JP2518270B2 - 自動変速装置の油圧制御方法 - Google Patents

自動変速装置の油圧制御方法

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JP2518270B2
JP2518270B2 JP62097019A JP9701987A JP2518270B2 JP 2518270 B2 JP2518270 B2 JP 2518270B2 JP 62097019 A JP62097019 A JP 62097019A JP 9701987 A JP9701987 A JP 9701987A JP 2518270 B2 JP2518270 B2 JP 2518270B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、車両用自動変速装置の油圧制御方法に関
する。
(従来の技術及びその問題点) 電子制御自動変速装置の変速中における変速クラッチ
(摩擦係合要素)に供給される作動油圧を、スロットル
弁の弁開度や車速を検出し、これらから予め決められた
電気量を作動油圧制御用ソレノイド弁に付加して調整す
るものが知られている。斯かる従来の自動変速装置にお
いて、スロットル弁の弁開度や車速の検出値は変速装置
に入力する伝達トルクを必ずしも正確に表すパラメータ
でないので、変速ショックがなく円滑迅速な変速を確実
に行うことが出来ない。
又、変速時における変速装置の入力軸回転速度の変化
率を検出し、これを目標変化率に合致させるように、結
合側クラッチ又は解放側クラッチへの供給圧をフィード
バック制御するものが知られている。しかしながら、こ
の種のフィードバック制御は、変速中にスロットル弁の
弁開度が急変する場合における追随性が悪いと、入力軸
の回転変化率をハンチングさせ、これに伴って出力トル
クもハンチングさせてしまい、円滑な変速が出来ない。
又、変速開始時のクラッチへの供給圧(初期値)が適正
でなければ、この場合にもハンチングが生じ易い。
上述の不都合を解消するためには変速装置の入力軸ト
ルクの瞬時値を検出し、これを変速用クラッチの油圧制
御に用いることが要請される。
従来、動力伝達軸の軸トルクを検出する方法として、
歪ゲージや磁歪を利用してこれを検出する方法が知られ
ているが、これらのセンサは大形であり、検出値への熱
的影響が大きく、回転体である軸トルクを検出するため
にはスリップリングが必要になり、スリップリングの信
頼性及びコトスに問題があった。
スロットル弁の弁開度とエンジン回転数に応じてエン
ジンの発生トルクをマップ化しておき、これらの検出値
に応じてトルク値を演算する方法が考えられるが、エン
ジン性能の劣化に対応することが難しく、エンジン温度
(エンジン水温)の変化に対しても対応出来ないという
問題がある。また、ターボチャージャ等の過給機を備え
るエンジンにあっては、急加速時のタイムラグにより発
生トルクを上記スロットル弁の弁開度及びエンジン回転
数だけでは正確に検出し得ないという問題がある。
更に、燃料噴射量と吸気量に応じて発生トルクをマッ
プ化しておき、これらの検出値に応じてトルク値を演算
する方法も考えられるが、クランク軸等のフリクション
ロスが変化すると演算トルク値に誤差が生じてしまう。
又、エンジン温度によっても誤差が大きいという問題が
ある。
本発明は斯かる問題点を解決するためになされたもの
で、動力伝達系の伝達トルクを大掛かりな検出装置を用
いないで正確に且つ確実に変速装置の入力軸トルクの瞬
時値を検出し、追随性がよく安定な自動変速装置の油圧
制御方法を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 上述の目的を達成するために本発明に依れば、伝達ト
ルクが検出可能な駆動力伝達装置を介してエンジンの駆
動力が変速装置に伝達され、更に、該変速装置の変速用
摩擦係合要素による変速段の切換により適宜の変速段に
変速されて車輪に伝達される駆動系の、前記変速装置の
油圧制御方法において、前記エンジンの回転数の変化率
を検出し、前記駆動力伝達装置の検出された伝達トルク
と、前記検出したエンジン回転数変化率に所定値を乗算
した積値とを加算し、該加算値に応じて前記変速用摩擦
係合要素のトルク容量を制御することを特徴とする自動
変速装置の油圧制御方法が提供される。
(作用) 本発明は、内燃エンジンの爆発による平均トルクから
該エンジンのフリクションロスを差し引いた正味エンジ
ントルクは、トルクコンバータ等の駆動力伝達装置の伝
達トルクと、エンジン回転数変化率にクランク軸回転イ
ナーシャ等の所定値を乗算した積値との加算値として演
算することができるとの知見に基づくもので、駆動力伝
達装置の検出された伝達トルクと、検出したエンジン回
転数変化率から変速装置の入力軸トルクの瞬時値の演算
が可能になり、この演算された入力軸トルクの瞬時値を
用いて変速用摩擦係合要素に供給されるを作動油圧を調
整すれば、追随性がよく安定な変速用摩擦係合要素のト
ルク容量の制御が可能になる。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を図面に基づき詳細に説明す
る。
第1図は、本発明方法を実施する車両用の、トルクコ
ンバータを備える電子制御自動変速装置の概略構成を示
し、内燃エンジン10は、例えば6気筒エンジンであり、
そのクランク軸10aにはフライホイール11が取り付けら
れ、該フライホイール11を介して、駆動力伝達装置とし
てのトルクコンバータ20の駆動軸21の一端がクランク軸
10aに直結されている。トルクコンバータ20はケーシン
グ20a、ポンプ23、ステータ24、及びタービン25からな
り、ポンプ23はトルクコンバータ20の入力用ケーシング
22を介して前記駆動軸21の他端に連結され、ステータ24
はワンウェイクラッチ24aを介してケーシング20aに連結
されている。又、タービン25は歯車変速装置30の入力軸
30aに接続されている。
本実施例のトルクコンバータ20はスリップ式の直結ク
ラッチ、例えばダンパクラッチ28を備えており、このダ
ンパクラッチ28は入力用ケーシング22とタービン25間に
介装され、係合時(直結時)においても適宜のスリップ
を許容してトルクコンバータ20のポンプ23とタービン25
とを機械的に直結させるもので、ダンパクラッチ28のス
リップ量、即ち、ダンパクラッチ28を介して伝達される
トルクはダンパクラッチ油圧制御回路50により外部から
制御される。ダンパクラッチ油圧制御回路50は、ダンパ
クラッチコントロールバルブ52及びダンパクラッチコン
トロールソレノイドバルブ54からなり、ソレノイドバル
ブ54は常閉型のオンオフ弁であり、そのソレノイド54a
はトランスミッションコントロールユニット(以下これ
を「TCU」という)16に電気的に接続されている。ダン
パクラッチコントロールバルブ52はダンパクラッチ28に
供給される作動油の油路を切り換えると共に、ダンパク
ラッチ28に作用する油圧を制御する。即ち、ダンパクラ
ッチコントロールバルブ52はスプール52aと、このスプ
ール52aの図示左端面が臨む左端室52bに収容され、スプ
ール52aを図示右方向に押圧するバネ52cとから構成さ
れ、左端室52bには図示しないパイロット油圧源に連通
するパイロット油路55が接続されている。パイロット油
路55にはドレン側に通過する分岐路55aが接続され、こ
の分岐路55a途中に前記ソレノイドバルブ54が配設され
て、ソレノイドバルブ54の開閉により左端室52bに供給
されるパイロット油圧の大きさが制御される。スプール
52aの右端面が臨む右端室52dにも前記パイロット油圧源
からのパイロット油圧が供給されている。
左端室52bにパイロット油圧が作用してダンパクラッ
チコントロールバルブ52のスプール52aが図示右極限位
置に移動するとトルクコンバータ20に供給されたトルク
コンバータ(T/C)潤滑油圧が油路56、コントロールバ
ルブ52、油路57を介して、入力用ケーシング22とダンパ
クラッチ28間に形成される油圧室に供給され、ダンパク
ラッチ28の係合が解除させる。一方、左端室52bにパイ
ロット油圧が供給されず、スプール52aが図示左極限位
置に移動すると、図示しない油圧ポンプからのライン圧
が油路58、コントロールバルブ52、油路59を介して、ダ
ンパクラッチ28とタービン25間に形成される油圧室に供
給され、ダンパクラッチ28を入力用ケーシング22に摩擦
係合させる。
TCU16によりダンパクラッチソレノイドバルブ54のデ
ューティ率Dcを制御するとスプール52aは左端室52bに作
用するパイロット油圧とバネ52cのバネ力の合力が、右
端室52dに作用するパイロット油圧とバランスする位置
に移動し、この移動位置に対応する油圧がダンパクラッ
チ28に供給され、ダンパクラッチ28における伝達トルク
Tcが所要値に制御される。
前記歯車変速装置30は、例えば前進4段後進1段のギ
アトレインを有する。第2図は歯車変速装置30の部分構
成図であり、入力軸30aには第1の駆動ギア31及び第2
の駆動ギア32が回転自在に遊嵌されており、第1の駆動
ギア31及び第2の駆動ギア32間の入力軸30aには変速用
摩擦係合要素としての油圧クラッチ33及び34が固設さ
れ、各駆動ギア31及び32は、夫々クラッチ33及び34に係
合することにより入力軸30aと一体に回転する。入力軸3
0aと平行して中間伝動軸35が配設され、この中間伝動軸
35は図示しない最終減速歯車装置を介して駆動車軸に接
続されている。中間伝動軸35には第1の駆動ギア31と噛
合する第1の被駆動ギア36、及び第2の駆動ギア32と噛
合する第2の被駆動ギア37が固設されており、クラッチ
33と第1の駆動ギア31が係合すると入力軸30aの回転
は、クラッチ33、第1の駆動ギア31、第1の被駆動ギア
36、中間伝動軸35に伝達され、第1の変速段(例えば、
第1速)が達成される。クラッチ33の係合が解除され、
クラッチ34と第2の駆動ギア32が係合すると入力軸30a
の回転は、クラッチ34、第2の駆動ギア32、第2の被駆
動ギア37、中間伝動軸35に伝達され、第2の変速段(例
えば、第2速)が達成される。
第3図は、第2図に示す油圧クラッチ33及び34に油圧
を供給する油圧回路40を示し、第1の油圧制御弁44、第
2の油圧制御弁46、ソレノイド弁47及びソレノイド弁48
から構成される。第1及び第2の油圧制御弁44,46に
は、その各ボア44a,46aにスプール45,49が夫々摺動自在
に嵌挿され、スプール45,49の各右端面が臨む右端室44
g,46gが夫々形成されている。各右端室44g,46gにはバネ
44b,46bが収容され、バネ44b,46bはスプール45,49を図
示右側に押圧している。そして、第1及び第2の油圧制
御弁44,46には、スプール44,46の各左端面が臨む左端室
44h,46hが夫々形成されている。これらの左端室44h,46h
はオリフィス44i,46iを介してドレイン側に連通してい
る。
ソレノイド弁47は常開型の3方切換弁であり、3つの
ポート47c,47d,47eを有する。そして、ソレノイド弁47
は弁体47aと、該弁体47aをポート47e側に押圧してポー
ト47eを閉塞するバネ47bと、付勢時にバネ47bのバネ力
に抗して弁体47aをポート47c側に移動させ、該ポート47
