JP2516094B2 - Ｐａｌ信号のカラ―フィ―ルド検出回路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本発明はPAL方式のカラーテレビジョン信号のカラー
フィールド検出回路に関する。

【従来の技術】

PAL（Phase Alternation by Line）方式のカラーテレ
ビジョン信号（本明細書中ではPAL信号と記載されるこ
ともある）は、輝度信号帯域内におかれた特定な周波数
値を有する１つの色副搬送波の直角な２相の搬送波を、
互に独立な２つの色差信号（色信号）で個別に振幅変調
する場合に、前記した独立な２つの色差信号の内の特定
な一方の色差信号で振幅変調される一方の搬送波の位相
が、時間軸上で相隣る水平走査期間毎（１ライン毎）に
互に反転される用にするとともに、前記した特定な一方
の色差信号で振幅変調される一方の搬送波の位相の状態
を受信側で識別させるために、基準副搬送波の位相基準
として送信側から受信側へ伝送されるバースト信号の位
相を、前記した特定な一方の色差信号で振幅変調される
一方の搬送波の位相の反転状態と関連させて、他方の色
差信号で振幅変調される他方の搬送波の位相を基準とし
て、時間軸上で相隣る水平走査期間毎（１ライン毎）に
±45度ずつその位相を回転させて伝送するようにしてい
る。 第６図（ａ）〜（ｄ）はPAL信号の連続する８フィー
ルド期間の信号の状態を示している波形図であって、図
中の右端に奇数フィールドと偶数フィールドとの区別を
Odd（A,B）,Even（A,B）の表示によって行なっている。 第６図の（ａ）〜（ｄ）中に示されている数字は各フ
ィールド期間毎の水平走査期間の番号であり、また白丸
が付された線はＶ軸、黒丸が付された線はＵ軸、矢印の
線はバースト信号の位相｛第６図の（ｅ）でも同じ｝を
示している。第６図の（ｆ）は第３フィールドを例にし
てバースト信号の位相の回転の状態を説明している図で
ある。 PAL信号における各フィールドで最初に現われるバー
スト信号と水平同期信号とによるSCH位相（SCH位相基準
値）は第６図に例示されているように、相隣るフィール
ド毎に45度ずつ回転していて、連続する８フィールド
（８つのカラーフィールド）を単位にして巡回的に変化
しているから、例えばPAL信号について編集記録等が行
なわれるような場合には、どのカラーフィールドである
のかを知ることが必要とされる。 そして、従来、PAL信号のカラーフィールドを検出す
るのには、例えば第５図に示されているように、入力端
子１を介してカラーフィールドの検出の対象にされてい
るPAL信号をSCH位相検出回路２から出力されたSCH位相
を位相弁別回路３に与えて、各フィールドで最初に現わ
れるバースト信号と水平同期信号とによるSCH位相（SCH
位相基準値）が、第５図中に記載されている８種類の位
相の範囲の内のどの位相の範囲に属するのかを判別し
て、８つのカラーフィールドの内の１つを示す情報を出
力４として出力させるようにしていた。

【発明が解決しようとする課題】

ところが、第５図に例示されている従来のPAL信号の
カラーフィールドの検出回路では、隣接するフィールド
を弁別できるSCH位相の範囲が±22.5度（約14マイクロ
秒）となるので、実施に際しては高精度の検出が必要と
される他、周辺回路の群遅延を厳しく管理しなければな
らず、また、ノイズマージンが低い上に、SCH位相の検
出不可能点が８つもあるということが問題になってい
た。

【課題を解決するための手段】

本発明はカラーフィールドの検出対象にされているPA
L方式のカラーテレビジョン信号について、SCH位相の検
出と、奇数フィールドと偶数フィールドとの検出と、等
価パルスの直後の水平同期パルスに付属するバースト信
号の有無の検出とを行なう手段と、奇数フィールドと偶
数フィールドとの検出結果と等価パルスの直後の水平同
期パルスに付属するバースト信号の有無の検出結果との
組合わせ態様に基づいてそれぞれ予め定められた位相角
を検出されたSCH位相に加算演算する手段とを備えてな
るPAL信号のカラーフィールド検出回路を提供する。

