JP2014125604A - 多成分系の水性塗料組成物 - Google Patents

多成分系の水性塗料組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】
耐タレ性が極めて良好であり、安定した仕上がり外観と塗膜物性に優れた塗膜を与える多成分系の水性塗料組成物を提供する。
【解決手段】
水希釈性樹脂成分(A)、顔料分(B)及び水を含み、
水希釈性樹脂成分(A)がその成分の一部として水希釈性アクリル樹脂を含むものである主剤成分(I)と、
水希釈性樹脂成分(C)、無機系粘性調整剤(D)及び水を含み、水希釈性樹脂成分(C)がその成分の一部として水希釈性ウレタン樹脂を含む粘性調整剤成分(II)と、
架橋剤成分(III)と、
を組み合わせてなる多成分系の水性塗料組成物、水性上塗り塗料組成物及び水性下塗り塗料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は自動車又は自動車補修塗装などの水性上塗り塗料組成物及び水性下塗り塗料組成物として適用可能な多成分系の水性塗料組成物に関する。
近年、自動車または自動車補修塗装などの分野において水性塗料の市場展開が活性化してきている。
例えば上塗り用途で用いられる水性着色ベース塗料の塗装では塗装環境の温度や湿度によって仕上がり外観が影響を受けやすく、特にメタリック顔料を含む場合などでは塗膜のムラの発生度合いやキラキラ感、粒子感などが塗装環境によって大きく異なり、安定した仕上がり外観を得る塗装が難しいことが知られている。
特許文献1には、水性塗料組成物を、樹脂、顔料、増粘剤及び水を含むベース塗料と、水及び増粘剤を含む希釈剤と、で構成することで、メタリック塗料であっても形成される塗膜の仕上がり外観等が良好で、塗装環境の影響を大きく受けることがないことが記載されている。
特許文献2には、水性コーティング組成物を、水希釈性樹脂を含む特殊効果顔料組成物と、無機層状ケイ酸塩、水希釈性ポリウレタン樹脂及び水を含む顔料を含有しない組成物と、で構成することで、適切なレオロジーとなって塗膜の垂れに対する抵抗性がよくなることが記載されている。
特許文献3には、水性コーティングを、特殊効果顔料、水希釈性バインダー、有機溶剤、水及びラッカー添加剤を含む水性特殊効果モジュールと、水希釈性ポリウレタンバインダー、水、有機溶剤及びラッカー添加剤を含むバインダーモジュールと、で構成することで、能率的な生産と貯蔵を達成できることが記載されている。
このように、水性着色ベース塗料を多成分系で構成すること、塗料粘度を調整するための希釈剤に水だけでなく、増粘剤やポリウレタンなどの水希釈性バインダーを含ませた成分を使用することは公知技術である。
また、特許文献4には、水分散性アクリル重合体(A)、水性ウレタン樹脂(B)及びアニオン性コアシェル樹脂分散体(C)を含む水性塗料組成物が開示されており、かかる組成物によれば隠蔽力が高く、付着性、耐水性及び中研ぎ性に優れる塗膜を形成可能であることが記載されている。
自動車補修塗装では補修塗装部位を自動車ボディの旧塗膜と同等の仕上がり外観とすることを目的としており、完成した自動車ボディに対して補修塗装を施すため、ボディ内部の機器等の部品が影響を受けないように高温で乾燥することができない。また、塗装環境も工業用塗装ラインが管理幅内で安定しているのと比較して各補修塗装現場によって大きく異なるために、すべての補修塗装現場で満足する仕上がり外観を与える水性着色ベース塗料を設計することは極めて困難である。
こうした点から、塗装に用いる水性着色ベース塗料の固形分を低くして塗装を4〜5回程度に分けて塗装し、1コート塗装する毎にエアーブロー(塗面にエアースプレーなどで圧縮空気を軽く吹き付けること)により塗膜を乾燥して塗膜の粘度を高めて塗膜のタレを抑制し、その塗膜へ同一塗料を塗り重ねることにより着色ベース塗膜を形成しているのが実情であり、作業効率改善のためエアーブロー工程の短縮または省略が求められている。
しかしながら特許文献1〜4に記載されているような組成物を用いてエアーブロー工程をすることなく連続塗装、すなわちウェット・オン・ウェットで同一塗料の塗り重ねを行うと、形成される塗膜がタレたり、ムラが発生したりして均一な塗膜とならず、塗膜を水に浸漬した後にフクレが発生したりして十分な塗膜性能が得られないことがある。
ところで、水性着色ベース塗料を塗装する前に、中塗り塗料や下塗り塗料、あるいは中塗り塗料と下塗り塗料の機能を兼ね備えたプライマーサーフェーサーを塗装することが一般に行われている。
一般にはこれらの塗料の塗装では着色ベース塗料やクリヤー塗料などの上塗り塗料の場合ほど高仕上がり外観は求められないものの、後に続く上塗り塗料の仕上がり外観に影響がないようにタレなどの欠陥のない、より平滑な塗膜を形成できるようにすることが必要である。
例えば、特許文献5には自動車補修塗装の分野で用いられる水性プライマーサーフェーサーが開示されている。該文献には水性プライマーサーフェーサーを、特定量のスチレンを共重合成分としたアクリル樹脂エマルション及び水分散性ポリイソシアネートを皮膜形成成分とする2液型の水性塗料として構成することで、耐水性、耐溶剤性に優れたプライマーサーフェーサー塗膜を形成することができることが記載されている。
しかしながら、特許文献5に記載されているような従来の水性のプライマーサーフェーサーを厚膜に塗装すると塗膜がタレることがあり、その改善が求められている。
特開2006−70095号公報 特開2001−316612号公報 特開平6−340830号公報 特開2010−037516号公報 特開2001−262053号公報
本発明の目的は、耐タレ性が極めて良好であり、安定した仕上がり外観と塗膜物性に優れた塗膜を与える多成分系の水性塗料組成物を提供することにある。
本発明者らは上記した課題に対して鋭意検討した結果、水性塗料組成物を、水希釈性アクリル樹脂及び顔料を含む主剤成分(I)と、水希釈性ウレタン樹脂及び無機系粘性調整剤を含む粘性調整剤成分(II)と、架橋剤成分(III)に分割して構成することで、塗装時の耐タレ性が大幅に向上することを見出し、安定した仕上がり外観と塗膜性能を得て、本発明に到達した。
即ち本発明は、
水希釈性樹脂成分(A)、顔料分(B)及び水を含み、
水希釈性樹脂成分(A)がその成分の一部として水希釈性アクリル樹脂を含むものである主剤成分(I)と、
水希釈性樹脂成分(C)、無機系粘性調整剤(D)及び水を含み、水希釈性樹脂成分(C)がその成分の一部として水希釈性ウレタン樹脂を含む粘性調整剤成分(II)と、
架橋剤成分(III)と、
を組み合わせてなる多成分系の水性塗料組成物、
に関する。
本発明の水性塗料組成物は水希釈性アクリル樹脂を含む水希釈性樹脂成分及び顔料を含む主剤成分(I)と、水希釈性ウレタン樹脂を含む水希釈性樹脂成分及び無機系粘性調整剤を含む粘性調整剤成分(II)とで構成しているものの、両者の混合性は良好であり、このものに架橋剤成分(III)を混合して調製される水性塗料組成物は、耐タレ性が非常に良好であり、水性着色ベースコート塗料など上塗り塗料に適用した場合にはムラなどの抑制された優れた仕上がり外観の塗膜を、水性プライマーサーフェーサーなど下塗り塗料に適用した場合にはタレの抑制された厚膜の塗膜を容易に形成することができる。
また、本水性塗料組成物は耐タレ性が極めて良好であるので、各塗装の間のエアーブロー工程を短縮或いは削減して連続して同一塗料を塗り重ねした場合においても塗装時に塗膜がタレることなく、平滑な塗膜を形成することができるので、塗膜形成に必要な時間とエネルギーを削減することができる。
本発明の水性塗料組成物は、主剤成分(I)と、粘性調整剤成分(II)と、架橋剤成分(III)と、を組み合わせてなる多成分系の水性塗料組成物である。以下、順に説明する。
<主剤成分(I)>
本発明において、主剤成分(I)は、水希釈性樹脂成分(A)、顔料分(B)及び水を含むものである。
<水希釈性樹脂成分(A)>
本発明における水希釈性樹脂成分(A)としては、水で希釈可能な樹脂成分であれば材料、製法など特に制限はなく従来公知のものを使用でき、水溶性、エマルション型、あるいはコロイダルディスパージョン型の樹脂が制限なく使用できる。樹脂種としては例えばアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、シリコン樹脂、セルロース樹脂、これら樹脂の変性樹脂等が挙げられ、これらは単独で用いても良いし複数を組み合わせてもよい。
本発明において、上記水希釈性樹脂成分(A)は、その成分の一部として水希釈性アクリル樹脂を含むことを特徴とする。これにより本発明の水性塗料組成物が耐タレ性や耐水性、耐候性などに優れた塗膜を形成することができるものである。
水希釈性アクリル樹脂としては、アクリル系モノマーを必要によりその他の重合性不飽和モノマーとともに共重合することにより得られる水で希釈可能な樹脂を挙げることができる。
共重合に用いられる重合性不飽和モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート(ラウリル(メタ)アクリレート)、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等のアルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレート;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウム塩、スルホエチルメタクリレート及びそのナトリウム塩やアンモニウム塩等のスルホン酸基含有重合性不飽和モノマー;2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート等のリン酸基含有重合性不飽和モノマーなどの酸基含有重合性不飽和モノマー;2ーヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの炭素数2〜8個のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;Nーメチロールアクリルアミド;アリルアルコール;炭素数2〜8個のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン変性アクリルモノマー;ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレンポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート等の水酸基含有重合性不飽和モノマー;ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族環含有重合性不飽和モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基を有する重合性不飽和モノマー;N