JP2516084B2 - 耐摩耗性塗料組成物 - Google Patents

耐摩耗性塗料組成物

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JP2516084B2
JP2516084B2 JP2082280A JP8228090A JP2516084B2 JP 2516084 B2 JP2516084 B2 JP 2516084B2 JP 2082280 A JP2082280 A JP 2082280A JP 8228090 A JP8228090 A JP 8228090A JP 2516084 B2 JP2516084 B2 JP 2516084B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、塗料中にワックスとフッ素樹脂を共分散し
た摩耗防止剤を含有させ、摩耗防止効果を塗膜に付与さ
せ、シャッター,雨戸,レール等で用いられる塗膜が接
触・摺動する条件で塗膜の摩耗を防ぎ、良好な塗膜外観
を得る耐摩耗性塗料組成物に関する。
(従来の技術) 従来、塗膜の摩耗を防止するために、天然ワックス,
ポリオレフィンワックス,シリコーン樹脂,フッ素樹脂
などを塗料に配合することにより、潤滑性のある塗膜を
得ることが行われている。
特開昭62−275172号公報には、内部潤滑材として炭化
水素系ワックスに、フッ素原子置換オレフィンのいくつ
かの繰り返された単位が結合した構造を有する変性炭化
水素系ワックスを熱硬化性塗料に添加することが記載さ
れている。
特開昭62−289275号公報には、フッ素樹脂粉末が表面
に露出した熱硬化性樹脂塗膜で金属板を被覆した塗装金
属板が記載されている。
特開昭63−248877号公報には、変性シリコーン樹脂,
ポリオレフィン系ワックス、もしくは天然ワックスを反
応させた潤滑材を塗料に添加することが記載されてい
る。
また、先行技術である特開平3−2257号公報には、ポ
リオレフィン系ワックスおよびフッ素系樹脂粉末を含有
する潤滑性付与剤が記載されている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、天然ワックスやポリオレフィン系ワックス等
のワックス単独で用いる場合は、塗装後、冷却工程で塗
膜に光沢低下を起こす等の欠点があり、シリコーン樹脂
やフッ素樹脂などを単独で用いる場合は、塗膜にワキや
ブツを発生する等の欠点があり、ワックスとフッ素樹脂
を単に併用した場合は、上記単独使用の欠点が複合され
るだけで何ら問題解決になっていない。
さらに、特開昭62−275172号公報の塗料では、DI,DRD
缶の製造時に必要な潤滑性、即ち、1回限りの加工にお
ける圧擦には耐えられるが、本発明のような摩耗を繰り
返すような場合には耐えられず、即ち摩耗に対する持続
性の点で欠点があり、特開昭62−289275号公報の金属
板、さらに特開昭63−248877号公報の潤滑材でも、摩耗
性の持続の点等における欠点があった。
(課題を解決するための手段) 本発明に従えば、ワックス及びフッ素樹脂を共分散さ
せた摩耗防止剤を塗料に含有させ、耐摩耗性が良好な塗
料組成物が提供される。
(発明の構成) 本発明において用いる摩耗防止剤は、ワックス及びフ
ッ素樹脂を共分散させたものである。
本発明では、ワックスは共分散することにより摩耗防
止剤のコアーになるものであり、このためには融点40〜
150℃,数平均分子量1,600〜2,500,粒度5〜15μm,針入
度2〜10のものが好ましく、具体的には動植物ロウ,パ
ラフィンワックス,ポリオレフィンワックス及びこれら
