JP2517546B2 - 練り歯みがき組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、良好な相分離安定性、良好な粘度および好
都合な加工性を有する練り歯みがき組成物に関する。製
品がフッ化物を含有するならば、良好なフッ化物安定性
も達成される。

これらの性質を有する練り歯みがきは、或る困難なし
にはえられない。例えば、粘結剤は、存在する水、保湿
剤および他の物質の量に依存して異なるように反応す
る。それ故、ペーストがどのような性質を有するであろ
うかを予測することは、常に可能とは限らない。本発明
者は、カルボキシビニル重合体とカラギーナンとの或る
組み合わせが前記性質を有するペーストを与えることを
見出した。

フッ化物を含有する練り歯みがきの場合には、フッ素
イオンの入手性についての関心事も存在する。エナメル
質抗溶解上の利益を与える際のフッ化物練り歯みがきの
有効性は、被処理エナメル質によるとりこみに利用でき
るフッ素イオンの量に依存すると仮定されている。それ
故、勿論、それから調整されるブラッシング溶液中に最
大フッ素イオン入手性を与える練り歯みがき製品を処方
することが、望ましい。

背景技術 従来技術は、各種の練り歯みがき組成物内での本発明
の粘結剤を開示しているが、本発明のようには組み合わ
せていない。このような文献のうちには米国特許第3,98
0,767号明細書、米国特許第3,919,409号明細書、米国特
許第3,911,904号明細書、米国特許第3,711,604号明細
書、および米国特許第3,935,306号明細書が包含され
る。

追加の文献は、米国特許第4,150,106号明細書、米国
特許第4,353,890号明細書、および米国特許第4,254,101
号明細書を包含する。前記米国特許第4,150,106号明細
書は、カルボキシビニル重合体とカラギーナンとの混合
物を開示しているが、本発明の種類の組成物においてで
はない。

本発明の目的は、改善されたコンシステンシー、スタ
ンドアップ（stand up）および取扱い特性を有する練り
歯みがきを提供することにある。

ここにコンシステンシー、スタンドアップと取扱い特
性は順に相安定性、粘度、加工特性を意味する。特にス
タンドアップは練り歯みがきが普通の歯ブラシのかたい
毛の束によくくっつき、しかもよく立ち毛の束の中に沈
むことのないことを言う。

本発明の更に他の目的は、迅速な粘度上昇および改善
された安定性を有する練り歯みがきを提供することにあ
る。

本発明のなお更に他の目的は、優秀なフッ化物安定性
を有する練り歯みがきを提供することにある。

これらの目的および他の目的は、以下の具体的説明か
ら容易に明らかになるであろう。

ここで使用されるすべての％および比率は、特にこと
わらない限り、重量基準である。

発明の開示 本発明は、優秀な安定性、粘度および加工性を示す練
り歯みがき組成物に関する。更に組成物は、優秀なフッ
化物安定性を与えるように処方され得る。このような組
成物は、シリカ歯研摩剤、カルボキシビニル重合体、カ
ラギーナン、保湿剤および水を含有する。

組成物中の成分の量は、次の通りである。

シリカ歯研摩剤 約６％〜約35％ カルボキシビニル重合体 約0.01％〜約0.8％ イオタ形カラギーナン 約0.10％〜約1.7％ 保湿剤 約20％〜約70％ 水 残部 100％ 組成物は、pH約６〜約８を有する。組成物は、透明ま
たは半透明ゲルまたは不透明ペーストの形態であること
ができる。

発明の具体的説明 本組成物の必須成分並びに任意成分は、以下に詳述さ
れる。

シリカ歯研摩剤 各種のシリカ歯研摩剤は、歯エナメル質または象牙質
を過度に研摩せずに非常に高い歯クリーニングおよびみ
がき性能の独特の利益を与えることができる。シリカ研
摩剤物質は、可溶性フッ化物源と非常に相溶性でもあ
る。これらの理由で、シリカ研摩剤物質は、本発明で使
用するのに好ましい。