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシプロピル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメトキシ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールモノアルコキシ(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有重合性不飽和モノマー;パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィン等のフッ素化アルキル基を有する重合性不飽和モノマー;マレイミド基等の光重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー;N−ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル等のビニル化合物;アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテレフタレート、ジビニルベンゼン等の重合性不飽和基を1分子中に少なくとも2個有する重合性不飽和モノマー;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン類との付加物等の含窒素重合性不飽和モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等のイソシアナト基含有重合性不飽和モノマー;分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート;アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ホルミルスチロール、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)等のカルボニル基含有重合性不飽和モノマー等が挙げられる。これらの重合性不飽和モノマーはそれぞれ単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記水希釈性アクリル樹脂の態様としては例えば、水溶性アクリル樹脂及びアクリル樹脂エマルションを挙げることができる。
水溶性アクリル樹脂としては、例えば、上述の酸基含有重合性不飽和モノマー、上述の水酸基含有重合性不飽和モノマー及びその他の重合性不飽和モノマーを含む重合性不飽和モノマー成分を、親水性有機溶剤の存在下で重合開始剤により重合させることにより得られる樹脂を挙げることができる。
また、上記水溶性アクリル樹脂は、該樹脂の水溶解性を向上させ本発明の水性塗料組成物により形成される塗膜の仕上がり外観を向上させる目的で、酸基を中和剤により中和することが望ましい。かかる中和剤としては、酸基を中和できるものであれば特に制限はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム;トリメチルアミン、ジメチルアミノエタノール、2−メチル−2−アミノ−1−プロパノール、トリエチルアミンなどのアミン化合物;アンモニア水等を挙げることができる。
かかる水溶性アクリル樹脂としては、一般に固形分酸価が5〜100mgKOH/g、好ましくは10〜70mgKOH/g、固形分水酸基価が10〜150mgKOH/g、好ましくは20〜100mgKOH/g、重量平均分子量が5000〜10,0000好ましくは8,000〜70,000の範囲内であることが望ましい。
本明細書において重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(東ソー(株)社製、「HLC8120GPC」)で測定した重量平均分子量をポリスチレンの重量平均分子量を基準にして換算した値である。カラムは、「TSKgel G−4000H×L」、「TSKgel G−3000H×L」、「TSKgel G−2500H×L」、「TSKgel G−2000H×L」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1ml/分、検出器;RIの条件で行ったものである。
水溶性アクリル樹脂の製造に用いられる親水性有機溶剤としては、水との混和性が高い溶剤であり、例えば20℃において水100g中に少なくとも20g溶解する有機溶剤を挙げることができ、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系有機溶剤;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノtert−ブチルエーテル等のエチレングリコールエーテル系有機溶剤;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノtert−ブチルエーテル等のジエチレングリコールエーテル系有機溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル等のプロピレングリコールエーテル系有機溶剤;ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル等のジプロピレングリコールエーテル系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、3−メトキシブチルアセテート等のエステル系有機溶剤等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
重合に用いられる重合開始剤としては従来公知のものを制限なく使用することができ、例えば、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジ-tert-アミルパーオキサイド、ビス(tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、tert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート等の過酸化物系重合開始剤;2,2´−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2´−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、1,1´−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、アゾクメン、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2´−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、4,4´−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2−(t−ブチルアゾ)−2−シアノプロパン、2,2´−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2´−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2´−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド〕、ジメチル2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、1,1´−アゾビス(1−シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2´−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕、ジメチル−2,2´−アゾビスイソブチレート等のアゾ系重合開始剤を挙げることができる。
本発明において水希釈性アクリル樹脂としてのアクリル樹脂エマルションとしては、例えば水及び分散安定剤の存在下で上記重合性不飽和モノマー成分を1段階で又は多段階で乳化重合することにより得られる従来公知のエマルションを挙げることができ、本発明の水性塗料組成物の用途に応じて適宜選んで使用することができる。
かかるアクリル樹脂エマルションを乳化重合せしめるときに用いる分散安定剤としては特に制限されるものではないが、例えば、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム及びアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のアニオン性乳化剤、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のノニオン性乳化剤及びラジカル重合性二重結合を有するアニオン性又はカチオン性の反応性乳化剤を挙げることができる。
反応性乳化剤とは、分子中にノニオン性基、アニオン性基及びカチオン性基のいずれか1種以上の基と重合性不飽和基を共に有する乳化剤であり、重合性不飽和基としては具体的には、(メタ)アリル基、(メタ)アクリロイル基、プロペニル基、ブテニル基等が挙げられる。市販品としては「ラテムル」(商品名、花王(株)製)、「エレミノール」(商品名、三洋化成(株)製)、「アクアロン」(商品名、第一工業製薬(株)製)、「アデカリアソープ」(商品名、旭電化(株)製)、「ANTOX」(商品名、日本乳化剤(株)製)等を挙げることができる。
重合に用いられる重合開始剤としては従来公知のものを制限なく使用することができ、例えば上記水溶性アクリル樹脂の説明で列記したものの中から適宜選んで使用することができる。
また、本発明では、主剤成分(I)中の水希釈性樹脂成分(A)として上記水希釈性アクリル樹脂に加えて、水希釈性ウレタン樹脂をさらに含むことが可能である。
このような水希釈性ウレタン樹脂としては当該分野で公知のものを制限なく使用することができ、例えば、ポリイソシアネート、ポリオール及びカルボキシル基含有ジオールを反応させてなるウレタンプレポリマーを水中に分散することにより得ることができる。
ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート化合物;これらのジイソシアネート化合物のビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;イソホロンジイソシアネート、4,4´−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3−(又は1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート化合物;これらのジイソシアネートのビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4´−トルイジンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルエーテルイソシアネート、(m−もしくはp−)フェニレンジイソシアネート、4,4´−ビフェニレンジイソシアネート、3,3´−ジメチル−4,4´−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート化合物;これらのジイソシアネ−ト化合物のビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;トリフェニルメタン−4,4´,4´´−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4´−ジメチルジフェニルメタン−2,2´,5,5´−テトライソシアネートなどの1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物;これらのポリイソシアネート化合物のビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ポリアルキレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどのポリオールの水酸基にイソシアネート基が過剰量となる比率でポリイソシアネート化合物を反応させてなるウレタン化付加物;これらのウレタン化付加物のビュ−レットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物等を挙げることができる。
上記ポリオールとしては、例えば数平均分子量が200〜10000の範囲内のものを使用でき、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン−プロピレン(ブロック又はランダム)グリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール、ポリオクタメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルポリオール;ジカルボン酸(アジピン酸、コハク酸、セバシン酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等)とグリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン等)との縮重合させたポリオール、例えばポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリ−3−メチルペンチルアジペート、ポリエチレン/ブチレンアジペート、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペート等のポリエステルポリオール;ポリカプロラクトンポリオール、ポリ−3−メチルバレロラクトンポリオール;ポリカーボネートポリオール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、オクタンジオール、トリシクロデカンジメチロール、水添ビスフェノールA、シクロヘキサンジメタノール、1,6ヘキサンジオール等の低分子量グリコール類;等が挙げられ、単独で又は2種以上併用して使用することができる。
上記カルボキシル基含有ジオールとしては、例えばジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸等が挙げられる。
上記ウレタンプレポリマーの製造において、上記成分の配合割合は、イソシアネート基/水酸基の当量比が1.1〜1.9の範囲内となるように配合することが望ましい。プレポリマーの合成反応は、従来公知の方法に基づいて行うことができる。
上記水希釈性ウレタン樹脂は、中和剤により中和することができる。中和剤としては、カルボキシル基を中和することができるものであれば特に制限はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、ジメチルアミノエタノール、2−メチル2−アミノ−1−プロパノール、トリエチルアミン、アンモニア等を挙げることができる。
上記水希釈性ウレタン樹脂は水に分散した状態であることができ、その平均粒子径としては、0.01〜1μm、特に0.1〜0.5μmの範囲内にあることができる。本明細書において、平均粒子径とは、サブミクロン粒度分布測定装置「COULTER N4型」(ベックマン・コールター社製)を用いて、試料を脱イオン水で希釈して、20℃にして測定した値とする。
発明において上記水希釈性ウレタン樹脂は、主剤成分(I)の貯蔵安定性の点から、固形分酸価が5〜100mgKOH/g、好ましくは10〜70mgKOH/gの範囲内のものであることが望ましい。
<顔料分(B)>
本発明において上記主剤成分(I)に含まれる顔料分(B)としては、従来公知のものを特に制限なく使用することができ、その具体例としては、酸化チタン、酸化鉄等の金属酸化物顔料、チタンイエロー等の複合酸化金属顔料、カーボンブラック、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属キレートアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インダンスロン系顔料、ジオキサン系顔料、インジゴ系顔料等の着色顔料;アルミニウム(蒸着アルミニウムを含む)、銅、亜鉛、真ちゅう、ニッケル、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタンや酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタンや酸化鉄で被覆された雲母、ガラスフレーク、ホログラム顔料等の光輝性顔料;クレー、カオリン、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミナホワイト等の体質顔料;等が挙げられ、これらはその目的とする色彩や塗膜性能に応じて単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
また、光輝性顔料を使用する場合その形状としては特に限定されないが、例えば燐片状が好適であり、リン酸基あるいはスルホン酸基を含有する処理剤で分散処理され被覆されていることが水素ガス発生抑制の点から好適である。リン酸基あるいはスルホン酸基含有処理剤には従来公知の低分子化合物や共重合体が特に制限なく適用できる。
上記主剤成分(I)は、粘性調整剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤、光安定剤、ポリマー微粒子、分散助剤、防腐剤、シランカップリング剤、消泡剤、硬化触媒、有機溶剤、中和剤など、水性塗料調製の際に通常用いられる塗料用添加剤などの他の成分を含んでいてもよい。
このうち粘性調整剤としては従来公知のものを制限なく使用することができるが、ポリアクリル酸系粘性調整剤を使用することが望ましい。
理由としては主剤成分(I)が、ポリアクリル酸系粘性調整剤を含むことで主剤成分(I)を安定に貯蔵でき、さらに後述の粘性調整剤成分(II)及び架橋剤成分(III)と混合することで得られる水性塗料組成物がムラやタレなどの発生のない仕上がり外観の良好な塗膜を形成できるからである。
かかるポリアクリル酸系粘性調整剤としては、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等を挙げることができる。
該ポリアクリル酸系粘性調整剤の有効成分酸価としては、30〜300mgKOH/g、好ましくは80〜280mgKOH/gの範囲内であることができる。市販品として、例えば、ロームアンドハース社製の「プライマルASE60」、「プライマルTT615」、「プライマルRM5」(以上、商品名)、サンノプコ社製の「SNシックナー613」、「SNシックナー618」、「SNシックナー630」、「SNシックナー634」、「SNシックナー636」(以上、商品名)等が挙げられる。
本明細書において、有効成分とは、試料から、水、有機溶剤などの希釈剤を除いた残渣を意味する。
本発明の水性塗料組成物は水性上塗り塗料組成物としても水性下塗り塗料組成物としても適用可能であり、本発明の範囲を逸脱しない限りその用途に応じて組成を適宜調整することができる。
本発明の水性塗料組成物は、耐タレ性が良好で、仕上がり外観や耐水性等に優れた塗膜を形成することができるために、水性上塗り塗料組成物に好適に使用することができる。本発明の水性塗料組成物を水性上塗り塗料組成物に適用した場合の主剤成分について以下説明する。かかる主剤成分(I)を主剤成分(IB)とする。
水性上塗り塗料組成物用の主剤成分(IB)に含まれる水希釈性樹脂成分(A)としては、水溶性アクリル樹脂、アクリル樹脂エマルション及び水希釈性ウレタン樹脂を含むことが好ましい。
主剤成分(IB)に適用可能な水溶性アクリル樹脂としては特に制限はなく、上述した樹脂の中から適宜選んで使用することができる。
主剤成分(IB)に含まれるアクリル樹脂エマルションとしては、従来公知のものを使用できるが、例えば水及び乳化剤、好ましくは反応性乳化剤の存在下で重合性不飽和モノマー成分を1段階で乳化重合して得られる単層型のアクリル樹脂エマルションを挙げることができる。このものを使用することによりベースコート塗膜の造膜性及び水浸漬後の付着性が向上する効果がある。
かかる単層型アクリル樹脂エマルションに重合される重合性不飽和モノマーとしては、酸基含有重合性不飽和モノマー、水酸基含有重合性不飽和モノマー、炭素数が6以上の直鎖状又は分岐状の炭化水素基含有重合性不飽和モノマー及びその他の重合性不飽和モノマーを含むことが適している。
酸基含有重合性不飽和モノマー及び水酸基含有重合性不飽和モノマーとしては上述したものと同様の化合物を例示することができる。
また、炭素数が6以上の直鎖状又は分岐状の炭化水素基含有重合性不飽和モノマーとしてはn−ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、「イソステアリルアクリレート」(大阪有機化学社製)等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記主剤成分(IB)において、水希釈性樹脂成分(A)における水溶性アクリル樹脂及びアクリル樹脂エマルションの使用割合としては、水溶性アクリル樹脂/アクリル樹脂エマルション固形分質量比で10/90〜80/20、好ましくは25/75〜60/40の範囲であることが、主剤成分(IB)の貯蔵安定性、連続塗装で得られるベース塗膜の仕上がり外観及び耐水性の点から適している。
また、上記主剤成分(IB)は水希釈性樹脂成分(A)として水希釈性アクリル樹脂に加えて水希釈性ウレタン樹脂を含むことが好ましく、該水希釈性ウレタン樹脂を該成分(A)固形分中に固形分で40質量%以上、好ましくは45質量%以上含むことが望ましい。
