JP2517768B2 - 開閉式屋根 - Google Patents

開閉式屋根

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JP2517768B2
JP2517768B2 JP1291188A JP29118889A JP2517768B2 JP 2517768 B2 JP2517768 B2 JP 2517768B2 JP 1291188 A JP1291188 A JP 1291188A JP 29118889 A JP29118889 A JP 29118889A JP 2517768 B2 JP2517768 B2 JP 2517768B2
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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明は開閉自在な屋根により、全天候型の競技場等
を構成するための開閉式屋根に関する。
《従来の技術》 最近の野球場や競技場では天候の影響に関係なく使用
できるように、空気膜構造による屋根を具備したものも
あるようになった。
そして更に、晴天時には自然と一体的になった開放感
を得るために、開閉式屋根についても種々の提案が出て
いる。
例えば、移動屋根が多段構造で、屋根の開運動に伴う
収納状態は積層型になって収納スペースを小さくし、ま
た開口率を大きくすることが課題になっている。
《発明が解決しようとする課題》 移動屋根の移動動力容量を小さくするためには移動方
向を水平にすることが望ましい。そして、移動させたと
きの収納面積を小さくするためには積層構造とすること
が有利である しかし、また移動屋根自体の軽量化を図る観点からは
水平な屋根構造よりもドーム型とする方が有利である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、そ
の目的は軽量化することによって移動動力容量を小さく
し、かつ充分な開口率を備えた開閉式屋根の具体的構成
を提供するにある。
《課題を解決するための手段》 上記目的を達成するために、本発明の開閉式屋根は、
平面がほぼ円形状の外周壁の一端に三日月形の固定屋根
を設け、該固定屋根の内周縁中央から該外周壁のほぼ中
心点を通って、そのまま外径方向へ抜ける分割線の左右
に対称的に、かつ該分割線と該外周壁とが交差する近傍
の両側に配置した回動軸を回動点にして、該回動点近く
から該固定屋根の内周縁へ放射状に複数に画成し、これ
らにレベル差を付して段構造とした屋根の最外周側を該
外周壁に沿って旋回する旋回屋根とし、その内側は該回
動軸を回動点として外側へ回動運動する回動屋根とし、
回動屋根の反回動点側の外端部は、隣接する他の屋根に
車輪を介して支承され、また、回動屋根の反回動点側の
内端部は、固定屋根上面に配設されたレール上を走行す
る走行輪によって支承され、走行輪は、回動屋根が旋回
屋根上に重なった状態において旋回屋根の旋回方向に向
くように回転自在に配設されて成るのである。
《作用》 開くとき、回動屋根は分割線を挟んで左右へ回動移動
し、一番外側に位置する旋回屋根に重複する。それから
回動屋根と旋回屋根とが一体になって固定屋根の方へ旋
回移動する。
これらの開運動は閉運動に切替えたとき、逆の手順で
作動する。
特に、回動運動の際、回動屋根を隣接する他の回動屋
根または旋回屋根上に重ねるときには、回動屋根の反回
動点側の外端部を、隣接する他の屋根上に車輪を介して
支承させるとともに、回動屋根の反回動点側の内端部に
配設された走行輪を、固定屋根上に配設されたレール上
を走行させる。次いで、回動運動から旋回運動へ移行す
る際には、回動屋根が旋回屋根上に重なった状態におい
て走行輪の向きを旋回屋根の旋回方向へ変えるととも
に、この走行輪を旋回屋根の旋回移動とともに走行させ
る。回動移動と旋回移動との切替え時に移動方向が変る
ことに追従するのである。
《実施例》 以下、本発明の好適な実施例について図面を参照にし
て詳細に説明する。
第1図に平面を示し、平面円形に形成した外周壁1内
側の一部天面を三日月形の固定屋根2で覆い、残余の外
周壁1内側天面を回動屋根3と旋回屋根4でドーム状に
覆っている。
回動屋根3と旋回屋根4は固定屋根2の内周縁中央か
ら外周壁1の中心点を通って外径方向へ抜ける分割線5
を挟んで左右が対称に構成してある。
即ち、分割線5と外周壁1との交点から固定屋根2の
内周面へ向け、分割線5を中心線とするその左右それぞ