本発明で有用なシリカ研摩みがき物質、並びに他の研
摩剤は、一般に平均粒径約0.1〜30μ、好ましくは５〜1
5μを有する。シリカ研摩剤は、米国特許第3,538,230号
明細書および米国特許第3,862,307号明細書に記載の沈
降シリカまたはシリカゲル、例えばシリカキセロゲルで
あることができる。W.R.グレース・エンド・カンパニー
のダビソン・ケミカル・ディビジョンによって商品名
「シロイド（Syloid）」で市販されているシリカキセロ
ゲルが、好ましい。好ましい沈降シリカ物質は、J.M.ヒ
ューバー・コーポレーションによって商品名「ゼオデン
ト（Zeodent）」で市販されているもの、特に名称「ゼ
オデント119」を有するシリカを包含する。これらのシ
リカ研摩剤は、米国特許第4,340,583号明細書に記載さ
れている。

ここに記載の組成物内の研摩剤は、約６％〜約35％、
好ましくは約15％〜約25％の量で存在する。

カルボキシビニル重合体 ここで使用される「カルボキシビニル重合体」なる用
語は、米国特許第2,798,053号明細書に開示されかつ請
求される一群の化合物を記載する。カルボキシビニル重
合体の製法も、前記米国特許第2,798,053号明細書に開
示されている。

カルボキシビニル重合体は、単量体オレフイン性不飽
和カルボン酸、および全単量体の約0.1〜約10重量％の
多価アルコールのポリエーテル（多価アルコールは、少
なくとも３個の水酸基が結合されている少なくとも４つ
の炭素原子を有し、ポリエーテルは１分子当たり１より
も多いアルケニル基を含有する）からなる単量体混合物
の共重合体である。他のモノオレフイン性単量体物質
は、所望ならば主割合でさえ単量体混合物中に存在でき
る。カルボキシビニル重合体は、液状揮発性有機炭化水
素に実質上不溶性であり、そして空気露出時に寸法的に
安定である。

カルボキシビニル重合体を生成するのに使用される好
ましい多価アルコールは、オリゴ糖類、それらの還元誘
導体（カルボニル基はアルコール基に転化）、およびペ
ンタエリトリトルからなる群から選択されるポリオール
を包含する。オリゴ糖類が更に好ましく、スクロースが
最も好ましい。変性されるポリオールの水酸基は、アリ
ル基でエーテル化されることが好ましく、ポリオールは
ポリオール分子当たり少なくとも２個のアリルエーテル
基を有する。ポリオールがスクロースである時には、ス
クロースは、スクロース分子当たり少なくとも約５個の
アリルエーテル基を有することが好ましい。ポリオール
のポリエーテルは、好ましくは全単量体の約0.1％〜約
４％、更に好ましくは約0.2％〜約2.5％を構成する。

本発明で使用されるカルボキシビニル重合体を生成す
る際に使用するのに好ましい単量体オレフイン性不飽和
カルボン酸は、単量体重合性α，β−モノオレフイン性
不飽和低級脂肪族カルボン酸を包含する。構造 （式中、Ｒは水素および低級アルキル基からなる群から
選択される置換基である） の単量体モノオレフイン性アクリル酸が、更に好まし
い。アクリル酸が、最も好ましい。

本発明の処方物で使用される好ましいカルボキシビニ
ル重合体は、分子量少なくとも約750,000を有する。分
子量少なくとも約1,250,000を有するカルボキシビニル
重合体が、更に好ましい。分子量少なくとも約3,000,00
0を有するカルボキシビニル重合体が、最も好ましい。
カルボキシビニル重合体の混合物も、本発明で使用でき
る。

各種のカルボキシビニル重合体は、米国ニューヨーク
州ニューヨークのB.F.グッドリッチ・カンパニーから商
品名カルボポール（Carbopol）で商業上入手できる。本
発明の処方物で有用であることが見出されたカルボキシ
ビニル重合体は、分子量約750,000を有するカルボポー
ル910、分子量約1,250,000を有する好ましいカルボポー
ル941、およびそれぞれ分子量約3,000,000および4,000,
000を有する高度に好ましいカルボポール934および940
を包含する。