cを閉塞させるソレノイド47fから構成される。一方、ソ
レノイド弁48は常閉型の3方切換弁であり、3つのポー
ト48c,48d,48eを有する。そして、ソレノイド弁48は弁
体48aと、該弁体48aをポート48c側に押圧して48cを閉塞
するバネ48bと、付勢時にバネ48bのバネ力に抗して弁体
48aをポート48e側に移動させ該ポート48eを閉塞させる
ソレノイド48fから構成される。各ソレノイド弁47及48
の各ソレノイド47f,48fはTCU16の出力側に夫々接続され
ている。
図示しない前記油圧ポンプから延びる油路41第1の油
圧制御弁44及び第2の油圧制御弁46の各ポート44c,46c
に接続されており、第1の油圧制御弁44のポート44dに
は油路41aの一端が接続され、油路41aの他端は油圧クラ
ッチ33が接続されている。第2の油圧制御弁46のポート
46dには油路41bの一端が接続され、油路41bの他端は油
圧クラッチ34が接続されている。図示しない前記パイロ
ット油圧源から延びるパイロット油路42は第1及び第2
の油圧制御弁44,46の各左端室44h,46hに連通するポート
44e,46eに接続されると共に、ソレノイド弁47及び48の
各ポート47c,48cに接続されている。ソレノイド弁47及
び48の各ポート47d,48dはパイロット油路42a,42bを介し
て第1及び第2の油圧制御弁44,46の各右端室44g,46gに
連通するポート44f,46fに夫々接続されている。ソレノ
イド弁47及び48の各ポート47e,48eはドレイン側に連通
している。
油路41は図示しない調圧弁等により所定圧に圧された
作動油圧(ライン圧)を第1及び第2の油圧制御弁44,4
6に供給し、パイロット油路42は図示しない調圧弁等に
より所定圧に調圧されたパイロット油圧を第1及び第2
の油圧制御弁44,46及びソレノイド弁47,48に供給する。
第1の油圧制御弁44のスプール45が左動するとポート
44cを閉塞していたスプール45のランド45aがポート44c
を開き、作動油圧が油路41、ポート44c、ポート44d、油
路41aを介してクラッチ33に供給され、スプール45が右
動するとランド45aによりポート44cが閉塞される一方、
ポート44dがドレインポート44jと連通してクラッチ33の
油圧がドレイン側に排除される。第2の油圧制御弁46の
スプール49が左動するとポート46cを閉塞していたスプ
ール49のランド49aがポート46cを開き、作動油圧が油路
41、ポート46c、ポート46d、油路41bを介してクラッチ3
4に供給され、スプール49が右動するとランド49aにより
ポート46cが閉塞される一方、ポート46dがドレインポー
ト46jと連通してクラッチ34の油圧がドレイン側に排除
される。
前記フライホイール11の外周にはスタータ12のピニオ
ン12aと噛合するリングギア11aが外嵌されており、この
リングギア11aは所定の歯数(例えば、110枚)を有し、
リングギア11aに対向して電磁ピックアップ14が付設さ
れている。電磁ピックアップ(以下これを「Neセンサ」
という)14は、詳細は後述するように、エンジン10のエ
ンジン回転数Neを検出するもので、TCU16の入力側に電
気的に接続されている。
TCU16の入力側には、トルクコンバータ20のタービン2
5の回転数Ntを検出するタービン回転数センサ(Ntセン
サ)15、図示しないトランスファドライブギアの回転数
Noを検出するトランスファドライブギア回転数センサ
(Noセンサ)17、エンジン10の図示しない吸気通路途中
に配設されたスロットル弁の弁開度θtを検出するスロ
ットル弁開度センサ(θtセンサ)18、図示しない油圧
ポンプから吐出される作動油の油温Toilを検出する油温
センサ19等が接続され、各センサからの検出信号がTCU1
6に供給される。
以下、上述のように構成される歯車変速装置の作用を
説明する。
TCU16は図示しないROM,RAM等の記憶装置、中央演算装
置、I/Oインターフェイス、カウンタ等を内蔵してお
り、TCU16は記憶装置に記憶されたプログラムに従って
以下のように変速油圧制御を行う。
TCU16は、第4図に示すメインプログラムルーチンを
所定の周期、例えば35Hzの周期で繰り返し実行する。こ
のメインプログラムルーチンでは、先ず、ステップS10
で後述する各種の初期値の読み込み設定が実行される。
次いで、TCU16は各種センサ、即ち、Neセンサ14、Ntセ
ンサ15、Noセンサ17、θtセンサ18、油温センサ19等か
らの検出信号を読み込み記憶する(ステップS11)。そ
して、TCU16はこれらの検出信号から変速制御に必要な
パラメータ値を以下のように演算記憶する。
先ず、TCU16はNeセンサ14の検出信号からエンジン回
転数Ne及びエンジン回転数Neの変化率ωeを演算する
(ステップS12)。Neセンサ14は、リングギア11aが一回
転する間にリングギア11aの4つの歯数を検出する毎に
1個のパルス信号を発生してこれをTCU16に供給してい
る。TCU16は、第5図に示すように1デューティサイク
ル、即ち、28.6msec(35Hz)の間に供給されるNeセンサ
14からのパルス信号の内、最後の9個のパルスを検出す
るに要した時間tp(sec)を計時して次式(1)からエ
ンジン回転数Ne(rpm)を演算し、今回デューティサイ
クルのエンジン回転数(Ne)nとしてこれを前記記憶装
置に記憶する。
Ne=(9×4)÷110÷tp×60 =216÷(11×tp) ……(1) そして、前回のデューティサイクルにおいて記憶した
エンジン回転数(Ne)n-1と、今回のデューティサイク
ルにおいて記憶したエンジン回転数(Ne)nからエンジ
ン回転数変化率ωe(rad/sec2)を次式(2)により演
算記憶する。
ωe=ΔNe×2π÷60÷T =(π/30T)×ΔNe ……(2) ここに、ΔNe=(Ne)n−(Ne)n-1、T=(T1
T2)/2でありT1,T2は夫々第5図に示すように、前回及
び今回のデューティサイクルのtp時間のカウント終了時
点間の時間及びカウント開始時点間の時間(sec)であ
る。
タービン軸トルクTtの演算 次いで、TCU16はステップS13に進み、エンジンの正味
トルクTe及びトルクコンバータ出力軸トルク(以下、こ
れを「タービン軸トルク」という)Tt(kg・m)を演算
する。
ここで、変速中の解放側又は結合側のクラッチの摩擦
トルクTbとタービン軸トルクTt及び変速中のタービン回
転変化率ωtとの関係は次式(A1)で示される。
Tb=a・Tt+b・ωt ……(A1) ここに、a,bは1速から2速へのシフトアップ、4速
から3速へのシフトダウン等のシフトパターン(変速の
種類)、各回転部の慣性モーメント等により決定される
定数である。上式(A1)から分かるようにクラッチの摩
擦トルクTb、即ちクラッチ33,34の作動油圧をタービン
軸トルクTt及び変速中のタービン回転変化率ωtとで決
定すればエンジン性能の劣化、エンジン水温等の影響を
受けずに設定することができ、斯かる考えに基づいて得
た実験式やデータは異種エンジンにも容易に適用が可能
となる。又、タービン軸トルクTtの変化に拘わらず、タ
ービン回転変化率ωtを目標値通りにフィードバック制
御したい場合に、タービン回転変化率ωtの目標値から
のずれを後追い修正するのではなく、タービン軸トルク
Ttの変化量分だけ摩擦トルクTb、即ちクラッチ33,34の
作動油圧を増減させておけば、フィードバック制御の修
正ゲインを大きく設定しなくても追随性のよい、しかも
安定した変速制御が可能になる。更に、変速開始時にお
ける結合側クラッチの摩擦トルクが発生開始時点でのタ
ービン軸トルクTtを適宜値に設定し、上述の式(A1)か
ら目標とするタービン回転変化率ωtが得られる摩擦ト
ルクTbになるように、クラッチへの供給油圧を設定すれ
ば、結合側クラッチの摩擦トルクが発生開始時点から目
標値に近いタービン回転変化率ωtが得られることにな
り、変速フィーリングの向上が図れる。
そこで、タービン軸トルクTtは、次式(3)で演算さ
れるエンジン正味トルクTeを用いて次式(4)により演
算し、これらの演算値は前記記憶装置に記憶する。
Te=C・Ne2+IE・ωe+Tc ……(3) Tt=t(Te−Tc)+Tc =t(C・Ne2+IE・ωe)+Tc ……(4) ここに、Teはエンジン10の爆発による平均トルクから
フリクションロスやオイルポンプ駆動トルク等を差し引
いた正味トルクであり、Cはトルク容量係数であり、記
憶装置に予め記憶されているトルコン特性テーブルか
ら、タービン回転数Ntとエンジン回転数Neとの速度比e
(=Nt/Ne)に応じて読み出される。従って、速度比e
はNtセンサ15により検出されるタービン回転数Ntと、Ne
センサ14により上述のようにして検出されるエンジン回
転数Neとから速度比eを先ず演算した後、演算した速度
比eに応じてトルク容量係数Cが記憶装置から読み出さ
れる。IEはエンジン10の慣性モーメントであり、エンジ
ン毎に設定される一定値、tはトルク比であり、これも
記憶装置に予め記憶されているトルコン特性テーブルか
ら、タービン回転数Ntとエンジン回転数Neとの速度比e
(=Nt/Ne)に応じて読み出される。
Tcはダンパクラッチ28の伝達トルクであり、この種の
スリップ式直結クラッチではトルクTcは次式(5)によ
り与えられる。
Tc=Pc・A・r・μ =a1・Dc−b1 ……(5) ここに、Pcはダンパクラッチ28の供給油圧であり、A
はダンパクラッチ28のピストン受圧面積、rはダンパク
ラッチ28の摩擦半径、μはダンパクラッチ28の摩擦係数
である。そして、ダンパクラッチ28の供給油圧Pcはダン
パクラッチソレノイドバルブ54のデューティ率Dcに比例
するので上式(5)が得られる。尚、a1及びb1はシフト
モードに応じて設定される定数であり、又、上式(5)
により演算されるTc値が正の場合にのみ有効であり、負
の場合にはTc=0に設定される。
斯くして演算記憶されたエンジン正味トルクTe及びタ
ービン軸トルクTtは、Neセンサ14が検出するエンジン回
転数Ne、Ntセンサ15が検出するタービン回転数Nt、及び
ダンパクラッチソレノイドバルブ54のデューティ率Dcに
より略一義的にそれらの各瞬時値が演算決定できる。し
かも、上述の演算式(3)及び(4)から明白なよう
に、エンジン出力トルクTeはIE・ωe項を含んで演算さ
れるのでタービン回転変化率ωtや摩擦トルクTbの影響
を殆ど受けない。このため、タービン回転変化率ωtを
目標値に設定するために摩擦トルクTb、即ち、クラッチ
の供給圧を調整した場合タービン軸トルクTtが変化して
しまうという、互いに干渉し合って制御不能の事態が生
じることがない。特に、変速途中においてアクセルワー
ク等による外乱によりタービン軸トルクが増減し、これ
を補正するように摩擦トルクTbを調整した場合に、上述
のような干渉が生じないので、応答性の良い変速制御を
得る上で有利である。
次に、TCU16はステップS14において、スロットル弁の
弁開度θtとトランスファドライブギア回転数Noとか
ら、歯車変速装置30において確立すべき変速段を判定す
る。第6図は第1の変速段(以下、これを「第1速」と
して説明する)と、これより一つ高速段である第2の変
速段(以下、これを「第2速」として説明する)の変速
