JP2515494B2 - 内燃機関の回転数制御方法 - Google Patents

内燃機関の回転数制御方法

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JP2515494B2 JP60126459A JP12645985A JP2515494B2 JP 2515494 B2 JP2515494 B2 JP 2515494B2 JP 60126459 A JP60126459 A JP 60126459A JP 12645985 A JP12645985 A JP 12645985A JP 2515494 B2 JP2515494 B2 JP 2515494B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、内燃機関の回転数制御方法に関するもので
あり、特に暖機中において、当該内燃機関がアイドリン
グでない状態からアイドリング状態に移行する際の、内
燃機関回転数の変動を、冷却水温度、外気温度、内燃機
関にかかる負荷、あるいは内燃機関の特性変化等の影響
を受けずに、極力抑えることのできる内燃機関の回転数
制御方法に関するものである。
(従来の技術) 自動車に用いられる内燃機関(以下、単にエンジンと
いう)には、スロットル弁をバイパスさせるためのバイ
パス通路、および該バイパス通路の開口面積を変化させ
て、バイパス通路を通過する空気量を制御する弁が設け
られている。
そして、このバイパス通路の開口面積を変化させるこ
とによって、特にアイドル運転時におけるエンジン回転
数の制御が行なわれている。
さて、アイドル運転時においては、エンジンの温度が
低いと、燃料噴射ノズルから噴射される燃料の霧化が良
好に行なわれなかったり、また、燃料の燃焼が安定しな
かったりするので、この場合(すなわち、エンジン温度
が低い場合)には、エンジンの回転数を、通常のアイド
ル回転数よりも高く設定する必要がある。
したがって、一般には、エンジン温度がある一定の温
度に達するまでは、当該エンジンのアイドル回転数が、
エンジン温度に応じて、通常のアイドル回転数よりも高
くなるように、前記バイパス通路の開口面積を調整する
制御弁が制御される。
また、エンジン温度が低いと、エンジンオイルの粘性
が高くなり、実質的にエンジン負荷が高くなる。このた
め、バイパス通路を有するエンジンにおいては、エンジ
ン温度が高いときと同一の回転数を得るためには、前記
バイパス通路の開口面積を大きくして、吸気通路内に流
入する吸入空気量を多くする必要がある。
さらに、エンジンオイルを粘性の異なるものと交換し
たり、当該エンジンあるいは前記制御弁等に経時変化が
生じて、その性能が劣化したりすると、前記信号値が同
一でも、エンジン回転数が変化してしまう。
このために、前記バイパス通路の開口面積(前記制御
弁の開度)は、エンジン温度に応じてあらかじめ設定さ
れたアイドル目標回転数と、実際のエンジン回転数との
偏差に応じて、フィードバック制御(クローズドループ
制御)されている。
更に、フィードバック制御時に算出された値を学習す
る制御(学習制御)を行う場合もある。
なお、以下の説明では、エンジン温度がある一定の温
度に達するまでの、当該エンジンのアイドル回転数が、
エンジン温度に応じて、通常のアイドル回転数よりも高
く設定される状態を、暖機、あるいは暖機中という。
また、当該エンジンを搭載した自動車のアクセルが踏
み込まれて、スロットル弁が開くと、前記制御弁の開度
は、あらかじめ設定された値にオープンループ制御され
る。
(発明が解決しようとする問題点) 上記した従来の技術は、次のような問題点を有してい
た。
フィードバック制御の精度を向上させるために用いる
学習制御は、一般には暖機運転時には行われておらず、
その学習値は暖機完了後に算出されていた。
なお、暖機中に学習値を得ようとした場合には、内燃
機関の暖機運転中は暖機終了後に比較してその状態が不
安定である上に、一般的に自動車の運転者は暖機が終了
する前に自動車を発進させることが多く、暖機中のフィ
ードバック制御の機会が少ないため、暖機中における当
該エンジンの温度ごとの学習値を演算する機会が少な
く、エンジンの温度の全域に渡って学習値を得ることが
困難な場合があり、学習値の精度が悪くなるという問題
点があった。
さらに、当該エンジンの暖機完了前に自動車を発進さ
せた後に当該エンジンが暖機完了前に再びアイドル運転
状態に戻ると、前記バイパズ通路の制御弁も、再びクロ
ーズドループ制御状態となる。
当該エンジンがアイドル運転状態になったことの判定
−すなわち、前記バイパス通路の制御弁がオープンルー
プ制御状態からアクローズドループ制御状態になったと
いう判定は、スロットル弁がほぼ全閉状態で、かつエン
ジン回転数が、アイドル回転数よりも大きく設定された
アイドル判定回転数よりも下回った時に行なわれる。
前述した説明から明らかなように、前記制御弁がオー