高度に好ましいカルボポール940は、分子量約4,000,0
00を有する非常にわずかに架橋されたカルボキシビニル
重合体である。それは、スクロース１分子に対して平均
約5.8個のアリル基を有するポリアリルスクロース約１
％で架橋された高分子量ポリアクリル酸と記載されてい
る。

カルボキシビニル重合体は、本組成物中で約0.01％〜
約0.8％、好ましくは約0.1％〜約0.5％の量で使用され
る。

重合体は、カラギーナン：カルボキシビニル重合体の
比率が約100:1から約1.2:1、好ましくは約5:1から約1.
5:1であるような量で存在する。

カラギーナン 本発明の組成物で使用されるカラギーナンは、イオタ
形である。他のカラギーナンのように、イオタ形カラギ
ーナンは、１−3,1−４グリコシド結合によって結合さ
れた反復ガラクトース単位（硫酸化または非硫酸化）を
含有する。イオタ形は、3,6−アンヒドロ−Ｄ−ガラク
トース約30重量％およびエステルサルフエート約32重量
％を含有すると考えられる。この物質は、商品であり、
そしてハーキュレス・ケミカル・カンパニーから商品名
ジエヌビスコ・タイプ（Genuvisco Type）0819で得るこ
とができる。別の供給業者は、FMCコーポレーションの
マリーン・コロイズ・ディビジョンである。カラギーナ
ンの分子量は、通常約5,000〜約500,000の範囲内、好ま
しくは約100,000〜約500,000であろう。カラギーナン
は、好ましくは塩の形態で使用され、最も好ましくはフ
ッ化物が組成物中にある時にはナトリウム塩として使用
される。

本発明の組成物中のカラギーナンの量は、約0.1％〜
約1.7％、好ましくは約0.25％〜約0.75％である。

保湿剤 本発明の練り歯みがき組成物の別の必須成分は、保湿
剤である。保湿剤は、空気露出時に練り歯みがき組成物
が硬化しないようにするのに役立つ。また、或る保湿剤
は、望ましい甘味またはフレーバーを練り歯みがき組成
物に付与できる。保湿剤は、純保湿剤基準で、一般に本
発明の練り歯みがき組成物の約20〜70重量％、好ましく
は約30〜65重量％を構成する。

本発明で使用するのに好適な保湿剤は、食用多価アル
コール、例えばグリセリン、ソルビトール、キシリトー
ル、プロピレングルコール並びに他のポリオールおよび
これらの保湿剤の混合物を包含する。ソルビトールは、
米国登録商標ソルボ（Sorbo）として既知の70％水溶液
として、しばしば使用される。グリセリンとソルビトー
ルとの混合物が、本発明の練り歯みがき組成物の保湿剤
成分として特に好ましい。

水 水は、本発明の練り歯みがきの最後の必須成分であ
り、そして組成物の残部を構成する。商業上好適な練り
歯みがきの調製に使用される水は、好ましくは脱イオン
されるべきであり、そして有機不純物を含まない。水
は、一般に本発明の練り歯みがき組成物の約10〜50重量
％、好ましくは約20〜40重量％を構成する。これらの水
量は、添加される遊離水＋ソルビトールなどの他の物質
とともに導入される遊離水を包含する。

任意成分 前記必須成分に加えて、本発明の練り歯みがきは、各
種の任意の通常の練り歯みがき成分を含有できる。この
ような任意成分は、例えばフッ素イオン源、発泡剤、フ
レーバー、甘味剤、抗歯石剤、抗歯垢剤および着色剤を
包含する。

