JP2517557B2 - 液状変性α−オレフイン重合体 - Google Patents

液状変性α−オレフイン重合体

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JP2517557B2
JP2517557B2 JP61180022A JP18002286A JP2517557B2 JP 2517557 B2 JP2517557 B2 JP 2517557B2 JP 61180022 A JP61180022 A JP 61180022A JP 18002286 A JP18002286 A JP 18002286A JP 2517557 B2 JP2517557 B2 JP 2517557B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規な液状変性α−オレフイン重合体に関
する。さらに詳細には色相に優れ、かつ種々の樹脂また
はゴム状重合体の改質剤、改質助剤、潤滑油添加剤、樹
脂またはゴム状重合体の水性分散液の分散助液などの用
途に優れた性能を発揮することのできる液状変性α−オ
レフイン重合体に関する。なお、本発明において重合体
という語は、単独重合体のみならず共重合体を含めた意
味でそれぞれ用いられることがある。
〔従来の技術〕
従来、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの高分子量
のオレフイン系重合体に不飽和カルボン酸またはその酸
無水物などをグラフト共重合した変性オレイフイン系重
合体が樹脂の改質剤、接着性付与剤、その他の用途に利
用されている。しかし、これらの変性オレフイン系重合
体は高分子量体であつて固体状であるために、利用分野
によつては充分な性能が得られない場合もある。また、
低分子量のポリブテン、ポリイソブチレンなどのオレフ
イン系重合体に不飽和カルボン酸、その酸無水物、エス
テルなどの不飽和カルボン酸誘導体成分をグラフト共重
合した変性低分子量オレフイン系重合体が特公昭52−23
668号公報、特公昭52−23669号公報、特公昭52−48639
号公報などに提案されているが、該変性分子量オレフイ
ン系重合体をゴム状重合体、とくに硅素含有ゴム状重合
体の改質剤、改質助剤、潤滑油添加剤、樹脂またはゴム
状重合体の水性分散液の分散助剤などの分野の用途に利
用しても優れた性能を示さない。とくにゴム状重合体の
配合技術の分野においては、エチレン・α−オレフイン
系またはエチレン・α−オレフイン系弾性共重合体を天
然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、クロロプ
レンなどのゴム状重合体に配合することにより、耐候
性、耐老化性に優れかつ粘着性に優れたゴム状重合体組
成物を提供することが試みられているが、その際単に両
者を配合しただけでは得られる組成物の力学物性が低下
するという欠点があり、通常はこの欠点を改善するため
の改質助剤が配合されている。この改質助剤として、従
来から公知の前記変性低分子量オレイフイン系重合体を
配合してもその効果は著しく小さい。
また、油脂や鉱油等の天然油は乳化型切削油の油分と
して用いられているが、バイトやドリルの先端部におい
て高温のため劣化し、劣化した成分は障壁を作つて新鮮
な油分が該先端部へ補給されるのを阻止することにな
り、結局バイト等が早くいたみあるいは焼付けを起こし
切削油として充分な性能を示さない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、樹脂またはゴム状重合体の水性分散液
の分散助剤またはそれ自身が界面活性能力を有し従つて
別に界面活性剤を使用しなくても乳化可能な変性低分子
量α−オレフイン重合体を探索した結果、特定の性状の
液状変性α−オレフイン重合体が新規な高分子物質であ
り水と混合することにより水中油型の水性エマルジヨン
が得られることを見出し、本発明に到達したものであ
る。また、本発明の液状変性α−オレフイン重合体は、
その他に種々の樹脂またはゴム状重合体の改質剤、とく
にゴム状重合体組成物の改質助剤としても優れた性能を
発揮する。
〔問題を解決するための手段〕および〔作用〕 本発明は、炭素原子数が3ないし20のα−オレフイン
から構成されるα−オレフイン重合体に、炭素原子数が
3ないし10の不飽和カルボン酸、その酸無水物およびそ
のエステルからなる不飽和カルボン酸誘導体成分が結合
した液状変性α−オレフイン重合体であつて、 (i)該α−オレフイン重合体の13C−NMRスペクトル中
において重合体主鎖中の隣接した2個の三級炭素原子間