領域を示し、図中実線は第1速から第2速にシフトアッ
プする場合の第1速領域と第2速領域を分ける境界線で
あり、図中破線は第2速から第1速にシフトダウンする
場合の第1速領域と第2速領域を分ける境界線である。
TCU16は第6図から確立すべき変速段を決定し、これを
記憶装置に記憶しておく。
パワーオンオフ判別 次いで、TCU16はステップS15に進み、パワーオンオフ
判別ルーチンを実行する。第7図はパワーオンオフ判別
ルーチンのフローチャートを示し、先ず、ステップS151
において判別値Ttoを設定する。この判別値Ttoは次式
(6)により演算される。
Tto=a2・ωto=2π・a2・Ni ……(6) ここに、a2及びNiはシフトパターンに応じて予め設定
されている所定値であり、アップシフの場合には負の値
に、ダウンシフトの場合には正の値に夫々設定されてい
る。次に、TCU16は前記ステップS13で演算したタービン
軸トルクTtが判別値Ttoより大きいか否かを判別する
(ステップS152)。そして、判別結果が肯定(Yes)の
場合にはパワーオンシフトと判定し(ステップS153)、
否定(No)の場合にはパワーオフシフトと判定する(ス
テップS154)。TCU16はパワーオンオフ判別結果を記憶
装置に記憶して第4図に示すメインルーチンに戻る。
上述のパワーオンオフ判別方法は以下の考えに基づくも
のである。即ち、一般に、クラッチの摩擦トルクTbとタ
ービン軸トルクTt及び変速中のタービン回転変化率ωt
との関係を与える前記式(A1)において、タービン軸ト
ルクTtを0に、タービン回転変化率ωtを目標値ωtoに
設定すれば上式(6)が得られ、クラッチ以外のエレメ
ントが作動していない状態において、上記目標値ωtoを
得るだけのタービン軸トルクTtが発生しているか否かで
パワーオンオフ判別を行うものである。これにより、従
来、パワーオンオフ判別を単にエンジン出力の正負によ
り判別していたものと比較して、従来方法の欠点である
次の不都合が解消される。
即ち、パワーオン状態とパワーオフ状態とで異なるロ
ジックで変速制御を行うものでは、 (1)アップシフトの場合、エンジン出力が僅かに負の
値をとるとパワーオフ状態と判定されてしまい、結合側
摩擦エレメント(クラッチ)が解放されたままとなり、
変速が完了しない、 (2)逆に、ダウンシフトの場合、エンジン出力が僅か
に正の値をとるとパワーオン状態と判定されてしまい、
トランスミッションの入力軸の回転が自動上昇するのを
待つことになり、結合側摩擦エレメント(クラッチ)が
結合せず変速が完了しない、という不都合が解消され
る。
尚、リフトフットアップシフトやアクセルペタルを踏
み込みながらのダウンシフト時には極力速くパワーオン
オフ判定を行う必要があるが、上述のパワーオンオフ判
別において、タービン軸トルクTtとして前記式(4)で
求められる、エンジン正味トルクにトルク比tを乗算し
て求められる、言わば仮想タービン軸トルクを用いてい
るので、式(4)からIE・ωeの項を省いて求められる
実タービン軸トルクTt′(=t・CNe2+Tc)を用いてパ
ワーオンオフ判別を行う場合より迅速に判別を行い得
る。即ち、例えば、リフトフットアップシフト時にはエ
ンジン出力の低下を極力早期に感知して解放側エレメン
ト(クラッチ)を逸早く解放すれば、低速段での減速シ
ョックが回避できる。これを第26図を参照して説明する
と、アクセルペタルが解放されてアップシフトに移行す
ると(第26図の(a))、実タービン軸トルクTt′は第
26図(b)に示す破線に沿って変化する一方、仮想ター
ビン軸トルクTtは第26図(b)に示す実線に沿って変化
する。従って、仮想タービン軸トルクTtを用いた場合に
は第26図(b)に示すt1時点において、実タービン軸ト
ルクTt′を用いた場合には第26図(b)に示すt2時点に
おいて夫々パワーオフ状態の検出が可能になる。この結
果、仮想タービン軸トルクTtを用いた場合には、実ター
ビン軸トルクTt′を用いた場合に比べΔt(=t2−t1)
だけ速くパワーオフ判別を行うことができ、それだけ速
く解放側エレメントを解放させることができ、出力軸ト
ルクの落ち込み(第26図(c)の斜線部参照)がなく減
速ショックを回避することが出来る。
第4図に戻り、次にTCU16は前記ステップS14において
判別した、確立すべき変速域が、前回デューティサイク
ルにおいて判別した結果と変化しているか否かを判別す
る。変化していなければ前記ステップ11に戻り、再びス
テップS11以下が繰り返し実行される。一方、変化した
場合には、ステップS14及びS15において判別したシフト
パターンに応じたシフト信号を出力して(ステップS1
7)、前記ステップS11に戻る。
パワーオンアップシフト時油圧制御 第8図乃至第12図はパワーオンアップシフト場合の変
速油圧制御手順を示すフローチャートであり、第1速か
ら第2速にシフトアッフされる場合の変速油圧制御手順
を例に、第13図を参照しながら説明する。
TCU16は、第1速から第2速へのパワーオンアップシ
フトのシフト信号により、先ず、ソレノイド弁47及び48
の初期デューティ率DU1及びDU2を次式(8及び(9)に
より演算する(ステップS20)。
DU1=a4・|Tt|+c4 ……(8) DU2=a5・|Tt|+c5 ……(9) ここに、Ttはデューティサイクル毎に前記第4図のス
テップS13において演算記憶されるタービン軸トルク
値、a4,c4及びa5,c5は第1速から第2速にシフトアップ
する場合に適用される定数である。
次に、TCU16は常開型ソレノイド弁47のデューティ率D
LRを、ステップS20で設定した初期デューティ率DU1に設
定し、該デューティ率DLRでソレノイド弁47を開閉駆動
する信号を出力し、解放側摩擦係合要素である第1速ク
ラッチ33に初期デューティ率Dd1に対応する初期油圧の
供給を開始し、第1速クラッチ3の図示しないピストン
を、クラッチの滑りが発生する直前位置に向かって後退
させる(ステップS21、第13図(b)のt1時点)。一
方、常閉型ソレノイド弁48のデューティ率D24を100%に
設定し、該デューティ率D24でソレノイド弁48を開閉駆
動する信号を出力して結合側摩擦係合要素である第2速
クラッチ34のピストンをクラッチの係合が開始される直
前位置(ピストンガタ詰め位置)まで進める(第13図
(c)のt1時点)と共に、タイマに初期圧供給時間TS1
をセットする(ステップS22)。このタイマはTCU16に内
蔵されるハードタイマでもよいし、プログラムの実行に
より上記初期圧供給時間TS1を計時する所謂ソフトタイ
マであってもよい。初期圧供給時間TS1は、この初期圧
供給時間TS1に亘りデューティ率100%で結合側クラッチ
34に作動油圧を供給すと、クラッチ34のピストンを係合
開始直前の所定位置まで進めることができる所定値であ
る。
TCU16は所定時間tDの経過、即ち、1デューティサイ
クル(この実施例では28.6msec)の経過を待ち(ステッ
プS23)、所定時間tDが経過すると、前回のデューティ
サイクルで設定したデューティ率DLRに所定のデューテ
ィ率ΔD1を加算して新たなデューティ率DLRとし、この
デューティ率DLRでソレノイド弁47を開閉駆動する信号
を出力する(ステップS24)。加算する所定デューティ
率ΔD1は、ソレノイド弁47のデューティ率DLRが所定の
速度で増加する値(例えば、毎秒4%の割りで増加する
値)に設定してある(第13図(b)のt1時点からt2時点
までのデューティ率DLRの変化参照)。そして、TCU16は
前記ステップS22においてセットした初期圧供給時間TS1
が経過したか否かを判別し(ステップS25)、だ経過し
ていなければステップS23に戻り、ステップS23乃至ステ
ップS25を繰り返し実行する。
ステップS25の判別結果が肯定の場合、即ち、初期圧
供給時間TS1が経過して第2速クラッチ34が係合直前の
所定位置まで前進したとき、TCU16は第9図のステップS
27に進み、ソレノイド弁48のデューティ率D24を一旦所
定値D24minに設定し、このデューティ率D24でソレノイ
ド弁48を開閉させる駆動信号を出力する(第13図(c)
のt2時点)。所定値D24minは第2の油圧制御弁46を介し
て第2速クラッチ34に供給される作動油圧が増加も減少
もしない保持圧を与えるデューティ率である。そして、
所定時間tDの経過、即ち、1デューティサイクルの経過
を待ち(ステップS28)、所定時間tDが経過すると、前
回のデューティサイクルで設定したソレノイド弁47のデ
ューティ率DLRに所定のデューティ率ΔD1を加算して新
たなデューティ率DLRとすると共に、ソレノイド弁48の
デューティ率D24に所定のデューティ率ΔD2を加算して
新たなデューティ率D24とし、これらのデューティ率DLR
及びD24で各ソレノイド弁47,48を開閉駆動する信号を出
力する(ステップS30)。加算する所定デューティ率ΔD
2はソレノイド弁48のデューティ率D24が所定の速度で増
加する値(例えば、毎秒15%の割りで増加する値)に設
定してある(第13図(c)のt2時点からt3時点までのデ
ューティ率D24の変化参照)。
次に、ステップS32に進み、TCU16は、実スリップ回転
数NSRを次式(10)により演算し、てこれを所定判別値
ΔNSR1(例えば、10rpm)と比較する。
NSR=Nt−Ntc1 ……(10) ここに、Ntc1は1速時演算タービン回転数であり、No
センサ17により検出されるトランスファドライブギア回
転数Noに所定数を乗算した積値として求められる。
実スリップ回転数NSRを所定判別値ΔNSR1と比較して
実スリップ回転数NSRが所定判別値ΔNSR1より小さいと
き(NSR<ΔNSR1)、TCU16はステップS28に戻り、ステ
ップS28乃至ステップS32を繰り返し実行する。これによ
り、解放側の第1速クラッチ33は徐々に係合を解いて解
放される一方、結合側の第2速クラッチ34は係合が開始
される直前の所定位置から徐々に係合側に移動されるが
未だ係合が開始されない。このような状態ではタービン
回転数Ntは、解放側の第1速クラッチ33が解放されるに
従って徐々に回転数を上昇させる(第13図(a)の制御
区間Aの後半部分)。即ち、制御区間A(シフト信号出
力時点t1から実スリップ回転数NSRが所定判別値ΔNSR1
以上になったことが検出される時点t3までの制御区間)
では第2速クラッチ34の摩擦トルクが発生する前に第1
速クラッチ33の係合を徐々に解放させることにより、実
スリップ回転数NSRを後述する所定目標スリップ回転数N
S0に向けて一旦上昇させる。そして、実スリップ回転数
NSRが所定判別値ΔNSR1以上になったことが検出される
と(NSR≧ΔNSR1)、第10図に示すステップS34に進む。
ステップS34では、結合側ソレノイド弁48のデューテ
ィ率D24を前記ステップS20において演算した初期デュー
ティ率DU2に設定し、該デューティ率D24でソレノイド弁
48を開閉駆動する信号を出力すると共に、前回デューテ
ィサイクルで設定した解放側ソレノイド弁47のデューテ
ィ率DLRから所定のデューティ率ΔD4(例えば、2〜6
%)を減算して新たなデューティ率DLRとし、このデュ
ーティ率DLRを初期値とし、実スリップ回転数NSRを前記