本組成物中の好ましい任意成分は、組成物の約0.01〜
３重量％、好ましくは約0.03〜1.0重量％の量のフッ素
イオン源である。このようなフッ素イオンは、歯エナメ
ル質と化合し、それによって酸中でのエナメル質溶解度
を下げる。歯エナメル質へのフッ素イオンの適用は、歯
が虫歯にならないように保護するのに役立つ。

各種のフッ素イオン生成物質が、本組成物において可
溶性フッ化物源として使用され得る。好適なフッ素イオ
ン生成物質の例は、米国特許第3,535,421号明細書およ
び米国特許第3,678,154号明細書に見出される。本発明
で使用するのに好ましいフッ素イオン源は、フッ化ナト
リウム、フッ化第一スズ、フッ化カリウム、フッ化第一
スズカリウム（SnF₂-KF）、フッ化インジウム、フッ化
亜鉛、フッ化アンモニウムおよびクロロフッ化第一スズ
を包含する。フッ化第一スズおよびフッ化ナトリウム、
並びにそれらの混合物が、特に好ましい。

本組成物で使用するのに好適な別の抗虫歯剤は、モノ
フルオロリン酸ナトリウムである。この薬剤は、単独で
使用でき、または前記物質の１以上と併用できる。

好ましくは、本発明の練り歯みがき組成物は、本発明
の練り歯みがきが口の中で使用された時に歯表面と接触
する水溶液中にフッ素イオン約50ppm〜10,000ppm、更に
好ましくは約100〜3000ppmを与える。このような溶液
は、本発明の練り歯みがき組成物の水／練り歯みがき3:
1のスラリー（重量基準）を調製し、その後このような
スラリーを遠心分離して水性上澄み液を得ることによっ
て模擬される。このような上澄み液中のフッ素イオン濃
度は、所定のフッ化物練り歯みがき組成物によって与え
られる「可溶性フッ化物」の尺度と解釈される。

別の好ましい任意成分は、発泡剤である。好適な発泡
剤は、合理的に安定でありかつ広いpH範囲全体にわたっ
て泡を形成するもの、即ち非セッケン陰イオン有機合成
洗剤、非イオン有機合成洗剤、陽イオン有機合成洗剤、
双性有機合成洗剤および両性有機合成洗剤である。これ
らの種類の発泡剤は、米国特許第3,959,458号明細書お
よび米国特許第3,937,807号明細書に詳述されている。

本発明で有用な陰イオン発泡剤は、アルキル基内に炭
素数10〜18を有するアルキル硫酸の水溶性塩および炭素
数10〜18を有する脂肪酸のスルホン化モノグリセリドの
水溶性塩を包含する。ラウリル硫酸ナトリウムおよびコ
コナッツモノグリセリドスルホン酸ナトリウムが、この
種の陰イオン界面活性剤の例である。陰イオン界面活性
剤の混合物も、使用できる。

本発明の練り歯みがきで使用できる非イオン発泡剤
は、アルキレンオキシド基（親水性）と脂肪族またはア
ルキル芳香族であることができる有機疎水性化合物との
縮合によって生成される化合物と広く定義され得る。好
適な非イオン発泡剤の例は、プルロニック類（Pluronic
s）、アルキルフエノールのポリエチレンオキシド縮合
物、プロピレンオキシドとエチレンジアミンとの反応生
成物とエチレンオキシドとの縮合から誘導される生成
物、脂肪族アルコールのエチレンオキシド縮合物、長鎖
第三級アミンオキシド、長鎖第三級ホスフインオキシ
ド、長鎖ジアルキルスルホキシドおよびこのような物質
の混合物を包含する。

本発明の練り歯みがきで有用な双性合成発泡剤は、脂
肪族基が直鎖または分枝であることができ、そして脂肪
族置換基の１つが炭素数約８〜18を有し、かつ１つの陰
イオン水溶化基、例えばカルボキシ、スルホネート、サ
ルフエート、ホスフエート、またはホスホネートを含有
する脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム、および
スルホニウム化合物の誘導体と広く記載され得る。