水希釈性ウレタン樹脂の含有量がこの範囲内にあることによって、水性上塗り塗料組成物から形成される塗膜の付着性、耐水性、隠ぺい性を向上させることができる。
尚、本明細書において、固形分とは不揮発分を意味するものであり、試料から、水、有機溶剤等の揮発する成分を除いた残渣を意味し、試料の質量に固形分濃度を乗じて算出することができる。固形分濃度は、試料約3グラムを、105℃、3時間乾燥させた残渣の質量を、乾燥前の質量で除することにより求めることができ、また、100分率で示す場合もある。
主剤成分(IB)において、顔料分(B)の配合量としては、目的とする塗色及び使用する顔料によって異なるが一般には主剤成分(IB)に含まれる樹脂の固形分合計100質量部に対して、0.1〜300質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.5〜200質量部の範囲内であることが塗料安定性の面からも適している。該顔料分(B)の主剤成分(IB)への配合方法は特に定められるものではないが、主剤成分(I)が水溶性アクリル樹脂を含む場合は予め顔料分(B)と該樹脂及び水とを混合して顔料分散体を調製し、該顔料分散体をその他成分と混合して主剤成分(IB)を調製してもよい。
本発明では、主剤成分(IB)がポリアクリル酸系粘性調整剤を含む場合、その有効成分の量が、水希釈性樹脂成分(A)の固形分に対して0.01〜5.0質量%、好ましくは1.0〜4.5質量%の範囲内にあることが主剤成分(IB)の貯蔵安定性や水性上塗り塗料組成物を各塗装の間のエアーブロー工程を短縮或いは削減して連続塗装した時の耐タレ性、主剤成分(IB)と後述の粘性調整剤成分(II)との混合性、形成塗膜の仕上がり外観などの観点から適している。
上記の如きして得られる上記主剤成分(I)の固形分濃度は、一般に15〜50質量%、好ましくは20〜40質量%の範囲内に調整されることが塗装作業性と隠蔽性、及び仕上がり外観の観点から適している。
また、本発明の水性塗料組成物は、耐タレ性が良好で厚塗りが容易であり、研磨性や耐水性に優れた塗膜を形成することができるので、水性下塗り塗料組成物として適用することができる。かかる主剤成分(I)を主剤成分(IP)とする。
水性下塗り塗料組成物用の主剤成分(IP)において、水希釈性樹脂成分(A)としては水溶性アクリル樹脂及びアクリル樹脂エマルションを含むものであることが好ましい。
上記水溶性アクリル樹脂としては特に制限はなく、主剤成分(I)の説明で上述した樹脂の中から適宜選んで使用することができる。
また、主剤成分(IP)における水希釈性アクリル樹脂としてのアクリル樹脂エマルションとしては従来公知のものを制限なく使用できるものであるが、例えば、水及び乳化剤の存在下でスチレンを含む重合性不飽和モノマー成分を乳化重合して得られるアクリル樹脂エマルションを好適な例として挙げることができる。
かかるアクリル樹脂エマルションに重合される重合性不飽和モノマーとしては、スチレン、上述の酸基含有重合性不飽和モノマー、上述の水酸基含有重合性不飽和モノマー、及びその他の重合性不飽和モノマーを含むことが適しており、これらモノマーを2段階で重合することによっていわゆるコアシェル型にしてもよい。
コアシェル型とする場合、スチレン30〜80質量%、酸基含有重合性不飽和モノマー1〜10質量%、水酸基含有重合性不飽和モノマー5〜30質量%、及びその他の重合性不飽和モノマー5〜64質量%を含有するモノマー混合物を乳化重合し得られる共重合体をコア成分とし、これを含むエマルション中に、スチレン20〜70重量%、(f)酸基含有重合性不飽和モノマー1〜10質量%、水酸基含有重合性不飽和モノマー5〜50質量%、及びその他の重合性不飽和モノマー5〜74質量%を含有するモノマー混合物を加えて、乳化重合して得られる共重合体(II)をシェル成分とするものを用いることができる。
上記コア成分である共重合体(I)とシェル成分である共重合体(II)の固形分質量比は、下塗り塗膜の造膜性と耐水性のバランスの点から、(I)100質量部に対して(II)が25〜400質量部、好ましくは45〜230質量部となるようにするのが適当である。
主剤成分(IP)における水希釈性樹脂成分(A)中の水溶性アクリル樹脂及びアクリル樹脂エマルションの使用割合としては、水溶性アクリル樹脂/アクリル樹脂エマルション固形分質量比で10/90〜80/20、好ましくは25/75〜60/40の範囲であることが、主剤成分(IP)の貯蔵安定性、水性下塗り塗料組成物を厚塗りしたときの仕上がり外観及び耐水性の点から適している。
水性下塗り塗料組成物用主剤成分(IP)に含まれる顔料分(B)としては、従来公知の顔料類が使用でき、上述したものに加えてトリポリリン酸アルミニウム、リンモリブデン酸アルミニウム、リン酸亜鉛等の防錆顔料なども例示することができる。
顔料分(B)の配合量としては顔料の種類などに応じて適宜調整できるが、一般に上記水希釈性樹脂成分(A)の樹脂固形分100質量部に対して、100〜400質量部、好ましくは120〜350質量部配合されることが、下塗り塗膜の研磨性と造膜性や塗膜物性との観点から適している。また、顔料分(B)のうち体質顔料が水希釈性樹脂成分(A)の樹脂固形分100質量部に対して、30〜350質量部、好ましくは50〜300質量部配合されるのが研磨性と塗膜性能のバランスの点から望ましい。
上記主剤成分(IP)がポリアクリル酸系粘性調整剤を含む場合、ポリアクリル酸系粘性調整剤の有効成分の量が、水希釈性樹脂成分(A)の固形分に対して
0.01〜5.0質量%、好ましくは1.0〜4.5質量%の範囲内にあることが主剤成分(IP)の貯蔵安定性や水性下塗り塗料組成物の厚塗り性、耐タレ性、塗膜の仕上がり外観などの観点から適している。
上記の如きして得られる上記主剤成分(IP)の固形分濃度は、一般に30〜80質量%、好ましくは40〜70質量%の範囲内に調整されることが塗装作業性と隠蔽性、及び仕上がり外観の観点から適している。
<粘性調整剤成分(II)>
本発明において粘性調整剤成分(II)は、塗装直前に主剤成分(I)及び後述の架橋剤成分(III)と混合することによって、本発明の水性塗料組成物の粘度を調整でき、耐タレ性を改善させるのに必要な成分である。
かかる粘性調整剤成分(III)としては、水希釈性樹脂成分(C)、無機系粘性調整剤(D)及び水を含むものである。
<水希釈性樹脂成分(C)>
本発明において、上記粘性調整剤成分(II)に含まれる水希釈性樹脂成分(C)はその成分の一部として水希釈性ウレタン樹脂を含むことを特徴とする。
粘性調整剤成分(II)が水希釈性ウレタン樹脂を含むことによって、粘性調整剤成分(II)の貯蔵安定性が良好であり、本発明の水性塗料組成物の耐タレ性が改善する効果がある。
かかる水希釈性ウレタン樹脂としては上記主剤成分(I)の説明で例示したものの中から適宜選んで使用することができる。
水希釈性樹脂成分(C)に含まれる水希釈性ウレタン樹脂の含有量としては、該成分(C)固形分中に水希釈性ウレタン樹脂固形分が40質量%以上、好ましくは50質量%以上の範囲内にあることが適している。
<無機系粘性調整剤(D)>
上記無機系粘性調整剤(D)としては、当該分野で公知のものを制限なく使用することができ、例えば層状ケイ酸塩鉱物やシリカ微粒子等が挙げられ、これらは天然、合成品、加工処理品のいずれであってもよい。具体例としては、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチブンサイト、マイカおよびベントナイト等が挙げられる。これらは有機溶剤や水等の希釈媒体で希釈されたものであってもよい。
市販品としては「Bentone 27」、「Bentone34」、「Bentone 38」、「Bentone SD−1」、「Bentone SD−2」、「Bentone SD−3」、「Bentone52」、「Bentone 57」(以上いずれもRheox社製、商品名)、「Tixogel VP」、「Tixogel TE」、「Tixogel UN」、「Tixogel EZ100」、「Tixogel MP100」、「Tixogel MP250」(以上いずれもSud Chemical社製、商品名)、「Claytone 40」、「Claytone 34」、「Claytone HT」、「Claytone APA」、「Claytone AF」、「Claytone HY」(以上いずれもSouthern Clay Products社製、商品名)、「Aerosil RX200」、「Aerosil R812」、「Aerosil R805」、「AerosilRY200」、「Aerosil R202」(以上いずれも日本アエロジル株式会社製、商品名)、「Laponite RD」、「LaponiteRDS」(商品名、ウィルバー・エリス社製)などを挙げることができる。
粘性調整剤成分(II)中における無機系粘性調整剤(D)の有効成分含有量としては、水希釈性樹脂成分(C)の固形分を基準として1〜25質量%、好ましくは3〜20質量%の範囲内にあることが、本発明の水性塗料組成物の耐タレ性、仕上がり外観の点から好ましい。
また、上記粘性調整剤成分(II)は、水性塗料組成物の耐タレ性や仕上がり外観、ヌレ広がりやすさの向上効果があり、また塗膜隠ぺい性にも効果があることから、顔料を含むことが好ましい。
かかる顔料としては従来公知のものを制限なく使用することができ、具体的には顔料分(B)として上述したものを例示することができる。
中でも、本発明の水性塗料組成物を水性着色ベースコート塗料組成物に適用した場合に、塗膜の色味や配向性に悪影響を及ぼすことなく、主剤成分(I)及び粘性調整剤成分(II)との混合性も良好であることから、該顔料として体質顔料を使用することが好ましい。
上記顔料の使用量としては、水希釈性樹脂成分(C)の固形分質量を基準として0.5〜100質量%、好ましくは0.5〜50質量%の範囲内にあることが、水性塗料組成物の耐タレ性、仕上がり外観、隠ぺい性の点から好ましい。
また、上記粘性調整剤成分(II)は、ポリアルキレン骨格を有するポリオール化合物を含むことができる。
ポリアルキレン骨格を有するポリオール化合物としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドのブロックまたはランダム共重合の少なくとも1種の構造を有する、ポリアルキレンポリオール;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ポリトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン、ポリグリセリン、ポリテトラメチレングリコールなどの多価アルコールをポリアルキレン変性した、ポリアルキレン骨格を含む多価アルコール;上記ポリアルキレンポリオールと無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、無水イタコン酸、イタコン酸、アジピン酸、イソフタル酸などの多塩基酸との縮合物であるポリエステルポリオール;ポリエーテルポリオールをカプロラクトン変性したカプロラクトン変性ポリオール;などが挙げられる。
