル
は、2つのU字形チャネル部分をシーム溶接して作成す
る。好ましい材料は、厚さ125ミル程度のジルカロイ
(Zircaloy)のようなジルコニウム合金である。これらの
フローチャネルは正確な寸法で製造する必要があるし、
しかも表面や側面の出っ張り、正方形でない断面、平行
でない辺、長手方向の反りや捩じり、などのような形状
の不規則をもっていてはならない。残念ながら、現在の
チャネル作成工程では形状および寸法の不規則ならびに
残留応力が残る。そのため、最終製造工程として熱矯正
/焼なまし工程によってこれらの不規則および応力を除
去しなければならない。
【0003】この熱矯正‐焼なまし工程では、ぴったり
嵌まる細長いマンドレルをチャネルの中に挿入し、不活
性雰囲気中でチャネルの温度を約1100°Fに上げ
る。チャネルとマンドレルの熱膨張が異なるため、マン
ドレルは膨張してチャネルに係合し、その結果チャネル
は塑性変形を起こして規定された最終形状になる。一般
に、外側に向かうマンドレルの力は、主として、チャネ
ルの長さ方向全体に渡ってその4つのコーナーに作用す
る。適当な焼なまし時間の後チャネルを室温に戻し、マ
ンドレルを引抜くと形状不規則および応力がほとんどな
い安定した形のチャネルが残る。マンドレルがチャネル
内部に侵入する時ある種の不規則によってチャネルとマ
ンドレルの間にすべり摩擦が生じるため、マンドレルの
挿入が極めて困難になることがあるということはすでに
判明している。しかし、特に重大な問題は、マンドレル
の挿入時、マンドレルの引抜き時、および/または、加
熱/冷却サイクル中の熱膨張の差に基づくマンドレルと
チャネル表面の相対運動時に、内部のコーナーの表面に
傷が付くことである。そのような傷は研磨作業によって
除かなければならず、そのためチャネルの機械的に重要
なコーナーの壁が薄くなる。もし除かなければこれらの
傷は原子炉炉心内で作動中に応力が集中する点となる。
したがってこのような傷は避けなければならない。
【0004】本出願の出願人に譲渡されているウィルク
ス(Wilks) の米国特許第5,027,635号の熱矯正
装置は、特に、熱矯正‐焼なまし法においてチャネル表
面の損傷を回避しつつチャネル内部へのマンドレルの挿
入/引抜きを容易にすることを目指したものである。こ
の特許の装置は4つの細長いダイエレメントを有するダ
イを含んでいる。まず最初にこのダイを、各々のダイエ
レメントがチャネルの4つのコーナー全体と接触して配
置されるようにしてチャネル中に挿入する。次に、複数
のローラを備えたマンドレルをチャネル中に挿入する。
これらのローラはダイエレメントと転がり接触をし、そ
れにより、ダイエレメントはチャネルのコーナーに押し
付けられるので挿入が容易になる。マンドレルは挿入と
引抜きの間、マンドレルではなく固定されたダイエレメ
ントと係合するので、チャネル内部のコーナー表面の傷
付きが避けられる。マンドレルとチャネルを適当な熱矯
正‐焼なまし温度に加熱したとき、マンドレルはこのマ
ンドレルに対するローラジャーナル取付け具よりも速く
膨張するので、マンドレルのベアリング表面はローラ周
囲を越えて外側に延びてダイエレメントと熱矯正係合状
態になる。この特許の装置では理論的に所望の目的が達
成されるが、実用上いくつかの欠点がある。すなわち、
マンドレルのデザインがかなり複雑であり、製造コスト
が極めて高い。また、熱サイクルを繰返すと、ローラジ
ャーナルは遊びが大きくなり過ぎるか、または動かなく
なる。したがって、マンドレルの滑らかな挿入を維持す
ると共にローラジャーナルの回復不能な損傷を避けるた
めには、あまりにも頻繁過ぎる調節およびメンテナンス
が必要である。もしチャネルがひどく変形していると、
たとえば過度に反ったり捩じれたりしていると、マンド
レルの挿入はローラを用いたとしても困難になる。
【0005】
【発明の概要】本発明により、熱矯正/焼なまし法に付
随して細長い管状部材中にマンドレルを挿入する作業を
容易にするために実施が便利で安価なマンドレルの装入
装置と方法が提供される。さらに本発明によると部材の
内面に損傷を与えることなくマンドレルを挿入できる。
【0006】これらの目的を達成するために、本発明の
装置は垂直に配向された固定具を含んでおり、この固定
具の中に、上部および下部のタイプレートによってまと
めて保持されている複数の細長いダイエレメントを有す