に2個の連続したメチレン連鎖に基づくシグナルが観測
されないこと、 (ii)該不飽和カルボン酸誘導体成分の含有割合が該α
−オレフイン重合体の100重量部に対して0.2ないし50重
量部の範囲にあること、および (iii)該液状変性α−オレフイン重合体の135℃のデカ
リン中で測定した極限粘度〔η〕が0.01ないし0.4dl/g
の範囲にあること、 によつて特徴づけられる液状変性α−オレフイン重合体
である。
本発明の液状変性α−オレフイン重合体は、炭素原子
数が3ないし20のα−オレフインから構成されるα−オ
レフイン重合体に、炭素原子数が3ないし10の不飽和カ
ルボン酸、その酸無水物およびそのエステルからなる不
飽和カルボン酸誘導体成分が結合した液状変性α−オレ
フイン重合体である。
該液状変性α−オレフイン重合体の不飽和カルボン酸
誘導体成分の含有割合は該α−オレフイン重合体100重
量部に対して0.2ないし50重量部、好ましくは0.5ないし
40重量部の範囲である。不飽和カルボン酸誘導体成分の
含有割合が0.2重量部より少なくなると、水と混合した
際乳化し難くなり、またゴム状重合体組成物の改質助剤
として配合した場合には組成物の力学的物性の改善効果
が劣るようになり、また50重量部より多くなると色相が
悪くなり、かつ固化し流動性がなくなり、またゴム状重
合体の分散性が悪くなる。該液状変性α−オレフイン重
合体の成分である炭素原子数が3ないし10の不飽和カル
ボン酸誘導体成分単位として具体的には、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、
シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、ビシクロ〔2,2,
1〕ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸などの不飽和
カルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シ
トラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ〔2,
2,1〕ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物など
の不飽和カルボン酸の無水物、アクリル酸メチル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、フ
マール酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸
ジエチル、テトラヒドロ無水フタル酸ジメチル、ビシク
ロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸ジメ
チルなどの不飽和カルボン酸のエステル等を例示するこ
とができる。
該液状変性α−オレフイン重合体の135℃のデリカン
中で測定した極限粘度〔η〕は0.01ないし0.4dl/g、好
ましくは0.02ないし0.3dl/gの範囲である。該液状変性
α−オレフイン重合体の極限粘度〔η〕が0.01dl/gより
小さいものは乳化型切削油として用いた際に強靱な油膜
を形成し難く、0.4dl/gより大きいものは安定な水性エ
マルジヨンを形成し難くなる。
また、該液状変性α−オレフイン重合体のゲルパーミ
エイシヨンクロマトグラフイー(GPC)によつて測定し
た分子量分布(W/n)は4以下、好ましくは3以下
の範囲である。分子量分布があまり大きくなると、前記
乳化型切削油として用いた場合に充分の潤滑性能を発揮
しない傾向が強くなる。
該液状変性α−オレフイン重合体を構成するα−オレ
フイン重合体は炭素原子数が3ないし20のα−オレフイ
ンから形成される液状α−オレフイン重合体であり、該
α−オレフインの1種の単独重合体である場合もある
し、該α−オレフインの2種からなる共重合体である場
合もある。
また、炭素原子数が3ないし20のα−オレフイン成分
の他に必要に応じエチレン成分が共重合された液状α−
オレフイン共重合体である場合もあり、その場合のエチ
レン成分の含有率は通常10モル未満、好ましくは5モル
%以下の範囲である。
該液状α−オレフイン重合体の135℃のデリカン中で
測定した極限粘度〔η〕は通常は0.005ないし0.4dl/g、
好ましくは0.01ないし0.3dl/gの範囲にあり、数平均分
子量は通常は300ないし8000、好ましくは400ないし5000
の範囲にあり、GPC法によつて測定した分子量分布(W
/n)は通常は3以下、好ましくは2.8以下、とくに2.