の炭化水素ワックスが好ましく、より好ましくは、ポリ
エチレンワックスやポリプロピレンワックス等のポリオ
レフィンワックスであり、さらに好ましくは、ポリエチ
レンワックスである。
また、本発明では、フッ素樹脂は共分散することによ
り、摩耗防止剤のコアーとなるワックスをマスキングす
るものであり、このためには、融点80〜400℃,数平均
分子量100,000〜600,000,粒度1〜15μm,針入度0.02〜
1のものが好ましく、具体的には融点の高いポリフルオ
ロオレフィンが好ましく、より好ましくは、ポリテトラ
フルオロエチレンである。
本発明でのワックスとフッ素樹脂の好ましい分散比率
は、9/1〜2/8(固形分重量比)の範囲である。分散比率
が上記範囲よりワックス成分が多いと、フッ素樹脂によ
るマスキングが不充分となる傾向にあり、逆にフッ素樹
脂成分が多いとワックスによるコアーの形成が不充分と
なる傾向となる。
共分散とは、ワックスとフッ素樹脂と有機溶剤を80〜
150℃に加熱し、攪拌することでワックスが溶解し、そ
の後ディゾルバー等の分散機により分散させながら、さ
らに有機溶剤を加えた後、混合物を急冷する操作を指
す。共分散後の摩耗防止剤の数平均分子量は2,000〜60
0,000,融点80〜350℃,粒度2〜20μm,加熱残分5〜30
%のものが好ましい。共分散時に用いる有機溶剤として
は、芳香族炭化水素系溶剤等を用いる。共分散によって
得られた摩耗防止剤は、ワックスがフッ素樹脂によりマ
スキングされた状態となり、ワックスとフッ素樹脂相互
には結合状態は形成されない。
摩耗防止剤の好ましい配合量は、塗料樹脂固形分に対
して摩耗防止剤の固形分として1〜30重%、より好まし
くは、2〜20重量%である。配合量が1重量%未満で
は、摩耗性の点で性能が低下する傾向にあり、逆に30重
量%を越えると塗膜の加工性,光沢ムラ,ワキ,ブツ等
の塗膜欠陥が生じる傾向にある。
本発明に用いる摩耗防止剤は、塗膜中では摩耗防止剤
の比重と他の塗料成分との比重バランスにより、塗膜中
で浮き塗膜の上層側に多く偏在する状態となり、耐摩耗
性を発現させる。
本発明の耐摩耗性塗料組成物に用いられる熱硬化性樹
脂としては、例えば、アクリル樹脂,ポリエステル樹
脂,アルキド樹脂,イソシアネート硬化型アクリル樹脂
等の塗膜形成性樹脂を挙げることができ、これらは必要
に応じて、アミノ樹脂やブロックイソシアネート等の架
橋剤と一緒に用いられる。
該樹脂には、必要に応じて油脂又は脂肪酸を30重量%
程度まで加えて、柔軟性を付与したアルキド樹脂として
用いることもできる。
さらに、本発明に用いることができる熱可塑性樹脂と
しては、塗料分野で通常用いることのできる塩素化ポリ
エチレン,塩素化ポリプロピレン等の塩素化オレフィン
系樹脂,塩化ビニル樹脂,酢酸ビニル,塩化ビニリデン
及びこれらを共重合したビニル樹脂,セルロース系樹
脂,アセタール樹脂,アルキド樹脂,塩化ゴム系樹脂等
を挙げることができる。本発明では、有機溶剤可溶の樹
脂だけでなく、水溶性,水分散性,乳化された樹脂の水
系塗料を用いることができる。
水溶性ないし水分散性の樹脂成分としては、通常塗料
用に供されている種類のものであれば制限はなく、アニ
オン系,カチオン系,両性イオン系でも、イオン性を持
たないものであってもよい。特に好ましい成分として
は、アルキド系,ポリエステル系,エポキシ系,ウレタ
ン系,アミノプラスト系,マレイン系油系等、任意の水
溶性又は水分散性を有する樹脂類が挙げられる。これら
の樹脂成分を使用するに当たっては、例えばアクリル
系,アルキド系等のアニオン樹脂である場合にはアンモ
ニア,アルキルアミン類,アルカノールアミン類のよう
