JP2738200B2 - 摩擦係合要素の油圧制御方法 - Google Patents

摩擦係合要素の油圧制御方法

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JP2738200B2
JP2738200B2 JP5251492A JP5251492A JP2738200B2 JP 2738200 B2 JP2738200 B2 JP 2738200B2 JP 5251492 A JP5251492 A JP 5251492A JP 5251492 A JP5251492 A JP 5251492A JP 2738200 B2 JP2738200 B2 JP 2738200B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、摩擦係合要素の油圧
制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車用の自動変速機には、油
圧式多板クラッチや油圧式ブレーキ等の摩擦係合要素が
多数備えられている。そして、これらの摩擦係合要素を
操作する手段として、コントローラによりデューティ比
制御されるデューティソレノイド弁が広く使用されてい
る。
【0003】このソレノイド弁は、摩擦係合要素に供給
する作動油圧を調整することで、当該摩擦係合要素を操
作する。つまり、ソレノイド弁は、デューティ率を変化
させることで、当該デューティ率に対応した圧力値に前
記作動油圧を調整することができ、これにより、摩擦係
合要素の係合及びこの解除を制御する。ところで、油圧
式多板クラッチは、多数の摩擦板を備えて構成されてい
る。このクラッチでは、各摩擦係合板間に所定のクリア
ランスを設け、クラッチの係合が解除されている状態に
おいて、各摩擦板間に大きい引きずりトルクが発生する
ことを防止している。同様にして、油圧式バンドブレー
キにおいても、各摩擦係合面間に所定のクリアランスを
設け、ブレーキの摩擦係合が解除されている状態におい
て、各摩擦係合面間に引きずりトルクが発生することを
防止している。
【0004】このため、このクラッチやブレーキに作動
油圧を供給し始めてから、各摩擦係合板同士及び各摩擦
係合面同士が実際に摩擦係合を開始するまでには、所謂
がた詰め操作が必要となり、この間、無駄時間が発生し
てレスポンス遅れの原因となっている。この無駄時間を
減少させるために、コントローラは、クラッチ及びブレ
ーキの各摩擦係合板同士及び各摩擦係合面同士が係合を
開始する直前位置まで、最大油圧相当のデューティ率
(例えば、100%)で、予め設定しておいた時間にわ
たって前記ソレノイド弁を連続駆動し、作動油の供給量
を急激に増加させてがた詰め操作を素早く終了させる。
そして、この後、コントローラは、クラッチ及びブレー
キの係合開始直前位置を保持させるデューティ率で、ソ
レノイド弁を駆動するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
摩擦係合要素の油圧制御方法においては、デューティ比
制御の1サイクルが所定時間を要するために、上記ソレ
ノイド弁をデューティ率100%で連続駆動できる時間
がデューティサイクルの整数倍に限定され、がた詰め操
作の時間設定を正確に行い難いとの問題があった。
【0006】例えば、50ヘルツのサイクルでデューテ
ィ比制御されるソレノイド弁を、デューティ率100%
で駆動した場合に、がた詰め作業に必要な時間が90ミ
リセカンド(以下、msecと記す)となるときを考える。
50ヘルツは20msecに相当するので、4デューティサ
イクルに要する時間は80msec、5サイクルに要する時
間は100msecとなる。
【0007】このため、コントローラが、4デューティ
サイクルだけソレノイド弁をデューティ率100%で駆
動させた場合には、がた詰め作業の時間が80msecとな
り、必要とされる時間に10msecだけ不足する。一方、
コントローラが、5デューティサイクルにわたってソレ
ノイド弁を駆動させた場合には、がた詰め作業の時間が
100msecとなり、前記必要時間を10msecも超過して
しまう。
【0008】つまり、デューティソレノイド弁におい
て、最大油圧を供給することのできる時間がデューティ
サイクルの整数倍に限定され、がた詰め操作の時間設定
を正確に行い難いとの問題があった。本発明は、上述の
問題点を解決するためになされたもので、給排油手段を
所定のデューティ率で駆動する場合に、その駆動時間を
正確に設定して、摩擦係合要素のがた詰め操作を短時間
に終了させ、しかも、この後、摩擦係合要素をその係合