5以下の範囲にある。
該液状α−オレフイン重合体の構成成分である炭素原
子数が3ないし20のα−オレフイン成分として具体的に
は、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチ
ル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オ
クテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセ
ン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコ
センなどを例示することができる。
該液状α−オレフイン重合体において、該α−オレフ
イン成分の配列状態についてみると、該重合体の13C−N
MRスペクトルには重合体主鎖中の隣接した2個の三級炭
素原子間に2個の連続したメチレン連鎖に基づくシグナ
ルが観測されない。例えば、1−ヘキセン重合体におい
て下記結合、 では、いずれの隣接した2個の三級炭素原子間には1個
の独立したメチレン基のシグナルが観測されるが、2個
の連続したメチレン連鎖に基づくシグナルは観測されな
い。このことは、該重合体において、1−ヘキセン成分
が重合する際に、いずれの成分も規則正しい頭尾結合配
列をしていることを示している。
一方、1−ヘキセン重合体において、下記結合、 では、隣接した2個の炭素原子間には2個の連続したメ
チレン連鎖に基づくシグナルが観測される。このこと
は、該重合体において1−ヘキセン成分が重合する際
に、頭頭結合、尾尾結合が存在することを示している。
該液状α−オレフイン重合体、特にプロピレン又は1
−ブテン重合体の「3個のモノマーユニツト連鎖」でみ
たミクロアイソタクテイシテイは0.35以下、好ましくは
0.3以下、より好ましく0.28以下である。該ミクロアイ
ソタクテイシテイの値は、該液状α−オレフイン重合体
連鎖におけるモノマーユニツト連鎖の中で、立体構造の
最小単位である「3個のモノマーユニツト連鎖」の可能
な組み合わせ数の総数のx(例えば3個のモノマーユニ
ツト連鎖単位の場合は1、4個のモノマーユニツト連鎖
単位の場合は3)に対して、上記「3個のモノマーユニ
ツト連鎖」がとり得る三種の配列、すなわちm・m配列
(アイソタクテイツク配列)、m・r配列及びr・r配
列の中で、m・m配列をとつている該「3個のモノマー
ユニツト連鎖」の数yの割合(y/x)を示す。
上述のように、本発明で3個のモノマーユニツト連鎖
でみたミクロアイソタクテイシテイとは、それ自体公知
13C核磁気共鳴スペクトルの手法によつて3個のモノ
マーユニツト連鎖に着目し、該3個のモノマーユニツト
連鎖単位における3個のモノマーユニツトがアイソタク
テイツクに配列している分率を定量したものである。
なお、該重合体の13C−NMRの測定は、例えば、10=φ
の試料管中で約200mgの共重合体を1mlのヘキサクロロブ
タジエンに溶解した溶液を、通常、測定温度120℃、測
定周波数25.05MHZ、スペクトル幅1500HZ、フイルター幅
1500HZ、パルス繰返し時間4.2秒、パルス幅7μ秒積算
回数2000〜5000回の条件で測定した。
スペクトルの解析はL.P.Lindeman,Anal.Chem.,43、12
45(1971)、J.C.Randall,Macromolecular,11、592(19
78)らの報告に基づいて行つた。
該液状α−オレフイン重合体は、 (A)共役π電子を有する基を配位子としたジルコニウ
ム化合物、および (B)アルミノオキサン からなる触媒の存在下に、炭素原子数が3ないし20のα
−オレフインおよび必要に応じてエチレンを共重合せし
めることにより調製することができる。
なお、本発明の液状α−オレフイン重合体の分子量分
布(W/n)は、武内著、丸善発行の「ゲルパーミエ
イシヨンクロマトグラフイー」に準じて次の如く行つ
た。
(1)分子量既知の標準ポリスチレン(東洋ソーダ
(製)単分散ポリスチレン)を使用して、分子量とその
GPC(Gel Permeation Chromctograph)カウントを測定
し、分子量MとEV(Elution Volume)の相関図較正曲線
