JP2517861Y2 - テープレコーダーのカセットドア開閉装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ） 産業上の利用分野 本考案はカセットを前面から挿入する方式のテープレ
コーダーのカセットドア開閉装置に関する。

（ロ） 従来の技術 従来、カセットを前面から機器本体のカセット挿入口
に水平に挿入するテープレコーダーは、VTR等で広く用
いられており、このカセット挿入口には塵埃等の侵入を
防止するためにドアが配設されている。そして、前記ド
アはテープカセットを装着した後は閉じており、テープ
カセットを装着位置から排出する時には機構的にドアを
開けてテープカセットと引っ掛からないようになってい
る。

（ハ） 考案が解決しようとする課題 上述のような従来のカセットドア開閉装置において
は、ドアを部品のバラツキ、クリアラン等を考慮してテ
ープカセットに引っ掛からないように十分に大きく回動
して開けるようにしている。このため、ドアを余分に回
動させるのに必要なスペースを要するので、機器の厚み
寸法が厚くなるという問題があり、特に厚み寸法に制限
のあるカー用のテープレコーダーには設計上苦慮しなけ
ればならなかった。

（ニ） 課題を解決するための手段 本考案は上述したような問題点に鑑み、テープカセッ
トを保持するカセットホルダーを水平移送及び垂直移送
させ、前記テープカセットを挿入位置と装着位置間で往
復させるカセット装着装置において、カセット挿入口に
配設された開閉自在なドアと、該ドアを開閉制御する駆
動レバーと、モータにより駆動されるスライドとを設
け、前記スライド上に前記駆動レバーと衝接する突起部
を形成し、該駆動レバーの一部を弾性体で構成し、該駆
動レバーは前記突起部との衝接によって回動ストローク
を生じて回動すると共に前記突起部との摺接によってオ
ーバーストロークを生じて回動し、該オーバーストロー
クを前記弾性体の弾性変形によって吸収しドアを完全に
開けるようにしたことを特徴とするテープレコーダーの
カセットドア開閉装置を提供するものである。

（ホ） 作用 上述の本考案によれば、駆動レバーの回動ストローク
によってドアを開ける時、弾性アーム部が弾性変形して
該駆動レバーの衝接片との摺接にかかるオーバーストロ
ークを吸収した状態でドアを完全に開けるように作用す
る。

（ヘ） 実施例 以下本考案の一実施例を第１図乃至第５図とともに説
明する。

第１図は本考案に係るテープ挿入口のドアの開閉駆動
機構部の要部斜視図である。第２図乃至第５図は同装置
の要部側断面図である。

これらの図において、カセット挿入口のドア（１）
は、左右側板（８）、（10）間に支持されたシャフト
（３）に回動自在に取り付けられ、スプリングワイヤ
（12）により時計方向に付勢されている。

また、側板（９）に設けられたシャフト（４）に回動
自在にとりつけられた駆動レバー（２）は、カセット挿
入口のドア（１）を開閉制御できる様に先端舌片部（2
a）が該ドア（１）と当接している。

そして、モータ（図示せず）によって駆動されるメイ
ンスライド（11）には、駆動レバー（２）の衝接片（2
b）と係合して該レバーを回動制御できるように突起部
（５）が形成されている。

前記駆動レバー（２）は合成樹脂成型品で形成され、
軸支部分の近傍に衝接片（2b）が設けれると共に舌片部
（2a）との間に弾性アーム（2c）が設けられている。

次に上記構成によるカセット挿入口のドアの開閉駆動
装置の動作を説明する。

第２図はテープカセット（６）が装着され、ドア
（１）が閉じた状態を示す。

この状態でテープカセットを排出するためにモータ
（図示せず）を駆動すると、メインスライド（11）と共
に突起部（５）が矢印方向に駆動され、駆動レバー
（２）の衝接片（2b）に対して該メインスライドの突起
部（５）が衝接し、該駆動レバー（２）が衝接片（2b）
と突起部（５）との衝接によって回動ストロークを生じ
てシャフト（４）を中心に時計方向に回動する。この為
駆動レバー（２）の先端舌片部（2a）と当接しているド
ア（１）がシャフト（３）を中心に反時計方向に回動せ
しめられ、ドア（１）が開いた状態になる。

第３図はドア（１）が丁度天板（７）に当たる所まで
回動した状態を示す。

さらに、メインスライド（11）と共に突起部（５）が
移動すると、該突起部が駆動レバー（２）の衝接片（2
b）に摺接し、該駆動レバー（２）が衝接片（2b）と突
起部（５）との摺接によってオーバーストロークを生じ
てシャフト（４）を中心にさらに時計方向に回動させら
れるが、該駆動レバーと当接しているドア（１）は天板
（７）によってさらなる時計方向への回動を規制されて
いる為、駆動レバー（２）の弾性アーム（2c）が弾性変
形し、該弾性アームの弾性変形によって該駆動レバーの
オーバーストロークが吸収され、ドア（１）が完全に開
いた状態になる。第４図がこの状態を示し、この時テー
プカセット（６）は図に示す様な位置まで排出されてお
り、ドア（１）と引っ掛かることはない。

さらに、突起部（５）が移動すると、駆動レバー
（２）の衝接片（2b）との摺接が外れ、テープカセット
（６）を引き抜いた状態ではドア（１）は該ドアの付勢
スプリングワイヤ（12）により、カセット挿入口を閉じ
た状態となり、同時に駆動レバー（２）をフリーの状態
とする。この状態を第５図に示す。

（ト） 考案の効果 以上説明したように、本考案は、カセット挿入口ドア
の開閉駆動レバーの一部を弾性体で構成し、該弾性体の
弾性変形によって駆動レバーのオーバーストロークを吸
収するようにしたので、該ドアの回動角を一定にするこ
とができ、セットの薄型化を計る上で有用なものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るカセットドア開閉装置の斜視図、
第２図、第３図、第４図及び第５図は同装置の要部側断
面図である。 （１）……カセット挿入口ドア、（２）……駆動レバ
ー、（2a）……先端舌片部、（2b）……衝接片、（2c）
……弾性アーム部、（５）……メインスライドの突起
部、（６）……テープカセット、（７）……天板。

フロントページの続き (72)考案者 青木 晋一 鳥取県鳥取市南吉方３丁目201番地 鳥 取三洋電機株式会社内 (56)参考文献 実開 昭61−121543（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】テープカセットを保持するカセットホルダ
   ーを水平移送及び垂直移送させ、前記テープカセットを
   挿入位置と装着位置間で往復させるカセット装着装置に
   おいて、カセット挿入口に配設された開閉自在なドア
   と、該ドアを開閉制御する駆動レバーと、モータにより
   駆動されるスライドとを設け、前記スライド上に前記駆
   動レバーと衝接する突起部を形成し、該駆動レバーの一
   部を弾性体で構成し、該駆動レバーは前記突起部との衝
   接によって回動ストロークを生じて回動すると共に前記
   突起部との摺接によってオーバーストロークを生じて回
   動し、該オーバーストロークを前記弾性体の弾性変形に
   よって吸収しドアを完全に開けるようにしたことを特徴
   とするテープレコーダーのカセットドア開閉装置。