JP2518417Y2 - 電動式サンルーフのスイッチカバー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は車室内の天井面に取付けられ、電動式サンル
ーフを操作するためのスイッチを覆う電動式サンルーフ
のスイッチカバーに関する。更に詳しくはプリペイドカ
ード、クレジットカード、キャッシュカード、名刺、通
行券、チケット、伝票等を収納もしくは保持し得るスイ
ッチカバーに関するものである。

［従来の技術］ 電動式サンルーフは、車室内の天井面に駆動モータ
と、このモータを制御するスイッチとを備え、このスイ
ッチを切換えることによりモータの駆動力で、サンルー
フを後方にスライドさせたり、或いはその後端をチルト
アップさせたりしている。

上記スイッチを覆うカバーは、駆動モータを含むサン
ルーフ駆動機構が万一故障したときに、手動でサンルー
フを操作できるように、スイッチ本体以外のサンルーフ
駆動機構を覆っていて、この部分のカバーには駆動機構
を手動で操作するための通孔を設けている。

［考案が解決しようとする課題］ 近年、車両燃料等の給油用プリペイドカードが出現し
ているが、車両にはこのカードの適当な収納場所がな
い。

また、従来の車室内には、有料道路の通行券や車両に
関する伝票類を一時的に保持しておく適切な保持具がな
く、不使用時のサンバイザに挟む場合があるが、サンバ
イザを使用するときには通行券等を保持することができ
ない。

本考案の目的は、プリペイドカード、クレジットカー
ド、キャッシュカード、名刺、通行券、チケット、伝票
等（本明細書ではこれらを単に「カード」という）を収
納することができ、かつ簡単に取り出すことができる電
動式サンルーフのスイッチカバーを提供することにあ
る。

［課題を解決するための手段］ 本考案者は、従来のスイッチカバーの広い部分が電動
式サンルーフの駆動機構を覆うだけで、その車室内側の
面には何も設けられていない点に着目し、本考案に到達
した。

本考案は図１、図３及び図８に示すように、車室内の
天井面13に取付けられ、電動式サンルーフ12を操作する
ためのスイッチ14を覆う電動式サンルーフのスイッチカ
バーであって、その特徴とするところは、カバー本体21
に枢着され内側にカード17を収納可能な凹部27が形成さ
れた蓋24と、蓋24をカバー本体21に圧接するばね手段31
とを備え、凹部27が蓋24のカバー本体21への圧接時にカ
バー本体21に向って突出する突起27aを有することにあ
る。

［作用］ ばね31付きの蓋24を開けてカード17を入れるだけの簡
便な操作で、カード17をスイッチカバー20に収納でき
る。収納したカード17を取出すときには、蓋24を開けて
カード17の一部分を指で押せば、カード17の他の部分が
浮上するので、この浮上した部分を先端にして凹部27か
ら取出す。

［実施例］ 次に本考案の実施例を図面に基づいて詳しく説明す
る。

第８図に示すように、自動車10のルーフパネル11の一
部には図示しない駆動モータでスライドするサンルーフ
12が設けられ、その室内の天井面13にはこのサンルーフ
12を操作するためのスイッチ14（第１図）を覆うスイッ
チカバー20が取付けられる。16はサンバイザである。

第１図に詳しく示すように、スイッチカバー20は合成
樹脂の成型体であって、そのカバー本体21の右側にはサ
ンルーフ12（第８図）をスライドさせるためのスイッチ
14が没入可能に突設され、その中央から左側にかけてカ
ード17を収納可能な浅くて平坦な凹部22が形成される。
この凹部22の背面には図示しないサンルーフ駆動機構が
設けられる。23はその駆動機構を手動で操作するための
通孔である。

カバー本体21には凹部22を覆う蓋24が一対のヒンジ機
構26により枢着される。この例では凹部22及び蓋24はプ
リペイドカードの大きさを有する。25はそのヒンジピン
であって、蓋24の後端に設けられる。蓋24の内面にはカ
ード17を収納可能な凹部27が形成され、その外面前端の
中央には蓋24を開けるための指掛け28が形成される。