な塩基性化合物で中和し、またカチオン樹脂であるとき
には、酸性化合物により中和して水溶性にするか、前記
中和部分を少なくして水分散性に転化することによっ
て、水に溶解もしくは分散させる。
乳化された樹脂成分とは、通常、樹脂エマルジョンと
呼ばれるもので、対象樹脂としては酢酸ビニル樹脂,ア
クリル樹脂,スチレンブタジエン樹脂,塩化ビニル樹
脂,エポキシ樹脂,ウレタン樹脂等を挙げることができ
る。これら樹脂成分を水性エマルジョンとして乳化する
ための乳化剤としては、ノニオン性のものを適用するこ
とが好ましいが、カチオン性の構造単位を有する樹脂に
対してはカチオン性のもの、アニオン性の構造単位を有
する樹脂に対してはアニオン性のものでもよく、界面活
性剤やポリビニルアルコール等の保護コロイドを用いる
ことができる。樹脂エマルジョンは、それぞれの樹脂成
分を前記乳化剤を用いて水に懸濁させて調整することも
できるが、各モノマーからの乳化重合によって製造する
ことが好ましい。
さらに、樹脂成分の反応基と架橋反応する熱硬化型水
性塗料組成物用架橋剤として、例えばアミノプラスト,
ブロックイソシアネート,エポキシ化合物,フェノール
プラスト等、通常用いられる物質を配合することもで
き、この場合のアミノプラストとしては、ヘキサメトキ
シメチロールメラミン,メチル・ブチル化メラミン等が
代表的な例である。また、プレコートメタルに適用する
際の可撓性を付加するためには、モノメリックメラミン
を配合することが好適である。
また、活性エネルギー線硬化塗料に添加してもよく、
この場合、活性エネルギー線硬化塗料は一般的には塗膜
形成性成分として、その構造中にラジカル重合性の二重
結合を有するポリマー,オリゴマー,モノマー等を主成
分とし、その他必要に応じて、非反応性のポリマー,有
機溶剤,ワックス,その他の添加剤を含有するものであ
る。活性エネルギー線としては、電子線,紫外線等が挙
げられ、塗膜形成樹脂として好ましいものは、アクリレ
ート系の官能基を有するものである。
さらに、本発明でコラーゲンを配合する塗料には、塗
料組成物に一般的に使用されている任意成分、例えば、
顔料や各種添加剤を配合することができる。
前記した顔料としては、二酸化チタン,フタロシャニ
ンブルー,フタロシャニングリーン,キナクリドン,イ
ンダンスロン,イソインドリノン,ペリレン,アンスラ
ピリミジン,カーボンブラック,ベンズイミダゾロン,
グラファイト,黄色酸化鉄,赤色酸化鉄等の着色顔料、
及び場合により硫酸バリウム,アルミニウムシリケート
等の体質顔料の中から選ばれた1種以上を用いることが
できる。さらに光輝性顔料として、マイカ顔料,アルミ
箔,ブロンズ箔,スズ箔,金箔,銀箔,チタン金属箔,
ステンレススチール箔,ニッケル−銅等の合金箔,プラ
スチックで被覆した金属箔,箔状フタロシャニンブルー
等の金属箔顔料を用いることもできる。体質顔料として
炭酸カルシウム,石膏,クレー,タルク等も用いること
もできる。
配合することのできる各種添加剤としては、ドデシル
ベンゼンスルホン酸等の硬化触媒、ベンゾフェノール系
等の紫外線吸収剤、フェノール系,スルフォイド系等の
酸化防止剤、シリコーンや有機高分子等の表面調整剤、
タレ止め剤、増粘剤等の添加剤を挙げることができ、こ
れらは塗料中に5重量部以下の量で配合して、塗料性能
や塗膜性能を改善することができる。
但し、これらの配合量が多くなりすぎると、塗膜形成
時にハジキが生じたり、層間付着性が悪くなったりする
おそれがあるので好ましくない。
本発明の耐摩耗性塗料組成物をプレコート鋼板に用い
る場合の樹脂としては、例えばポリエステル樹脂,アク