るダイが配置されている。ついで、矩形断面をしたチャ
ネルの形態の管状部材を、円形断面のダイエレメントが
これら部材の内部のコーナーに最も近い位置を占めるよ
うにしてダイを覆うように挿入する。その後細長い熱矯
正マンドレルをチャネル中に挿入する。このマンドレル
は断面がほぼ矩形であり、各コーナーに(マンドレルの
全長に渡って伸びる)直交して配置された一対の平面状
ベアリング面をもっている。各ベアリング面の対はマン
ドレル挿入中ダイエレメントのどれかひとつに係合す
る。この挿入はマンドレル内に振動エネルギーを誘導す
ることで容易になる。マンドレルの挿入をさらに容易に
するために、固定具はその4つの側面の各々に垂直に並
んだ一連のフォーミングシューを備えている。このフォ
ーミングシューは、必要に応じて、チャネルの外面に対
して押付けられてマンドレルが貫通する前にチャネルの
断面を四角くする。マンドレルが完全に挿入されたら、
チャネルは熱的に矯正および焼なましができる。
【0007】
【発明の詳細な開示】本発明の特徴と目的を充分に理解
するためには、添付の図面と共に以下の詳細な説明を参
照されたい。なお、図面中いくつかの図を通じて類似の
部品には相当する参照番号を付けてある。
【0008】本発明のマンドレル装入装置は、図1と図
2から分かるように、全体を10で示した固定具、全体
を12で示したダイ、および全体を14で示した熱矯正
マンドレル(図2および図5参照)を含んでいる。この
装置は、細長い管状チャネル15の熱矯正/焼なまし法
に伴って利用されるものである。このチャネル15は、
図示の具体例では核燃料集合体に使用する矩形のフロー
チャネルである。適当な熱矯正‐焼なまし方法と装置
は、本出願の出願人に譲渡されているハーモン(Harmon)
らの米国特許第4,989,433号(援用する)に開
示されている。
【0009】固定具10は垂直に配向したほぼ矩形の形
のフォーム16を含んでおり、このフォーム16は、そ
の4つの内面の各面上に、チャンバの垂直方向に沿って
それぞれの高さのところにある垂直に間隔をもって配置
された一連のフォーミングシュー18を装着する支持手
段となっている。各フォーミングシューは空気圧または
油圧シリンダーのような別個の線形アクチュエータ20
によって水平方向に往復運動する。
【0010】ダイ12はチャネル14の各コーナーにひ
とつずつ4つの細長いダイエレメント22を含んでい
る。図3を見ると最もよく分かるが、これらのダイエレ
メントの下端は矩形のバンド24の形態の下部タイプレ
ートによって保持されている。ダイエレメントはバンド
24の内側の各コーナーに対してピン26によって多少
緩く取付けられている。バンド24はチャネル15と大
体同じ断面積である。
【0011】図1と図4から分かるように、ダイエレメ
ント22の上端は上部タイプレート28内の対角線方向
に伸びたスロット28aを通って突き出ている。ダイエ
レメントの上端は段及びネジが切られておりボルト30
で締められる。このボルト30により、ダイエレメント
は図1に示してあるように上に向かって収束する関係で
タイプレートに締め付けられている。すなわち、ダイエ
レメントの上端間の間隔は、バンド24によって確保さ
れる下端間の間隔より小さい。タイプレート28の外寸
はチャネル15の内寸より小さい。
【0012】上部タイプレートのフック32を利用し
て、ホイスト(巻上げ機、図示してない)によりダイ1
2は固定具中を、フォーム16の床上に着座しそして引
込んだ、すなわち最も外方位置にある対向する一連のフ
ォーミングシュー20の間の垂直位置まで下がる。次に
このホイストによって、チャネル15がダイ12を覆う
ように固定具10中に挿入される。ダイエレメントが上
方へ収束しているため、チャネルは上部タイプレートに
触ることなく自由に通り過ぎ、ダイエレメントを覆って
下がり、チャネルとダイエレメントの接触は、チャネル
の下端が下部タイプレートバンド24の上端に達する際
に偶発的に少し起こるだけである。その後、線形アクチ
ュエータ20を同調して駆動させ、フォーミングシュー
20を延ばし、チャネルの4つの側面全部に係合させて
チャネルを固定具10内の中心に合わせる。
【0013】チャネルをマンドレル挿入に備えさせるに
は、上部タイプレート28を除き、ダイエレメントを手
操作でチャネルのコーナーに配置させる。ダイエレメン
