JP2516121B2 - 金属と固体電解質との接合方法 - Google Patents
金属と固体電解質との接合方法Info
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Description
の接合方法に関し、とくにスパッタリングや蒸着などの
薄膜技術を用いて作製する酸素センサなどの製造に適用
するのに好適な金属と固体電解質との接合方法に関す
る。
ポンピング作用を利用するもので、イオン伝導体に導入
される酸素量と、イオン伝導体中の酸素イオンをキャリ
アとする電流とが対応することを利用して酸素濃度を検
出する。イオン伝導体としては安定化ジルコニアなどの
固体電解質が用いられ、その両面に電極を設けて、それ
ら電極間に電圧を印加すると、イオン伝導体中の酸素イ
オンをキャリアとする電流が流れる。この電極は、酸素
をイオン伝導体に接触させる必要があることから、多孔
質などの気体透過性を有する必要がある。従来では、酸
素センサを製造する際、ジルコニア等の固体電解質(基
板、層)の上に白金などの電極となる金属をスパッタリ
ングあるいは蒸着することにより、固体電解質の上に金
属を接合している。また、固体電解質の上に金属ペース
トを塗布した後、非常に高い温度の雰囲気中で焼成を行
なって固体電解質と金属との界面で反応を生じさせてこ
れらを接合することもある。
金属と固体電解質との接合方法では、一般に接合強度が
弱いという問題がある。とくに、単にスパッタリングに
より固体電解質の上に金属層を形成する場合には、コン
タクト強度が非常に乏しく、そのため、電気抵抗が大き
くなり、酸素センサの電極としての能力が極端に低下す
る。そのため、酸素センサの良好な限界電流特性が得ら
れない。この現象は、熱サイクルが存在する場合には顕
著である。この場合の解決策として、スパッタリングさ
れる側の固体電解質の表面を粗くし、それによって生じ
る表面の凹凸を利用することも考えられなくはないが、
根本的な解決策とはいえない。
との界面で反応を生じさせてこれらを接合する方法で
は、雰囲気を非常に高温とする必要があり、他の材料の
耐熱性の観点から困難な場合があるし、コスト的にも不
利である。さらに、金属層の表面や固体電解質自体の変
性が生じる危険もある。
合される金属の気体透過性を保ちながら、この金属と固
体電解質との接合強度を上げて電極としての能力を高め
ることができる、とくに酸素センサなどの製造に適用す
るのに好適な、金属と固体電解質との接合方法を提供す
ることを目的とする。
め、この発明による金属と固体電解質との接合方法で
は、固体電解質の上にドライプロセスによって多孔質の
金属層を積層させ、かつこの積層される金属層に銅ある
いはビスマスの両方又は一方を含ませ、これら銅または
ビスマスを高温雰囲気中で酸化させることが特徴となっ
ており、それらの酸化物層が固体電解質と金属層との間
の界面にバッファー層として形成されることにより、そ
れほど高い温度の雰囲気に晒す必要なしに、それらの間
の接合強度を増大させることができる。その結果、固体
電解質に対する金属層の電気的コンタクト特性も良好と
なる。これにより、金属層の気体透過性を確保するよう
多孔質としながら、接合強度を増して電気的コンタクト
性を良好ならしめるため、酸素センサの製造方法に適用
すれば、良好な特性の酸素センサを得ることができる。
照しながら詳細に説明する。この実施例ではこの発明の
接合方法を適用して酸素センサを製造することとする。
まず、図1に示すように、アルミナやジルコニアあるい
は多孔質結晶化ガラスなどの厚さ0.1mmの多孔質基
板1を用意し、この表面に図2に示すように電極となる
多孔質金属層2を形成する。ここでは、スパッタリング
により白金を主成分とし、銅(Cu)及びビスマス(B
i)を重量比で3%ずつ添加した、厚さ1μmの多孔質
金属層2を形成した。その上に、図3で示すように、同
じくスパッタリングにより固体電解質層(具体的には安
定化ジルコニア:Zr−8Y)3を厚さ2μmに形成し
た。さらに、この固体電解質層3の上に、上記の金属層
2と同様に、スパッタリングにより、主成分が白金で銅
及びビスマスを重量比でそれぞれ3%ずつ含む、厚さ
0.1μmの多孔質金属層4を図4のように形成した。
解質層3及び金属層4が積層された多孔質基板1を、1
000℃の雰囲気中に1時間晒して焼成を行なった。す
ると、金属層2、4の固体電解質層3との間の界面付近
において、銅とビスマスとが酸化し、その酸化物(Cu
O、BiO)層5が形成された。この酸化物層5は、金
属層2と固体電解質層3との間の界面、及び金属層4と
固体電解質層3との間の界面に存在してそれらの間のバ
ッファー層として機能し、金属層2、4と固体電解質層
3との間の接合強度を高める。その接合強度は、粘着テ
ープを貼り付けた後はがすことにより行なわれる剥離テ
ストにより確認できた。すなわち、上記のようにして作
ったサンプルを10個用意し、それらの表面の金属層4
に2mm×2mmの正方形の切り込みを入れて、その部
分を含む表面に粘着テープを貼り付け、その後粘着テー
プをはがす。すると、接合強度が弱いと粘着テープとと
もにその正方形の部分の金属層4が剥がれてくるが、こ
の実施例で作ったサンプルについては1個として剥がれ
るものがなかった。ちなみに銅やビスマスを含まない従
来の金属層4の場合は、同様に10個のサンプルについ
