JP2517571Y2

JP2517571Y2 - 給紙装置の用紙斜行防止装置

Info

Publication number: JP2517571Y2
Application number: JP9757290U
Authority: JP
Inventors: 宏之中村
Original assignee: Fuji Xerox Co Ltd
Current assignee: Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date: 1990-09-19
Filing date: 1990-09-19
Publication date: 1996-11-20
Anticipated expiration: 2005-09-19
Also published as: JPH0456141U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、用紙トレイに設ける斜行防止部材に関し、
特に、用紙トレイの用紙を押圧する側板の内側に、ベー
スシートに所定の長さの毛を植設したものを設け、該シ
ートに設ける毛が給紙方向に傾斜した状態に植設される
ものを用いる装置に関する。

（従来の技術）電子複写機やレーザプリンター等の画像形成装置にお
いて、所定のサイズに形成された用紙を、給紙カセット
や用紙トレイのような用紙収容装置に収容し、画像形成
装置の給紙部に前記用紙収容装置を装着して、給紙ロー
ラ等の給紙手段により記録部に向けて給紙するようにし
ている。

前記用紙収容装置において、給紙カセットのような装
置では、用紙の収容枚数が比較的少ないものであり、用
紙の送り方向の両側の部分は、カセットの側板等によっ
て規制されているので、用紙の送り出しに際して、用紙
が斜め送り状態とならずに給紙されることが多い。

これに対して、実開昭63-194826号公報等に示される
ように、多数枚の用紙を収容可能な用紙トレイを用いる
場合には、その用紙トレイの内部で最上部の用紙の高さ
を一定に保持させるために、用紙を載置するボトムプレ
ートを上下動可能に設けている。

そして、用紙が送り出されるにしたがって、ボトムプ
レートを順次上昇させるような動作を行わせ、用紙の上
部が常時給紙ローラ等に押圧されるようにして、給紙の
作用を良好に行わせる。

前述したような給紙装置において、給紙ローラ等の給
紙部材は、用紙トレイに収容された用紙に対して、片寄
った位置に設けられている場合が多い。そして、前記用
紙トレイから給紙ローラにより用紙を送り出す際に、用
紙の側部に偏って加えられる送り力によって、用紙の側
面が浮き上がる等の問題が発生し、用紙の斜め送りが発
生するという問題がある。

そこで、前述したような用紙の浮き上がりを防止する
ために、前記従来例においては、第５図に示されるよう
に、人工芝等のような植毛シート10を用紙トレイの側板
３の内側に配置している。そして、前記植毛シート10に
設けた毛12の弾性を利用して、用紙Ｐを下方に向けて押
圧するような手段を用いている。

前記従来例の植毛シート10においては、プラスチック
製のシート部材11に対して、非常に多数本の毛12を密植
させたものを用い、その毛が下方に向けて突出している
ものを用いており、その毛の弾性により、給紙時に用紙
の側部が浮き上がることを防止出来るようにしている。

（考案が解決しようとする課題）しかしながら、前述したような従来の植毛シートを用
いた装置において、用紙トレイの内部でボトムプレート
が上下動する際に、第６図に示されるように、植毛シー
トの毛12が用紙によって上下方向に擦られることによ
り、シート部材11に対して毛が、略180°揺動されると
いう問題が発生する。

前記用紙トレイにおいては、用紙を補給する際のみで
なく、用紙搬送路内でジャムが発生した場合や装置の点
検時、および、装置のメインスイッチのオン・オフに際
して、ボトムプレートを下降させて、用紙を下降位置に
セットする。

また、画像形成装置を再び作動させる場合には、ボト
ムプレートを上昇させる動作を行い、用紙の最上部のも
のを給紙ローラ等に押圧し、給紙可能な状態にセットす
るようにされている。