上記ポリアルキレン骨格を有するポリオール化合物の重量平均分子量としては、100〜10000、好ましくは400〜5000の範囲内にあることが望ましい。
また、上記ポリアルキレン骨格を有するポリオールの使用量としては、無機系粘性調整剤(D)の有効成分質量を基準として50〜1000質量%、好ましくは100〜500質量%の範囲内にあることが、本発明の水性塗料組成物を用いて形成される塗膜の仕上がり性と粘性調整剤成分(II)の貯蔵安定性の観点から望ましい。
上記粘性調整剤成分(II)は、紫外線吸収剤、光安定剤、ポリマー微粒子、分散助剤、防腐剤、シランカップリング剤、消泡剤、硬化触媒、無機系粘性調整剤(D)以外の公知の粘性調整剤、有機溶剤、中和剤など、水性塗料調製の際に通常用いられる塗料用添加剤などの他の成分を含んでいてもよい。
上記粘性調整剤成分(II)の固形分濃度は、一般に1〜30質量%、好ましくは5〜20質量%の範囲内に調整されることが塗装作業性と隠蔽性、及び仕上がり外観の観点から適している。
また、上記粘性調整剤成分(II)の粘度としては、特に制限されるものではないが、粘性調整剤成分(II)の貯蔵安定性並びに本発明の水性塗料組成物の塗装作業性の点から、10〜2000mPa・sec、好ましくは10〜1000mPa・sec、さらに好ましくは10〜600mPa・secの範囲内にあることができる。
本明細書において、粘度は、試料を25℃に調製してから10分以内に、粘度計デジタル式ビスメトロン粘度計VDA型(芝浦システム株式会社製)を用いて回転速度60rpmにて測定した値とする。
<架橋剤成分(III)>
本発明で用いる架橋剤成分(III)としては、主剤成分(I)に含まれる水希釈性樹脂成分(A)に含まれる官能基に応じて該官能基と反応可能な官能基を1分子中に2個以上有する化合物を含む成分であり、塗料分野で架橋剤として公知の化合物の中から適宜選択して用いることができる。
本発明においては、水性塗料組成物の常温、或いは強制乾燥下における硬化性と塗膜物性の観点から、ポリイソシアネート化合物及び/又はポリカルボジイミド化合物を使用することが望ましい。
ポリイソシアネート化合物としては、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物であって、例えば、脂肪族ポリイソシアネート;脂環族ポリイソシアネート;芳香脂肪族ポリイソシアネート;芳香族ポリイソシアネート;等のポリイソシアネート;これらポリイソシアネートのダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート、ウレトジオン、ウレトイミン、イソシアヌレート、オキサジアジントリオン;ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)、クルードTDIなどのポリイソシアネート誘導体;上記ポリイソシアネート及びその誘導体を新水性に変性した親水化ポリイソシアネートなどを挙げることができ、上記ポリイソシアネート及びその誘導体は、それぞれ単独で用いてもよく又は2種以上併用してもよい。
これらのうち親水化ポリイソシアネートとしては、例えば、アニオン性基を有する活性水素基含有化合物の活性水素基を、ポリイソシアネートのイソシアネート基と反応させて得られるアニオン性親水化ポリイソシアネート、ポリオキシエチレンのモノアルコールなどの親水性ポリエーテルアルコールとポリイソシアネートとを反応させて得られるノニオン性親水化ポリイソシアネートなどが挙げられる。
上記アニオン性基を有する活性水素基含有化合物には、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、べタイン構造含有基などのアニオン性基を有し、且つイソシアネート基と反応し得る、例えば、水酸基、アミノ基などの活性水素基を有する化合物が包含され、該化合物とポリイソシアネートを反応させることにより、ポリイソシアネート化合物に親水性を付与することができる。
ポリカルボジイミド化合物としては、1分子中に少なくとも2個のカルボジイミド基を有する化合物であって、例えば、イソシアネート基含有化合物のイソシアネート基同士を脱二酸化炭素反応せしめたものを使用することができ、水溶性又は水分散性のポリカルボジイミド化合物を使用することが好ましい。該水溶性又は水分散性のポリカルボジイミド化合物としては、水性媒体中に安定に溶解又は分散し得るポリカルボジイミド化合物であれば、特に制限なく使用することができる。
上記水溶性ポリカルボジイミド化合物の具体例としては、例えば、「カルボジライトSV−02」、「カルボジライトV−02」、「カルボジライトV−02−L2」「カルボジライトV−04」(いずれも日清紡社製、商品名)等が挙げられ、また、上記水分散性ポリカルボジイミド化合物の具体例としては、例えば、「カルボジライトE−01」、「カルボジライトE−02」(いずれも日清紡社製、商品名)等を挙げることができ、それぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記架橋剤成分(III)は、水及び/または有機溶剤等で希釈された状態であることもでき、また、紫外線吸収剤、光安定剤、ポリマー微粒子、分散助剤、防腐剤、シランカップリング剤、消泡剤、硬化触媒、有機溶剤、中和剤など、水性塗料調製の際に通常用いられる塗料用添加剤などの他の成分を含んでいてもよい。
上記架橋剤成分(III)の有効成分濃度は、一般に10〜80質量%、好ましくは20〜 70質量%の範囲内に調整されることが塗装作業性と隠蔽性、及び仕上がり外観の観点から適している。
<粘性調整剤成分(IV)>
本発明の水性塗料組成物は、上記主剤成分(I)、粘性調整剤成分(II)および架橋剤成分(III)に加えて粘性調整剤成分(II)とは異なる粘性調整剤成分(IV)をさらに組み合わせてなる多成分系、すなわち4成分系とすることもできる。
粘性調整剤成分(IV)をさらに組み合わせることにより、水性塗料組成物の耐タレ性や仕上がり外観を向上させ、また、塗装環境に応じて水性塗料組成物の粘度を適度に調整でき、塗装しやすくすることもできる。また、特に本水性塗料組成物を水性上塗り塗料組成物として適用した場合に、ムラが抑制された優れた外観の塗膜を形成する効果がある。
かかる粘性調整剤成分(IV)の具体例としては、水希釈性樹脂成分(E)、ポリアクリル酸系粘性調整剤及び水を含む組成物を挙げることができる。
<水希釈性樹脂成分(E)>
粘性調整剤成分(IV)に含まれ得る水希釈性樹脂成分(E)としては、上記主剤成分(I)に含まれる水希釈性樹脂成分(A)の説明で例示した化合物の中から適宜選択して使用することができる。粘性調整剤成分(IV)が水希釈性樹脂成分(E)を含むことで、各成分の混合作業を容易に行うことができ、水性塗料組成物から形成される塗膜がタレの抑制された良好な仕上がり外観を有することができる。
本発明においては、粘性調整剤成分(IV)に含まれる水希釈性樹脂成分(E)はその成分の一部として水希釈性アクリル樹脂を成分(E)固形分中に固形分で50質量%以上、特に60質量%以上含むことが適している。
また、粘性調整剤成分(IV)において、水希釈性樹脂成分(E)が水希釈性ウレタン樹脂を含む場合は該成分(E)固形分中に固形分で40質量%未満、特に20質量%未満に抑えることが望ましい。
水希釈性樹脂成分(E)の組成をこのように調整することによって、本発明の水性塗料組成物を水性上塗り塗料組成物に適用した場合における塗膜のムラ発生を抑制することができる。
上記水希釈性アクリル樹脂としては、主剤成分(I)の説明で例示したものの中から適宜選んで使用することができるが、その成分の一部として水溶性アクリル樹脂を含むことが望ましい。粘性調整剤成分(IV)が水溶性アクリル樹脂を含むことにより、ポリアクリル酸系粘性調整剤を含む粘性調整剤成分(IV)の粘度が上がり過ぎることなく適度になり、主剤成分(I)及び粘性調整剤成分(II)との混合性が良好で、得られる水性塗料組成物はタレなどの発生がほとんどなく仕上がり外観に優れたベースコート塗膜を形成することができるものである。
かかる水溶性アクリル樹脂としては従来公知のものを制限なく使用でき、上記主剤成分(I)の説明で例示した水溶性アクリル樹脂の中から適宜選んで使用することができるし、また、主剤成分(I)と粘性調整剤成分(IV)に含まれる水溶性アクリル樹脂が同一であってもよい。
上記水希釈性アクリル樹脂中に含まれる水溶性アクリル樹脂の含有量としては、水希釈性樹脂成分(E)固形分中に固形分で40質量%以上、好ましくは45〜95質量%の範囲内にあることが望ましい。
また、粘性調整剤成分(IV)に含まれる水希釈性アクリル樹脂は、その成分の一部としてアクリル樹脂エマルションを含むことが望ましい。
かかるアクリル樹脂エマルションとしては従来公知のものを制限なく使用することができ、上記主剤成分(I)の説明で例示したアクリル樹脂エマルションの中から適宜選んで使用することができる。
本発明においては、粘性調整剤成分(IV)に含まれるアクリル樹脂エマルションとして、固形分水酸基価が40mgKOH/g以下、特に20mgKOH/g以下、さらに特に5mgKOH/g以下であり、固形分酸価が1〜50mgKOH/g、好ましくは5〜30mgKOH/gの範囲内のコアシェル型アクリル樹脂エマルションが好適である。
粘性調整剤成分(IV)が上記コアシェル型アクリル樹脂エマルションを含むことにより、水性塗料組成物における各成分の混合性が良好であり、水性塗料組成物の連続塗装時の耐タレ性や仕上がり外観が良好である上に、形成される塗膜の耐水性が向上する効果がある。
上記水希釈性樹脂成分(E)に含まれるアクリル樹脂エマルション含有量としては、該(E)固形分中に固形分で1〜60質量%、好ましくは5〜55質量%の範囲内にあることが望ましい。
上記粘性調整剤成分(IV)に含まれ得るポリアクリル酸系粘性調整剤としては、主剤成分(I)に含まれるポリアクリル酸系粘性調整剤の説明で例示したものの中から適宜選んで使用することができる。粘性調整剤成分(IV)がポリアクリル酸系粘性調整剤を含むことにより本発明の水性塗料組成物の耐タレ性が向上する効果がある。
粘性調整剤成分(IV)中のポリアクリル酸系粘性調整剤の有効成分含有量としては、粘性調整剤成分(IV)に含まれる水希釈性樹脂成分(E)固形分100質量部を基準として1〜50質量部、好ましくは5〜50質量部、さらに好ましくは10〜40質量部の範囲内にあることが、水性塗料組成物を用いて形成される塗膜の耐タレ性、仕上がり外観の点から適している。
上記粘性調整剤成分(IV)は、顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、ポリマー微粒子、分散助剤、防腐剤、シランカップリング剤、消泡剤、硬化触媒、ポリアクリル酸系粘性調整剤以外の公知の粘性調整剤、有機溶剤、中和剤など、水性塗料調製の際に通常用いられる塗料用添加剤などの他の成分を含んでいてもよい。