直前位置に正確に保持することができる摩擦係合要素の
油圧制御方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明によれば、所定の周期時間でデューティ比制御
され、摩擦係合要素に供給する作動油圧を調整する給排
油手段のデューティ率を所定時間だけ第1デューティ率
で駆動することで、前記摩擦係合要素を、係合が完全に
解除され待機している状態の第1位置から、係合を開始
する直前の第2位置まで移動させた後、引き続き、この
給排油手段を、前記第1デューティ率に対応する作動油
圧より低い作動油圧を発生させる第2デューティ率で駆
動する、摩擦係合要素の油圧制御方法において、前記所
定時間を前記周期時間で除算したときの商N及び余り時
間を求める過程と、前記給排油手段を第1デューティ率
でN周期だけ駆動する過程と、前記余り時間に相当する
第3デューティ率に前記第2デューティ率を加算して得
られた第4デューティ率で1周期だけ給排油手段を駆動
する過程とを経由して、前記給排油手段を第2デューテ
ィ率で駆動することを特徴とする摩擦係合要素の油圧制
御方法が提供される。
【0010】
【作用】例えば、油圧式多板クラッチ装置を、その係合
が完全に解除された状態から所謂がた詰め操作すると共
に、その後引き続いて、このクラッチ装置に油圧Pを供
給し、このクラッチ装置を係合直前位置に保持する場合
を考える。いま、50ヘルツの周期時間でデューティ比
制御されるデューティソレノイド弁(給排油手段)をデ
ューティ率100%(第1デューティ率)で駆動したと
きに、がた詰め操作に90msecを要し、また、前記油圧
Pに対応するデューティ率(第2デューティ率)が35
%であるとする。
【0011】先ず、50ヘルツに相当する時間は20ms
ecとなることから、90msecを20msecで除算し、商N
として4を、その余り時間として10msecを得る。この
余り時間10msecは、20msecの50%であり、デュー
ティ率(第3デューティ率)50%に相当する。次に、
前記ソレノイド弁を4デューティサイクルにわたりデュ
ーティ率100%で駆動する。そして、10msecに相当
する50%に油圧Pに対応する35%を加えて得られた
デューティ率(第4デューティ率)85%で、前記ソレ
ノイド弁を1デューティサイクルだけ駆動する。そし
て、この後、ソレノイド弁をデューティ率35%で駆動
する。
【0012】つまり、クラッチ装置のがた詰め操作は、
ソレノイド弁をデューティ率100%で駆動すること
で、5デューティサイクル目の10msecを経過した時点
で終了する。また、がた詰め操作を終了した直後から、
ソレノイド弁を油圧Pに対応するデューティ率35%で
連続して操作できる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。図1は、本発明に係る油圧制御方法を実施
する自動車の自動変速機の概略構成を示している。図中
符号1は、内燃エンジンを示し、このエンジン1の出力
は、自動変速機2を介して駆動輪(図示せず)に伝達さ
れる。
【0014】自動変速機2は、トルクコンバータ4、歯
車変速装置3、油圧回路5及びコントローラ40等より
構成されている。歯車変速装置3は、例えば、前進4段
後進1段のギヤトレインと、当該ギヤトレインのギヤ比
を切り換えて変速操作を行う多数の変速摩擦係合要素を
備えている。この変速摩擦係合要素は、例えば、油圧ク
ラッチや油圧ブレーキである。
【0015】図2は、歯車変速装置3の部分構成図であ
り、入力軸3a周りには、第1駆動ギヤ31及び第2駆
動ギヤ32が回転自在に配置されている。また、第1駆
動ギヤ31及び第2駆動ギヤ32間の入力軸3aには、
変速摩擦係合要素として油圧クラッチ33及び34が固
設されている。各駆動ギヤ31及び32は、それぞれク
ラッチ33及び34に係合することにより入力軸3aと
一体に回転する。
【0016】また、入力軸3aと平行に配置された中間
伝達軸35は、図示しない最終減速歯車装置を介して駆
動車軸に接続されている。この中間伝達軸35には、第
1被駆動ギヤ36と第2被駆動ギヤ37が固設されてお
り、これらの被駆動ギヤ36及び37は、前記駆動ギヤ
31及び32とそれぞれ噛み合っている。従って、クラ
ッチ33と第1の駆動ギヤ31が係合している場合に
は、入力軸3aの回転は、クラッチ33、第1の駆動ギ
ヤ31、第1の被駆動ギヤ36、中間伝達軸35に伝達
され、第1の変速段(例えば、第1速)が達成される。
また、クラッチ34と第2の駆動ギヤ32が係合してい
る場合には、入力軸3aの回転は、クラッチ34、第2