この例では凹部27のヒンジ機構26から１〜2cm程度蓋
開放側に、蓋24のカバー本体21への圧接時にカバー本体
21に向って突出する半球状の突起27cが形成される。

第１図及び第３図に詳しく示すように、蓋24の左端近
傍にはアーム29が固着され、このアーム29は凹部22の貫
通孔22aを通ってカバー本体21の背面に形成されたばね
箱30内に延びる。ばね箱30にはばね31を支持する支軸32
が設けられ、ばね31はアーム29の先端に設けられた係合
軸33に係合して蓋24をカバー本体21に圧接するように付
勢する。34はガイド板であって、蓋24を開くときに係合
軸33を案内する。

このような構成のスイッチカバー20にカード17を収納
するには、第２図の閉じた状態の蓋24の指掛け28に指を
掛けて下方に引き、蓋24を開ける。蓋24の凹部27にカー
ド17を入れて、蓋24を離せばばね31の弾発力により蓋24
は自動的に閉じ、カード17が収納される。

また収納したカード17を取出すときには、第２図の閉
じた状態の蓋24の指掛け28に指を掛けて下方に引き、蓋
24を開ける。この状態で第５図に示すように親指Ｔを蓋
24の表面に置いて人差し指Ｆをヒンジ機構26の近くまで
入れ、カード17の蓋枢着側の一部分をこの指Ｆで押す
と、カード17の蓋開放側の部分が蓋24の端縁より浮上す
る。続いて第６図に示すように指Ｆでカード17を押えた
まま下方にずらすと、カード17の蓋開放側の端部が蓋24
の端縁に引掛からずに引出され、第７図に示すように人
差し指Ｆと親指Ｔでカード17を掴むことができる。

なお、上記例では蓋24の凹部27に一対の半球状の突起
27aを形成したが、第９図に示すように蒲鉾状の突起27b
を車幅方向に形成してもよく、また突起の代わりに、第
10図及び第11図に示すように凹部27の蓋枢着側を深くし
て段差部27cを形成するようにしてもよい。

［考案の効果］ 以上述べたように、本考案によれば、利用目的の乏し
かった電動式サンルーフのスイッチカバーの表面にカー
ドの収納機構を設けたので、走行中の振動等で落下せ
ず、運転操作中であっても、手軽にカードを収納するこ
とができ、かつ必要時には素速く簡単に取り出すことが
できる。

特に、運転席のインストルメントパネルから離れた天
井の収納するため、カードをどこに収納したか忘れるこ
とがない利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例電動式サンルーフのスイッチカ
バーの蓋を開けた状態の斜視図。 第２図はその蓋を閉じた状態の斜視図。 第３図は第２図のＡ−Ａ線断面図。 第４図は第２図のＢ−Ｂ線断面図。 第５図、第６図及び第７図は収納したカードを取出す状
況を示す断面図。 第８図は本実施例スイッチカバーを含む自動車の要部斜
視図。 第９図は本考案の別の実施例電動式サンルーフのスイッ
チカバーの蓋を開けた状態の斜視図。 第10図は本考案の更に別の実施例電動式サンルーフのス
イッチカバーの蓋を開けた状態の斜視図。 第11図は第10図のスイッチカバーの蓋を閉じた状態の断
面図。 12:電動式サンルーフ、13:車室内の天井面、14:電動式
サンルーフのスイッチ、17:カード、20:スイッチカバ
ー、21:カバー本体、24:蓋、26:ヒンジ機構、27:凹部、
27a,27b:突起、27c:段差部、31:ばね。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車室内の天井面（13）に取付けられ、電動
   式サンルーフ（12）を操作するためのスイッチ（14）を
   覆う電動式サンルーフのスイッチカバーであって、 カバー本体（21）に枢着され内側にカード（17）を収納
   可能な凹部（27）が形成された蓋（24）と、 前記蓋（24）を前記カバー本体（21）に圧接するばね手
   段（31）と を備え、 前記凹部（27）が前記蓋（24）の前記カバー本体（21）
   への圧接時に前記カバー本体（21）に向って突出する突
   起（27a,27b）又は前記蓋（24）の枢着側を深くするこ
   とにより形成された段差部（27c）を有する ことを特徴とする電動式サンルーフのスイッチカバー。