トの上端は、一時的にフォーム16につなぎ止めて、そ
のチャネルのコーナーに相当する位置を最初のマンドレ
ル挿入位置に保つことができる。図5で最もよく分かる
ように、マンドレル14は断面が矩形であり、その外面
寸法はチャネルの内面寸法より20ミル程度小さい。マ
ンドレルのコーナーには切欠きがあり、マンドレルの全
長に渡って伸びて対をなしている直交平面状ベアリング
面33を形成している。マンドレルを貫通して内部通路
14aがあり、高温の不活性ガス(アルゴンなど)が流
れるようになっている。ホイストを用いて、マンドレル
をつりフック34によって持上げて固定具10の上方で
垂直に配向させ、手操作でマンドレルを回して、マンド
レルのコーナーの切欠きがダイエレメント22と垂直方
向にそろって並ぶように配向させる。次いで、マンドレ
ルを下げて、対になったベアリング面の下部案内端をチ
ャネル15の上方に伸びているダイエレメントの上端に
係合させる(図2参照)。ダイエレメントを正規の位置
に保持している結合を解き、ホイストでマンドレルを下
げるにつれてマンドレルの挿入が進行する。
【0014】挿入が進行するにつれて、マンドレルのベ
アリング面33がダイエレメントをチャネルの内部の4
つのコーナーに押付けてチャネルをほぼ必要な形状にま
で弾性的に矯正する。ダイエレメントは円柱形(円形断
面)であるので、ダイエレメントとこれに係合するマン
ドレルのベアリング面とはほぼ垂直に線接触をする。し
たがってマンドレルの挿入を妨げる摩擦力が低減する。
また、挿入の間潤滑剤として脱イオン水をベアリング面
に吹き付けることによってさらに摩擦を低減すると好ま
しい。平面状表面の案内端は、ダイエレメントの傷付き
を避けるために斜めに面取りをすることができる。ダイ
エレメントは円柱状であるので、標準的なステンレスス
チール棒材を利用できる。すなわち、円形でない断面に
棒を機械加工する必要性がない。
【0015】マンドレルの挿入を補助する追加手段とし
て、図2に示してあるように、マンドレルの頂部端にバ
イブレータ36を取付ける。このバイブレータを作動さ
せるとマンドレル内に振動エネルギーが誘導されて挿入
が推進される。ときには、マンドレルが動かなくなって
挿入が停止してしまうほどにチャネルの形状が歪んでい
ることがある。そのような場合には、マンドレルの案内
端に最も近い水平方向の一組のフォーミングシュー18
を、その線形アクチュエータ20によって対面するチャ
ネル部分の4つの面全部に同時に押付けて、局部的な形
状の不規則を取除き、挿入を進行させることができる。
【0016】本発明の方法と装置は、マンドレルの装入
を容易にすることに加えて、マンドレルの挿入の間のチ
ャネルの内面の損傷を回避する。これは、マンドレルが
もっぱらダイエレメント22と係合し、このダイエレメ
ント自体がチャネルのコーナーと係合するという事実に
基づいている。これらのダイエレメントはマンドレルの
挿入の間ほとんど静止しているので、マンドレルとの間
には表面に損傷を与える滑り係合がまったくない。
【0017】以上のことから分かるように、本発明の目
的は、以上の詳細な説明から明らかになったものも含め
て、効率良く達成される。また、本発明から逸脱するこ
となく以上に説明した構成と方法にいくらかの変更をな
し得るのであるから、細かな点は単なる例示であり、限
定するものでないことも分かるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマンドレル装入装置の一部を断面とし
た立面図であり、固定具内に配置されたコーナーダイと
このダイを覆って挿入されようとしている細長いチャネ
ルとを示している。
【図2】図1の装置の一部を断面とし一部を取去った立
面図であり、一部挿入された状態の熱矯正マンドレルを
示している。
【図3】図1の3−3線に沿って見た断面図である。
【図4】図1の4−4線に沿って見た断面図である。
【図5】図2の5−5線に沿って見た断面図である。
【符号の説明】
10 固定具、 12 ダイ、 14 熱矯正マンドレル、 15 チャネル、 18 フォーミングシュー、 20 アクチュエータ、 22 ダイエレメント、 24 下部タイプレート、 28 上部タイプレート、 33 ベアリング面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 グロバー・トーマス・ヘンリイ アメリカ合衆国、ノース・カロライナ 州、バーガウ、ボックス・1633、ルー ト・1(番地なし)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コーナーで接合されて、開放された内部