本発明の練り歯みがきで有用な陽イオン発泡剤は、炭
素数約８〜約18の１つのアルキル長鎖を有する第四級ア
ンモニウム化合物、例えばラウリルトリメチルアンモニ
ウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、セチルト
リメチルアンモニウムブロミド、ジ−イソブチルフエノ
キシエトキシエチル−ジメチルベンジルアンモニウムク
ロリド、ココナッツアルキルトリメチルアンモニウムニ
トレート、セチルピリジニウムフルオリドなどと広く定
義され得る。米国特許第3,535,421号明細書に記載の第
四級アンモニウムフルオリド（この第四級アンモニウム
フルオリドは洗浄性を有する）が、特に好ましい。陽イ
オン発泡剤は、本発明の練り歯みがきの或るものにおい
て殺菌剤としても作用できる。

本発明で有用な両性発泡剤は、脂肪族基が直鎖または
分枝であることができ、そして脂肪族置換基の１つが炭
素数約８〜約18を有し、かつ１つが陰イオン水溶化基、
例えばカルボキシレート、スルホネート、サンフエー
ト、ホスフエート、またはホスホネートを含有する脂肪
族第二級および第三級アミンの誘導体と広く記載され得
る。

発泡剤は、本発明の練り歯みがき組成物中で全組成物
の0.1〜６重量％の量で存在できる。

フレーバーも、本組成物に添加できる。好適なフレー
バーは、ウインタグリーン油、ペパミント油、スペアミ
ント油、サッサフラス油および丁字油を包含する。使用
できる甘味剤は、サッカリン、デキストロース、レブロ
ース、アスパルターム、Ｄ−トリプトフアン、ジヒドロ
カルコン、アセサルフアームおよびシクラメン酸ナトリ
ウムを包含する。フレーバーは、一般に練り歯みがき中
で約0.01〜２重量％の量で使用され、そして甘味剤は、
約0.05〜約２重量％の量で使用される。

リン含有抗歯石剤および／またはビス−ビグアニド抗
歯垢剤も、本発明の練り歯みがきに場合によって添加で
きる。リン含有抗歯石剤、例えばエタン−１−ヒドロキ
シ−1,1−ジホスホン酸二ナトリウムおよび関連物質
は、米国特許第3,488,419号明細書に詳述されている。
ビス−ビグアニド抗歯垢剤、例えばクロルヘキシジン
（1,6−ビス〔N⁵−ｐ−クロロフエニル−Ｎ′−ビグア
ニド〕ヘキサン）、その可溶性塩および不溶性塩および
関連物質、例えば1,2−ビス（N⁵−ｐ−トリ−フルオロ
メチルフエニル−Ｎ′−ビグアニド）エタンは、米国特
許第3,934,002号明細書、米国特許第3,937,807号明細
書、ベルギー特許第843,244号明細書およびベルギー特
許第844,764号明細書に詳述されている。

存在するならば、任意の抗歯石剤および／または抗歯
垢剤は、一般に本発明の練歯みがき組成物の約0.01〜2.
5重量％を構成する。

調製法 本発明の練り歯みがき組成物は、通常の練り歯みがき
調製技術を合理的に使用して調製される。例えば、保湿
剤の一部および歯研磨剤は、甘味剤、緩衝剤および乳白
剤（これらの物質が存在するならば）と一緒に混合され
て１つの混合物を調製できる。若干の水およびフッ化物
源は、一緒に混合されて溶液を調製し、この溶液は研摩
剤スラリーに添加される。次いで、カルボキシビニル重
合体およびカラギーナンは、塊状化を最小限にするため
に篩を通して保湿剤の一部とゆっくりと混合させてゲル
スラリーを調製できる。次いで、スラリーは、他の練り
歯みがき成分に添加する前に、混練される。好適なミル
は、ラデイッシュ・カンパニー製のトリ（Tri）ブレン
ダーである。