したがって、前述したような植毛シートを用い、その
毛を下向きに配置した場合には、用紙の上下動の作用に
より、毛が常時大きく曲げられるような作用を受けるた
めに、その植毛シートの寿命が非常に短いものとなり、
植毛シートを頻繁に交換することが必要となっている。

さらに、植毛シートの毛が下向きになっているものに
おいては、植毛シートの上側の部分では、用紙を押圧す
る作用を良好に発揮させることが出来ないという問題が
あるために、トレイの上の部分にまで植毛シートを配置
することが必要となり、植毛シートが大型のものとなる
等の欠点があった。

（考案の目的）本考案は、上記したような従来の用紙トレイの欠点を
解消するもので、植毛シートの毛を横向きに設定するこ
とにより、植毛シートの植毛を防止し、用紙に対する押
圧作用を良好に維持させ得るような手段を提供すること
を目的としている。

（課題を解決するための手段および作用）本考案は、用紙トレイの内側に、上下動可能に設けら
れ、用紙を載置するボトムプレートと、用紙送り出し側
の面に直交する一側面に、用紙の浮き上がりを防止する
浮き上がり防止部材と、を設け、前記浮き上がり防止部
材は、所定の長さの毛を用紙送り出し方向に所定の角度
をもって傾けて植毛されている植毛部材により構成され
ている。

前述したように、植毛シートの毛を横向きにした状態
で、用紙トレイの側板に配置することによって、トレイ
内で用紙が上下動する場合でも、毛に加えられる曲げ作
用の範囲を狭くすることが出来るので、植毛シートの耐
久性を向上させることが可能になる。したがって、植毛
シートの交換頻度を少なくすることが出来るので、用紙
トレイのメンテナンスを簡素化することが出来る。

また、本考案の植毛シートは、用紙トレイから用紙を
送り出す際に、用紙の浮き上がりを防止することが出
来、その用紙を押圧する作用は、植毛シートの上部の部
分でも良好に発揮させることが出来るとともに、植毛シ
ートを小型化することが可能になる。

（実施例）図示された例に従って、本考案の給紙装置の用紙斜行
防止装置の構成を説明する。

第１図に示されるように、用紙トレイ１では、給紙側
の前板２と、用紙搬送路の給紙方向の基準線として設定
される側板３とに対して、用紙を押圧して位置決めを行
い、給紙ローラ５により用紙の送り出しの作用を行わせ
るようにする。

また、前記用紙トレイの内部では、用紙を支持するボ
トムプレート４を、上下動可能に設けており、前記ボト
ムプレートを上昇させて、最上部の用紙を給紙ローラに
向けて一定の圧力で押圧させるようにしている。

前記用紙トレイ１の側板３には、その内側の面に植毛
シート10を設けておき、前記植毛シート10により用紙の
浮き上がりを防止する。

前記植毛シート10は、第２図および第2a図に示すよう
に、プラスチック製等のシート部材11の表面から、毛12
を横向き状態にして植設したものを用い、その毛を給紙
方向に向けて設けている。そして、前記第2a図に示され
るように、用紙Ｐは植毛シート10の毛12に対して平行な
状態で配置され、矢印で示されるように、用紙Ｐの移動
方向と一致するものとなり、毛の間で用紙Ｐの側面が摺
動するので、その用紙の側部が毛を上方に揺動させて、
浮き上がることを防止することが出来る。

本考案の用紙トレイを用いて給紙する機構は、第３図
に示されるように構成される。前記第３図に示される例
において、用紙トレイ１の内部では、給紙側の前板２と
側板３とに対して、用紙Ｐの前面と側面を押圧し、他の
面をサイドガイド７とエンドガイド８とにより位置決め
する。

また、前記用紙トレイ１の給紙側の前部に給紙ローラ
５を配置し、該給紙ローラ５を駆動することにより、用
紙の送り出しの作用を行うが、その給紙ローラ５が用紙
の中央部に配置されずに、用紙の側部に偏って設けられ
ている。

