JP2518889Y2 - ラックピニオン式ステアリング装置のブーツ - Google Patents

ラックピニオン式ステアリング装置のブーツ

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JP2518889Y2
JP2518889Y2 JP10854990U JP10854990U JP2518889Y2 JP 2518889 Y2 JP2518889 Y2 JP 2518889Y2 JP 10854990 U JP10854990 U JP 10854990U JP 10854990 U JP10854990 U JP 10854990U JP 2518889 Y2 JP2518889 Y2 JP 2518889Y2
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rack
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敏也 小田
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自動車機器株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ラックピニオン式ステアリング装置に係
り、特に、ラック端部とタイロッドとの連結部の周囲に
装着されたブーツの形状に関するものである。
〔従来の技術〕
ラックピニオン式ステアリング装置は、ラックハウジ
ング内に摺動自在に支持されたラックと、このラックに
噛み合うピニオンと、ラック両端にボールジョイントを
介して連結されたタイロッドとを備えており、ラックと
タイロッドとの連結部の周囲にはブーツが装着されてい
る。
第3図に示すように従来のブーツ(100)は、その端
部(100a)がラックハウジング(102)の端部寄りに形
成された環状溝(102a)内に装着され、外周面に形成さ
れたワイヤ巻付溝(100b)内に巻き付けられたワイヤ
(104)によってラックハウジング(102)に固定されて
いる。上記構成のブーツ(100)では、所定のシール長
さ(A)が必要であるため、ワイヤ巻付溝(100b)の幅
(C)が巻き付けられたワイヤ(104)の幅(B)より
も大幅に大きくなってしまう。このように幅の広い巻付
溝(100b)では、ワイヤ(104)が斜めに巻き付けられ
てしまう場合があり、後にワイヤ(104)がゆるむ原因
となりシール不良を起こすおそれがあった。
そこで、ワイヤ(104)を斜めに巻き付けることを防
止するために、第4図のように、ワイヤ巻付溝(100b)
の両側の肉厚を大きくして溝幅(C)を狭くする構成が
考えられた。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら、ブーツ(100)を第4図の形状にする
と、ラックハウジング(102)の環状溝(102a)内に嵌
着される部分の剛性が必要以上に上がってしまい組付性
が悪くなるという問題があった。また、材料の必要量が
増加しコストアップになるという欠点もあった。
本考案は、上記欠点を除くためになされたもので、ブ
ーツ端部の肉厚を増大することなく、ワイヤを斜めに巻
き付けることを防止できるラックピニオン式ステアリン
グ装置のブーツを提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本考案に係るラックピニオン式ステアリング装置のブ
ーツは、ハウジング内に摺動可能に支持されたラック
と、このラック端にボールジョイントを介して連結され
たタイロッドとを備えたラックピニオン式ステアリング
装置の、ハウジングの端部とタイロッド側との連結部の
周囲に装着されており、その端部外周に、ワイヤを巻き
付ける環状溝と、この環状溝の幅を制限してワイヤの巻
き付け位置を規制する環状突部とを形成したものであ
る。
〔作用〕
本考案に係るラックピニオン式ステアリング装置のブ
ーツでは、環状溝内にワイヤを巻き付けて固定する際
に、環状突部によってガイドされるので斜めに巻き付け
てしまうおそれがない。
〔実施例〕
以下、図示実施例により本考案を説明する。第2図
は、本考案の一実施例に係るラックピニオン式パワース
テアリング装置の一端を示す図であり、ラックハウジン
グ(2)内に、図示しないピニオンに噛み合うラック
(4)が往復動可能に支持されている。ラック(4)の
端部には、ボールジョイント(6)を介してタイロッド
(8)が連結されている。ラック(4)とボールジョイ
ント(6)との間にはブラケット(10)が介装され、こ
のブラケット(10)とラックハウジング(2)との間に
ブーツ(12)が装着され巻き付けられたワイヤ(14),
(15)によって固定されている。また、ボールジョイン
ト(6)とタイロッド(8)の周囲にもブーツ(16)が
装着されワイヤ(18),(19)によって固定されてい
る。
ラックハウジング(2)とブラケット(10)との間の
ブーツ(12)はシール性能を確保するため、両側の固定
部分に所定の長さを必要としている。この固定部分につ
いて第1図により詳細に説明する。ラックハウジング
(2)の端部寄りには環状溝(2a)が形成され、この溝
(2a)内にブーツ(12)の端部(12a)が嵌着されてい
る。ブーツ端部(12a)の外周には、巻き付けられたワ
イヤ(14)の位置を規制する環状の突部(12b)と、こ
の突部(12b)によって分割された2本の環状溝(12
c),(12d)が形成されている。2本の環状溝(12
c),(12d)の一方(12c)は、ワイヤ(14)を巻き付
けるための溝であり、ワイヤ(14)の幅(B)とほぼ等
しいかあるいはやや大きい幅(C)を有しており、他方
の溝(12d)は、ワイヤ巻付溝(12c)を環状突部(12
b)によって区画した残部であり、ラックハウジング
(2)の環状溝(2a)の幅(A)と、ワイヤ巻付溝(12
c)および環状突部(12b)の幅とによって決定される
が、この幅(D)はワイヤ(14)の幅(B)よりも小さ
いものとする。
ブーツ端部(12a)の形状を上記のようにしたことに
より、ワイヤ(14)が斜めに巻き付けられるおそれがな
くワイヤ(14)のゆるみを防止することができる。ま
た、材料所要量の増加が少ないためコストアップも僅か
ですみ、しかも、肉厚を厚くする必要がないので組付性
に与える影響も少ない。また、ワイヤ巻付溝(12c)で
ないほうの溝(12d)の幅(D)をワイヤ(14)の幅
(B)よりも狭くしたのでこの溝(12d)に誤ってワイ
ヤ(14)が巻き付けられてしまうおそれがない。
〔考案の効果〕
以上述べたように本考案によれば、組付性の悪化やコ
ストアップ等の不具合もなくブーツの外周に巻き付けた
ワイヤのゆるみを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例に係るラックピニオン式ステ
アリング装置のブーツの要部を示す縦断面図、第2図は
ラックピニオン式ステアリング装置の縦断面図、第3図
および第4図は従来のブーツの形状を示す縦断面図であ
る。 (2)……ハウジング (4)……ラック (6)……ボールジョイント (8)……タイロッド (12)……ブーツ (12b)……ブーツの環状突部 (12c)……ブーツの環状溝 (14)……ワイヤ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハウジング内に摺動可能に支持されたラッ
    クと、このラック端にボールジョイントを介して連結さ
    れたタイロッドと、ハウジングの端部とタイロッド側と
    の連結部の周囲に装着されたブーツと、このブーツの端
    部外周に形成された環状溝内に巻き付けられてブーツを
    固定するワイヤとを備えたラックピニオン式ステアリン
    グ装置において、上記環状溝内にワイヤの巻き付け位置
    を規制する環状突部を形成したことを特徴とするラック
    ピニオン式ステアリング装置のブーツ。
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