JP2516571B2 - 黒染色絹繊維製品を色相変化させ濃深黒色化する加工法 - Google Patents
黒染色絹繊維製品を色相変化させ濃深黒色化する加工法Info
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Description
た黒染色絹繊維製品である黒紋付、黒留袖等を色相変化
させ濃深色性に富んだ黒色に仕上げる黒染色絹繊維製品
を色相変化させ濃深黒色化する加工法に関するものであ
る。
め染色技術にあって、高濃度に染色しようとする場合、
染色時に染料使用濃度を増大すれば目的とする所望の高
濃度の染色製品を得ることができる。しかしながら、上
記の場合染料使用濃度を増する方法では、ある一定以上
の高濃度に染色することは通例不可能であった。その主
たる原因は、繊維に対する染料の染着座席に限度があり
染着座席以上の染料は過剰染料として繊維表面に単に付
着するのみであり、逆に染料のカブリによる色相変化を
起こし濃度低下という逆効果を引き起こしている。10
0%の染着座席を埋める染色を行ったとしても繊維表面
での入射光を10〜20%程度反射させ得る目的に即し
た一定以上の高濃度染色製品を得ることは事実上できな
かった。
謂濃深色効果を得るには理論上染色物に投射された光の
反射光量を無くせばよいことは既に知られている。その
方法としては、 1.微細粒体加工剤による化学的処理により繊維表面に
マイクロクレーターを作る方法。 2.低屈折率加工剤による化学的処理により繊維表面を
覆う方法。 3.低温プラズマ加工による繊維表面を物理的にエッチ
ングする方法。 の三通りの方法がある。
て、特開昭57−71475号公報並びに特開平1−1
18684号公報のものには、カチオン系アクリル樹
脂、ウレタン樹脂、コロイダルシリカ、セラミック分散
体にて処理する方法が開示されている。このいずれの場
合も、色彩色差計でL値を測定すれば絹100%正華黒
染布にあって未処理の状態において15.5程度であ
り、上記する加工剤によって処理した場合にあっても1
4〜15程度であり濃深色効果が充分でなく赤味の黒に
しかならない。
のみであり加工された製品を着用すれば擦れた部分が白
化する所謂チョークマーク現象が発生したり、さらに
は、洗濯耐久性並びにドライクリーニング耐久性に乏し
い難点を有している。さらに上記の加工剤による処理に
よれば加工された製品に対し水滴などが付着した場合水
により加工剤が移動してしまい水滴乾燥後水滴が付着し
なかった部分との間に色差が生じる所謂ウォータースポ
ットが発生するなどの問題も残されている。さらに、絹
繊維である黒紋付などは濃深色加工後紋の部分を三品液
(酢酸、炭酸ナトリウム、亜鉛末)で洗ったりさらに紋
を書く場合水や溶剤で洗ったりするために多くの問題が
生ずるものであった。
して特開昭63−256767号公報、特開平2−19
1773号公報並びに特開平4−174782号公報の
もにはメチルハイドロシリコン、アミノシランカップリ
ン剤などのシリコン加工剤、パーフロロカーボンアクリ
レート共重合エマルジョン系撥水撥油剤などにて加工す
る処理方法が開示されている。しかしながら、これらの
加工剤による場合にあっても上記する第1番目の処理方
法と同様に、黒色濃度を高濃深色化することは非常に困
難なものである。
た繊維製品は、各シリコン系の場合にあってはスベスベ
し、繊維間の摩擦係数を極度に低下せしめるがゆえスリ
ップ、目ムキが発生し、さらに、油性体であるがために
埃や汚れが付着しやすく、さらにはドライクリーニング
耐久性に乏しい難点を有している。一方後者の場合(パ
ーフロロカーボンアクリレート共重合エマルジョン系撥