所定目標スリップ回転数NS0にフィードバック制御する
油圧制御を開始する(ステップS35)。即ち、TCU16は、
続くステップS36で1デューティサイクルの経過を待っ
た後、1デューティサイクル毎に解放側ソレノイド弁47
のデューティ率DLRを以下のように設定し、設定したデ
ューティ率DLRで解放側ソレノイド弁47を開閉する駆動
信号を出力する(ステップS38)。
(DLR)n=(Di)n+KP1・en+KD1(en−en-1) ……
(11) ここに、enは今回デューティサイクルの目標スリップ
回転数NS0と実スリップ回転数NSRの偏差(en=NS0
NSR)、en-1は前回デューティサイクルの目標スリップ
回転数NS0と実スリップ回転数NSRの偏差である。KP1,K
D1は比例ゲイン、微分ゲインであり、夫々所定の値に設
定されている。(Di)nは積分項であり、次式(11a)
で演算される。
(Di)n=(Di)n-1+KI1・en+DH1 ……(11a) (Di)n-1は前回デューティサイクルにおいて設定し
た積分項であり、KI1は積分ゲインであり、所定の値に
設定されている。
DH1は、変速中のアクセルワーク等によりエンジント
ルクTeが変化した場合のタービン軸トルクの変化量ΔTt
に応じて設定されるタービン軸トルクの補正値であり、
先ず、タービン軸トルクの変化量ΔTtを演算し、この変
化量ΔTtに応じたデューティ率補正量DH1を次式(12)
により演算する。
DH1=a6・ΔTt ……(12) ここに、ΔTtは、当該パワーオン域では、 ΔTt=(Tt)n−(Tt)n-1 ……(13) で演算されるが、後述するパワーオフ域では、 ΔTt=−(Tt)n+(Tt)n-1 ……(14) で演算され、(Tt)n及び(Tt)n-1は夫々前記第4図
のステップS13で設定される、今回時及び前回時のデュ
ーティサイクルにおけるタービン軸トルクである。又、
a6はシフトパターンに応じて予め設定されている定数で
ある。このように、積分項(Di)nには、式(11a)及
び(12)から分かるように、タービン軸トルクの変化量
ΔTtで求められるデューティ率補正量DH1が含まれるの
で、デューティ率DLRをタービン軸トルクの変化に対し
て遅れなく補正でき、フィードバック制御時の上述の積
分ゲイン、比例ゲイン、及び微分ゲインを大きい値に設
定する必要がなくなり、追随性がよく、しかも安定した
制御が可能になる。
次いで、TCU16は実スリップ回転数NSRが負の所定スリ
ップ回転数ΔNS1(例えば−3〜−7rpm)以下であるか
否かを判別する(ステップS40)。この判別結果が否定
であればTCU16は前記ステップS36に戻り、実スリップ回
転数NSRが負の所定スリップ回転数ΔNS1以下になるまで
ステップS36乃至ステップS40を繰り返し実行する。これ
により、解放側のソレノイド弁47のデューティ率D
LRは、上述のように実スリップ回転数NSRと目標スリッ
プ回転数NS0との差が小さくなるように、即ち、実スリ
ップ回転数NSRが目標スリップ回転数NS0になるようにフ
ィードバック制御されるのに対し、結合側のソレノイド
弁48のデューティ率D24は初期デューティ率DU2に一定に
保たれる。この結果、ソレノイド弁48の初期デューティ
率DU2に対応する作動油圧が第2の油圧制御弁46を介し
て第2速クラッチ34に供給され、クラッチ34の図示しな
いピストンは次第に係合側に移動してクラッチ34は係合
を開始する。クラッチ34の係合開始によりタービン回転
数Ntは下降しようとするが、エンジン10がパワーオン状
態にあるので、解放側のソレノイド弁47のデューティ率
DLRをより大きい値に設定することによりタービン回転
数Ntの下降が防止される。しかしながら、係合側クラッ
チ34の係合が進んで、解放側のソレノイド弁47のデュー
ティ率DLRをより大きい値に設定するにも拘わらず、係
合側クラッチ34の係合力がこれを上回るとタービン回転
数Ntは下降を始め、第13図(a)に示すt4時点に至って
実スリップ回転数NSRが負の所定スリップ回転数ΔNS1
下になる。実スリップ回転数NSRが負の所定スリップ回
転数ΔNS1以下になったことを検出すると(ステップS40
の判別結果が肯定)、第11図に示すステップS42に進
む。斯くして、第13図に示す制御区間B(t3時点からt4
時点間の制御区間)における油圧制御が終了する。
なお、制御区間Bにおいて、実スリップ回転数NSR
負の所定スリップ回転数ΔNS1以下になったことが検出
されると第11図のステップS42が実行されるが、制御区
間Aにおいて、何らかの外乱により実スリップ回転数N
SRが負の所定スリップ回転数ΔNS1以下になったこと
が、例えば連続するデューティサイクルにおいて2回検
出された場合、制御区間Bの油圧制御を省略して直に第
11図のステップS42に進み、制御領域Cの油圧制御を開
始するようにしてもよい。
制御区間C及びこれに続く制御区間D,Eでの油圧制御
は、結合側のソレノイド弁48のデューティ率D24を、タ
ービン回転変化率ωtと所定の目標タービン回転変化率
ωtoとの差が最小となる値にフィードバック制御し、タ
ービン回転数Ntを第2速時演算タービン回転数Ntc2に向
かって漸減させるものである。TCU16は先ず解放側のソ
レノイド弁47のデューティ率DLRを所定デューティ率DLR
maxに設定し、設定したデューティ率DLRでソレノイド弁
47を開閉する駆動信号を出力する(ステップS42)。こ
の所定デューティ率DLRmaxは第1の油圧制御弁44を介し
て第1速クラッチ33に供給される作動油圧を一定圧(保
持圧)に保ち、第1速クラッチ33のピストン位置を第13
図(b)に示すt4時点での位置に保持することが出来る
値に設定してある。尚、解放側のソレノイド弁47のデュ
ーティ率DLRは、以後変速が実質的に完了するまで(第1
3図(b)に示すt4時点からt8時点まで)第1速クラッ
チ33に前記保持圧を与える所定デューティ率DLRmaxに保
持される。
次に、TCU16は所定時間tDの経過を待ち(ステップS4
3)、ステップS44に進む。ステップS44では前記目標タ
ービン回転数変化率ωtoを次式(15)により設定する。
ωto=a7・No+b7 ……(15) ここに、a7,b7は制御区間C〜Eに応じて所定値(負
の値)に設定され、a7,b7値は、式(15)により設定さ
れる目標タービン回転数変化率ωtoを、フィードバック
制御が開始されて間もない制御区間Cではタービン回転
数Ntが漸減する値に、制御区間Cに続く制御区間Dでは
制御区間Cの変化率の絶対値より大きな値に設定してタ
ービン回転数Ntの下降速度を早め、第2速クラッチ34の
係合が完了する制御区間Eでは、再び変化率の絶対値を
小さい値に設定して変速ショックの防止を図っている
(第13図(a)のタービン回転数Ntの時間変化参照)。
次いで、TCU16は結合側ソレノイド弁48のデューティ
率D24を、実スリップ回転数NSRが負の所定スリップ回転
数ΔNS1以下となったことが検出された時点t4における
デューティ率を初期値として次式(16)により演算設定
し、設定したデューティ率D24でソレノイド弁48を開閉
する駆動信号を出力する(ステップS46)。
(D24)n=(Di)n+KP2・En+KD2(En−En-1)…(1
6) ここに、Enは、ステップS44で設定された今回デュー
ティサイクルの目標タービン回転変化率ωtoと実タービ
ン回転変化率ωtとの偏差(En=ωto−ωt)であり、
実タービン回転変化率ωtは今回及び前回のデューティ
サイクルにおける実タービン回転数(Nt)nと(Nt)n
-1から次式(17)により求められる。
(ωt)n=(Nt)n−(Nt)n-1 ……(17) また、En-1は前回デューティサイクルの目標タービン
回転変化率ωtoと実タービン回転変化率ωtとの偏差で
ある。KP2,KD2は比例ゲイン、及び微分ゲインであり、
夫々所定の値に設定されている。(Di)nは積分項であ
り、次式(18)で演算される。
(Di)n=(Di)n-1+KI2・En+DH1+DH2 ……(18) (Di)n-1は前回デューティサイクルにおいて設定し
た積分項であり、KI2は積分ゲインであり、所定の値に
設定されている。
DH1は、変速中のアクセルワーク等によりエンジント
ルクTeが変化した場合のタービン軸トルクの変化量ΔTt
に応じて設定されるタービン軸トルクの補正値であり、
前記式(12)〜(14)と同じ演算式から求められる。
DH2は、制御区間がCからDに、DからEに変化した
時点においてのみ適用される、目標タービン回転変化率
変更時の補正デューティ率であり、次式(19)及び(2
0)から求められる。
DH2=α・Δωto ……(19) Δωto=(ωto)n−(ωto)n-1 ……(20) ここに、(ωto)nは今回デューティサイクル以降に
適用すべき目標タービン回転変化率であり、(ωto)n
-1は前回まで適用していた目標タービン回転変化率であ
る。αはシフトパターンに応じて設定される定数であ
る。
このように、デューティサイクル毎に演算されるデュ
ーティ率D24の積分項(Di)nも、前述した制御区間B
において演算された解放側ソレノイド弁47のデューティ
率DLRと同様に、デューティ率補正量DH1による補正、即
ち、タービン軸トルクの変化量ΔTtで補正され、更に、
制御区間変更時には目標タービン回転変化率の変化量Δ
ωtoに応じて補正されるので、デューティ率D24をター
ビン軸トルクの変化に対し、又、目標タービン回転変化
率の変化に対して遅れなく補正でき、フィードバック制
御時の上述の積分ゲイン、比例ゲイン、及び微分ゲイン
を大きい値に設定する必要がなくなり、追随性がよく、
しかもハンチングのない安定した制御が可能になる。
TCU16はステップS46でのデューティ率D24の演算及び
駆動信号の出力の後、ステップS48に進み、タービン回
転数Ntが2速時演算タービン回転数Ntc2の所定直上回転
数(2速時演算タービン回転数Ntc2よりΔNtc2(例え
ば、80〜120rpm)だけ高い回転数Ntc20に至ったか否か
を判別する。そして、この判別結果が否定の場合には前
記ステップS43に戻り、ステップS43乃至ステップS48を
繰り返し実行する。
制御区間Cに突入したばかりの時点では、結合側クラ
ッチ34は係合を開始したばかりであり、上述した目標タ
ービン回転変化率ωtoでタービン回転数Ntを減少させる
ことにより、係合開始時の変速ショックが回避される。
そして、TCU16はタービン回転数Ntが減速してトランス
ファドライブギア回転数Noに所定係数を乗算した回転数
(例えば、2.8×No)に至ったとき、制御区間Cを離脱
して制御区間Dに突入したと判断し、前記ステップS44
での目標タービン回転変化率ωtoの絶対値をより大きい
値に変更する(第13図(a)のt5時点)。
目標タービン回転変化率ωtoの絶対値をより大きい値
に変更すると、結合側ソレノイド弁48のデューティ率D
24は制御区間Cにおいて設定される値より大きい値に設
定され(第13図(c)のt5時点からt6時点間)、タービ
ン回転数Ntは略目標タービン回転変化率ωtoで急激に減
少することになる。目標タービン回転変化率ωtoの絶対
値をより大きい値に設定ればするほど、変速応答性が改
善されることになる。
次いで、タービン回転数Ntが更に減速してトランスフ