の駆動ギヤ32、第2の被駆動ギヤ37、中間伝達軸3
5に伝達され、第2の変速段(例えば、第2速)が達成
される。
【0017】第1速側のクラッチ33が係合している状
態から、このクラッチ33の係合を解除しながら、第2
速側のクラッチ34を係合させることで、自動変速機2
は第1速から第2速にシフトアップする。逆に、クラッ
チ34が係合している状態から、このクラッチ34の係
合を解除しながら、クラッチ33を係合させることで、
自動変速機2は第2速から第1速にシフトダウンする。
【0018】なお、各クラッチ33,34は、油圧式多
板クラッチである。図3は、クラッチ33の断面を示
し、このクラッチ33は、作動油内に配置された多数の
摩擦係合板50を有している。そして、油路14からポ
ート51を介してこのクラッチ33内に作動油が供給さ
れると、ピストン52が往動して各摩擦係合板50を摩
擦係合させる。一方、リターンスプリング53により押
圧されて、ポート51を介して油路14内に作動油を排
出させながら、ピストン52が復動すると、各摩擦係合
板50同士の摩擦係合は解除される。なお、クラッチ3
4も、このクラッチ33と同様に構成されている。
【0019】そして、各クラッチ33,34の係合を完
全に解除する場合には、各クラッチの各摩擦係合板50
を待機位置で待機させる。この待機位置では、各摩擦係
合板50間には、引きずりトルクの発生を防止するため
に充分なクリアランスが設けられている。このため、各
クラッチ33,34を係合させる場合には、先ず、上述
のクリアランスを略0にする位置、即ち、摩擦係合が生
じる直前位置にまで各摩擦係合板50を移動させる、所
謂がた詰め操作を行う必要がある。
【0020】油圧回路5は、前述した各変速摩擦係合要
素の各々に対応するデューティソレノイド弁(以下、単
にソレノイド弁と記す)を有しており、各変速摩擦係合
要素、即ち、各クラッチやブレーキを互いに独立して操
作する。なお、各ソレノイド弁は、各クラッチやブレー
キを同様にして操作するので、クラッチ33を操作する
ソレノイド弁について図4に基づきながら説明し、他の
ソレノイド弁についての説明は省略する。
【0021】図4は、油圧回路5の一部を示し、油圧ク
ラッチ33に油圧を供給できるソレノイド弁11を備え
ている。このソレノイド弁11は、常閉型の2位置切換
弁で、3箇所にポート11a〜11cを有している。第
1のポート11aには、オイルポンプ(図示せず)に延
びる第1油路13が接続されている。この第1油路13
の途中には、図示しない調圧弁等が介在されており、所
定圧に調圧された作動油圧(ライン圧)が供給されてい
る。
【0022】また、第2のポート11bには、油圧クラ
ッチ33に延びる第2油路14が、第3のポート11c
には、図示しないオイルタンクへ延びる第3油路15が
それぞれ接続されている。これら第2及び第3油路1
4,15の途中には、それぞれ絞り16,17が設けら
れている。第2油路14に設けられた絞り16の流路面
積は、第3油路15に設けられた絞り17の流路面積に
比べて大きく設定されている。さらに、クラッチ33と
絞り16間の第2油路14の途中には、アキュームレー
タ18が接続されている。
【0023】ソレノイド弁11は、コントローラ40に
電気的に接続されており、このコントローラ40により
所定の周期、例えば、50ヘルツの制御周期でデューテ
ィ比制御される。そして、ソレノイド弁11のソレノイ
ド11eが消勢されている場合には、弁体11fはリタ
ーンスプリング11gに押圧されて第1のポート11a
と第2ポート11bを遮断する一方、ソレノイド11e
が付勢されている場合には、弁体11fは、リターンス
プリング11gのばね力に抗してリフトし、第1のポー
ト11aと第2のポート11bを連通させる。なお、第
2のポート11bと第3のポート11cは、常時連通し
ている。
【0024】コントローラ40は、マイクロコンピュー
タを有しており、図示しないROM,RAM等の記憶装
置、中央演算装置、入出力装置、カウンタ等を内蔵して
いる。このコントローラ40の入力側には、種々のセン
サ、例えば、Ntセンサ21,Noセンサ22,θtセ
ンサ23等が電気的に接続されている。前記Ntセンサ
21は、トルクコンバータ4のタービンの回転数Ntを
検出するタービン回転数センサである。また、前記No
センサ22は、図示しないトランスファドライブギヤの
回転数Noを検出するトランスファドライブギヤ回転数
センサである。そして、前記θtセンサ23は、エンジ
ン1の図示しない吸気通路途中に配設されたスロットル
弁の弁開度θtを検出するスロットル弁開度センサであ