リル樹脂,シリコーン変性ポリエステル樹脂及びシリコ
ーン変性アクリル樹脂を、アミノ樹脂又はブロックイソ
シアネートで架橋させた樹脂である。
上記ポリエステル樹脂としては、多価アルコールとし
てエチレングリコール,ジエチレングリコール,ポリエ
チレングリコール,プロピレングリコール,ジプロピレ
ングリコール,ポリプロピレングリコール,ネオペンチ
ルグリコール,1,2−,1,8−,2,3−,1,4−ブタンジオー
ル,1,5−ペンタンジオール,1,6−ヘキサンジオール,水
添ビスフェノールA,ヒドロキシアルキル化ビスフェノー
ルA,1,4−シクロヘキサンジメタノール,2,2−ジメチル
−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒド
ロキシプロピオネート(BASHPN),N,N−ビス−(2−ヒ
ドロキシエチル)ジメチルヒダントイン,ポリエトフメ
チレンエーテルグリコール,ポリカプロフクトンポリオ
ール,グリセリン,ソルビトール,アンニトール,トリ
メチロールエタン,トリメチロールプロパン,トリメチ
ロールブタン,ヘキサントリオール,ペンタエリスリト
ール,ジペンタエリスリトール,トリス−(ヒドロキシ
エチル)イソシアナート等の1種、又はそれ以上を用い
たものとすることができる。また、ポリエステル樹脂の
他方の原料である多塩基酸の例としては、フタル酸,無
水フタル酸,テトラヒドロフタル酸,テトラヒドロ無水
フタル酸,ヘキサヒドロフタル酸,ヘキサヒドロ無水フ
タル酸,メチルテトラヒドロフタル酸,メチルテトラヒ
ドロ無水フタル酸,無水ハイミック酸トリメリット酸,
無水トリメリット酸,ピロメリット酸,無水ピロメリッ
ト酸,イソフタル酸,テレフタル酸,マレイン酸,無水
マレイン酸,フマール酸,イタコン酸,アジピン酸,ア
ゼライン酸,セバシン酸,コハク酸,無水コハク酸,乳
酸,ドデセニルコハク酸,ドデセニル無水コハク酸,シ
クロヘキサン−1,4−ジカルボン酸,無水エンド酸等の
1種、又はそれ以上を用いることができる。シリコーン
変性ポリエステル樹脂は、上記ポリエステル樹脂100重
量部に対し、有機シリコーン(例えば官能基として−Si
OCH3,−SiOHを有する数平均分子量300〜1,000の有機シ
リコーン)5〜50重量部を反応させて得ることができ
る。前記ポリエステル樹脂には、必要に応じて油脂又は
脂肪酸30重量%程度まで加えて、柔軟性を付与すること
もできる。
本発明において用いるポリエステル樹脂の物性には特
に限定はないが、例えば分子量が3,000〜10,000、酸価
が1〜30で、水酸基価が固形分に対して10〜250である
のが好ましい。
次に、本発明において使用することができるアクリル
樹脂としては、例えば、以下のようなモノマーから通常
の方法により重合したものとすることができる。
(1)(メタ)アクリル酸ヒドロキシルメチル,(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシルエチル,(メタ)アクリル
酸ヒドロキシルプロピル,(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シブチル,N−メチロールアクリルアミン等のヒドロキシ
ル基を有するエチレン性モノマー (2)(メタ)アクリル酸,クロトン酸,イタコン酸,
フマール酸,マレイン酸等のカルボキシル基を有するエ
チレン性モノマー (3)(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸
エチル,(メタ)アクリル酸プロピル,アクリル酸ブチ
ル,アクリル酸n−プロピル,アクリル酸n−ブチル,