を作成する。この時の濃度は、0.02wt%とする。
(2)GPC測定により試料のGPCクロマトグラフをとり前
記(1)によりポリスチレン換算の数平均分子量n、
重量平均分子量wを算出し、w/n値を求める。そ
の際のサンプル調製条件およびGPC測定条件は以下の通
りである。
〔サンプル調製〕
(イ)試料を0.1wt%になるようにトルエン溶媒ととも
に三角フラスコに分取する。
(ロ)三角フラスコを70℃に加温し、約30分間攪拌し、
溶解させる。
(ハ)その液をGPCにかける。
〔GPC測定条件〕
次の条件で実施した。
(イ)装置 Waters社製(150℃−ALC/GPC) (ロ)カラム Dupont社製(ZORBAXPSM BiModal−) ハ サンプル量 200μl ニ 温度 70℃ (ホ)流速 1ml/min 本発明の液状変性α−オレフイン重合体は、前記液状
α−オレフイン重合体と前記不飽和カルボン酸誘導体
を、(1)無触媒下に熱反応させることにより、また
(2)ラジカル開始剤の存在下に反応させることにより
製造することができる。これらの方法のうちでは、
(1)の方法を採用するのが好ましい。(1)の方法で
得られた液状変性α−オレフイン重合体は、主に重合体
主鎖末端にカルボン酸誘導体が結合した構造をしてい
る。具体的には 又は などを例示できる。
(2)の方法で得られた液状変性α−オレフイン重合体
では不飽和カルボン酸誘導体成分は主鎖末端のみならず
分子内の任意の位置にも結合している。
反応は溶媒の存在下に実施することもできるし、溶媒
の不存在下に実施することもできる。
反応方法としては、たとえば、液状α−オレフイン重
合体と該不飽和カルボン酸誘導体を混合し加熱下連続的
に攪拌しながら反応させる方法を例示することができ
る。上記混合法としては、たとえば液状α−オレフイン
重合体に該不飽和カルボン酸誘導体を分割し逐次に添加
する方法、逆に、不飽和カルボン酸誘導体に液状α−オ
レフイン重合体を分割し逐次に添加する方法、さらに、
液状α−オレフイン重合体及び該不飽和カルボン酸誘導
体を一括して混合する方法を例示することができる。該
反応に供給される不飽和カルボン酸誘導体の割合は、該
液状α−オレフイン重合体の100重量部に対して通常は
0.2ないし100重量部、好ましくは0.5ないし70重量部の
範囲である。反応の際の温度は通常120ないし250℃、好
ましくは130ないし230℃の範囲であり、反応に要する時
間は通常1時間ないし50時間、好ましくは2時間ないし
30時間である。反応は常圧、加圧いずれの条件下におい
ても実施することができる。
本発明の液状変性α−オレフイン重合体の水性エマル
ジヨンとしての用途への利用について説明する。
該液状変性α−オレフイン重合体はこれ自体界面活性
能力を有しているため、別に界面活性剤を使用しなくて
も水性エマルジヨンを与えることができる。
該水性エマルジヨンは、それ故該液状変性α−オレフ
イン重合体を例えば攪拌型乳化機、コロイドミルあるい
は超音波乳化機の如き装置を用いて、水の存在下に例え
ば室温ないし100℃の温度条件下で攪拌することにより
製造することができる。
もちろん、該水性エマルジヨンには界面活性剤を使用
することもできる。例えば変性の度合が小さい場合やあ
るいは変性しないα−オレフイン重合体を本発明の変性
重合体を併用する場合等においては、界面活性剤を使用
した方が乳化は容易でありまた生成したエマルジヨンも
安定である。
界面活性剤としては、非イオン系界面活性剤、陰イオ
ン系界面活性剤および陽イオン系界面活性剤のいずれで
あつてもよい。非イオン系界面活性剤としては、例えば
ポリオキシエチレンアルキルエーテルポリオキシエチレ
ンアルキルアリルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンア
ルキルアミン等を用いることができる。陰イオン界面活
性剤としては、例えば脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル
塩、アルキルベンゼンスルフオン酸塩、アルキルフエニ
ルエーテルジスルフオン酸塩、硫酸エステル塩を用いる
ことができる。さらに陽イオン界面活性剤としては、例