る。これら各センサ21〜23は、検出信号をコントロ
ーラ40に供給している。
【0025】このコントローラ40は、記憶装置に記憶
されたプログラムに従って、自動変速機2のシフトチェ
ンジを行う。つまり、コントローラ40は、各Ntセン
サ21,Noセンサ22、θtセンサ23等からの信号
を監視し続けると共に、これらの信号に基づき自動車の
走行状態に適した変速段を判断する。そして、例えば、
自動車が第2速で走行している場合において、コントロ
ーラ40が第1速へのシフトダウンの必要性を認識する
と、コントローラ40は、クラッチ34を操作する解除
側のソレノイド弁(図示せず)と、クラッチ33を操作
する結合側のソレノイド弁11を別々に操作し、走行状
態やエンジン出力等に適したタイミングでクラッチ34
の係合を解除しながらクラッチ33を係合させて、第2
速から第1速へのシフトダウンを行う。
【0026】このシフトダウン操作時において、結合側
のクラッチ33に関し、コントローラ40は、前述した
理由から、先ずがた詰め操作を行う。次に、このがた詰
め操作の手順を、図5に示す流れ図に基づいて説明す
る。先ず、ステップS60において、がた詰め時間Tf
を読み込む。このがた詰め時間Tfは、以下のような時
間である。つまり、このがた詰め時間Tfだけ、ソレノ
イド弁11をデューティ率100%で連続駆動した場
合、クラッチ33の各摩擦係合板50は、その待機位置
から係合直前位置にまで移動される。
【0027】このがた詰め時間Tfは、予め実験により
求められ、コントローラ40の記憶装置に記憶されてい
るが、摩擦係合板50の磨耗等に起因してがた詰め操作
に必要な時間は変化するので、コントローラ40は、自
動変速機2のシフトチェンジを繰り返す度にがた詰め時
間Tfの補正の必要性を判断し、所謂学習を行うことで
がた詰め時間Tfを更新している。本実施例において
は、このがた詰め時間Tfは、90msecに設定されてい
る。
【0028】次に、コントローラ40は、ステップS6
1において、がた詰め時間Tfを1デューティサイクル
に相当する時間Toで除算し、その商N及び余り時間T
mを求める。即ち、これらの関係は、次式で表される。 Tf=To×N+Tm 前述したように、ソレノイド弁11は、50ヘルツの周
期でデューティ比制御される。50ヘルツの周期に相当
する時間Toは、20msecとなる。従って、がた詰め時
間90msecを、時間20msecで除算すると、商Nとして
4、余り時間Tmとして10msecが得られる。
【0029】そして、ステップS62に進み、コントロ
ーラ40は、初期デューティ率補正量Dcを演算する。
つまり、1デューティサイクル中に占める余り時間Tm
を百分率に換算し、余り時間Tmに対応するデューティ
率を初期デューテュ率補正量Dcとする。余り時間10
msecは、20msecの50%を占めるので、初期デューテ
ィ率補正量Dcは50%となる。
【0030】そして、ステップS63において、コント
ローラ40は、初期デューティ率D1に初期デューティ
率補正量Dcを加え、デューティ率Duを求める。ここ
で、初期デューティ率D1は、クラッチ33の各摩擦係
合板50をその係合直前位置に保持しておくために必要
な油圧力Pに対応するデューティ率である。換言する
と、ソレノイド弁11をデューティ率D1で駆動するこ
とにより、クラッチ33に供給される油圧力Pと、リタ
ーンスプリング53のばね力とが釣り合い、各摩擦係合
板50をその係合直前位置に保持しておくことができ
る。
【0031】この初期デューティ率D1も、前記がた詰
め時間Tfと同様に、実験的に求められてコントローラ
40の記憶装置に記憶されており、学習によりその値を
更新するようにしても良い。本実施例においては、初期
デューティ率D1は35%に設定されている。従って、
デューティ率Duとしては、35%に50%を加算する
ことで、85%が得られる。
【0032】次に、ステップS66に進み、コントロー
ラ40は、図6に示すように、4回のデューティサイク
ルにわたり、ソレノイド弁11をデューティ率100%
で駆動させ、クラッチ33の各摩擦係合板50の移動を
開始させる。これにより、油路14を介してデューティ
率100%に対応する最大圧の作動油がクラッチ33に
向けて供給されるが、この供給量に応じてクラッチ33
のピストン52が往動するので、クラッチ33に供給さ
れる油圧は略一定に保持される(図6)。
【0033】そして、ステップS67に進み、コントロ
ーラ40は、ソレノイド弁11をデューティ率Duで1
デューティサイクルだけ駆動させる。つまり、ソレノイ