【作用】

カラーフィールドの検出対象にされているPAL信号に
ついて、SCH位相の検出と、奇数フィールドと偶数フィ
ールドとの検出と、等価パルスの直後の水平同期パルス
に付属するバースト信号の有無の検出とを行なう。 奇数フィールドと偶数フィールドとの検出結果と等価
パルスの直後の水平同期パルスに付属するバースト信号
の有無の検出結果との組合わせ態様に基づいてそれぞれ
予め定められた位相角を検出されたSCH位相に加算演算
する。 加算演算によって得た位相の値が270度〜90度の範囲
に属するか、あるいは90度〜270度の範囲に属するかを
判別する。 前記した判別結果と、奇数フィールドと偶数フィール
ドとの検出結果と等価パルスの直後の水平同期パルスに
付属するバースト信号の有無の検出結果とに基づいてカ
ラーフィールドを決定する。

【実施例】

以下、添付図面を参照して本発明のPAL信号のカラー
フィールド検出回路の具体的な内容について詳細に説明
する。第１図は本発明のPAL信号のカラーフィールド検
出回路の実施例のブロック図であり、第２図乃至第４図
は本発明のPAL信号のカラーフィールド検出回路の構成
原理及び動作原理を説明するために使用する図である。 第１図において１はPAL信号のカラーフィールド検出
回路のPLL信号の入力端子、２はSCH位相検出回路、５は
奇数フィールドと偶数フィールドとの検出回路、６は等
価パルスの直後の水平同期パルスに付属するバースト信
号の有無の検出回路、７はデコーダ回路、８は加算器、
９〜12は位相の設定回路、13〜16はスイッチ、17は位相
弁別回路、18〜25はアンド回路である。 本発明のPAL信号のカラーフィールド検出回路の構成
原理と動作原理とを説明するために使用される第２図乃
至第４図において、まず第２図には第６図の（ａ）〜
（ｄ）を参照して既述したPAL信号における連続する８
つのカラーフィールドにおける各フィールドで最初に現
われるバースト信号と水平同期信号とによるSCH位相（S
CH位相基準値）と、各フィールドが奇数フィールドか偶
数フィールドかの区別を示す情報（第２図中におけるOD
D/EVENの欄に記載されているODDまたはEVENの区別）
と、等価パルスの直後の水平同期パルスに付属するバー
スト信号の有無を示す情報（第２図中ではバーストゲー
ト位相の欄に、バースト信号が無い場合には０、バース
ト信号が有る場合には１のように記載されている）と、
フィールドが前記した奇数フィールドか偶数フィールド
かの区別を示す情報と等価パルスの直後の水平同期パル
スに付属するバースト信号の有無を示す情報との４つの
組合わせ態様の内のどの組合わせ態様に属するのかを示
す情報（第２図中のデコード出力の欄に記載の＃１〜＃
４）とが示されている。 第１図をみるとPAL信号においては、フィールドが
奇数フィールド（ODD）で、かつ、等価パルスの直後の
水平同期パルスにバースト信号が付属していない状態の
カラーフィールドは、第１図中におけるデコード出力の
欄に＃１の表示がなされているカラーフィールド１とカ
ラーフィールド５とであり、また、フィールドが偶数
フィールド（EVEN）で、かつ、等価パルスの直後の水平
同期パルスにバースト信号が付属している状態のカラー
フィールドは、第１図中におけるデコード出力の欄に＃
２の表示がなされているカラーフィールド２とカラーフ
ィールド６とであり、さらに、フィールドが奇数フィ
ールド（ODD）で、かつ、等価パルスの直後の水平同期
パルスにバースト信号が付属している状態のカラーフィ
ールドは、第１図中におけるデコード出力の欄に＃３の
表示がなされているカラーフィールド３とカラーフィー
ルド７とであり、さらにまた、フィールドが偶数フィー
ルド（EVEN）で、かつ、等価パルスの直後の水平同期パ
ルスにバースト信号が付属していない状態のカラーフィ
ールドは、第１図中におけるデコード出力の欄に＃４の
表示がなされているカラーフィールド４とカラーフィー
ルド８とであることが判かり、また、前記した〜の
それぞれに示されている２つずつのカラーフィールドに
おけるSCH位相基準値を比較してみると、〜の何れ
の場合についても２つずつのカラーフィールドにおける
SCH位相基準値の位相差は第３図に図示してあるように1
80度であることが判かる。なお、第４図には８つのカラ
ーフィールドにおけるそれぞれのSCH位相基準値を示し
ている。 第２図乃至第４図を参照して説明したところから明ら
かなように、PAL信号のカラーフィールドは、フィール
ドが奇数フィールド（ODD）であるのか、偶数フィール
ド（EVEN）であるのかを示す情報と、等価パルスの直後
の水平同期パルスにバースト信号が付属しているのか付
属していないのかを示す情報との４つの組合わせ態様の
どの組合わせ態様であるのかを判別し、次いで同じ組合
わせ態様の２つずつのフィールドにおける互に180度異
なるSCH位相基準値を見ることによって各カラーフィー
ルドを知ることができるのであり、前記したSCH位相基
準値は±90度（約56マイクロ秒）の範囲で検出できれば
よいので検出が容易となるのである。 本発明のPAL信号のカラーフィールド検出回路の一実
施例を示す第１図において入力端子１に供給されたカラ
ーフィールドの検出の対象にされているPAL信号は、SCH
位相検出回路２と、奇数フィールドと偶数フィールドと
の検出回路５と、等価パルスの直後の水平同期パルスに
付属するバースト信号の有無の検出回路６とに供給され
る。 前記したSCH位相検出回路２からの出力は加算器８に
供給され、また、奇数フィールドと偶数フィールドとの