ァドライブギア回転数Noに所定係数を乗算した回転数
(例えば、2.2×No)に至ったとき、即ち、第2速クラ
ッチ34のピストンが次第に係合完了位置近傍に移動した
とき、制御区間Dを離脱して制御区間Eに突入したと判
断し、前記ステップS44で設定される目標タービン回転
変化率ωtoの絶対値を制御区間Dにおいて設定される値
より小さい値に変更する(第13図(a)のt6時点)。目
標タービン回転変化率ωtoの絶対値をより小さい値に変
更すると、結合側ソレノイド弁48のデューティ率D24
制御区間Dにおいて設定される値より小さい値に設定さ
れ(第13図(c)のt6時点からt7時点間)、タービン回
転数Ntは略目標タービン回転変化率ωtoで緩慢に減少す
ることになり、解放側のクラッチ33の係合が完全に解除
され、これにより結合側のクラッチ34の係合が完了する
時点近傍での変速ショックが回避されることになる。
前記ステップS48の判別結果が肯定の場合、即ち、タ
ービン回転数Ntが2速時演算タービン回転数Ntc2の所定
直上回転数Ntc20に至ると(第13図(c)のt7時点)、T
CU16は前記タイマに所定時間TSF(例えば、0.5sec)を
セットし(ステップS50)、所定時間TSFの経過を待つ
(ステップS51)。所定時間TSFの経過を待つことにより
確実に結合側クラッチ34の係合を完了させることが出来
る。
前記所定時間TSFが経過してステップS51の判別結果が
肯定になると、TCU16は解放側ソレノイド弁47及び結合
側ソレノイド弁48のデューティ率DLR,D24をいずれも100
%に設定し、該デューティ率DLR,D24でソレノイド弁47,
48を開閉する駆動信号を出力する(第13図(b)及び
(c)のt8時点)。斯くして、第1速段から第2速段へ
のパワーオンアップシフトの変速油圧制御が完了する。
パワーオンダウンシフト時油圧制御 第14図乃至第16図はパワーオンダウンシフトの場合の
変速油圧制御手順を示すフローチャートであり、第2速
から第1速にシフトダウンされる場合の変速油圧制御手
順を例に、第17図を参照しながら説明する。
TCU16は、第2速から第1速へのパワーオンダウンシ
フトのシフト信号により、先ず、ソレノイド弁47及び48
の初期デューティ率Dd1及びDd2を前記式(8)及び
(9)と同様の次式(21)及び(22)により演算する
(ステップS60)。
Dd1=a8・|Tt|+c8 ……(21) Dd2=a9・|Tt|+c9 ……(22) ここに、a8,c8及びa9,c9は第2速から第1速にシフト
ダウンする場合に適用される定数である。
次に、TCU16解放側のソレノイド弁48のデューティ率D
24をステップS60で設定した初期デューティ率Dd1に設定
し、該デューティ率D24でソレノイド弁48を開閉駆動す
る信号を出力し、解放側摩擦係合要素である第2速クラ
ッチ34に初期デューティ率Dd1に対応する初期油圧の供
給を開始し、第2速クラッチ34の図示しないピストン
を、クラッチの滑りが発生する直前位置に向かって後退
させる(ステップS62、第17図(b)のt10時点)。一
方、結合側のソレノイド弁47のデューティ率DLRを0%
に設定し、該デューティ率DLRでソレノイド弁47を開閉
駆動する信号を出力して、即ち、常開型ソレノイド弁47
を全開にして結合側摩擦係合要素である第1速クラッチ
33のピストンをクラッチの係合が開始される直前位置
(ピストンガタ詰め位置)に向けて移動させる(第17図
(c)のt10時点)と共に、タイマに初期圧供給時間Ts2
をセットする(ステップS64)。この初期圧供給時間Ts2
に亘り、デューティ率0%で常開型ソレノイド弁47を駆
動して結合側クラッチ33に作動油圧を供給すると、クラ
ッチ33のピストンを係合開始直前の所定位置まで進める
ことが出来る。
TCU16はステップS64でセットした初期圧供給時間Ts2
が経過したか否かを判別し(ステップS66)、未だ経過
していなければこの初期圧供給時間Ts2が経過するまで
繰り返しステップS66を実行して待機する。
ステップS66の判別結果が肯定の場合、即ち、初期圧
供給時間Ts2が経過して第1速クラッチ33が係合直前の
所定位置まで前進したとき、TCU16は第15図のステップS
68に進み、結合側ソレノイド弁47のデューティ率DLR
前記保持圧を与える所定値DLRmaxに設定し、このデュー
ティ率DLRでソレノイド弁47を開閉させる駆動信号を出
力する(第17図(c)のt11時点)。尚、結合側のソレ
ノイド弁47のデューティ率DLRは、以後タービン回転数N
tが1速時演算タービン回転数Ntc1に達するまで(第17
図(a)に示すt11時点からt15時点まで)、第1速クラ
ッチ33に前記保持圧を与える所定デューティ率DLRmaxに
保持される。
一方、解放側のクラッチ34のピストンが係合を徐々に解
放する側に移動し、クラッチ34の摩擦トルクが軽減され
るためにタービン回転数Ntは次第に上昇を開始する。そ
して、TCU16はタービン回転数Ntが第1の所定判別値
(例えば、1.5×No)を超えて上昇したか否かを判別し
(ステップS70)、回転数1.5×Noを超えていなければ、
超えるまでステップS70の判別を繰り返して待機する。
タービン回転数Ntが回転数1.5×Noを超えると(第17
図(a)のt12時点)、第17図に示す制御区間Aの変速
油圧制御が終了して制御区間Bに突入したことになり、
TCU16は、続くステップS71で1デューティサイクルの経
過を待った後、フィードバック制御によりタービン回転
変化率ωtを調整しながらタービン回転数Ntを1速時演
算タービン回転数Ntc1に向けて上昇させる油圧制御を開
始する。即ち、制御区間B及びこれに続く制御区間C,D
での油圧制御は、解放側のソレノイド弁48のデューティ
率D24を、タービン回転変化率ωtと所定の目標タービ
ン回転変化率ωtoとの差が最小となる値にフィードバッ
ク制御し、タービン回転数Ntを第1速時演算タービン回
転数Ntc1に向かって漸増させるものである。
TCU16は、先ずステップS72において、前記目標タービ
ン回転変化率ωtoを次式(23)により設定する。
ωto=a10・No+b10 ……(23) ここに、a10,b10は制御区間B〜Dに応じて所定値
(正の値)に設定され.a10,b10値は、式(23)により設
定される目標タービン回転変化率ωtoを、フィードバッ
ク制御が開始されて間もない制御区間Bではタービン回
転数Ntが漸増する値に、制御区間Bに続く制御区間Cで
は制御区間Bの変化率より大きな値に設定してタービン
回転数Ntの上昇速度を早め、タービン回転数Ntが1速時
演算タービン回転数Ntc1に接近する制御区間Dでは、再
び小さい変化率に設定してタービン回転数Ntの吹上がり
を防止しするような値に設定されている(第17図(a)
のタービン回転数Ntの時間変化参照)。
次いで、TCU16は解放側ソレノイド弁48のデューティ
率D24を、タービン回転数Ntが回転数1.5×Noを超えたt1
2時点におけるデューティ率を初期値として前記式(1
6)及び(18)と同一の演算式により演算設定し、設定
したデューティ率D24でソレノイド弁48を開閉する駆動
信号を出力する(ステップS74)。尚、前記式(16)及
び(18)における積分ゲインKI2、比例ゲインKP2、及び
微分ゲインKD2は、夫々パワーオンダンシフトにおける
シフトパターンに最適な所定の値に設定されている。
TCU16はステップS74におけるデューティ率D24の演算
及び駆動信号の出力の後、ステップS76に進み、タービ
ン回転数Ntが1速時演算タービン回転数Ntc1に至ったか
否かを判別する。そして、この判別結果が否定の場合に
は前記ステップS71に戻り、ステップS71乃至ステップS7
6を繰り返し実行する。
制御区間Bに突入したばかりの時点では、解放側クラ
ッチ34は係合解除を開始したばかりであり、上述した目
標タービン回転変化率ωtoでタービン回転数Ntを上昇さ
せることにより、タービン回転数Ntの吹上がりが回避さ
れる。そして、TCU16はタービン回転数Ntが上昇してト
ランスファドライブギア回転数Noに所定係数を乗算した
回転数(例えば、1.7×No)に至ったとき、制御区間B
を離脱して制御区間Cに突入したと判断し、前記ステッ
プS72において目標タービン回転変化率ωtoをより大き
い値に変更する(第17図(a)のt13時点)。
目標タービン回転変化率ωtoをより大きい値に変更す
ると、解放側ソレノイド弁48のデューティ率D24は制御
区間Bにおいて設定される値より小さい値に設定され
(第17図(b)のt13時点からt14時点間)、タービン回
転数Ntは略目標タービン回転変化率ωtoで急激に上昇す
ることになる。目標タービン回転変化率ωtoをより大き
い値に設定ればするほど、変速応答性が改善されること
になる。
次いで、タービン回転数Ntが更に上昇してトランスフ
ァドライブギア回転数Noに所定係数を乗算した回転数
(例えば、2.4×No)に至ったとき、即ち、第2速クラ
ッチの係合が次第に解除されタービン回転数Ntが1速時
演算タービン回転数Ntc1に近づいたとき、制御区間Cを
離脱して制御区間Dに突入したと判断し、前記ステップ
S72において設定される目標タービン回転変化率ωtoを
制御区間Cにおいて設定される値より小さい値に変更す
る(第17図(a)の14時点)。目標タービン回転変化率
ωtoをより小さい値に変更すると、解放側ソレノイド弁
48のデューティ率D24は制御区間Cにおいて設定される
値より大きい値に設定され(第17図(b)のt14時点か
らt15時点間)、タービン回転数Ntは略目標タービン回
転変化率ωtoで緩慢に上昇することになり、タービン回
転数Ntが1速時演算タービン回転数Ntc1を超えて大きく
オーバーシュートすることが回避されることになる。
ステップS76の判別結果が肯定となり、タービン回転
数Ntが1速時演算タービン回転数Ntc1に至ったことが検
出されると(第17図(a)のt15時点)、制御区間Dの
油圧制御を終えて制御区間Eの油圧制御を開始する。こ
の制御区間Eでの油圧制御は実スリップ回転数NSRと目
標スリップ回転数NS0(例えば、20rpm)の偏差を最小に
するように解放側のソレノイド弁48のデューティ率D24
をフィードバック制御し、この間に結合側の第1速クラ
ッチ33の係合を次第に強めるように制御するものであ
る。即ち、TCU16はステップS78において、結合側のソレ
ノイド弁47のデューティ率DLRを前記ステップS60で設定
した前記デューティ率DLRmaxより小さい初期デューティ
率Dd2に設定し、該デューティ率DLRでソレノイド弁47を
開閉する駆動信号を出力する(第17図(c)のt15時
点)。これにより、結合側の第1速クラッチ33のピスト
ンは徐々に係合側に移動し始める。
次いで、TCU16は、ステップS79において、所定時間tD
の経過を待った後、1デューティサイクル毎に解放側ソ
レノイド弁48のデューティ率D24を前記式(11)及び(1
1a)に類似の次式(24)及び(24a)により演算し、こ
のデューティ率D24でソレノイド弁48を開閉する駆動信
号を出力する(ステップS80)。
(D24)n=(Di)n+KP1・en+KD1(en−en-1)…(2
4) (Di)n=(Di)n-1+KI1・en+DH1 …(24a) ここに、(Di)n-1は前回デューティサイクルにおい