えば4級アンモニウム塩等を用いることができる。これ
らのうち非イオン系界面活性剤が好ましく用いられ、特
にHLB5〜19、就中10〜18の非イオン系界面活性剤がより
好ましく用いられる。
該水性エマルジヨンは、該液状変性α−オレフイン重
合体と水との合計重量に基づいて液状変性α−オレフイ
ン重合体を10〜90重量%より、好ましくは20〜50重量%
の割合で含有することができる。水は同じ基準に基づい
て90〜10重量%、より好ましくは80〜50重量%で含有す
ることができる。
また、該水性エマルジヨンが界面活性剤を含有する場
合には、同基準に基づき界面活性剤を0.5〜30重量%、
より好ましくは3〜20重量%で含有することができる。
該水性エマルジヨンには、必要に応じ、防錆剤、防腐
剤、消泡剤例えばシリコンオイル等々の種々の添加剤を
添加することができる。これらは通常数%以下例えば2
%以下で使用される。
該水性エマルジヨンは例えば水溶性切削油、水溶性塑
性加工油あるいは熱間圧延油等として使用することがで
きる。
〔発明の効果〕
本発明の液状変性α−オレフイン重合体は樹脂または
ゴム状重合体の改質剤、改質助剤、潤滑油添加剤、樹脂
またはゴム状重合体の水性分散液の分剤助剤として優れ
た性能を発揮する。とくに、本発明の液状変性α−オレ
フイン重合体は、それ自身が界面活性能力を有し、従つ
て別の界面活性剤を使用しなくても水中油型の水性エマ
ルジヨンを形成し、切削油として使用した場合ドリル歯
やバイト等の摩耗量を少なくし、発生する熱量を有利に
除去することができるという特徴を有している。
〔実施例〕
まず、実施例1〜5で出発原料として使用する液状α
−オレフイン重合体の製造を、製造例1〜5によって具
体的に説明する。
製造例1 充分に窒素置換した2lのオートクレーブに精製トルエ
ン1を装入しプロピレンガスを250l/hrで流通させ
た。その後メチルアルミノキサンをアルミニウム原子換
算で5ミリグラム原子、ビスシクロペンタジエニルジル
コニウムジクロリドを0.02ミリモル装入し、45℃で2時
間常圧で重合を行った。生成したポリマー溶液に水を加
え脱灰を行った後、エバポレーターによりトルエンを除
去することにより液状のポリプロピレンを得た。
製造例1で得られた液状のポリプロピレンは、実施例
1において出発原料の重合体として用いた。
製造例2〜5の液状の重合体は、下表の条件下で製造
例1と同様の操作を行うことにより得られた。
製造例2〜5で得られた液状の重合体はそれぞれ、実
施例2〜5において出発原料の重合体として用いた。
次に、本発明の液状変性α−オレフイン重合体を実施
例によつて具体的に説明する。
実施例1 窒素吹込管および温度計を装着した内容積500mlの攪
拌機付きガラス製反応器を充分窒素で置換した後、
〔η〕0.03dl/g、n 650、w/n 1.80、ヨウ素価3
9、mm分率26%の液状のポリプロピレン150gと無水マレ
イン酸45gを装入し、攪拌下に200℃まで昇温した。引き
続き200℃で8時間反応を行つた後、室温まで冷却し反
応混合物を多量のヘキサン中に投入し未反応の無水マレ
イン酸を除去した。更に、ヘキサンを除去し、100℃で1
00mmHgの減圧下で乾燥することにより淡黄色透明な粘性
のある液体が得られた。該生成物の〔η〕は0.04dl/g、
w/nは1.91および無水マレイン酸成分の含有量は12
wt%であつた。尚、反応に用いた液状のポリプロピレン
13C−NMRスペクトルにはポリプロピレン主鎖中の隣接
した2個の三級炭素原子間に2個の連続したメチレン連
鎖に基づくシグナルは観測されなかつた。
実施例2 実施例1において液状のポリプロピレンの代わりに、
〔η〕0.03dl/g、n 750、w/n 1.78、ヨウ素価34
の液状のポリ−1−デセンを150g、無水マレイン酸を50
g用いた以外は実施例1と同様に行い、〔η〕0.03dl/
g、w/n 1.84および無水マレイン酸成分の含有量10w
t%の黄色透明な粘性のある液体が得られた。
実施例3 実施例1において液状のポリプロピレンの代わりに
〔η〕0.03dl/g、n 900、w/n 1.90、ヨウ素価28
の液状のポリ4−メチル−1−ペンテンを150g、無水マ
レイン酸を35g用いた以外は実施例1と同様に行い、