水撥油剤などにて加工する処理方法)、濃深色効果が総
じて赤味の強い黒になるのみで、使用量が少なければ深
色性が乏しいし、使用量が多ければ撥水性が強くなりす
ぎて静電気による埃が付着しやすく紋を書くことができ
ない場合がある。
として特開昭61−63791号公報、特開平1−24
6479号公報並びに特開平2−259160号公報に
開示される処理方法が知られている。これらの処理方法
は加工設備的に多大の費用を要するため一般的には簡単
に適用しかねるのが現状である。
2番目並びに第3番目の加工法におけるそれぞれの欠点
を解消せんがため、第1番目、第2番目並びに第3番目
の加工法を組み合わせた構成の加工法が一部応用されて
いるがいずれの組み合わせのものも若干良好な結果が得
られるものの抜本的なものではなく加工剤の個々の持つ
利点の相剰効果よりもどちらかと言えば相殺による欠点
が目に付く現状である。また、これらの組み合わせによ
る処理方法の場合色相的に単一の赤味の濃深色性を得れ
るにすぎない。
色するにあたり染色浴は一度染色した後に残染浴を破棄
することなく残染浴に染料を追加して染色するものであ
るため、黒染でも赤味の黒、青味の黒、黄味の黒を黒紋
付などに対し染色のみで得ることは困難なものであっ
た。もしこれらの色相を得るには個々の色相別に作成さ
れた色相染色浴と同時に水湯、湯洗、ソーピング浴が必
要となり、これらの多大な設備が必要であり大きくコス
トアップになると言う問題点を有するものであった。
齢的に若い人の場合にあっては概して青味の黒が好ま
れ、年齢とともに赤味の黒が好まれ、さらには、男性の
場合どちらかと言えば黄味の黒が好まれる傾向にあり、
現に三者三様の動きが認められるるものでありその需要
に応えるがためである。
より他の色相の黒紋付布を得ていたがほとんどが赤味の
黒であり、濃深色加工でしか得られていなかった。さら
に、黒紋付の場合、紋を書く時に溶剤であるシンナー、
ベンジン、塩素系溶剤や水で洗ったり擦ったりするがゆ
えに多くの濃染色加工された素材はその部分の濃深色剤
が脱落し色相濃度変化やチョークマークが発生してい
た。
た絹繊維製品である黒紋付を実用可能な濃深色に富ん
だ、さらには簡単に色相変化させ得る仕上げ後加工法を
提供することにある。
的を達成するにあたって具体的にはパーフロロカーボン
アクリレート共重合体系撥水撥油剤エマルジョンに酸化
ポリエチレンワックスとシソ油混合共乳化エマルジョン
を併用し直接染料で染色された絹繊維製品に付着せしめ
ることにより色相変化させ濃深色性に富んだ黒色にする
ことを特徴とする黒染色絹繊維製品を色相変化させ濃深
黒色化する加工法を構成する。
ンワックスとシソ油混合共乳化エマルジョンの粒子径が
0.01〜20ミクロンである加工剤を黒染色絹繊維製
品に付着せしめて色相変化させ濃深黒色化する加工法を
供するものであり、さらにはパーフロロカーボンアクリ
レート共重合体系撥水撥油剤エマルジョンに対する前記
酸化ポリエチレンワックスとシソ油混合共乳化エマルジ
ョンの併用使用量が成分量換算において2〜20%であ
る黒染色絹繊維製品を色相変化させ濃深黒色化する加工
法を供するものである。
使用されているダイレクトデープブラックEX、ダイレ
クトブラックスペシャル、ダイレクトデープグリーンB
などの染色浴にて10〜20分染色し、湯洗、ソーピン
グ、水洗し、乾燥した染色布を市販されているパーフロ
ロカーボンアクリレート共重合エマルジョン系撥水撥油
剤に酸化ポリエチレンとシソ油混合共乳化エマルジョン
を併用し染色布に付着せしめることにより濃色性と簡単
に色相変化させる後加工法であり、この混合共乳化エマ
ルジョンの粒径が、0.01〜20ミクロンで、この混