アクリル酸イソブチル,アクリル酸2−エチルヘキシ
ル,アクリル酸n−オクチル,アクリル酸n−ドデシル
等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどの前記モ
ノマー(1)及び(2)と共重合可能なエチレン性モノ
マー、並びに(4)(メタ)アクリロニトリル,スチレ
ン等。
シリコーン変性アクリル樹脂は、上記アクリル樹脂10
0重量部に対し、前記したような有機シリコーン5〜50
重量部を反応させて得ることができる。
本発明において、前記樹脂の硬化剤としては、アミノ
樹脂又はブロックイソシアネートが用いられる。このよ
うなアミノ樹脂としては、例えばn−ブチル化メラミン
樹脂,イソブチル化メラミン樹脂等のメラミン樹脂やベ
ンゾグアナミン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は
通常、メラミン,ベンゾグアナミン等のアミノ化合物
に、ホルムアルデヒド,パラホルムアルデヒド等のアル
デヒドを付加反応又は付加縮合反応させて得られたもの
に、炭素数1〜4の1価アルコールでエーテル化して得
ることができる。このようなメラミン樹脂の具体例とし
ては、アルコキシ基がメトキシ基,エトキシ基,n−ブト
キシ基,i−ブトキシ基などであるアルコキシメチルメラ
ミン樹脂を挙げることができる。可撓性を付与するため
には、モノメリックメラミンが好ましい。
熱硬化性樹脂であるアクリル樹脂又はポリエステル樹
脂(それぞれシリコーン変性樹脂を含む)と架橋剤であ
るメラミン樹脂との使用比率は、例えば、アクリル樹脂
又はポリエステル樹脂/メラミン樹脂=85/15〜60/40の
比率(重量比)であり、好ましくは80/20〜70/30であ
る。これは、架橋剤の量が多すぎると加工性が低下し、
逆に架橋剤の量が少なすぎると耐蝕性,耐湿性,耐薬品
性などが低下する。
イソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシア
ネート(HMDI),イソホロンジイソシアネート(IPD
I),トリレンジイソシアネート(TDI),ナフタリンジ
イソシアネート等のブロックタイプが適用可能であり、
MEKオキシム等がブロック剤として適用される。
これらイソシアネートを架橋剤として用いる場合は、
−NCO/−OH当量比で0.4/1〜1/1が好適である。この比率
が大きすぎると加工性が低下し、一方小さすぎると耐蝕
性,耐湿性,耐薬品性が低下する。
本発明の耐摩耗性塗料組成物は、顔料を含んだ着色塗
料でもよいし、また顔料を含まない、さらに少量の透明
性顔料を含んだ透明塗料としてもよい。
各成分の混合には、塗料製造に慣用されているペイン
トシェイカー,ボールミル,サンドグラインドミル,ニ
ーダー,ディゾルバー等の装置を用いる。
本発明で用いる素材としては、冷延鋼板,亜鉛(合
金)めっき鋼板,アルミニウム(合金)板,銅(めっ
き)板,真鍮板,ステンレス板等の金属素材、FRP,ポリ
エチレン,ポリプロピレン,エチレン−酢酸ビニル共重
合体,ポリアミド,ポリアクリル,ポリエステル,エチ
レン−ポリビニルアルコール共重合体,塩化ビニル樹
脂,塩化ビニリデン樹脂,ポリカーボネート,ポリウレ
タン等のプラスチック素材、ガラス、紙、木、布、瀬戸
物,タイル等の陶器、セメント,コンクリート等の無機
質材料等の素材を用いることができる。素材が、金属の
場合には化成処理されていてもよく、また脱脂の状態で
あってもよく、さらに表面を機械的処理したものでもよ
い。非金属の場合、化成処理は不要だが、脱脂や機械的
さらに放電処理等の方法を行ってもよい。