しかし、本考案の用紙トレイにおいては、側板３に対
して植毛シート10を設けているので、該植毛シートの毛
による用紙を摺動させる際の抵抗によって、用紙Ｐは仮
想線で示される用紙Paのように、基準線に沿わせた状態
で、正確に送られることになる。したがって、植毛シー
トを設けない場合のように、用紙がスキューして用紙Ps
で示すように斜め送りになるのが防止され、送りの作用
を良好に発揮させることが出来る。

本考案の用紙トレイに設ける植毛シート10において、
前記第2a図に示されるように、用紙を給紙方向に移動さ
せる際に、毛12に対して用紙の側面が平行に摺動するの
で、その毛の間に入った用紙が、上の毛を押し上げたり
することがない。

また、用紙トレイの内部で、ボトムプレートが上下動
して、用紙Ｐを植毛シートに対して上下方向に摺動させ
る場合には、第４図のように、毛12を用紙Ｐが揺動させ
ても、その揺動の範囲は図に仮想線で示すように、比較
的狭い範囲となり、毛に対して大きな曲げ作用を加える
ことがない。

さらに、本考案の植毛シート10においては、従来の毛
を下向きに配置する植毛シートのように、毛の弾力性を
用いて、用紙を押圧するものではなく、毛の間に用紙を
入り込ませて、用紙の側部が浮き上がることを防止しな
がら案内する作用を行わせている。

したがって、本考案の装置においては、植毛シートの
上部の部分でも、用紙に対する規制の作用を良好に発揮
させることが出来るので、該植毛シートを用紙トレイの
上部にまで配置する必要がなく、植毛シートを小型に構
成することが出来る。

なお、前記本考案の用紙トレイにおいて、植毛シート
を配置する部分は、基準線の側の側板のみで十分である
が、サイドガイドに対しても、もう１つの植毛シートを
配置することも出来る。

また、本考案の植毛シートを設けることは、任意の用
紙トレイに対して適用することが出来、電子複写機やそ
の他の画像形成装置に、用紙トレイを用いることが出来
る。

さらに、本考案の植毛シートとしては、プラスチック
製のシートに対して、プラスチック製の毛部材を植毛し
たものを用いることが出来るが、そのシートと毛の材質
は、任意のものを用いることが出来る。

（考案の効果）本考案の給紙装置の用紙斜行防止装置は、上記したよ
うな構成を有するものであるから、植毛シートの毛を横
向きにした状態で、用紙トレイの側板に配置することに
よって、トレイ内で用紙が上下動する場合でも、毛に加
えられる曲げ作用の範囲を狭くすることが出来るので、
植毛シートの耐久性を向上させることが可能になる。

したがって、植毛シートの交換頻度を少なくすること
が出来るので、植毛シートの消耗による用紙トレイのメ
ンテナンスを簡素化することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案が適用される用紙トレイの構成を示す斜
視図、第２図は本考案の植毛シートと用紙との関係を示
す説明図、第2a図は植毛シートと用紙との関係を示す拡
大説明図、第３図は本考案の用紙トレイを用いた場合の
給紙の作用を示す説明図、第４図は用紙を上下動させる
際の植毛シートの毛の揺動の状態を示す説明図、第５図
は従来の用紙浮き上がり防止手段の説明図であり、第６
図は第５図に示される植毛シートにおける毛の揺動の状
態を示す説明図である。図中の符号１……用紙トレイ、３……側板、５……給紙ローラ、10
……植毛シート、11……シート部材、12……毛。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】用紙トレイの内側に、上下動可能に設けられ、用紙を載置するボトムプレート
と、用紙送り出し側の面に直交する一側面に、用紙の浮き上
がりを防止する浮き上がり防止部材と、を設け、前記浮き上がり防止部材は、所定の長さの毛を用紙送り
出し方向に所定の角度をもって傾けて植毛されている植
毛部材からなることを特徴とする給紙装置の用紙斜行防
止装置。