検出回路５からの出力信号と、等価パルスの直後の水平
同期パルスに付属するバースト信号の有無の検出回路６
からの出力信号とはデコード回路７に供給される。 前記した奇数フィールドと偶数フィールドとの検出回
路５からの出力信号と、等価パルスの直後の水平同期パ
ルスに付属するバースト信号の有無の検出回路６からの
出力信号とが供給されたデコード回路７では、フィー
ルドが奇数フィールド（ODD）で、かつ、等価パルスの
直後の水平同期パルスにバースト信号が付属していない
状態のカラーフィールド１（または５）の場合には＃１
の出力によりスイッチ13をオンの状態にして、位相の設
定回路９に設定されていた０度の位相情報を加算器８に
供給するとともに、アンド回路18,19に＃１の出力を与
える。 また、フィールドが偶数フィールド（EVEN）で、か
つ、等価パルスの直後の水平同期パルスにバースト信号
が付属している状態のカラーフィールド２（または６）
の場合には＃２の出力によりスイッチ14をオンの状態に
して、位相の設定回路10に設定されていた135度の位相
情報を加算器８に供給するとともに、アンド回路20,21
に＃２の出力を与える。 さらに、フィールドが奇数フィールド（ODD）で、
かつ、等価パルスの直後の水平同期パルスにバースト信
号が付属している状態のカラーフィールド３（または
７）の場合には＃３の出力によりスイッチ15をオンの状
態にして、位相の設定回路11に設定されていた−90度の
位相情報を加算器８に供給するとともに、アンド回路2
2,23に＃３の出力を与える。 さらにまた、フィールドが偶数フィールド（EVEN）
で、かつ、等価パルスの直後の水平同期パルスにバース
ト信号が付属していない状態のカラーフィールド４（ま
たは８）の場合には＃４の出力によりスイッチ16をオン
の状態にして、位相の設定回路12に設定されていた45度
の位相情報を加算器８に供給するとともに、アンド回路
24,25に＃４の出力を与える。 前記のようにデコード回路７からの＃１の出力によっ
てスイッチ13がオンの状態になされて位相の設定回路９
に設定されている０度の位相情報が加算器８に供給され
る状態は、カラーフィールドが１か５の場合、すなわ
ち、加算器８にSCH位相検出回路２から供給されているS
CH位相基準値が０度か180度であり、この場合に加算器
８から位相弁別回路17に供給されている位相情報は０度
付近（カラーフィールド１の場合）か180度付近（カラ
ーフィールド５の場合）かの何れであり、また、デコー
ド回路７からの＃２の出力によってスイッチ14がオンの
状態になされて位相の設定回路10に設定されている135
度の位相情報が加算器８に供給される状態は、カラーフ
ィールドが２か６の場合、すなわち、加算器８にSCH位
相検出回路２から供給されているSCH位相基準値が225度
か45度であり、この場合に加算器８から位相弁別回路17
に供給されている位相情報は０度付近（カラーフィール
ド２の場合）か180度付近（カラーフィールド６の場
合）かの何れであり、さらにデコード回路７からの＃３
の出力によってスイッチ15がオンの状態になされて位相
の設定回路11に設定されている−90度の位相情報が加算
器８に供給される状態は、カラーフィールドが３か７の
場合、すなわち、加算器８にSCH位相検出回路２から供
給されているSCH位相基準値が90度か270度であり、この
場合に加算器８から位相弁別回路17に供給されている位
相情報は０度付近（カラーフィールド３の場合）か180
度付近（カラーフィールド７の場合）かの何れであり、
さらにまた、デコード回路７からの＃３の出力によって
スイッチ16がオンの状態になされて位相の設定回路12に
設定されている45度の位相情報が加算器８に供給される
状態は、カラーフィールドが４か８の場合、すなわち、
加算器８にSCH位相検出回路２から供給されているSCH位
相基準値が315度か135度であり、この場合に加算器８か
ら位相弁別回路17に供給されている位相情報は０度付近
（カラーフィールド４の場合）か180度付近（カラーフ
ィールド８の場合）かの何れである。 そして、前記した位相弁別回路17では、それに供給さ
れた位相情報が270度→90度の範囲の場合には、それか
らアンド回路18,20,22,24にゲート信号を与え、また、
それに供給された位相情報が90度→270度の範囲の場合
には、それからアンド回路19,21,23,25にゲート信号を
与える。 したがって、前記したアンド回路18からはカラーフィ
ールド１の場合だけに出力信号が送出され、また、前記
したアンド回路19からはカラーフィールド２の場合だけ
に出力信号が送出され、さらに、前記したアンド回路20
からはカラーフィールド３の場合だけに出力信号が送出
され、以下同様にしてアンド回路21〜25からはカラーフ
ィールド４〜８の場合に出力信号が送出されるのであ
る。 前記したところから明らかなように本発明のPAL信号
のカラーフィールド検出回路では、前記した位相弁別回
路17において行なわれる位相弁別動作は、第５図を参照
して既述した従来回路における位相弁別回路３における
狭い位相範囲（±22.5度）に比べて格段に広い位相範囲
（±90度）での位相弁別動作が可能となされるのであ
る。 なお、カラーフィールドの検出の対象にされているPA
L信号を、SCH位相検出回路２と、奇数フィールドと偶数
フィールドとの検出回路５とに供給して、それぞれの回
路からの出力に基づいてカラーフィールドを定めるよう
にした場合には、位相弁別回路における位相範囲は±45
度となる。