合共乳化物の使用量がパーフロロカーボンアクリレート
共重合エマルジョンとの併用使用比率が成分量換算で混
合共乳化エマルジョン量が2〜20%であることが条件
となるものである。
リレート共重合エマルジョンは一般に別名フッ素樹脂系
撥水撥油剤として市販されているものでよい。このパー
フロロカーボンアクリレート共重合エマルジョンの成分
骨格はフロロカーボンの炭素数がC4 〜C12程度のアク
リレートモノマーにステアリルアクリレートモノマー、
塩化ビニールモノマー、n−メチロールアクリルモノマ
ー等に界面活性剤、重合開始剤、有機溶剤と水の存在下
に簡単に重合体エマルジョンが合成することが可能で、
これらの固型分濃度が一般的に15〜30%に設計され
ている。
株式会社のアサヒガード、大日本インク株式会社のディ
クガード、ダイキン株式会社のダイガード、NOC製の
ノックスガード、3M社のスコッチガードなどがある。
これら数々の商品の中でも濃深色を付与する効果には差
があり、特にフロロカーボンアクリレートモノマーの併
用共重合モノマーとしてステアリルアクリレートモノマ
ーを使用し且つ商品としてカチオン系に帯電している商
品が単品として濃深色性を付与する効果があることが経
験的に判っている。
エマルジョンが染色された繊維製品、特に、黒紋付に濃
深色性を付与する理由は、この重合体の屈折率が1.4
以下の低屈折率であることと、ガラス転移点が120℃
以上あり、繊維がマイナスに帯電しているために本剤が
カチオン性であるがゆえ繊維上でミクロ的に点接着しマ
イクロクレーター状になり乱反射を発生させる。すなわ
ち、入射光より反射光を極度に低下せしめるがゆえに濃
深化されて見えると考察される。
マルジョンの使用量は、一般的に、0.1〜10%に水
で希釈して繊維に均一付着し、乾燥させて使用するが、
最良の使用量は2〜6%であり使用量が2%以下と少な
い場合、濃深色効果が充分でなくさらにムラ付着しやす
い。また、使用量が6%以上になっても使用量を増大し
た割りには濃深色効果が比例して増大する率が低く、逆
に撥水性が強くなりすぎて黒紋付などでは後で紋を入れ
ることが困難となり、また帯を締めるなどによって擦れ
た場合に白くなる所謂チョークマークが発生し実用に不
向きとなる。
合エマルジョンに併用する酸化ポリエチレンとシソ油の
共乳化エマルジョンについては、その酸化ポリエチレン
のみさらにシソ油を単体でエマルジョン化したものとし
て市販されているがフロロカーボンアクリレート共重合
エマルジョンと酸化ポリエチレンエマルジョン、また
は、フロロカーボンアクリレート共重合エマルジョンと
シソ油エマルジョンのみを併用して染色布に処理しても
濃深色性効果を向上させるどころか逆に低下せしめる場
合がある。
ジョンに酸化ポリエチレンとシソ油の共乳化エマルジョ
ンを併用し得ることによりフロロカーボンアクリレート
共重合エマルジョン単独で加工するよりも併用し得るこ
とでより一段と濃深色効果が得られ、さらに酸化ポリエ
チレンとシソ油の共乳化エマルジョンの粒径を変化せし
めることにより得られる濃深色効果が任意の黒の色相に
変化させることが一定の範囲で可能であることが判明し
た。
%以上が0.01〜0.5ミクロンの場合は、青味の強
い濃深色効果を示し1〜5ミクロンの場合は黄味の濃深
色性となり、さらに10〜20ミクロンの場合は赤味の
濃深色性となる。この原因は定かではないがパーフロロ
カーボンアクリレート共重合体が繊維上に付着し固着さ
れる場合にマイクロクレーターの大きさがより小さく均
一になり濃深色性が一段と向上すると同時にシソ油が繊
維上で湿潤状態を作るがゆえに一段と濃深色化するもの
と考えられる。