て設定した積分項であり、初期値としてタービン回転数
Ntが1速時演算タービン回転数Ntc1を超えたことを検出
したt15時点の直前に設定されたデューティ率が用いら
れる。K11,KP1,KD1は積分ゲイン、比例ゲイン、微分ゲ
インであり、夫々当該パワーオンダウンシフトに最適な
所定の値に設定されている。enは、今回デューティサイ
クルの目標スリップ回転数NS0と実スリップ回転数NSR
偏差(en=NS0−NSR)、en-1は前回デューティサイクル
の目標スリップ回転数NS0と実スリップ回転数NSRの偏差
である。
DH1は、変速中のアクセルワーク等によりエンジント
ルクTeが変化した場合のタービン軸トルクの変化量ΔTt
に応じて設定されるタービン軸トルクの補正値であり、
この値は前述した演算式(12)〜(14)により演算す
る。
次いで、TCU16、ステップS82〜85において、実スリッ
プ回転数NSRの絶対値が所定スリップ回転数(例えば、5
rpm)より小さい状態が連続して2デューティサイクル
に亘って検出されたか否かを判別する。即ち、ステップ
S82では実スリップ回転数NSRの絶対値が所定スリップ回
転数(5rpm)より小さいか否かを判別し、この判別結果
が否定である限り、TCU16はフラグFLG値を0にリセット
して(ステップS83)、前記ステップS79に戻り、ステッ
プS79乃至ステップS82を繰り返し実行する。結合側のク
ラッチ33の摩擦トルクが小さく、この摩擦トルクの増加
量に対して、フードバック制御によりクラッチ34の摩擦
トルクの減少量(開放量)を大きくして、パワーオン状
態にあるエンジン10によりタービン回転数Ntを引き上げ
ようとするトルクが勝っている間はタービン回転数Ntを
1速時演算タービン回転数Ntc1より目標スリップ回転数
NS0だけ高い回転数に保持することができるが、クラッ
チ33の摩擦トルクが大きくなるとタービン回転数Ntは次
第に下降しステップS82の判別結果が肯定となり、ステ
ップS84が実行される。
ステップS84ではフラグFLG値が値1に等しいか否かを
判別する。タービン回転数Ntが下降してステップS82に
おいて初めて肯定と判別された場合にはステップS84で
の判別結果は否定となり、斯かる場合にはステップS85
においてフラグFLG値に値1をセットして前記ステップS
79に戻り、ステップS79及びステップS80を実行する。そ
して、ステップS82において再び実スリップ回転数NSR
絶対値が所定スリップ回転数(5rpm)より小さいことを
判別すると、即ち、連続して2回実スリップ回転数NSR
の絶対値が所定スリップ回転数より小さいことを検出す
ると(第17図(a)のt16時点)、ステップS84の判別結
果は肯定になり、制御区域Eでの油圧制御が終わりステ
ップS87が実行されることになる。
TCU16は、ステップS87において結合側及び解放側のソ
レノイド弁47及び48のデューティ率DLR及びD24をいずれ
も0%に設定して、TCU16はソレノイド弁47及び48には
いづれも駆動信号を出力しない。斯くして、第2速クラ
ッチ34の解放及び第1速クラッチ33の結合を終え、第2
速段から第1速段へのパワーオンダウンシフトの変速油
圧制御が完了する。
パワーオフアップシフト時油圧制御 第18図乃至第20図はパワーオフアップシフトの場合の
変速油圧制御手順を示すフローチャートであり、第1速
から第2速にシフトアップされる場合の変速油圧制御手
順を例に、第21図を参照しながら説明する。
TCU16は、第1速から第2速へのパワーオフアップシ
フトのシフト信号により、先ず、結合側のソレノイド弁
48の初期デューティ率DU2を前記式(9)と同じ演算式
により演算する(ステップS90)。
次に、TCU16は解放側のソレノイド弁47のデューティ
率DLRを前記保持圧を与える所定デューティ率DLRmaxに
設定し、このデューティ率DLRでソレノイド弁47を開閉
駆動する信号を出力し、解放側摩擦係合要素である第1
速クラッチ33の図示しないピストンを、クラッチが完全
に滑り、しかも係合を直に再開させることが出来る待機
位置に向かって後退させる(ステップS92、第21図
(b)のt21時点)。即ち、エンジン10がパワーオフ運
転状態にある場合には解放側のクラッチ33をシフト信号
の出力後、直に係合解除してもタービン回転数Ntが吹上
がる心配がなく、寧ろ逸早くクラッチ33を解放しないと
変速ショックが発生する虞がある。一方、結合側のソレ
ノイド弁48のデューティ率D24を100%に設定し、該デュ
ーティ率D24でソレノイド弁48を開閉駆動する信号を、
即ち、ソレノイド弁48を全開にする駆動信号を出力して
結合側摩擦係合要素である第2速クラッチ34のピストン
をクラッチの係合が開始される直前位置(ピストンガタ
詰め位置)に向かって進める(第21図(c)のt21時
点)と共に、タイマに前記初期圧供給時間Ts1をセット
する(ステップS93)。
そして、TCU16はステップS93でセットした初期圧供給
時間Ts1が経過したか否かを判別し(ステップS95)、未
だ経過していなければこの初期圧供給時間Ts1が経過す
るまでステップS95を繰り返し実行する。
ステップS95の判別結果が肯定の場合、即ち、初期圧
供給時間Ts1が経過して第2速クラッチ34が係合直前の
所定位置まで前進したとき、TCU16はステップS96に進
み、結合側ソレノイド弁48のデューティ率D24を前記ス
テップS90において演算した初期デューティ率DU2に設定
し、該デューティ率D24でソレノイド弁48を開閉する開
弁駆動信号を出力する(第21図(c)のt22時点)。そ
して、所定時間tDの経過、即ち、1デューティサイクル
の経過を待ち(ステップS98)、所定時間tDが経過する
と、前回のデューティサイクルで設定したソレノイド弁
48のデューティ率D24に所定のデューティ率ΔD5を加算
して新たなデューティ率D24とし、この新たなデューテ
ィ率D24でソレノイド弁48を開閉駆動する信号を出力す
る(ステップS99)。加算する所定デューティ率ΔD5は
ソレノイド弁48のデューティ率D24が所定の速度(例え
ば、デューティ率D24が毎秒14〜17%の割りで増加する
速度)で増加するように設定してある(第21図(c)の
t22時点からt23時点までのデューティ率D24の変化参
照)。
次に、ステップS100に進み、TCU16は、実スリップ回
転数NSRを前記式(10)により演算してこれを負の所定
判別値ΔNSR2(例えば、−8〜−12rpm)と比較する。
実スリップ回転数NSRを所定判別値ΔNSR2と比較して
実スリップ回転数NSRが所定判別値ΔNSR2より大きいと
き(NSR>ΔNSR2)、TCU16はステップS98に戻り、ステ
ップS98乃至ステップS100を繰り返し実行して、ソレノ
イド48のデューティ率D24を徐々に増加させる。これに
より、結合側のクラッチ34は係合を開始し、クラッチ34
の摩擦トルクが徐々に増加する。すると、タービン回転
数Ntは徐々に低下し、前記ステップS100の判別結果が肯
定となり、TCU16は第19図に示すステップS102に進み、
制御区間Aの油圧制御を終えて制御区間Bの油圧制御を
開始する。
制御区間B及びこれに続く制御区間C,Dでの油圧制御
は、結合側のソレノイド弁48のデューティ率D24を、タ
ービン回転変化率ωtと所定の目標タービン回転変化率
ωtoとの差が最小となる値にフィードバック制御し、タ
ービン回転数Ntを2速時演算タービン回転数Ntc2に向か
って漸減させるものである。
先ず、TCU16はステップS102において、1デューティ
サイクルの経過(所定時間tDの経過)を待った後、前記
目標タービン回転変化率ωtoを制御区間B〜Dに応じて
予め記憶されている所定値に設定する。各制御区間B〜
Dに設定される目標タービン回転変化率ωtoは、フィー
ドバック制御が開始されて間もない制御区間Bではター
ビン回転数Ntが漸減する値に、制御区間Bに続く制御区
間Cでは制御区間Bの変化率の絶対値より大きな値に設
定してタービン回転数Ntの下降速度を早め、第2速クラ
ッチ34の係合が略完了し、タービン回転数Ntが2速時演
算タービン回転数Ntc2に近づく制御区間Eでは、再び変
化率の絶対値を小さい値に設定して変速ショックの防止
を図るようにしている(第21図(a)のタービン回転数
Ntの時間変化参照)。
次いで、TCU16は結合側ソレノイド弁48のデューティ
率D24を、実スリップ回転数NSRが負の所定スリップ回転
数ΔNS2(例えば、−8〜−12rpm)以下になったことが
検出された時点t23におけるデューティ率を初期値とし
て前記演算式(16)及び(18)により演算設定し、設定
したデューティ率D24でソレノイド弁48を開閉する駆動
信号を出力する(ステップS106)。尚、前記演算式(1
6)及び(18)に適用される積分ゲインKI2、比例ゲイン
KP2及び微分ゲインKD2は夫々パワーオフアップシフトの
シフトパターンに最適な所定の値に設定されている。
TCU16はステップS106におけるデューティ率D24の演算
及び駆動信号の出力の後、ステップS107に進み、タービ
ン回転数Ntが下降して2速時演算タービン回転数Ntc2の
所定直上回転数Ntc20(2速時演算タービン回転数Ntc2
よりΔNtc2(例えば、80〜120rpm)だけ高い回転数)に
至ったか否かを判別する。そして、この判別結果が否定
の場合には前記ステップS102に戻り、ステップS102乃至
ステップS107を繰り返し実行する。
制御区間Bに突入したばかりの時点では、結合側クラ
ッチ34は係合を開始したばかりであり、上述した目標タ
ービン回転変化率ωtoでタービン回転数Ntを減少させる
ことにより、係合開始時の変速ショックが回避される。
そして、TCU16はタービン回転数Ntが減速してトランス
ファドライブギア回転数Noに所定係数を乗算した回転数
(例えば、2.8×No)に至ったとき、制御区間Bを離脱
して制御区間Cに突入したと判断し、前記ステップS104
において目標タービン回転変化率ωtoの絶対値を制御区
間Cに適用される値より大きい値に変更する(第21図
(a)のt24時点)。
目標タービン回転変化率ωtoの絶対値をより大きい値
に変更すると、結合側ソレノイド弁48のデューティ率D
24は制御区間Bにおいて設定される値より大きい値に設
定され(第21図(c)のt24時点からt25時点間)、ター
ビン回転数Ntは、略この大きい値に設定された目標ター
ビン回転変化率ωtoで急激に減少することになる。尚、
目標タービン回転変化率ωtoの絶対値をより大きい値に
設定ればするほど、変速応答性が改善されることにな
る。
次いで、タービン回転数Ntが更に減速してトランスフ
ァドライブギア回転数Noに所定係数を乗算した積値(例
えば、2.2×No)に至ったとき、即ち、第2速クラッチ3
4の係合が次第に完了位置近傍に移動したとき、制御区
間Cを離脱して制御区間Dに突入したと判断し、前記ス
テップS104で設定される目標タービン回転変化率ωtoの
絶対値を制御区間Cにおいて設定される値より小さい値
に変更する(第21図(a)のt25時点)。目標タービン
回転変化率ωtoの絶対値をより小さい値に変更すると、
結合側ソレノイド弁48のデューティ率D24は制御区間C