て剥離テストを行なった結果、10個全部に何等かの剥
離が発生した。
センサであり、固体電解質層3のイオン導電性を利用し
て酸素濃度を測定する。この酸素センサは限界電流式酸
素センサとも呼ばれており、金属層2に負の電圧を、金
属層4に正の電圧を加えて酸素イオンをキャリアとする
電流を固体電解質層3中に金属層4側から金属層2側へ
と流す。これにより、酸素が、多孔質基板1の下面か
ら、この基板1、多孔質金属層2、固体電解質層3及び
多孔質金属層4を通って上方へと流れることになる。こ
の多孔質基板1を通る酸素量は、多孔質基板1自体の空
孔率や孔径等により定まる空気抵抗によって、一定のも
のに制限される。そこで、金属層4、2間に流れる電流
値は流入空気の酸素濃度に対応して一定の値に収束して
いくことになる。この電流特性が限界電流特性と呼ばれ
る。多孔質基板1の下面側を酸素濃度測定雰囲気とすれ
ば、その雰囲気中の酸素の濃度を測定することができ
る。
4との接合強度が良好となるため、固体電解質層3と金
属層2、4との電気的コンタクトも良好なものとなり、
酸素センサとして動作させたときの限界電流特性が良好
なものとなった。すなわち、この実施例で作製された限
界電流式酸素センサの限界電流特性は図6に示すように
なり、良好なものあることが分かる。
スの両方を添加したが、銅あるいはビスマスのいずれか
一方のみでもたとえば重量比で3%程度含ませることに
より、同様の効果を得ることができる。また、上記では
スパッタリングを採用しているが、蒸着などの他のドラ
イプロセスにより金属層2、4や固体電解質層3を形成
することもできる。
の発明の金属と固体電解質との接合方法によれば、固体
電解質の上にドライプロセスによって多孔質の金属層を
積層させ、かつこの金属層に銅またはビスマスの両方あ
るいは一方を数%添加して、その後工程で焼成等の酸化
を行なうという簡単な工程で、固体電解質と多孔質金属
層との間の界面の接合強度を大幅に向上させることがで
きる。接合強度が向上することにより、機械的信頼性が
高まり、とくにヒートサイクルが繰り返された場合など
における剥離などの問題を解消することができる。固体
電解質と金属層との間の界面の接合強度の向上により、
界面の電気的コンタクト性が改善されて電気抵抗が低下
し、非常に良好な電気特性を得ることができる。そし
て、このように非常に良好な電気特性を、金属層を多孔
質としてその気体透過性を確保しながら得ることができ
るので、酸素センサの電極として最適であり、酸素セン
サの製造方法に適用すれば、良好な特性の酸素センサを
得ることができる。
との接合方法における最初の製造工程を示す断面図。
図。
図。
図。
図。
示すグラフ。
Claims (2)
- 【請求項1】 固体電解質に対して銅を含む多孔質の金
属層をドライプロセスにより積層する工程と、この金属
層の積層された固体電解質を高温雰囲気中で酸化させる
工程とを有することを特徴とする金属と固体電解質との
接合方法。 - 【請求項2】 固体電解質に対してビスマスを含む多孔
質の金属層をドライプロセスにより積層する工程と、こ
の金属層の積層された固体電解質を高温雰囲気中で酸化
させる工程とを有することを特徴とする金属と固体電解
質との接合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3285648A JP2516121B2 (ja) | 1991-10-04 | 1991-10-04 | 金属と固体電解質との接合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3285648A JP2516121B2 (ja) | 1991-10-04 | 1991-10-04 | 金属と固体電解質との接合方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0597534A JPH0597534A (ja) | 1993-04-20 |
JP2516121B2 true JP2516121B2 (ja) | 1996-07-10 |
Family
ID=17694258
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3285648A Expired - Fee Related JP2516121B2 (ja) | 1991-10-04 | 1991-10-04 | 金属と固体電解質との接合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2516121B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02252682A (ja) * | 1989-03-23 | 1990-10-11 | Nippon Steel Corp | セラミックスのメタライズ法及びセラミックスの接合法 |
-
1991
- 1991-10-04 JP JP3285648A patent/JP2516121B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0597534A (ja) | 1993-04-20 |
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