燥している状態より水を含んだ状態の方が濃色に見える
ものであってその現象のことである。共乳化エマルジョ
ンを併用するためにフロロカーボンアクリレート共重合
体の持つ強力な撥水効果も減じられ適度の撥水効果とな
り、加工後に紋が入れやすくなり黒紋付の必要条件であ
る水滴やコーヒーが付着しえない撥水性とウォータース
ポット防止効果が得られる。
般に市販されているポリエチレンワックスであり重合度
が約4000程度で三井石油化学工業株式会社のハイワ
ックス、アライドケミカル社(USA)のACポリエチ
レン、イーストマンコダック社(USA)のエポレンな
どが用いられる。
のシソの実より産出し精製、分離されたシソ油が日本油
脂工業株式会社より精製シソ油として市販されている。
混合共乳化エマルジョンの作成法には酸化ポリエチレン
ワックス、シソ油、数個の界面活性剤すなわち乳化剤
と、KOH、またはNaOHで120℃〜150℃で部
分鹸化し攪拌下において熱水と接触させることによって
簡単にエマルジョン化する。
の攪拌スピードによりエマルジョン粒径をコントロール
することができる。乳化剤としては、ノニルフェノー
ル、ヤシ油アルコール、牛脂アルコール、クジラ油アル
コールまたはこれらの分留されたステアリルアルコー
ル、オレイルアルコール、ラウリルアルコールのエチレ
ンオキサイド8〜15モル付加物を主体にこれらの併用
またはソルビタン系乳化剤を併用し乳化剤の使用量が混
合酸化ポリエチレン、シソ油の見掛けの使用量に対して
15〜45%使用する。
ルジョン粒径が大きくなり逆に乳化剤の使用量が多いと
エマルジョン粒径が小さくなる。さらに、エマルジョン
化攪拌スピードが低速度である場合にはエマルジョン粒
径が大きくなり、攪拌スピードが高速度である場合には
エマルジョン粒径が小さくなる。
ンとシソ油の混合共乳化エマルジョンとパーフロロカー
ボンアクリレート共重合エマルジョンとの併用使用量は
パーフロロカーボンアクリレート共重合体成分濃度を1
とすると酸化ポリエチレン、シソ油成分濃度が0.05
〜0.15である。すなわち、パーフロロカーボンアク
リレート共重合エマルジョンの成分濃度20%を5%使
用の場合酸化ポリエチレンとシソ油の混合共乳化エマル
ジョンの酸化ポリエチレン、シソ油成分濃度20%の場
合0.1〜1%となる。使用量がこれより少ない場合並
びに多い場合のいずれの場合も濃深色効果が充分でな
く、特に多い場合はフロロカーボンアクリレート共重合
エマルジョン単体よりも濃深色効果を低下せしめること
が判明された。
アクリレート共重合エマルジョンと粒径が異なる酸化ポ
リエチレン、シソ油混合共乳化エマルジョンを指定され
た使用量を水に希釈し直接染料で黒染色された紋付等を
これらの液に含浸してマングルで絞るか液をスプレーな
どで均一に付着せしめて80〜130℃で乾燥すること
によりこの目的の高濃深色効果と色相変化の目的を達成
することができる。
品を色相変化させ濃深黒色化する加工法についてその具
体的な実施例にもとづいて詳細に説明する。
としてアライドケミカル社製のACポリエチレン629
(以下、酸化ポリエチレンワックスと略称する)を50
g、シソ油として日本油脂社製の精製シソ油(以下、シ
ソ油と略称する)を150g、乳化剤としてノニルフェ
ノールエチレンオキサイド12モル付加物である三洋化
成社製のノニポール120(以下、NP−12モルと略
称する)を30g、ソルビタンモノステアレートとして
日本油脂社製のノニオンSP−60R(以下、ソルビタ
ンと略称する)を2g投入後容器を加熱し140℃まで
内温を上昇させ液体状にした状態の中に60rpmのプ
ロペラミキサーによる攪拌下でKOH50%水溶液2.