また、粘性調整剤成分(IV)の固形分濃度は、一般に1〜30質量%、好ましくは3〜20質量%の範囲内にあることが塗装作業性と隠蔽性、及び仕上がり外観の観点から適している。
上記粘性調整剤成分(IV)の粘度としては、特に制限されるものではないが、粘性調整剤成分(IV)の貯蔵安定性、並びに主剤成分(I)及び粘性調整剤成分(II)との混合性の点から、100〜2000mPa・sec、好ましくは300〜1800mPa・sec、さらに好ましくは400〜1600mPa・secの範囲内であることができる。
<水性塗料組成物>
本発明では主剤成分(I)と粘性調整剤成分(II)と架橋剤成分(III)及び必要に応じて使用される粘性調整剤成分(IV)はそれぞれ別々に保管されるものであり、塗装業者が塗装直前に各成分を攪拌混合し、必要に応じて水などの希釈剤で粘度調整することにより本発明の水性塗料組成物を調製することができる。尚、本明細書において、塗装直前とは、塗装業者や塗装現場により一概に定義できるものではないが、例えば、塗装を行う3時間前までの間を挙げることができる。
上記水性塗料組成物における主剤成分(I)及び粘性調整剤成分(II)の使用割合としては水性塗料組成物の用途、塗装環境等により適宜調整できるが、一般に、これら合計100質量部を基準として主剤成分(I)が95〜30質量部、好ましくは90〜50質量部、粘性調整剤成分(II)が5〜70質量部、好ましくは10〜50質量部の範囲内、或いは、
主剤成分(I)、粘性調整剤成分(II)及び粘性調整剤成分(IV)の質量比としては一般に、これら合計100質量部を基準として成分(I)が30〜80質量部、好ましくは35〜70質量部、成分(II)が0.5〜50質量部、好ましくは5〜35質量部、成分(IV)が1〜40質量部、好ましくは5〜30質量部、の範囲内にあることが塗膜の隠ぺい性、連続塗装時における仕上がり外観及び耐タレ性の点から適している。
そして、上記架橋剤成分(III)がポリイソシアネート化合物を含む場合は、得られる塗膜の耐水性などの観点から、該ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基と水性塗料組成物に含まれる水酸基との当量比(NCO/OH比)が通常0.8〜3、特に1.0〜2.5の範囲内となる割合で使用することが好適である。
一方、上記架橋剤成分(III)がポリカルボジイミド化合物を含む場合は、得られる塗膜の耐水性などの観点から、該ポリカルボジイミド化合物中のカルボジイミド基と水性塗料組成物に含まれるカルボキシル基との当量比(NCN/COOH比)が通常0.3〜2.0、特に0.5〜1.5の範囲内となる割合で使用することが好適である。
また、上記水性塗料組成物の塗装時の粘度としては、特に制限されるものではないが、100〜1000mPa・sec、好ましくは200〜700mPa・secの範囲内にあることが塗装作業性が良好であり、さらには連続塗装時の耐タレ性及び仕上がり外観の
観点から適している。
≪塗装≫
本発明の水性塗料組成物は、スプレー塗装、静電塗装、ハケ塗装、ローラー塗装等公知の塗装手段で塗装することができるが、塗膜の仕上がり外観の点からスプレー塗装を行うことが好ましい。
塗装回数としては一回でもよいが、仕上がり外観と隠ぺい性を両立させる点から同一塗料を複数回、例えば2〜6回程塗り重ねて塗装をすることが望ましい。
本発明では塗り重ね塗装の場合の各塗装の間に行うエアーブロー工程を省略して連続で塗装を行っても塗膜がタレることなく、良好な仕上がり外観を有することができるものであるが、必要に応じて各塗装の間にフラッシュオフ(塗装後塗膜を常温で静置)、エアーブローなどの工程を設けてもよい。
適用される被塗面としては従来公知の基材面や該基材に設けられた塗膜面を例示することができ、該基材としては、特に制限されるものではないが、例えば、鉄、アルミニウム等の金属;プラスチック等の有機基材;コンクリート、木材等の無機質基材等が挙げられ、また該基材に設けられる塗膜としては特に制限はないが、例えば自動車車体などに設けられている着色ベース塗料によるベース塗膜及びトップクリヤー塗膜から形成されてなる複層塗膜を挙げることができ、該ベース塗膜の下層にプライマー塗膜、電着塗膜、中塗り塗膜等の塗膜が適宜設けられたものであってもよい。
また、本発明の水性塗料組成物は上記被塗面にすでに形成されている塗膜に対する補修用塗料として好適に用いることができる。
本発明の水性塗料組成物を補修用の水性下塗り塗料組成物として使用する場合は、まず損傷箇所を研磨し、必要に応じてパテ塗り充填した後、本発明水性塗料組成物をスプレー塗装など従来公知の方法に従って塗装され、常温から80℃で5〜60分間乾燥させられる。得られる下塗り塗膜は乾燥膜厚で10〜100μm程度であることが望ましく、上塗り塗装をする前に通常、耐水研磨紙で適宜研磨され、さらに上塗り塗料が塗装される。
一方、本発明の水性塗料組成物を補修用の水性上塗り塗料組成物として使用する場合は、必要に応じてパテやプライマーサーフェーサー等で被塗面を予め処理をし、本発明水性塗料組成物を塗装した後、該塗膜上にトップクリヤー塗料を塗装してもよい。
塗装が終了した後の乾燥は、特に制限されるものではないし、トップクリヤーを塗り重ねる場合などは未乾燥の状態であってもよいが、例えば20〜100℃、好ましくは40〜100℃の温度条件で、5〜60分間乾燥させることが好ましい。膜厚は、被塗面の状態に応じて適宜調整できるが、一般には乾燥膜厚として、5〜100μm、特に10〜60μmの範囲内が適している。
かかるトップクリヤー塗料としては、従来公知のものが特に制限なく使用でき、例えば水酸基などの架橋性官能基を含有するアクリル樹脂やフッ素樹脂を主剤とし、ブロックポリイソシアネート、ポリイソシアネートやメラミン樹脂などを硬化剤として含有する硬化型塗料、あるいはセルロースアセテートブチレート変性のアクリル樹脂を主成分とするラッカー塗料などが好適に使用でき、さらに必要に応じて顔料類、繊維素誘導体類、添加樹脂、紫外線吸収剤、光安定剤、表面調整剤、硬化触媒などの塗料用添加剤を含有することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、下記例中の「部」および「%」はそれぞれ「質量部」および「質量%」を意味する。
<水希釈性ウレタン樹脂の製造>
製造例1
反応容器に、数平均分子量2000、両末端に水酸基を有するポリブチレンアジペート115.5部、数平均分子量2000、両末端に水酸基を有するポリカプロラクトンジオール115.5部、ジメチロールプロピオン酸23.2部、1,4−ブタンジオール6.5部及びイソホロンジイソシアネート120.1部を重合容器に仕込み、撹拌下に窒素気流中、85℃で7時間反応せしめてNCO含有量4.0%のプレポリマーを得た。次いで該プレポリマーを50℃まで冷却し、アセトン165部を加え均一に溶解した後、撹拌下にトリエチルアミン15.7部を加え、50℃以下に保ちながら脱イオン水600部を加え、得られた水分散体を50℃で2時間保持し鎖伸長反応を完結させた後、減圧下70℃以下でアセトンを留去し、トリエチルアミンと脱イオン水でpHを8.0に調整し、酸価が26mgKOH/g、固形分30%のウレタン樹脂エマルション(A−1)を得た。
<水溶性アクリル樹脂の製造>
製造例2
反応容器に、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル550部を加え、窒素気流中で115℃に昇温した。上記反応容器の温度が115℃に達した後、メチルメタクリレート350部、n−ブチルアクリレート200部、2−エチルヘキシルメタクリレート250部、4−ヒドロキシブチルアクリレート130部、アクリル酸60部、及び「ライトエステルPM」(注1)10部に、アゾビスイソブチロニトリル10部を溶解したモノマー混合物を、上記容器に3時間かけて添加し、2時間熟成させた。反応終了後、生成物を、ジメチルエタノールアミンで当量中和し、さらにプロピレングリコールモノn−プロピルエーテル450部を添加して、ジメチルエタノールアミンでpH7.5に調整し、黄色液状である、水溶性アクリル樹脂(B−1)の溶液(固形分55%)を得た。水溶性アクリル樹脂(B−1)の重量平均分子量は45,000であり、酸価は47mgKOH/gであり、そして水酸基価は51mgKOH/gであった。
(注1)「ライトエステルPM」:商品名、共栄社化学株式会社製、(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート。
<アクリル樹脂エマルションの製造>
製造例3
反応容器に、脱イオン水100部、「アデカリアソープSR−1025」(商品名、旭電化社製、反応性乳化剤、固形分25%)2.5部およびモノマー混合物(スチレン9部、n−ブチルアクリレート40部、2−エチルヘキシルアクリレート40部、ヒドロキシエチルアクリレート10部、メタクリル酸1部)のうちの1部を加え、窒素気流で攪拌混合し、60℃で3%過硫酸アンモニウム3部を加えた。次いで、80℃に昇温して前記モノマー混合物の残りの99部、「アデカアリアソープSR−1025」2.5部、3%過硫酸アンモニウム4部および脱イオン水100部からなるプレエマルションを4時間かけて定量ポンプを用いて反応容器に加え、添加終了後1時間熟成を行った。その後、脱イオン水33部を加え、ジメチルエタノールアミンでpH7.5に調整し、平均粒子径が0.1μm、酸価6.5mgKOH/g、水酸基価48mgKOH/g、固形分30%のアクリル樹脂エマルション(C−1)を得た。
製造例4
反応容器に脱イオン水300部、「アデカリアソープSR−1025」8部を加え、窒素置換後85℃まで昇温させた。この中に過硫酸アンモニウム0.8部と下記(A)組成をエマルション化してなるプレエマルションの3.5%を添加し、添加20分後から上記プレエマルションの残りを170分掛けて滴下した。
<コア成分(A)>
脱イオン水 365.5部
スチレン 392.4部
n−ブチルアクリレート 130部
2−エチルヘキシルアクリレート 32部
メタクリル酸 5.6部
「アデカリアソープSR−1025」 31.4部
過硫酸アンモニウム 1.12部
滴下終了後1時間熟成してから、下記(B)組成をエマルション化してなるプレエマルションを70分掛けて滴下した。
<シェル成分(B)>
脱イオン水 156.6部
スチレン 20部
γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン 25部
n−ブチルアクリレート 25部
2−エチルヘキシルアクリレート 50部
メタクリル酸 2.4部
メチルメタクリレート 117.6部
「アデカリアソープSR−1025」 13.5部
過硫酸アンモニウム 0.48部
滴下終了後30分経てから、過硫酸アンモニウム0.8部を脱イオン水16部に溶解させた溶液を30分かけて滴下し、更に2時間85℃に保持した。その後40℃以下まで温度を下げ、アンモニア水でpH7〜8に調整し、酸価6.5mgKOH/g、固形分47.6%のアクリル共重合体エマルション(C−2)を得た。