【発明の効果】

以上、詳細に説明したところから明らかなように、本
発明のPAL信号のカラーフィールド検出回路は、カラー
フィールドの検出対象にされているPAL信号について、S
CH位相の検出と、奇数フィールドと偶数フィールドとの
検出と、等価パルスの直後の水平同期パルスに付属する
バースト信号の有無の検出とを行ない、奇数フィールド
と偶数フィールドとの検出結果と等価パルスの直後の水
平同期パルスに付属するバースト信号の有無の検出結果
との組合わせ態様に基づいてそれぞれ予め定められた位
相角を検出されたSCH位相に加算演算して、加算演算に
よって得た位相の値が270度〜90度の範囲に属するか、
あるいは90度〜270度の範囲に属するかを判別し、前記
した判別結果と、奇数フィールドと偶数フィールドとの
検出結果と等価パルスの直後の水平同期パルスに付属す
るバースト信号の有無の検出結果とに基づいてカラーフ
ィールドを決定するようにしたものであるから、本発明
のPAL信号のカラーフィールド検出回路では、位相弁別
回路において行なわれる位相弁別動作は、第５図を参照
して既述した従来回路における位相弁別回路３における
狭い位相範囲（±22.5度）に比べて格段に広い位相範囲
（±90度）での位相弁別動作が可能となされるのであ
り、したがって、SCH位相検出回路に高精度のものが必
要とされず、また周辺回路の群遅延の管理も容易となる
他、耐雑音特性も大であり、さらに検出不可能点が２点
というように少ない等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のPAL信号のカラーフィールド検出回路
の実施例のブロック図、第２図乃至第４図は本発明のPA
L信号のカラーフィールド検出回路の構成原理及び動作
原理を説明するために使用する図、第５図は従来回路の
ブロック図、第６図はPAL信号の連続する８フィールド
期間の信号の状態を示す波形図である。 １…PAL信号のカラーフィールド検出回路のPLL信号の入
力端子、２…SCH位相検出回路、５…奇数フィールドと
偶数フィールドとの検出回路、６…等価パルスの直後の
水平同期パルスに付属するバースト信号の有無の検出回
路、７…デコーダ回路、８…加算器、９〜12…位相の設
定回路、13〜16…スイッチ、3,17…位相弁別回路、18〜
25…アンド回路、

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】カラーフィールドの検出対象にされている
   PAL方式のカラーテレビジョン信号について、SCH位相の
   検出と、奇数フィールドと偶数フィールドとの検出と、
   等価パルスの直後の水平同期パルスに付属するバースト
   信号の有無の検出とを行なう手段と、奇数フィールドと
   偶数フィールドとの検出結果と等価パルスの直後の水平
   同期パルスに付属するバースト信号の有無の検出結果と
   の組合わせ態様に基づいてそれぞれ予め定められた位相
   角を検出されたSCH位相に加算演算する手段とを備えて
   なるPAL信号のカラーフィールド検出回路