これらの塗料の塗装方法は、特に限定されずエアスプ
レー塗装,エアレス塗装,静電塗装などの通常の塗装方
法、また特に、塗布厚の精度,塗布表面の平滑性等に優
れたグラビアコーティング方法,ロールコーティング方
法,カーテンコーティング方法,バーコーティング方
法,オフセットグラビアコーティング方法等も採用され
る。
本発明の耐摩耗性塗料組成物をプレコート用として用
いる場合には、被塗物をアプリケーターロールとバック
アップロール間を通過させながら塗装するロールコート
用として、極めて優れた塗装効果が得られる。
プレコート被塗物としては、例えば亜鉛めっき鋼板,
アルミニウム板,冷延鋼板などのような金属板が対象に
なり、コイル状又はシート状の形態としてロールコート
塗装される。
前処理を施した被塗物には、下塗塗装(プライマーコ
ート)をすることが望ましい。プライマーコートは、腐
食作用から素材を保護し、金属板表面,表面処理膜及び
上塗塗膜に密着性を付与する機能を有する。下塗塗膜の
厚さは、通常、乾燥時において1〜7μmである。焼付
は、使用した塗料樹脂に最適な温度と時間の条件下で短
時間内に行う。
上塗塗装(トップコート)における好ましい塗膜は、
7〜20μm(乾燥時)である。この塗膜が7μm未満で
は摩耗性が不足し、着色力が乏しいために下塗素材を隠
蔽することができず、また20μmを越えると、高温短時
間内の焼付においてピンホール発生の危険性を生じる。
焼付の温度及び時間は、使用する上塗塗料に応じて最適
な条件で設定される。
(作用) 本発明に用いる摩耗防止剤は、ワックスとフッ素樹脂
を共分散して得られたものであり、その摩耗防止剤を塗
料に配合することにより、フッ素樹脂でマスキングされ
たワックスの浮きを利用することにより、極めて良好な
耐摩耗性を具備した塗料組成物が得られた。
(実施例) 以下、本発明を実施例に基づいて、さらに具体的に説
明するが、本発明の技術範囲をこれらの実施例に限定す
るものでないことはいうまでもない。
摩耗防止剤の製造例 ポリエチレンワックス(融点110℃,平均粒度10μ
m)とポリテトラフルオロエチレン(融点330℃,平均
粒度5μm)を、所定の比率で固形分重量%が30%にな
るようにキシレンを添加後、100〜110℃に加熱し、攪拌
機を用いてポリエチレンワックスを完全に溶解する。高
速ディゾルバーにて約30分間攪拌し、その後攪拌しなが
ら、室温状態にあるキシレンを所定の加熱残分になるよ
う加えて、混合物を急冷し、ポリエチレンワックスとポ
リテトラフルオロエチレンの共分散物を得る。
比率と性能を表1に示した。
耐摩耗性塗料 下記塗料例の塗料100重量部に対して、製造例L−1
〜L−5の摩耗防止剤を所定量添加し、ディゾルバーで
約10分間攪拌して、耐摩耗性塗料組成物を得た。
(塗料P−1) 下記組成の塗料をSGミル及び高速ディゾルバーを用い
て製造した。(乾燥膜厚20μm) *ポリエステルワニス(N.V.60%) 45重量部 ブチル化メラミンワニス(N.V.65%) 9 メチル化メラミンワニス(N.V.80%) 3 二酸化チタン 36 ソルベッソ150(エクソンケミカル製) 7 *多価アルコール=ネオペンチルグリコール,トリメチ
ロールプロパン,多塩基酸=アジピン酸,フタル酸 (塗料P−2) 塗料P−1のポリエステルワニスをアクリルワニス
(スチレン,メチルメタクリレート共重合体N.V.60%)
に変えた以外は、塗料P−1と同じ塗料を製造した。
(乾燥膜厚20μm) (塗料P−3) 塗料P−1のポリエステルワニスをシリコーン変性ポ
リエステルワニス(ポリエステル/有機シリコーン=10