一旦調製されたら、本組成物は、前記組成物が水対組
成物の重量比3:1で水でスラリー化された時にpH約6.0〜
8.0、好ましくは6.8〜8.0を与える。6.8〜8.0範囲内のp
H値を与えるフッ化物練り歯みがきは、この範囲外のpH
値を有する練り歯みがきに比較して特に安定なフッ化物
安定性を与える。このpH範囲内の練り歯みがきのフレー
バー付与も、比較的容易である。

組成物の使用法 本発明の練り歯みがきは、常法で使用される。練り歯
みがき組成物またはそれらのスラリーは、歯表面上にブ
ラッシングされ、その後すずがれる。

常法での本発明の練り歯みがきの使用時に、ペースト
またはスラリーは、一般に歯表面と少なくとも約30秒間
接触する。更に好ましくは、このようなペーストまたは
スラリーは、歯表面と少なくとも約60秒間接触する。

本発明の数種の代表的練り歯みがきが、以下の例に記
載される。ここで使用されるすべての％は、特にことわ
らない限り、重量％である。

例Ｉ 以下のものは、本発明の代表的練り歯みがきである。成分 Wt% ソルビトール（濃度70％） 42.361 沈降シリカ¹⁾ 24.500 フレーバー 0.930 サッカリン 0.133 フッ化ナトリウム 0.243 アルキル硫酸ナトリウム（濃度28％） 4.000 リン酸一ナトリウム 0.470 リン酸三ナトリウム 1.570 カルボポール940²⁾ 0.250 カラギーナン³⁾ 0.500 水 24.793 防腐剤 0.200 染料 0.050 100.000 １）J.M.フューバーによってゼオデント119として供給 ２）B.F.グッドリッチによって供給（カルボキシビニル
重合体） ３）ハーキュレス・ケミカル・カンパニー製のイオタ形
カラギーナン この組成物は、良好なコンシステンシー、スタンドア
ップおよび取扱い特性を有する。

例II 以下のものは、本発明の別の代表的練り歯みがきであ
る。成分 Wt% ソルビトール（濃度70％） 53.361 沈降シリカ 15.000 フレーバー 0.600 甘味剤 0.320 フッ化ナトリウム 0.243 アルキル硫酸ナトリウム（濃度28％） 4.000 防腐剤 0.200 リン酸一ナトリウム 0.590 リン酸三ナトリウム 1.450 カルボポール940 0.300 カラギーナン 0.600 水 23.311 染料 0.025 100.000 例III 以下のものは、本発明の代表的練り歯みがきである。成分 Wt% ソルビトール（濃度70％） 60.197 沈降シリカ 20.000 フレーバー 0.900 サッカリン 0.133 フッ化ナトリウム 0.243 アルキル硫酸ナトリウム（濃度28％） 4.000 リン酸一ナトリウム 0.590 リン酸三ナトリウム 1.450 カルボポール940 0.200 カラギーナン 0.400 水 11.837 染料 0.050 100.000 例IV成分 Wt% ソルビトール（濃度70％） 42.361 シリカＢ−30−P¹⁾ 30.000 フレーバー 0.960 サッカリン 0.140 フッ化ナトリウム 0.243 二酸化チタン 0.450 アルキル硫酸ナトリウム 4.000 防腐剤 0.200 リン酸三ナトリウム 1.570 リン酸一ナトリウム 0.470 カルボポール940 0.250 カラギーナン 0.500 水 18.806 染料 0.050 100.000 １）W.R.グレース・エンド・カンパニーのダビソン・ケ
ミカル・ディビジョンによって提供されるシリカゲル 例II〜IVは、例Ｉの場合に前記した方法で行う。

前記組成物において、他のカルボキシビニル重合体、
例えばカルボポール934および941が使用でき、並びに他
のフッ化物源、例えばフッ化第一スズ、フッ化カリウ
ム、フッ化インジウム、フッ化亜鉛およびモノフルオロ
リン酸ナトリウムが、使用できる。