ド弁11は、5デューティサイクル目をデューティ率8
5%で駆動される。このデューティ率Du(85%)
は、初期デューティ率補正量Dc(50%)と初期デュ
ーティ率D1(35%)との和であるので、5デューテ
ィサイクル目において、初期デューティ率補正量Dcに
相当する時間、即ち、前記余り時間Tm(10msec)が
経過した時点で、クラッチ33のがた詰め操作が終了す
る。このがた詰め操作は、ソレノイド弁11をデューテ
ィ率100%で連続駆動して行われるので、がた詰め操
作に要する時間は最短になる。
【0034】そして、クラッチ33のがた詰め操作が終
了した時点から、連続して、ソレノイド弁11は、初期
デューティ率D1(35%)で駆動されることになり、
クラッチ33に供給される油圧力Pと、リターンスプリ
ング53のばね力とが釣り合い、各摩擦係合板50をそ
の係合直前位置に保持することができる。これにより、
自動変速機2のシフトダウン操作を行う場合に、コント
ローラ40は、クラッチ33を係合直前位置から操作す
ることができる。
【0035】そして、このステップS67を抜けると、
コントローラ40は、このがた詰め処理ルーチンから脱
出し、自動変速機2のシフトダウン操作を行う。なお、
本実施例においては、クラッチ33に油圧を供給するソ
レノイド弁11について説明したが、クラッチ34やそ
の他の摩擦係合要素に油圧を供給するソレノイド弁も、
上述の方法でがた詰め操作されることは勿論である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明の方法によれ
ば、デューティ比制御される給排油手段を、N番目のデ
ューティサイクルまでを第1デューティ率で、N+1番
目のデューティサイクルを第4デューティ率で駆動する
ので、その駆動時間を正確に設定することができると共
に、これに連続して、給排油手段を第2デューティ率で
駆動することができる。
【0037】この結果、摩擦係合要素を第1位置から第
2位置にまで移動させる場合に、素早く移動を終了させ
ることができると共に、この後、摩擦係合要素を第2位
置に正確に保持することができる。即ち、例えば、油圧
クラッチ装置を所謂がた詰め操作する場合において、こ
のがた詰め操作の短時間化及び精度向上を図ることがで
き、さらには、係合直前位置にこの油圧クラッチ装置を
正確に保持しておくことが可能になる等の優れた効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る方法が実施される自動車用自動変
速機の概略構成図である。
【図2】図1の歯車変速装置内のギヤトレインの一部を
示す概略構成図である。
【図3】図2の油圧クラッチを示す断面図である。
【図4】図2及び図3の油圧クラッチを操作する油圧回
路の一部を示す概略構成図である。
【図5】図1及び図4に示すコントローラにより実行さ
れるがた詰め操作の油圧制御手順を示す流れ図である。
【図6】図5に示す油圧制御手順に従って操作された場
合の、ソレノイド弁のデューティ率及びクラッチへの供
給油圧の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 自動変速機 3 歯車変速装置 5 油圧回路 11 ソレノイド弁 13〜15 油路 33 油圧クラッチ 40 コントローラ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の周期時間でデューティ比制御さ
    れ、摩擦係合要素に供給する作動油圧を調整する給排油
    手段のデューティ率を所定時間だけ第1デューティ率で
    駆動することで、前記摩擦係合要素を、係合が完全に解
    除され待機している状態の第1位置から、係合を開始す
    る直前の第2位置まで移動させた後、引き続き、この給
    排油手段を、前記第1デューティ率に対応する作動油圧
    より低い作動油圧を発生させる第2デューティ率で駆動
    する、摩擦係合要素の油圧制御方法において、 前記所定時間を前記周期時間で除算したときの商N及び
    余り時間を求める過程と、前記給排油手段を第1デュー
    ティ率でN周期だけ駆動する過程と、前記余り時間に相
    当する第3デューティ率に前記第2デューティ率を加算
    して得られた第4デューティ率で1周期だけ給排油手段
    を駆動する過程とを経由して、前記給排油手段を第2デ
    ューティ率で駆動することを特徴とする摩擦係合要素の
    油圧制御方法。
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