0/30,N.V.60%)に変えた以外は、塗料P−1と同じ塗
料を製造した。(乾燥膜厚20μm) (塗料P−4) 塗料P−1のポリエステルワニスをシリコーン変性ア
クリルワニス(アクリル/シリコーン=100/30,N.V.60
%)に変えた以外は、塗料P−1と同じ塗料を製造し
た。(乾燥膜厚20μm) (塗料P−5) アクリルエマルジョン系塗料(ロープレックスAC1822
/ローム・アンド・ハース社製/乾燥膜厚20μm) (塗料P−6) ラッカー塗料(カースプレー黄/日本ペイント(株)
製/乾燥膜厚20μm) (塗料P−7) 紫外線硬化塗料(ニッペユービーコート/日本ペイン
ト(株)製/乾燥膜厚20μm) 塗板の調整 (塗料P−1〜P−5用塗板) 塗布型クロメート処理した亜鉛めっき鋼板に、エポキ
シ系プライマーをバーコーターで乾燥膜厚約5μmで塗
装し、最高到達板温度200℃で1分間乾燥後、塗料P−
1〜P−5をバーコーターで所定乾燥膜厚になるように
塗装し、最高到達板温度230℃で1分間乾燥させた。
(塗料P−6用塗板) 塗料P−1のエポキシプライマー乾燥後、#400研磨
紙で研磨後、塗料P−6を塗装し、20℃で3日間乾燥さ
せた。
(塗料P−7用塗板) 硬質塩ビ板に塗料P−7をバーコーターで塗装後、高
圧水銀灯80W/cm,5秒で硬化させた。
実施例1〜14,比較例1〜6 前記、塗料及び塗装条件で表2に示した組成の塗料を
用いた。
塗膜性状の性能評価は、次のようにして行った。
〔耐摩耗性〕 学振式摩擦堅牢度試験機(型番F−4774/大栄科学精
器製作所製)を用いて、塗膜面を摩耗防止剤を含んでい
ないメラミンポリエステル塗膜(スーパーラックD1F R
−64/日本ペイント(株)製)を、エリクセン試験機に
より5mm押し出した部分と20℃でこすり合せる。
○…こすり合せた回数5000回で塗膜面異常なし ×…こすり合せた回数100回で塗膜の摩耗顕著 〔光沢〕 60グロスメーター(型式UGV−5K/スガ試験機製)にて
測定した。
○…ワックス無添加の塗膜と光沢差15以内 ×…ワックス無添加の塗膜に比べて光沢の低下15より大 〔水冷ムラ〕 塗料P−1〜P−5を用いた系では、塗板をガスオー
ブンにて乾燥後、ガスオーブンから取り下ろし直後に20
℃の水道水によるシャワーで強制冷却し、水冷した場所
の塗膜のムラ(ウォータークェンチ)を目視で判定し
た。
○…水冷ムラ認められない ×…水冷ムラ顕著 〔塗膜外観〕 肉眼及び15倍ルーペを用いて、塗膜の異常を判定し
た。
○…ワキ,クレーター等の塗膜異常なし ×…ワキ,クレーター等の塗膜異常顕著 なお、比較例6については、L−6及びL−7を分散
することなく、単に併用した例である。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明の耐摩耗性塗料によれ
ば、塗膜が接触・摺動する苛酷な摩耗条件でも良好な摩
耗性が得られ、またプレコート鋼板に適用することによ
り、塗装焼付後の折り曲げ性,ロール成型性,エンボス
プレス性,特に絞り加工等の要求性能に対して、成型加
工時の成型機の金属によるスリ傷あとがつかない塗膜を
形成することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワックスとフッ素樹脂を9/1〜2/8(固形分
    重量比)の分散比率で共分散させることにより得られる
    前記ワックスをコアーとして前記フッ素樹脂でマスキン
    グした状態の摩耗防止剤を塗料に含有することを特徴と
    する耐摩耗性塗料組成物。
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