〔η〕0.03dl/g、w/n 1.93および無水マレイン酸成
分の含有量5wt%の淡黄色透明な粘性のある液体が得ら
れた。
実施例4 実施例1において液状のポリプロピレンの代わりに、
〔η〕0.03dl/g、n 730、w/n 1.88、ヨウ素価3
5、プロピレン含有量76モル%、1−ブテン含有量24モ
ル%の液状のプロピレン・1−ブテン共重合体を150g、
メタクリル酸n−ブチル58gを仕込み、180℃で8時間反
応を行つた。次いで180℃に保つたまま100mmHgの減圧下
に未反応のメタクリル酸n−ブチルを除去し、無色透明
に近い粘性のある液体を得た。該生成物の〔η〕は0.03
dl/g、w/n 1.96およびメタクリル酸n−ブチル成分
の含有率は5wt%であつた。
実施例5 実施例1において液状のポリプロピレンの代わりに、
〔η〕0.03dl/g、n 790、w/n 1.76、ヨウ素価3
2、1−ヘキセン含有量96モル%、エチレン含有量4モ
ル%の液状の1−ヘキセン・エチレン共重合体を150g、
無水マレイン酸を38gを用いた以外は実施例1と同様に
行い、〔η〕0.03dl/g、w/n 1.80および無水マレイ
ン酸成分の含有量9wt%の淡黄色透明な粘性のある液体
が得られた。
尚、実施例2〜5の反応に用いた液状α−オレフイン
重合体の13C−NMRスペクトルには実施例1同様にα−オ
レフイン主鎖中の隣接した2個の三級炭素原子間に2個
の連続したメチレン連鎖に基づくシグナルは観測されな
かつた。
応用例1 実施例2で得られた変性物100重量部に対して、2NのK
OH水100重量部を混合し、ホモミキサーで80℃、1200rpm
の条件で攪拌することにより水性エマルジヨンを得た。
本水性エマルジヨンの性能を大型のラジアル・ボール
盤での孔あけ加工用途で評価した。使用したドリル歯は
直径32mm、先端角117°のネジレドリルであり、厚さ120
mmのSUS 304板に孔あけテストを行つた。
本水性エマルジヨンを30倍に希釈した切削油をラジア
ル・ボール盤に供給しつつドリル回転数300rpm、送り速
度0.5rpv/minで切削加工した所、ドリル1本当りの孔あ
け個数は250個であつた。
応用例2 応用例1において、実施例2で得られた変性物の代わ
りに実施例5で得られた変性物を用いた以外は応用例1
と同様に行つたところドリル1本当りの孔あけ個数は25
0個であつた。
応用比較例1 鉱油100重量部に対しステアリン酸オクチル・エステ
ルを界面活性剤として30部添加し、2,6−ジターシヤリ
ーブチルフエノールの酸化防止剤を1重量部加えて、
油:水比=50:50で乳化して水性エマルジヨンを得た。
本水性エマルジヨンを応用例1と同様に用いてたとこ
ろドリル1本当りの孔あけ個数は100個であつた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−31717(JP,A) 特開 昭61−126120(JP,A) 特公 平7−78098(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素原子数が3ないし20のα−オレフイン
    から構成されるα−オレフイン重合体に、炭素原子数が
    3ないし10の不飽和カルボン酸、その酸無水物およびそ
    のエステルからなる不飽和カルボン酸誘導体成分が結合
    した液状変性α−オレフイン重合体であつて、 (i)該α−オレフイン重合体の13C−NMRスペクトル中
    において重合体主鎖中の隣接した2個の三級炭素原子間
    に2個の連続したメチレン連鎖に基づくシグナルが観測
    されないこと、 (ii)該不飽和カルボン酸誘導体成分の含有割合が該α
    −オレフイン重合体の100重量部に対して0.2ないし50重
    量部の範囲にあること、および (iii)該液状変性α−オレフイン重合体の135℃のデカ
    リン中で測定した極限粘度〔η〕が0.01ないし0.4dl/g
    の範囲にあること、 によつて特徴づけられる液状変性α−オレフイン重合
    体。
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