において設定される値より小さい値に設定され(第21図
(c)のt25時点からt26時点間)、タービン回転数Ntは
略目標タービン回転変化率ωtoで緩慢に減少することに
なり、結合側のクラッチ34の係合が完了点近傍における
タービン回転数Ntが2速時演算タービン回転数Ntc2に円
滑に移行し、変速ショックが回避されることになる。
前記ステップS107の判別結果が肯定の場合、即ち、タ
ービン回転数Ntが2速時演算タービン回転数Ntc2の所定
直上回転数Ntc20に至ると(第21図(c)のt26時点)、
TCU16は前記タイマに所定時間TSF(例えば、0.5sec)を
セットし(ステップS109)、この所定時間TSFの経過を
待つ(ステップS110)。この所定時間TSFの経過を待つ
ことにより確実に結合側クラッチ34の係合を完了させる
ことが出来る。
前記所定時間TSFが経過してステップS110の判別結果
が肯定になると、ステップS112に進みTCU16は解放側ソ
レノイド弁47及び結合側ソレノイド弁48のデューティ率
DLR,D24をいずれも100%に設定し、該デューティ率DLR,
D24でソレノイド弁47,48を開閉する駆動信号を出力する
(第21図(b)及び(c)のt27時点)。斯くして、第
1速段から第2速段へのパワーオフアップシフトの変速
油圧制御が完了する。
パワーオフダウンシフト時油圧制御 第22図乃至第24図はパワーオフダウンシフトの場合の
変速油圧制御手順を示すフローチャートであり、第2速
から第1速にシフトダウンされる場合の変速油圧制御手
順を例に、第25図を参照しながら説明する。
TCU16は、第2速から第1速へのパワーオフダウンシ
フトのシフト信号により、先ず、ソレノイド弁47及び48
の初期デューティ率Dd1及びDd2を前記演算式(21)及び
(22)により演算する(ステップS114)。尚、演算式
(21)及び(22)において適用されるa8,c8及びa9,c9は
第2速から第1速にパワーオフダウンシフトする場合に
最適な所定値に設定してある。
次に、TCU16は解放側のソレノイド弁48のデューティ
率D24をステップS114で設定した初期デューティ率Dd1
設定し、該デューティ率D24でソレノイド弁48を開閉駆
動する信号を出力し、解放側摩擦係合要素である第2速
クラッチ34の図示しないピストンを、クラッチの滑りが
発生する直前位置に向かって後退させる(ステップS11
5、第25図(b)のt31時点)。一方、結合側のソレノイ
ド弁47のデューティ率DLRを100%に設定し、該デューテ
ィ率DLRでソレノイド弁47を開閉駆動する信号を出力し
て結合側摩擦係合要素である第1速クラッチ33のピスト
ンをクラッチの係合が開始される直前位置(ピストンガ
タ詰め位置)に向かって移動させる(第25図(c)のt3
1時点)と共に、タイマに前記初期圧供給時間Ts2をセッ
トする(ステップS116)。
TCU16は所定時間tDの経過、即ち、1デューティサイ
クル(28.6msec)の経過を待ち(ステップS118)、所定
時間tDが経過すると、前回のデューティサイクルで設定
したデューティ率D24に所定のデューティ率ΔD6を減算
して新たなデューティ率D24とし、このデューティ率D24
でソレノイド弁48を開閉駆動する信号を出力する(ステ
ップS120)。減算する所定デューティ率ΔD6はソレノイ
ド弁48のデューティ率D24が所定の速度で減少する値
(例えば、毎秒8〜12%の割りで減少する値)に設定し
てある(第25図(b)のt31時点からt33時点までのデュ
ーティ率D24の変化参照)。そして、TCU16は前記ステッ
プS116においてセットした初期圧供給時間Ts2が経過し
たか否かを判別し(ステップS122)、未だ経過していな
ければステップS118に戻り、ステップS118乃至ステップ
S122を繰り返し実行する。これにより、ソレノイド48の
デューティ率D24は徐々に減少して解放側のクラッチ34
は係合解除開始位置に向かって徐々に移動する。
ステップS122の判別結果が肯定の場合、即ち、初期圧
供給時間Ts2が経過して第1速クラッチ33が係合開始直
前の所定位置まで前進したとき、TCU16は第23のステッ
プS124に進み、ソレノイド弁47のデューティ率DLRをス
テップS114において演算した初期デューティ率Dd2に設
定し、このデューティ率DLRでソレノイド弁47を開閉さ
せる駆動信号を出力する(第25図(c)のt32時点)。
これにより、結合側のクラッチ33のピストンは徐々に係
合開始位置に向けて移動し続ける。尚、ソレノイド弁47
デューティ率DLRは後述する制御区間Cに突入するまで
(第25図(c)のt34時点)、前記初期デューティ率Dd2
に保持される。
次いで、TCU16は所定時間tDの経過、即ち、1デュー
ティサイクルの経過を待ち(ステップS125)、所定時間
tDが経過すると、前記ステップS120と同じようにして、
新たなデューティ率D24の演算及び開弁駆動信号の出力
を継続させる(ステップS126)。そして、ステップS128
に進み、TCU16は、実スリップ回転数NSRを次式(25)に
より演算してこれを負の所定判別値ΔNSR2(例えば、−
8〜−12rpm)と比較する。
NSR=Nt−Ntc2 ……(25) ここに、Ntc2は2速時演算タービン回転数であり、ト
ランスファドライブギア回転数Noに所定数を乗算した積
値として求められる。
実スリップ回転数NSRが負の所定判別値ΔNSR2より大
きいとき(NSR>ΔNSR2)、TCU16はステップS125に戻
り、ステップS125乃至ステップS128を繰り返し実行す
る。これにより、解放側の第2速クラッチ34は徐々に係
合を解いて解放される。このとき結合側の第1速クラッ
チ33の係合が未だ開始されてないと、タービン回転数Nt
は徐々に回転数を下降させる(第25図(a)の制御区間
A(シフト信号出力時点t31から実スリップ回転数NSR
所定判別値ΔNSR2以下になったことが検出される時点t3
3までの制御区間)の後半部分)。そして、実スリップ
回転数NSRが所定判別値ΔNSR2以下になったことが検出
されると(NSR≦ΔNSR2)、ステップS130に進む。
ステップS130では、TCU16は、前回デューティサイク
ルで設定した解放側ソレノイド弁48のデューティ率D24
に所定のデューティ率ΔD7(例えば、2〜6%)を加算
して一旦デューティ率ΔD7だけ大きいデューティ率D24
を設定し、このデューティ率D24を初期値とし、実スリ
ップ回転数NSRと所定目標スリップ回転数NS1(例えば、
−20rpm)の偏差en(=NS1−NSR)を最小にするフィー
ドバック制御を開始する。即ち、結合側クラッチ33の係
合が未だ開始されていない場合には解放側クラッチ34の
デューティ率D24をより小さい値に設定すると摩擦トル
クの減少によりタービン回転数Ntは下降しようとするの
に対し、デューティ率D24をより大きい値に設定すると
摩擦トルクの増加によりタービン回転数Ntは上昇しよう
とするため、デューティ率D24フィードバック制御によ
りタービン回転数Ntを所定回転数に保持することが可能
である。
そこで、TCU16は、ステップS132で1デューティサイ
クルの経過を待った後、1デューティサイクル毎に解放
側ソレノイド弁48のデューティ率D24を前記演算式(2
4)を用いて設定する(ステップS134)。尚、演算式に
適用される積分ゲインKI1、比例ゲインKP1、微分ゲイン
KD1は夫々パワーオフダウンシフトに最適な所定の値に
設定されている。
次いで、TCU16は実スリップ回転数NSRが所定スリップ
回転数ΔNS2(例えば、3〜8rpm)以上であるか否かを
判別する(ステップS135)。この判別結果が否定であれ
ばTCU16は前記ステップS132に戻り、実スリップ回転数N
SRが所定スリップ回転数ΔNS2以上になるまでステップS
132乃至ステップS135を繰り返し実行する。これによ
り、解放側のソレノイド弁48のデューティ率D24は、上
述のように実スリップ回転数NSRと目標スリップ回転数N
S1との差が小さくなるように、即ち、実スリップ回転数
NSRが目標スリップ回転数NS1になるようにフィードバッ
ク制御されるのに対し、結合側のソレノイド弁47のデュ
ーティ率DLRは初期デューティ率Dd2に一定に保たれる。
この結果、ソレノイド弁47の初期デューティ率Dd2に対
応する作動油圧が第1の油圧制御弁44を介して第1速ク
ラッチ33に供給され、クラッチ33の係合が開始され、図
示しないピストンは次第に係合完了位置側に移動する。
クラッチ33のピストンの移動によりタービン回転数Ntは
上昇を始める。このタービン回転数Ntの上昇を打消すよ
うにソレノイド弁48のデューティ率D24がより小さい値
に設定されデューティ率D24の値は次第に減少する。解
放側のソレノイド弁48のデューティ率D24をより小さい
値に設定するにも拘わらず、係合側クラッチ33の係合力
の増加により、タービン回転数Ntが上昇し、第25図
(a)に示すt34時点に至って実スリップ回転数NSRが所
定スリップ回転数ΔNS2以上になる。TCU16は、実スリッ
プ回転数NSRが所定スリップ回転数ΔNS2以上になったこ
とを検出すると(ステップS135の判別結果が肯定)、第
24図に示すステップS136に進む。斯くして、第25図に示
す制御区間B(t33時点からt34時点間の制御区間)にお
ける油圧制御が終了する。
尚、制御区間Bにおいて、実スリップ回転数NSRが所
定スリップ回転数ΔNS2以上になったことが検出される
と第24図のステップS136が実行されるが、制御区間Aに
おいて、何らかの外乱により実スリップ回転数NSRが所
定スリップ回転数ΔNS2以上になったことが、例えば連
続するデューティサイクルにおいて2回検出された場
合、制御区間Bの油圧制御を省略して直に第24図のステ
ップS136に進み、制御領域Cの油圧制御を開始するよう
にしてもよい。
制御区間C及びこれに続く制御区間D,Eでの油圧制御
は、結合側のソレノイド弁47のデューティ率DLRを、タ
ービン回転数変化率ωtと所定の目標タービン回転変化
率ωtoとの差が最小となる値にフィードバック制御し、
タービン回転数Ntを1速時演算タービン回転数Ntc1に向
かって漸増させるものである。
TCU16は先ず、ステップS136において解放側ソレノイ
ド48のデューティ率D24を前記保持圧を与える所定デュ
ーティ率D24minに設定して第2速クラッチ34に保持圧を
供給するようにし、次で、所定時間tDの経過を待った後
(ステップS138)、記憶装置に予め記憶されている所定
値を制御区間C〜Eに応じて読み出し、これを目標ター
ビン回転変化率ωtoとして設定する(ステップS139)。
読み出される目標タービン回転変化率ωtoを、フィード
バック制御が開始されて間もない制御区間Cではタービ
ン回転数Ntが漸減する小さい値に設定し、制御区間Cに
続く制御区間Dでは制御区間Cの変化率より大きな値に
設定してタービン回転数Ntの下降速度を早め、第1速ク
ラッチ33の係合が完了する制御区間Eでは、再び小さい
変化率に設定して変速ショックの防止が図られる(第25
図(a)のタービン回転数Ntの時間変化参照)。
次いで、TCU16は結合側ソレノイド弁47のデューティ
率DLRを、実スリップ回転数NSRが所定スリップ回転数Δ