れに三本の均等な角度による放射状分割線に沿って区分
けして成り、笹形を中央から半分にしたような左右各三
枚の屋根部材の一番外側を旋回屋根4とし、内側の二枚
を回動屋根3,3aとする対称形である。
回動屋根3,3aは分割線5と外周壁1との交点近く左右
において旋回屋根4に固定した回動軸6で回動自在に、
かつ旋回屋根4の上に積層形になるようにレベル差を付
して配置している。
また、回動屋根3,3a及び旋回屋根4で開閉式屋根7を
構成するため、これらの各屋根は開閉運動を行えるよう
にしてあり、回動屋根3,3aの反回動点側の外端部(分割
線5に対して離れる側になる方)には、これを他の屋根
によって支承する車輪としての従台車10,10aが設けら
れ、また、回動屋根3,3aの反回動点側の内端部(分割線
5に対して寄る側になる方)には、固定屋根2上面の内
周側端部に敷設された回動案内レール8上を走行する走
行輪としての自走台車9,9aが配設されている。
この従台車10,10aは隣接する回動屋根3a,旋回屋根4
の表面を走行する。
更にまた、旋回屋根2の外周側は回動軸6近くと固定
屋根2近くとの少なくとも2点を外周壁1の上端面に敷
設している旋回案内レール11に動力台車12で支承し、そ
の固定屋根2と接する内径側端部は固定屋根2の表面に
外周壁1と同じ同心同曲率半径で敷設している旋回補助
レール13にて台車14で支承している。
開くときには、先ず最初に回動屋根3,3aの自走台車9
がドームの外周側へ回動案内レール8を走行して回動軸
6を中心とする回動移動を行う。漸次に回動屋根3,3aは
夫々旋回屋根4の上に重なり納まる。
次いで、旋回屋根4は各回動屋根3,3aとともに旋回案
内レール11上を動力台車12によって移動し、外周壁1に
沿って旋回移動にて固定屋根2の上に納まる。
このようにして開ききった状態は第2図に示すように
なる。互いに重なり合った回動屋根3,3a及び旋回屋根4
は“ハ”の字形になって固定屋根4の外周面側に移動停
止し、その回動軸6側の端部は開口面の外周寄りに若干
残るが、アリーナ部分は殆んど100%の開口率を得てい
る。
なお、回動屋根3,3aの回動移動は自走台車9によらず
ワイヤーによる牽引や回動案内レール8自体をラックと
し、台車9の方にピニオンを構成したものでもよく、特
に上記ラックとピニオンによる場合はドーム特有の傾斜
角による重力に抵抗しなければならない点に対し、大き
な移動トルクを得やすく、またネガティブなブレーキと
して利用できる点で有利になる。
開閉式屋根7が叙述のようにして開ききったときの断
面を第3図に示す。
回動屋根3,3aの自走台車9,9aを屋根本体に接続する芯
皿上の束15は各屋根の所定レベルを維持する高さになっ
ており、自走台車9,9aが回動案内レール8を走行すると
きの荷重をレール8で負担している。
そして、回動運動から旋回運動へ移行するとき、自走
台車9の移動方向は回動案内レール8の軸方向と交差す
る方向へ切り代るので、回動屋根3,3aが開き工程中で回
動運動を完了する位置において自走台車9,9aの束15-15
は、回動屋根3,3aに回動自在に軸着され、回動屋根3,3a
が旋回屋根4上に重なった位置において、自走台車9,9a
の向きを旋回屋根4の旋回方向に変えられるようになっ
ている。なお、旋回補助レール13の上部、すなわち旋回
補助レールの内周側には自走台車9,9aが走行する軌条
(図示せず)が設けられている。
この場合、自走台車9やラック,ピニオン機構にて回
動運動を行うときには開き工程での回動運動完了位置か
らの再起動を助ける補助装置が必要である。
また、そのとき旋回屋根4及び回動屋根3aの中央寄り
表側にはブラケット台車16a,16を突設し、それぞれの上
層に位置する回動屋根3a,回動屋根3の裏面をブラケッ
ト台車16a,16で支持している。
旋回屋根4を旋回駆動する動力台車12は概略次のよう
になっており、先ず旋回屋根4の骨組端部を中空な枠組
17に接続している。
この枠組17は側面直角三角形で、その斜辺に旋回屋根
4の骨組を接続し、底辺下に動力台車12を接続し、その
動力機構は枠組17内に収めている。
また、台車14は旋回補助レール13のフランジ背面に係
止する浮上り防止片19を具え、旋回屋根4の上下運動を
抑止している。
台車14の詳細を第4図に示す通り、旋回補助レール13
は断面I字形の軌条を二本並行に近設して敷設し、その
中間に脱輪防止用のフランジ20を位置させ、またフラン
ジ20の両側に軌条を走行する車輪を配した車軸を具備す