<アルミニウム顔料ペーストの製造>
製造例5
容器に、アルミニウム顔料ペースト「WJE−7640」(商品名、東洋アルミ社製、金属含有量52%)48.1部、エチレングリコールモノブチルエーテル35部、及びリン酸基含有樹脂溶液(注2)3部を添加し、混合することにより、アルミニウム顔料ペーストを得た。
(注2)リン酸基含有樹脂溶液:攪拌器、温度調節器及び冷熱器を備えた4リットルのフラスコに、メトキシプロパノール27.5部、及びイソブタノール27.5部から成る溶剤を入れ、110℃に加熱し、次いで、スチレン25部、n−ブチルメタクリレート27.5部、「イソステアリルアクリレート」(大阪有機化学社製、商品名)20部、ヒドロキシブチルアクリレート7.5部、リン酸基含有重合性モノマー(注3)15部、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート12.5部、イソブタノール10部、及びt−ブチルパーオキシオクタノエート4部からなる混合物121.5部を、4時間かけて上記溶剤に添加し、次いでt−ブチルパーオキシオクタノエート0.5部及びイソプロパノール20部から成る混合物を、1時間かけて滴下し、次いで、攪拌しながら1時間熟成することにより、固形分50%のリン酸基含有樹脂溶液を得た。
(注3)リン酸基含有重合性モノマー:4リットルのフラスコに、モノブチルリン酸57.5部、及びイソブタノール41.1部を入れ、空気通気下でグリシジルメタクリレート42.5部を2時間で滴下し、次いで、攪拌しながら1時間熟成した。次いで、イソプロパノ−ル5.9部を加えて、固形分50%のリン酸基含有重合性モノマー溶液を得た。
≪主剤成分(IB)の製造≫
製造例6
製造例5で得たアルミニウム顔料ペースト86.1部と製造例2で得た水溶性アクリル樹脂溶液(B−1)36.4部を攪拌混合容器中に加え、1時間攪拌した後、製造例1で得たポリウレタン樹脂エマルション(A−1)200部とさらに製造例3で得たアクリル樹脂エマルション(C−1)66.7部を混合し、「プライマルASE60」(注4)を有効成分の量が樹脂固形分100質量部に対して3.0質量部となるように添加し、さらに1時間攪拌を続けた。得られた混合物をジメチルエタノールアミンでpH8.0に調整した後、脱イオン水を添加し、固形分30%の主剤(IB−1)を得た。この主剤(IB−1)の粘度は1000mPa・secであった。
(注4)「プライマルASE−60」:商品名、ロームアンドハース社製、ポリアクリル酸系粘性調整剤、酸価270mgKOH/g、有効成分28%。
製造例7(比較例用)
製造例5で得たアルミニウム顔料ペースト86.1部と製造例1で得たポリウレタン樹脂エマルション(A−1)333.4部を混合し、1時間撹拌した後、「プライマルASE60」(注4)を有効成分の量が樹脂固形分100質量部に対して3.0質量部となるように添加し、さらに1時間攪拌を続けた。得られた混合物をジメチルエタノールアミンでpH8.0に調整した後、脱イオン水を添加し、固形分30%の主剤(IB−2)を得た。この主剤(IB−1)の粘度は1200mPa・secであった。
≪粘性調整剤成分(II)の製造≫
製造例8
攪拌混合容器に脱イオン水690部、ウレタン樹脂エマルション(A−1)300部、「Laponite RD」(注5)10部を添加し、攪拌混合して粘性調整剤成分(II−1)を得た。該粘性調整剤成分(II−1)の粘度は350mPa・secであった。
(注5)「Laponite RD」;商品名、ウイルバー・エリス株式会社、合成層状シリケート、有効成分100%。
製造例9
拌混合容器に脱イオン水640部、硫酸バリウム30部、ウレタン樹脂エマルション(A−1)300部、「Laponite RD」(注5)10部、「ユニオール D−2000」(商品名、日本油脂株式会社製、重量平均分子量が 2000のポリプロピレングリコール)を20部を添加し、攪拌混合して粘性調整剤成分(II−2)を得た。該粘性調整剤成分(II−2)の粘度は480mPa・secであった。
製造例10(比較例用)
上記製造例9において、ウレタン樹脂エマルションの配合量を0とする以外は製造例9と同様にして粘性調整剤成分(II−3)を得た。該粘性調整剤成分(II−3)の粘度は100mPa・secであった。
製造例11(比較例用)
上記製造例9において、「Laponite RD」の配合量を0とする以外は製造例18と同様にして粘性調整剤成分(II−4)を得た。該粘性調整剤成分(II−4)の粘度は340mPa・secであった。
≪架橋剤成分(III)の製造≫
製造例12
撹拌容器にジプロピレングリコールジメチルエーテル53.5部、「バイヒジュール3100」(商品名、住化バイエルウレタン株式会社製、水分散性HDI型ポリイソシアネート、NCO含有率17.2%)46.5部加え、15分間撹拌し、架橋剤成分(III−1)を得た。
製造例13
撹拌容器にジプロピレングリコールジメチルエーテル14.9部、70%「バイヒジュールXP 2788」(商品名、住化バイエルウレタン株式会社製、水分散性IPDI型ボリイソシアネート、固形分70%、NCO含有率9.4%)85.1部加え、15分間撹拌し、架橋剤成分(III−2)を得た。
製造例14
撹拌容器に脱イオン水25部と、「カルボジライトSV02」(商品名、日清紡社製、カルボジイミド化合物、固形分40%、固形分あたりのカルボジイミド当量429)75部を加え、15分間撹拌し、架橋剤成分(III−3)を得た。
≪粘性調整剤成分(IV)の製造≫
製造例15
製造例2で得られた水溶性アクリル樹脂溶液(B−1)54.5部と製造例4で得られたアクリル樹脂エマルション(C−2)21.0部を撹拌混合容器中に加え、1時間撹拌した後、「プライマルASE60」(注4)35.7部を添加し、さらに1時間撹拌を続けた。得られた混合物をジメチルエタノールアミンでpH8.0に調整した後、脱イオン水を添加し、固形分5%の粘性調整剤成分(IV−1)を得た。この粘性調整剤成分(IV−1)の粘度は550mPa・secであった。
≪水性着色ベースコート塗料の製造≫
実施例1〜15及び比較例1〜6
下記表1の組み合わせで各成分を混合攪拌し、水性着色ベースコート塗料(X−1)〜(X−21)を製造した。
Figure 2014125604
Figure 2014125604

≪性能評価≫
実施例及び比較例で得られた各水性着色ベースコート塗料を下記性能評価に供した。結果を表1に併せて示す。
(*)水性着色ベースコート塗料の粘度
上記で得られた各水性ベースコート塗料を25℃にし、ブルックフィールド型粘度計を用いて、60rpmにて測定した。尚、測定は各水性ベースコート塗料製造後5分後に行った。
(*)混合性
各主剤(I)、粘性調整剤成分(II)及び粘性調整剤成分(III)を手攪拌で1分攪拌混合した後の塗料状態を下記基準にて評価した。
◎:各成分が均一に混合されている、
×:各成分が均一に混合されておらず、部分的に不均一な点が認められる。
(*)耐タレ性
11×45cmの大きさの自動車車体用クリヤー塗料が塗装された塗板の長尺側の端部から3cmの部分に、直径5mmのポンチ孔を、2cm間隔で21個一列状に設けたものを被塗物とし、これに各水性ベースコート塗料を25℃、相対湿度40%の条件下で長尺方向に膜厚勾配をつけて塗装し、該塗装板をほぼ垂直に立てて、塗板の温度を60℃に保った状態となるように20分間強制乾燥して耐タレ性試験用の試験塗板を得た。得られた各試験塗板のポンチ孔下端部から2mmの塗膜のタレが観察される位置を調べ、該位置の膜厚(タレ限界膜厚(μm))を測定することにより、耐タレ性の評価を行なった。タレ限界膜厚が大きいほど耐タレ性は良好であることを示す。
◎:タレ限界膜厚が30μm以上、
〇:タレ限界膜厚が20μm〜30μm未満、
△:タレ限界膜厚が10μm〜20μm未満、
×;タレ限界膜厚が10μm未満。
(*)仕上がり外観(アルミ配向性)
自動車車体用クリヤー塗料が塗装された塗装板を、#800耐水ペーパーで研磨、脱脂し、被塗物とした。この被塗物を水平に置いて25℃、相対湿度40%の条件下で各水性ベースコート塗料を均一になるように4段階でスプレー塗装した。各塗装において、塗装と塗装の間はエアーブローやセッティング、プレヒート工程を設けなかった。4回目の塗装終了後、エアスプレーを用いて常温のエアーブローを10分行ってベース塗膜を乾燥させ乾燥膜厚が15μmのベースコート塗膜を得た。その直後に同じ水性ベースコート塗料をスプレー塗装にて塗り重ね、次いでその直後に同じ水性ベースコート塗料をスプレー塗装にて3回目の塗装を行い、また、その直後に同じ水性ベースコート塗料をスプレー塗装にて4回目の塗装を行った。各塗装は25℃、相対湿度40%の条件で行い、塗装と塗装の間はエアーブローやセッティング、プレヒート工程を設けなかった。4回目の塗装終了後、エアスプレーを用いて常温のエアーブローを10分行ってベース塗膜を乾燥させ乾燥膜厚が15μmのベースコート塗膜を得た。その後にトップクリヤー仕上げとして「レタンPGマルチクリヤーHX(Q)」(商品名、関西ペイント社製、水酸基含有アクリル樹脂を含むクリヤー塗料)100部に「レタンPGマルチクリヤースタンダード硬化剤」(商品名、関西ペイント社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート硬化剤)50部を塗装直前に混合したトップクリヤー塗料を、ベースコート塗膜上に乾燥膜厚が40μmとなるようにエアスプレー塗装し、乾燥機を用いて塗板の温度を60℃に保った状態となるように20分間強制乾燥し、得られた塗膜面を目視で評価した。
◎:アルミ顔料が塗面に対して平行、且つ均一に配向し、メタリックムラの発生が全く見られない、
○:アルミ顔料が塗面に対して平行、且つ均一に配向しているものの、メタリックムラの発生がごくわずかに認められる、
△:メタリックムラの発生が多く認められる、
×:メタリックムラの発生が非常に多く認められた。
(*)隠ぺい性
上記仕上がり外観評価の試験において、被塗物を白黒隠蔽率試験紙とする以外は同様にして水性ベースコート塗料の連続塗装を行い、ベースコート塗膜を得た。得られた塗板の下地の白黒の判別し難さによって隠ぺい性を評価した。
◎:隠ぺい性非常に良好、
〇:隠ぺい性良好、
△:隠ぺい性やや不良、
×:隠ぺい性不良。
(*)付着性
上記仕上がり外観評価で得られた各試験塗板に素地に達するようにカッターで切り込みを入れて、大きさ1mm×1mmのゴバン目を100個作り、その表面に粘着テープを貼着し、20℃においてそのテープを急激に剥離した後のゴバン目塗膜の残存数を調べた。
◎:100個残存、
○:99〜90個残存、
△:89から41個残存、
×:40個以下残存。
(*)耐水性
上記仕上がり外観評価で得られた各試験板を40℃の温水に10日間浸漬し、引き上げてから各塗膜表面を観察した。
◎:非常に良好、
○:良好、
△:わずかに白化が認められる、