NS2以上になったことが検出され時点t34におけるデュー
ティ率、即ち、初期デューティ率Dd2を初期値として前
記演算式(16)及び(18)と類似の次式(26)及び(26
a)により演算設定し、設定したデューティ率DLRでソレ
ノイド弁47を開閉する駆動信号を出力する(ステップS1
40)。
(DLR)n=(Di)n+KP1・En+KD1(En−En-1)…(2
6) (Di)n=(Di)n-1+KI1・En+DH1+DH2 …(26a) ここに、(Di)n-1は前回デューティサイクルにおい
て設定した積分項であり、KI1,KP1,KD1は積分ゲイン、
比例ゲイン、微分ゲインであり、夫々当該パワーオフダ
ウンシフトに最適な所定の値に設定されている。Enは、
ステップS139で設定された今回デューティサイクルの目
標タービン回転変化率ωtoと実タービン回転変化率ωt
との偏差(En=ωto−ωt)、En-1は前回デューティサ
イクルの目標タービン回転変化率ωtoと実タービン回転
変化率ωtとの偏差である。
DH1は、変速中のアクセルワーク等によりエンジント
ルクTeが変化した場合のタービン軸トルクの変化量ΔTt
に応じて設定されるタービン軸トルクの補正値であり、
この値は前述した演算式(12)〜(14)により演算す
る。
DH2は、制御区間がCからDに、DからEに変化した
時点においてのみ適用される、目標タービン回転変化率
変更時の補正デューティ率であり、前述の演算式(19)
及び(20)から求められる。尚、演算式(19)における
係数αはパワーオフダウンシフトの変速パターンに最適
な値に設定されている。
TCU16はステップS140におけるデューティ率DLRの演算
及び駆動信号の出力の後、ステップS142に進み、タービ
ン回転数Ntが1速時演算タービン回転数Ntc1より所定回
転数(例えば、80〜120rpm)だけ低い回転数Ntc10に至
ったか否かを判別する。そして、この判別結果が否定の
場合には前記ステップS138に戻り、ステップS138乃至ス
テップS142を繰り返し実行する。
制御区間Cに突入したばかりの時点では、結合側クラ
ッチ33は係合を開始したばかりであり、上述した目標タ
ービン回転変化率ωtoでタービン回転数Ntを上昇させる
ことにより、係合開始時の変速ショックが回避される。
そして、TCU16はタービン回転数Ntが上昇してトランス
ファドライブギア回転数Noに所定係数を乗算した回転数
(例えば、1.7×No)に至ったとき、制御区間Cを離脱
して制御区間Dに突入したと判断し、前記ステップS139
において目標タービン回転変化率ωtoをより大きい値に
変更する(第25図(a)のt35時点)。
目標タービン回転変化率ωtoをより大きい値に変更す
ると、結合側ソレノイド弁47のデューティ率DLRは制御
区間Cにおいて設定される値より小さい値に設定され
(第25図(c)のt35時点からt36時点間)、タービン回
転数Ntは略目標タービン回転変化率ωtoで急激に上昇す
ることになる。目標タービン回転変化率ωtoをより大き
い値に設定ればするほど、変速応答性が改善されること
になる。
次いで、タービン回転数Ntが更に上昇してトランスフ
ァドライブギア回転数Noに所定係数を乗算した回転数
(例えば、2.4×No)に至ったとき、即ち、第1速クラ
ッチ33のピストンが、次第に係合完了位置近傍に移動
し、タービン回転数Ntが1速時演算タービン回転数Ntc1
に接近したとき、制御区間Dを離脱して制御区間Eに突
入したと判断し、前記ステップS139で設定される目標タ
ービン回転変化率ωtoを制御区間Dにおいて設定される
値より小さい値に変更する(第25図(a)のt36時
点)。目標タービン回転変化率ωtoをより小さい値に変
更すると、結合側ソレノイド弁47のデューティ率DLR
制御区間Dにおいて設定される値より大きい値に設定さ
れ(第25図(c)のt36時点からt37時点間)、タービン
回転数Ntは略目標タービン回転変化率ωtoで緩慢に上昇
することになり、結合側のクラッチ33の係合が完了する
時点近傍で生ずる変速ショックが回避されることにな
る。
前記ステップS142の判別結果が肯定の場合、即ち、タ
ービン回転数Ntが1速時演算タービン回転数Ntc1より所
定回転数(80〜120rpm)だけ低い回転数Ntc10に至ると
(第25図(c)のt37時点)、TCU16は直に解放側ソレノ
イド弁48及び結合側ソレノイド弁47のデューティ率D24,
DLRをいずれも0%に設定し、該デューティ率D24,DLR
ソレノイド弁48,47を開閉する駆動信号を出力する(第2
5図(b)及び(c)のt37時点)。斯くして、第2速段
から第1速段へのパワーオフダウンシフトの変速油圧制
御が完了する。
尚、上述の実施例では説明の簡略化の為に、第1速段
と第2速段間の変速時の油圧制御手順についてのみ説明
したが、第2速段と第3速段間の変速等、他の変速段間
の変速時の油圧制御手順についても同じように説明出来
ることは勿論のことである。
又、自動変速装置の変速用摩擦係合要素として油圧ク
ラッチを例に説明したが、変速用摩擦係合要素としては
これに限定されず、変速用ブレーキであってもよい。
更に、上述の実施例では、本発明の自動変速装置の油
圧制御方法をトルクコンバータを備える自動変速装置に
適用したものを例に説明したが、駆動力伝達装置として
はトルクコンバータ等の流体継手やダンパクラッチ28の
ようなスリップ式直結クラッチに限定されず、スリップ
制御式電磁粉クラッチ、粘性クラッチ等の入出力軸の回
転速度から伝達トルクが略一義的に決定することが出来
るもの、或いは、伝達トルクが外部から制御でき、伝達
トルクに対応する制御パラメータ値が検出可能なもので
あれば種々の駆動力伝達装置が適用出来る。
(発明の効果) 以上詳述したように、本発明の自動変速装置の油圧制
御方法に依れば、伝達トルクが検出可能な駆動力伝達装
置を介してエンジンの駆動力が変速装置に伝達され、更
に、該変速装置の変速用摩擦係合要素による変速段の切
換により適宜の変速段に変速されて車輪に伝達される駆
動系の、変速装置の油圧制御方法において、エンジンの
回転数の変化率を検出し、駆動力伝達装置の検出された
伝達トルクと、検出したエンジン回転数変化率に所定値
を乗算した積値とを加算し、該加算値に応じて変速用摩
擦係合要素のトルク容量を制御するようにしたので、変
速装置の入力軸トルクの瞬時値を正確に演算することが
でき、この入力軸トルクの瞬時値をパラメータとして摩
擦係合要素のトルク容量制御に用いるので、変速途中で
アクセルワーク等によりエンジントルクが変化しても、
応答性がよく安定な変速制御が得られるという優れた効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示し、第1図は、本発明方法
が実施されるトルクコンバータを備えた自動変速装置の
概略構成図、第2図は、第1図に示す歯車変速装置30の
内部構成の一部を示すギアトレイン図、第3図は、第1
図に示す油圧回路40の内部構成の一部を示す油圧回路
図、第4図は、第1図に示すトランスミッションコント
ロールユニット(TCU)16により実行される変速時の油
圧制御手順を示すメインプログラムルーチンのフローチ
ャート、第5図は、エンジン回転数Neの演算に用いられ
る、エンジン回転数(Ne)センサ14からのパルス信号の
発生状況を示すタイミングチャート、第6図は、スロッ
トル弁開度とトランスファドライブギア回転数とにより
区画される変速段領域を示すシフトマップ図、第7図
は、パワーオンオフ判定ルーチンのフローチャート、第
8図乃至第12図は、パワーオンアップシフト時に実行さ
れる油圧制御手順を示すフローチャート、第13図は、パ
ワーオンアップシフト時におけるタービン回転数Nt及び
トランスファドライブギア回転数Noの時間変化、並びに
解放側及び結合側ソレノイド弁のデューティ率変化を示
すタイミングチャート、第14図乃至第16図は、パワーオ
ンダウンシフト時に実行される油圧制御手順を示すフロ
ーチャート、第17図は、パワーオンダウンシウト時にお
けるタービン回転数Nt及びトランスファドライブギア回
転数Noの時間変化、並びに解放側及び結合側ソレノイド
弁のデューティ率変化を示すタイミングチャート、第18
図乃至第20図は、パワーオフアップシフト時に実行され
る油圧制御手順を示すフローチャート、第21図は、パワ
ーオフアップシフト時におけるタービン回転数Nt及びト
ランスファドライブギア回転数Noの時間変化、並びに解
放側及び結合側ソレノイド弁のデューティ率変化を示す
タイミングチャート、第22図乃至第24図は、パワーオフ
ダウンシフト時に実行される油圧制御手順を示すフロー
チャート、第25図は、パワーオフダウンシフト時におけ
るタービン回転数Nt及びトランスファドライブギア回転
数Noの時間変化、並びに解放側及び結合側ソレノイド弁
のデューティ率変化を示すタイミングチャート、第26図
は、リフトフットアップシフト時におけるスロットル弁
の弁開度、タービン軸トルク及び出力軸トルクの時間変
化を説明するためのタイミングチャートである。 10……内燃エンジン、11a……リングギア、14……Neセ
ンサ、15……Ntセンサ、16……トランスミッションコン
トロールユニット(TCU)、17……Noセンサ、19……油
温センサ、20……トルクコンバータ、21……駆動軸、23
……ポンプ、25……タービン、28……ダンパクラッチ、
30……歯車変速装置、30a……タービン軸(入力軸)、3
1……第1の駆動ギア、32……第2の駆動ギア、33,34…
…油圧クラッチ(変速クラッチ)、35……中間伝動軸、
41……油路、42……パイロット油路、44……第1の油圧
制御弁、46……第2の油圧制御弁、47……常開型ソレノ
イド弁、48……常閉型ソレノイド弁、50……ダンパクラ
ッチ油圧制御回路、52……ダンパクラッチコントロール
バルブ、54……ダンパクラッチコントロールソレノイド
バルブ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】伝達トルクが検出可能な駆動力伝達装置を
    介してエンジンの駆動力が変速装置に伝達され、更に、
    該変速装置の変速用摩擦係合要素による変速段の切換に
    より適宜の変速段に変速されて車輪に伝達される駆動系
    の、前記変速装置の油圧制御方法において、前記エンジ
    ンの回転数の変化率を検出し、前記駆動力伝達装置の検
    出された伝達トルクと、前記検出したエンジン回転数変
    化率に所定値を乗算した積値とを加算し、該加算値に応
    じて前記変速用摩擦係合要素のトルク容量を制御するこ
    とを特徴とする自動変速装置の油圧制御方法。
JP62097019A 1987-04-20 1987-04-20 自動変速装置の油圧制御方法 Expired - Lifetime JP2518270B2 (ja)

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DE3812673A DE3812673C2 (de) 1987-04-20 1988-04-17 Anordnung zur Erfassung eines Drehmoments
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