る台車14の芯皿21は、凹曲面に形成している。
一方、芯皿21の曲率に合わせた凸曲面を持つ曲面版22
を芯皿21に合わせ、その重なり面にグリースを充分に塗
布して後、芯皿21の背面から曲面版22の中心を貫通し、
さらに旋回屋根4の骨組へ抜けるセンターピン23をナッ
ト止めしている。
曲面版22の曲面を利用して台車14の上下振動を吸収す
る目的と、回転を容易にする目的で曲面版22を旋回屋根
4に固定し、センターピン23は旋回屋根4に固定するこ
となく芯皿21と曲面版22とに通したならば、曲面版22の
背面側にコイルバネ24を縮設し、コイルバネ24でセンタ
ーピン23を引き上げるようにして芯皿21と曲面版22とを
密着させている。
したがって、バネ24の反発力に勝る力が作用したと
き、例えば旋回屋根4を浮かせる力が働いたとき、瞬間
的にバネ24が伸びて上記力を逃がし、台車14がレール13
から離れることを防止する。
また、芯皿21と曲面版22とは他がいにセンターピン23
を軸とする軸回りに回転自在であり、固定屋根2が形成
するドーム曲線の変化に追従回転する。
《効果》 以上詳細に説明したように、本発明の開閉式屋根によ
れば、アリーナ天面の一部を三日月形の固定屋根で覆
い、他の開口となる天面部分は固定屋根の内周面中央か
ら外周壁のほぼ中心を通って、そのまま外径方向へ抜け
る分割線と外周壁とが交差する近傍から固定屋根方向へ
放射状に延びる分割線に沿って画成した複数の回動屋根
で覆うので、それぞれの回動屋根自体の平面積が小さく
なり、軽く構成することができる。
それ故に移動させる動力や補強構造を小さく簡易にで
きる利点がある。
また、回動屋根で覆う最外周側を外周壁に沿って旋回
する旋回屋根とし、回動屋根相互間と併せて積層構造に
なっているので、開く場合には互いに重畳した形状とな
って納まり面積が極めて小さくなり、細かく放射方向へ
分断画成して構成する点と併せ、重なり面積が小さいこ
とから開口率は反射的に大きく、これをそのまま固定屋
根上に旋回移動させたとき、アリーナ天面の開口率が極
めて大きくなる利点を有する。
さらに、回動屋根の反回動点側の内端部に設けた走行
輪は、回動屋根が旋回屋根上に重なった状態において旋
回屋根の旋回方向に向くように回動自在に配設されてい
るため、回動運動から旋回運動に移行する際の、運動方
向の変化に対応することができ、屋根の運動の安定化を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は開閉式屋根の平面図、第2図は開閉式屋根が開
いた状態を示す平面図、第3図は開いた状態時の屋根を
説明する一部断面図、第4図は第3図の一部を説明する
ために説明部分を拡大した断面図である。 1……外周壁、2……固定屋根 3……回動屋根、4……旋回屋根 5……分割線、6……回動軸 7……開閉式屋根、8……回動案内レール 9……自走台車、10……従台車 11……旋回案内レール 12……動力台車、13……旋回補助レール 14……台車、15……束 16……ブラケット台車 17……枠組 19……浮上り防止片、20……フランジ 21……芯皿、22……曲面版 23……センターピン、24……コイルバネ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平面がほぼ円形状の外周壁の一端に三日月
    形の固定屋根を設け、該固定屋根の内周縁中央から該外
    周壁のほぼ中心点を通って、そのまま外径方向へ抜ける
    分割線の左右に対称的に、かつ該分割線と該外周壁とが
    交差する近傍の両側に配置した回動軸を回動点にして、
    該回動点近くから該固定屋根の内周縁へ放射状に複数に
    画成し、これらにレベル差を付して段構造とした屋根の
    最外周側を該外周壁に沿って旋回する旋回屋根とし、そ
    の内側は該回動軸を回動点として外側へ回動運動する回
    動屋根とし、該回動屋根の反回動点側の外端部は、隣接
    する他の屋根に車輪を介して支承され、また、該回動屋
    根の反回動点側の内端部は、前記固定屋根上面に配設さ
    れたレール上を走行する走行輪によって支承され、該走
    行輪は、該回動屋根が前記旋回屋根上に重なった状態に
    おいて該旋回屋根の旋回方向に向くように回転自在に配
    設されて成ることを特徴とする開閉式屋根。
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