例Ｖ 以下の処方を持つ２種の練り歯みがきを作製した。成分 重量％ ソルビトール 32.375 二重逆浸透水 25.152 フッ化ナトリウム 0.243 サッカリン 0.286 TiO₂ 0.525 グリセリン 8.000 PEG6 1.000 ピロリン酸四ナトリウム 3.580 酸性ピロリン酸ナトリウム 1.220 シリカ 22.000 フレーバー 1.044 カルボポール940A 0.350 カッパカラギーナン 0.175 合成アルキル硫酸ナトリウム 4.000 染料 0.050成分 重量％ ソルビトール 32.000 二重逆浸透水 25.152 フッ化ナトリウム 0.243 サッカリン 0.286 TiO₂ 0.525 グリセリン 8.000 PEG6 1.000 ピロリン酸四ナトリウム 3.580 酸性ピロリン酸ナトリウム 1.220 シリカ 22.000 フレーバー 1.044 カルボポール940A 0.350 イオタカラギーナン 0.550 合成アルキル硫酸ナトリウム 4.000 染料 0.050 使用したカッパカラギーナンの量はイオタカラギーナ
ンの量よりも少くして２つのペーストの粘度を均等にし
た。

これらの処方物をチューブに入れ、チューブから絞り
出し、２つのペーストを25人により外観を評価した。

25人の総べてが、イオタカラギーナンの入った製品が
カッパカラギーナンの入った製品よりも光沢があると指
摘し、25人中17人がイオタカラギーナンの入った製品が
より一層滑らかでクリーム質の外観を有していると語っ
た。

これは、明らかに、“カルボポール”と組み合わせた
とき、イオタカラギーナンがコンシステンシー、スタン
ドアップそして取扱い特性においてカッパカラギーナン
よりも優れていることを示すものである。

Claims (10)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】（ａ）シリカ歯研摩剤約６％〜約35％、 （ｂ）保湿剤約20％〜約70％、 （ｃ）カルボキシビニル重合体約0.01％〜約0.8％、 （ｄ）イオタ型カラギーナン約0.1％〜約1.7％、および （ｅ）100％とする水 からなり、水：組成物の重量比3:1で水でスラリー化す
   る時にpH約6.0〜約8.0を与え、そしてカラギーナン：カ
   ルボキシビニル重合体の重量比は約100:1から約1.2:1で
   あることを特徴とする練り歯みがき組成物。
2. 【請求項２】研摩剤の量が、約15％〜約25％であり、そ
   して保湿剤の量が約30％〜約65％である特許請求の範囲
   第１項に記載の練り歯みがき組成物。
3. 【請求項３】カルボキシビニル重合体の量が約0.1％〜
   約0.5％であり、そしてカラギーナンの量が約0.25％〜
   約0.75％である特許請求の範囲第２項に記載の練り歯み
   がき組成物。
4. 【請求項４】保湿剤が、ソルビトール、グリセリンおよ
   びそれらの混合物からなる群から選択される特許請求の
   範囲第３項に記載の練り歯みがき組成物。
5. 【請求項５】組成物が可溶性フッ化物源も含有する特許
   請求の範囲第１項に記載の練り歯みがき組成物。
6. 【請求項６】可溶性フッ化物源が、フッ化ナトリウム、
   フッ化第一スズおよびそれらの混合物からなる群から選
   択される特許請求の範囲第５項に記載の練り歯みがき組
   成物。
7. 【請求項７】カルボキシビニル重合体の量が約0.1％〜
   約0.5％であり、そしてカラギーナンの量が、約0.25％
   〜約0.75％である特許請求の範囲第６項に記載の練り歯
   みがき組成物。
8. 【請求項８】シリカ研摩剤が、沈降シリカである特許請
   求の範囲第７項に記載の練り歯みがき組成物。
9. 【請求項９】可溶性フッ化物源が、フッ化ナトリウムで
   ある特許請求の範囲第８項に記載の練り歯みがき組成
   物。
10. 【請求項１０】抗歯石剤も含有する特許請求の範囲第１
    項に記載の練り歯みがき組成物。