2gを5分間で徐々に投入し10分間攪拌を続け鹸化し
た。新たに別の2リットルステンレス容器に90℃〜9
5℃の熱湯765.8gを準備し200rpmのプロペ
ラミキサー攪拌下に先の500ccのステンレス容器の鹸
化した混合体を140℃に保った状態下で約20分かけ
て徐々に投入し、さらに30分間攪拌を続けると白色の
ほとんど粘度のない白色エマルジョンとなった。さら
に、攪拌スピードを60rpmにして2時間冷却した。
作成されたエマルジョンを大塚電子株式会社製のダイナ
ミック光散乱光度計DLS−700にて粒径を測定した
ら主粒径が13〜18ミクロンの範囲で89%であっ
た。
ス:100g、シソ油:100g、NP−12モル:5
0g、ソルビタン:5gを投入し、容器を加熱して、1
40℃まで内温を上昇させ液体状にした状態の中に、6
0rpmのプロペラミキサーによる攪拌下でKOH50
%水溶液2.8gを5分間で投入し投入後10分間攪拌
を続け鹸化した。新たに別の2リットルステンレス容器
に熱湯742.2gを準備し3500rpmのホモミキ
サーによる攪拌下に先の500ccのステンレス容器の鹸
化した混合体を140℃に保った状態下で約20分かけ
て徐々に投入しさらに30分間攪拌を続けると白黄色の
少々粘度のあるエマルジョンとなった。その後攪拌せず
に放置冷却した。作成されたエマルジョンの粒径を実施
例1と同様の測定法により測定したら主粒径が2〜2.
5ミクロンの範囲で87%であった。
ス:120g、シソ油:80g、NP−12モル:64
g、ソルビタン:6gを投入し容器を加熱し120℃ま
で内温を上昇させ液体状にした状態の中に200rpm
のホモミキサーによる攪拌下でKOH50%水溶液3.
2gを5分間で投入し投入後10分間攪拌を続け鹸化し
た。ホモミキサーの攪拌スピードを12000rpmに
して熱湯764.8gを約60分かけて徐々に投入しホ
モミキサーの攪拌スピードを3500rpmにて30分
攪拌したら黄白色の半透明に近い粘度のあるエマルジョ
ンとなった。ホモミキサーの攪拌スピードを2000r
pmにし、ウォーターバス上で10分程度で急冷した。
作成されたエマルジョンの粒径を実施例1と同様の測定
法により測定したら主粒径が0.2〜0.4ミクロンの
範囲で78%であった。
ス:60g、シソ油:140g、NP−12モル:30
g、ミヨシ化学社製の牛脂アルコールエチレンオキサイ
ド10モル40gを上記実施例3と同様な方法でエマル
ジョンを作成した。作成されたエマルジョンは微白黄色
の半透明状高粘性体であった。この作成されたエマルジ
ョンの粒径を実施例1と同様の測定法により測定したら
主粒径が0.08〜0.13ミクロンの範囲で75%で
あった。
gにして、シソ油を全く使用せずに実施例2と同様にエ
マルジョンを作成した。作成されたエマルジョンは淡黄
白色のエマルジョンであった。作成されたエマルジョン
の粒径を実施例1と同様の測定法により測定したら主粒
径が0.9〜1.8ミクロンの範囲で84%であった。
エチレンワックスを全く使用せずに実施例2と同様にエ
マルジョンを作成した。作成されたエマルジョンは白色
のほとんど粘度のないエマルジョンであった。作成され
たエマルジョンの粒径を実施例1と同様の測定法により
測定したら主粒径が2.6〜3.5ミクロンの範囲で9
2%であった。
ンと、フロロカーボンアクリレート共重合エマルジョン
として大日本インク社製のカチオン性ディックガードF
−70成分濃度18%及び旭ガラス社製のカチオン性ア
サヒガードAG−480成分濃度20%とを使用し下記
の表1のごとく配合し、すでに直接染料ダイレクトデー
プブラックEX:6% OWS、ダイレクトブラックスペシ
ャル:2% OWS、ダイレクトデープグリーンB:2% O
WSの染色浴で20分間染色後、湯洗5分、ソーピング5
分、10分間水洗をし、乾燥した絹100%の正華織物
と絹100%の14匁羽二重を2秒間含浸し絞り率80
%にマングルで絞った後に強制乾燥機により120℃で
3分間乾燥加工し、試験布を作成した。
ノルタ社製色彩色差計CR−100によって濃度値のL
値、色相値のa値及びb値を測定した。L値は小さい方
が黒が濃く深みがあり、a値がプラスで大きければ大き
いほど赤味であり、a値がマイナスで大きければ大きい