×:フクレ、白化などの異常が認められる。
<水性プライマーサーフェーサー主剤成分用アクリル樹脂エマルションの製造>
製造例16
還流冷却器、撹拌機、温度計を装備した容量2リットルの4つ口フラスコに脱イオン水300部、「アデカリアソープSR−1025」8部を加え、窒素置換後85℃まで昇温させた。この中に過硫酸アンモニウム0.8部と下記(A)組成をエマルション化してなるプレエマルションの3.5%を添加し、添加20分後から上記プレエマルションの残りを170分掛けて滴下した。
<コア成分(A)>
脱イオン水 320部
スチレン 280部
n−ブチルアクリレート 40部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 60部
アクリル酸 20部
「アデカリアソープSR−1025」 31.4部
過硫酸アンモニウム 1.12部
滴下終了後1時間熟成してから、下記(B)組成をエマルション化してなるプレエマルションを70分掛けて滴下した。
<シェル成分(B)>
脱イオン水 180部
スチレン 200部
n−ブチルアクリレート 80部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート 100部
アクリル酸 20部
「アデカリアソープSR−1025」 13.5部
過硫酸アンモニウム 0.48部
滴下終了後、更に2時間85℃に保持した。その後40℃以下まで温度を下げ、アンモニア水でpH7〜8に調整し、水酸基価89mgKOH/g、酸価39mgKOH/g、固形分50%のアクリル樹脂エマルション(D−1)を得た。
<水性プライマーサーフェーサー用顔料ペースト組成物の製造>
製造例17
脱イオン水100部に、チタン白「JR701」(商品名、テイカ社製)43部、カーボンブラック「MA−7」(商品名、三菱化学社製)2.5部、タルク「タルクSSS」(商品名、日本タルク社製)99部、防錆顔料「K−WHITE 140W」(商品名、テイカ社製)25.5部、及び分散剤「DISPERBYK−187」(商品名、ビックケミー社製、固形分40%)10.0部を加え、ディスパーにより15分間撹拌混合し、更にサンドミルにて30分間分散処理をした。得られた顔料ペースト組成物は粒ゲージで20μm以下であった。
<水性プライマーサーフェーサー塗料組成物用主剤成分(IP)の製造>
製造例18
製造例17で得た顔料ペースト組成物275部と製造例2で得た水溶性アクリル樹脂溶液(B−1)100部を攪拌混合容器中に加え、1時間攪拌した後、製造例16で得たアクリル樹脂エマルション(D−1)90部を加え、さらに「プライマルASE60」(注4)を有効成分の量が樹脂固形分100質量部に対して2.0質量部となるように添加し、さらに1時間攪拌を続けた。得られた混合物をジメチルエタノールアミンでpH8.0に調整した後、脱イオン水を添加し、固形分55%の主剤成分(IP−1)を得た。この主剤成分(IP−1)の粘度は1300mPa・secであった。
(注4)「プライマルASE−60」:商品名、ロームアンドハース社製、ポリアクリル酸系粘性調整剤、酸価270mgKOH/g、有効成分28%。
製造例19
上記製造例18において「プライマルASE60」をウレタン会合型粘性調整剤「UH756VF」(商品名、アデカ社製 有効成分32%)を有効成分の量が樹脂固形分100質量部に対して1.0質量部となるように添加する以外は同様にして、該主剤成分(IP−2)を得た。この主剤(IP−2)の粘度は1100mPa・secであった。
<水性プライマーサーフェーサー塗料組成物の製造>
実施例16〜24及び比較例7〜10
下記表2の組み合わせで各成分を混合攪拌し、水性プライマーサーフェーサー塗料組成物(Y−1)〜(Y−13)を製造した。
Figure 2014125604
Figure 2014125604
≪性能評価≫
実施例及び比較例で得られた各水性プライマーサーフェーサー塗料を下記性能評価に供した。結果を表2に併せて示す。
(*)水性プライマーサーフェーサー塗料組成物の粘度
上記で得られた各水性プライマーサーフェーサー塗料組成物を25℃にし、ブルックフィールド型粘度計を用いて、60rpmにて測定した。尚、測定は各水性プライマーサーフェーサー塗料組成物の製造後5分後に行った。
(*)耐タレ性
11×45cmの大きさの自動車車体用クリヤー塗料が塗装された塗板の長尺側の端部から3cmの部分に、直径5mmのポンチ孔を、2cm間隔で21個一列状に設けたものを被塗物とし、これに各水性プライマーサーフェーサー塗料組成物を25℃、相対湿度40%の条件下で長尺方向に膜厚勾配をつけて塗装し、該塗装板をほぼ垂直に立てて、塗板の温度を60℃に保った状態となるように20分間強制乾燥して耐タレ性試験用の試験塗板を得た。得られた各試験塗板のポンチ孔下端部から2mmの塗膜のタレが観察される位置を調べ、該位置の膜厚(タレ限界膜厚(μm))を測定することにより、耐タレ性の評価を行なった。タレ限界膜厚が大きいほど耐タレ性は良好であることを示す。
◎:タレ限界膜厚が80μm以上、
〇:タレ限界膜厚が50μm〜80μm未満、
△:タレ限界膜厚が30μm〜50μm未満、
×;タレ限界膜厚が30μm未満。
(*)上塗り仕上がり性
300×100×0.8mmの軟鋼板を、#240ペーパーで研磨、脱脂し、被塗物とした。この被塗物を水平に置いて25℃、相対湿度40%の条件下で各水性プライマーサーフェーサー塗料組成物を乾燥膜厚50〜70μmになるように3段階でスプレー塗装した。各塗装において、塗装と塗装の間はエアーブローやセッティング、プレヒート工程を設けなかった。その後乾燥機を用いて塗板の温度を60℃に保った状態で30分間強制乾燥し、#600耐水ペーパーで水研ぎし、脱脂した。得られたプライマーサーフェーサー塗板を水平に置いて25℃、相対湿度40%の条件下で前述の水性ベースコート塗料(X−1)を均一になるように4段階でスプレー塗装した。各塗装において、塗装と塗装の間はエアーブローやセッティング、プレヒート工程を設けなかった。4回目の塗装終了後、エアスプレーを用いて常温のエアーブローを10分行ってベース塗膜を乾燥させ乾燥膜厚が15μmのベースコート塗膜を得た。その後にトップクリヤー仕上げとして「レタンPGマルチクリヤーHX(Q)」(商品名、関西ペイント社製、水酸基含有アクリル樹脂を含むクリヤー塗料)100部に「レタンPGマルチクリヤースタンダード硬化剤」(商品名、関西ペイント社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート硬化剤)50部を塗装直前に混合したトップクリヤー塗料を、ベースコート塗膜上に乾燥膜厚が40μmとなるようにエアスプレー塗装し、乾燥機を用いて塗板の温度を60℃に保った状態となるように20分間強制乾燥し、得られた塗膜面を目視で評価した。
◎:メタリックムラの発生が全く見られず、クリヤーのツヤ感も良好、
○:クリヤーのツヤ感は良好であるが、ごくわずかなメタリックムラの発生が認められる、
△:クリヤーのツヤ感の低下があり、メタリックムラの発生がある、
×:クリヤーのツヤ感が著しく低下しており、リフティングが見られる。
(*)研磨性
上記上塗り仕上がり性評価と同様にして得たプライマーサーフェーサー塗板を、#600耐水ペーパーで水研ぎし、耐水ペーパーの目づまりと研磨感の評価を行った。
◎:目詰まりが全くない、
○ :わずかに目づまりが認められるが、研磨に支障はない、
△ :目づまりがあり、研磨しづらい、
×:著しく目づまりがあり、研磨が困難である。
(*)耐溶剤性
上記上塗り仕上がり性評価と同様にして得たプライマーサーフェーサー塗板上に、キシロールを0.5ml滴下し、10分間静置した後キシロールをふき取り、塗膜の軟化状態を評価した。
◎:異常なし、
○:わずかに軟化が認められる、
△:軟化が認められる、
×:軟化が著しい。
(*)付着性
上記上塗り仕上がり性評価で得られた各試験塗板に素地に達するようにカッターで切り込みを入れて、大きさ1mm×1mmのゴバン目を100個作り、その表面に粘着テープを貼着し、20℃においてそのテープを急激に剥離した後のゴバン目塗膜の残存数を調べた。
◎:100個残存、
○:99〜90個残存、
△:89から41個残存、
×:40個以下残存。
(*)耐水性
上記上塗り仕上がり性評価で得られた各試験板を40℃の温水に10日間浸漬し、引き上げてから各塗膜表面を観察した。
◎:非常に良好、
○:良好、
△:わずかに白化が認められる、
×:フクレ、白化などの異常が認められる。

Claims (9)

  1. 水希釈性樹脂成分(A)、顔料分(B)及び水を含み、
    水希釈性樹脂成分(A)がその成分の一部として水希釈性アクリル樹脂を含むものである主剤成分(I)と、
    水希釈性樹脂成分(C)、無機系粘性調整剤(D)及び水を含み、水希釈性樹脂成分(C)がその成分の一部として水希釈性ウレタン樹脂を含む粘性調整剤成分(II)と、
    架橋剤成分(III)と、
    を組み合わせてなる多成分系の水性塗料組成物。
  2. 主剤成分(I)が、ポリアクリル酸系粘性調整剤をさらに含む請求項1に記載の多成分系の水性塗料組成物。
  3. 粘性調整剤成分(II)が、顔料をさらに含む請求項1または2に記載の多成分系の水性塗料組成物。
  4. 架橋剤成分(III)が、ポリイソシアネート化合物及び/又はポリカルボジイミド化合物を含むものである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水性塗料組成物。
  5. 粘性調整剤成分(IV)をさらに組み合わせてなる多成分系であって、該粘性調整剤成分(IV)が、水希釈性樹脂成分(E)、ポリアクリル酸系粘性調整剤及び水を含むものである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の多成分系の水性塗料組成物。
  6. 主剤成分(I)及び粘性調整剤成分(II)の使用割合が、これら合計100質量部を基準として主剤成分(I)が95〜30質量部、粘性調整剤成分(II)が5〜30質量部の範囲内にある請求項1ないし5のいずれか1項に記載の多成分系の水性塗料組成物。
  7. 主剤成分(I)、粘性調整剤成分(II)及び粘性調整剤成分(IV)の使用割合が、これら合計100質量部を基準にして成分(I)が30〜80質量部成分(II)が0.5〜50質量部、成分(IV)が1〜40質量部の範囲内にある請求項1ないし5のいずれか1項に記載の水性塗料組成物。
  8. 水性上塗り塗料組成物として使用する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の水性塗料組成物。
  9. 水性下塗り塗料組成物として使用する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の水性塗料組成物。
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