    を規定している本質的に平坦な複数の側面を有する細長
    いチャネルの熱矯正に使用するための装置であって、 A)垂直に配向された細長い固定具、 B)上部タイプレートおよび下部タイプレートにより組
    み立てて保持されている複数の細長い円柱状ダイエレメ
    ントを含んでおり、前記固定具内に位置づけられている
    ダイであって、チャネルを前記固定具内で前記ダイの回
    りに位置づけたときに前記ダイエレメントのひとつが各
    チャネルコーナーの内面と接触した同長関係で垂直に配
    置されているダイ、ならびに C)チャネル内部を通して下向きに挿入される細長いマ
    ンドレルであって、実質的に同長で直交した関係にある
    別々の対の平面状のベアリング面を有しており、これら
    面がマンドレルの挿入中前記ダイエレメントのひと
    つと連続的線接触をなして滑り係合するように配列され
    ていて、それにより、チャネル内部へのマンドレルの挿
    入中前記ダイエレメントが前記チャネルコーナーに対し
    て次第に外側に向かって押付けられて、実質的に熱矯正
    に備えて規定された幾何学形状になるまでチャネルを弾
    性的に矯正する、マンドレルを組み合わせて含む装置。
  2. 【請求項2】 さらに、前記マンドレル中に振動エネル
    ギーを誘導して挿入を促進するための手段も含んでい
    る、請求項記載の装置。
  3. 【請求項3】 前記固定具が、チャネル外面に対して対
    向して内側に向かう力を及ぼして、マンドレルの挿入を
    妨げる幾何学的不規則をチャネルから取除くための手段
    を含んでいる、請求項記載の装置。
  4. 【請求項4】 前記力を及ぼす固定具手段が、前記固定
    具の高さに沿って分配された別々の一連のフォーミング
    シュー[各一連のフォーミングシューは別々のチャネル
    側面に対して対面する関係に位置づけてある]と、選択
    された前記フォーミングシューを強制的に押付けてチャ
    ネル側面に矯正係合させるための線形アクチュエータと
    を含んでいる、請求項記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記上部タイプレートが上方に向かって
    収束する関係に前記ダイエレメントを保持していて、チ
    ャネルが前記ダイを取囲む位置まで下降したときに前記
    ダイエレメントとの接触を最小にする、請求項記載の
    装置。
  6. 【請求項6】 さらに、前記マンドレル中に振動エネル
    ギーを誘導して挿入を促進するための手段も含んでい
    る、請求項記載の装置。
  7. 【請求項7】 前記対の各々の前記ベアリング面が直交
    した関係にある、請求項に記載の装置。
JP5094753A 1992-04-24 1993-04-22 熱矯正−焼なまし法においてマンドレルを装入するための装置 Expired - Lifetime JP2519864B2 (ja)

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US07/873,141 US5231863A (en) 1992-04-24 1992-04-24 Mandrel loading method and apparatus in a thermal sizing-annealing process
US873141 1992-04-24

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JPH0615361A JPH0615361A (ja) 1994-01-25
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TW (1) TW221036B (ja)

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