ほど緑味の黒として表示される。b値がプラスで大きけ
れば大きいほど黄味であり、b値がマイナスで大きけれ
ば大きいほど青味の黒として表示される。撥水性はJI
S−L−1092.5.2(スプレー法)にて測定表示した。
チレンワックスとシソ油混合共乳化エマルジョンをパー
フロロカーボンアクリレート共重合体に併用使用するこ
とにより高濃深色効果と同時に青味の黒、赤味の黒、黄
味の黒が得られた。
維製品を色相変化させ濃深黒色化する加工法によれば直
接染料で染色された黒染色絹繊維製品である黒紋付、黒
留袖等を色相変化させ濃深色性に富んだ黒色に仕上げ得
るものであって、高濃深色効果と同時に青味の黒、赤味
の黒、並びに黄味の黒など僅かに色相の異なった従来技
術では得られない黒染色処理絹繊維製品を供するもので
あってその点において極めて有効に作用するものといえ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 パーフロロカーボンアクリレート共重合
体系撥水撥油剤エマルジョンに酸化ポリエチレンワック
スとシソ油混合共乳化エマルジョンを併用し直接染料で
染色された絹繊維製品に付着せしめることにより色相変
化させ濃深色性に富んだ黒色にすることを特徴とする黒
染色絹繊維製品を色相変化させ濃深黒色化する加工法。 - 【請求項2】 前記酸化ポリエチレンワックスとシソ油
混合共乳化エマルジョンの粒子径が0.01〜20ミク
ロンであることを特徴とする請求項1に記載の黒染色絹
繊維製品を色相変化させ濃深黒色化する加工法。 - 【請求項3】 前記パーフロロカーボンアクリレート共
重合体系撥水撥油剤エマルジョンに対する前記酸化ポリ
エチレンワックスとシソ油混合共乳化エマルジョンの併
用使用量が成分量換算において2〜20%であることを
特徴とする請求項1に記載の黒染色絹繊維製品を色相変
化させ濃深黒色化する加工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6085754A JP2516571B2 (ja) | 1994-03-29 | 1994-03-29 | 黒染色絹繊維製品を色相変化させ濃深黒色化する加工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP6085754A JP2516571B2 (ja) | 1994-03-29 | 1994-03-29 | 黒染色絹繊維製品を色相変化させ濃深黒色化する加工法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07279066A JPH07279066A (ja) | 1995-10-24 |
JP2516571B2 true JP2516571B2 (ja) | 1996-07-24 |
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ID=13867654
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JP6085754A Expired - Fee Related JP2516571B2 (ja) | 1994-03-29 | 1994-03-29 | 黒染色絹繊維製品を色相変化させ濃深黒色化する加工法 |
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---|---|---|---|---|
EP3628773B1 (en) * | 2018-09-27 | 2023-11-29 | Sanko Tekstil Isletmeleri San. Ve Tic. A.S. | A process of textile dyeing and dyed textiles |
-
1994
- 1994-03-29 JP JP6085754A patent/JP2516571B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07279066A (ja) | 1995-10-24 |
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