プンループ制御状態からスローズドループ制御状態に移
行するときには、エンジン回転数は、制御の目標値であ
るアイドル回転数と一致しておらず、さらに、前記移行
時における制御弁の制御値は、当該エンジンの特性変化
等にかかわらず、常に一定である。
したがって、前記移行時において、当該エンジンの回
転数の変動が大きくなると共に、エンジン回転数が前記
アイドル回転数の近傍に安定するまでに時間がかかる。
また、前記エンジン回転数の変動が激しい場合には、
ハンチングを起こしてしまうという懸念もある。
本発明は、前述の問題点を解決するためになされたも
のである。
(問題点を解決するための手段および作用) 前記の問題点を解決するために、本発明は、アイドル
運転時における制御弁信号、あるいはそれに相当する信
号を、あらかじめ設定されたエンジン温度範囲ごとに学
習し、該結果(学習値)を記憶すると共に、前記学習値
が演算された温度範囲から遠ざかるにつれて、その学習
の重み付けが小さくなるように、前記温度範囲の高温側
および低温側の少なくとも一方の温度範囲について新た
な学習値を算出する。そして、第1発明においては、オ
ープンループ制御状態における制御弁信号を、また第2
発明においては、当該エンジンがオープンループ制御状
態からクローズドループ制御状態に移行するときの制御
弁信号の初期値を、そのときのエンジン温度範囲におけ
る学習値に基づいて決定するという手段を講じる。これ
により、当該エンジンが特に暖機中に、オープンループ
制御状態における制御弁信号、およびクローズドループ
制御状態に移行するときの制御弁信号の初期値を、内燃
機関の負荷、特性変化等に応じて、ほぼ最適な値に設定
することができるので、モード移行時における制御弁信
号の変動、換言すればエンジン回転数の変動を極力抑え
ることができ、さらにエンジン回転数をアイドル目標回
転数にスムーズに接近させ、一致させることができる、
という作用・効果を生じさせた点に特徴がある。
(実施例) 以下に、図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
第2図は本発明の基本的構成を示す概略図である。
図において、吸気通路33には、スロットル弁32、なら
びに前記スロットル弁32をバイパスさせるためのバイパ
ス通路31およびワックス弁通路61が設けられている。
前記バイパス通路31は、供給する電流値に比例して開
口面積を制御できるリニアソレノイド16に接続された制
御弁30により、その開口面積が制御される。また、ワッ
クス弁通路61は、冷却水温度に応じてその開度が決定さ
れるワックス弁62により、その開口面積が制御される。
噴射ノズル34は、エンジンの運転状態、大気圧・温度
などの環境条件、吸入空気量などに応じて、既知の適宜
の手法であらかじめ演算された量の燃料を、クランク軸
36の回転位相に応じたタイミングで、吸気通路33内に噴
射する。
スロットル弁開度センサ1は、前記スロットル弁32の
開度を検出する。
TDCセンサ5は、各シリンダのピストンが上死点前90
度に達したときにパルスを発生する。換言すれば、前記
TDCセンサ5は、クランク軸36が2回転するごとに気筒
数と同じ数のパルス(以下、TDCパルスという)を出力
する。
エンジン回転数カウンタ2は、前記TDCパルスの間隔
を計時することにより、クランク軸36の回転数を検出す
る。
エンジン温度センサ4は、エンジン温度、例えばエン
ジン冷却水の温度を測定する。
前記スロットル弁開度センサ1、エンジン回転数カウ
ンタ2、エンジン温度センサ4、およびTDCセンサ5
は、電子制御装置40の入力に接続される。
前記電子制御装置40の出力は、前記噴射ノズル34に接
続されると共に、さらに前記リニアソレノド16に接続さ
れ、前記各センサにより検出・測定される各種状態量お
よび後述する演算手法を用いて、該リニアソレノイド16
の励磁電流を制御する。その結果、前記バイパス通路31
の開口面積が制御される。
なお、前記ワックス弁62は、例えば、エンジン冷却水
温度が20度以下となると、該温度に応じて開く。
第3図は、アイドル目標回転数Nrefおよびアイドル判
定回転数Naと、エンジン冷却水温度Twとの関係を示すグ
ラフである。第3図において、縦軸はエンジン回転数、
横軸はエンジン冷却水温度Twを示している。
電子制御装置40(第2図)は、当該エンジンがアイド
ル運転状態であるときには、エンジン回転数Neがアイド
ル目標回転数Nrefに一致するようにフィードバックモー
ド制御状態となる。
当該エンジンがアイドル運転でない状態からアイドル
運転状態になったという判定は、スロットル弁がほぼ全
閉であり、かつエンジン回転数Neがアイドル判定回転数
Naよりも下回ったときに行なわれる。
第4図は、当該エンジンが、第3図に示されたアイド
ル目標回転数Nrefを維持するに必要な、吸気通路33内を
通過する空気量(要求空気量Qa)を示すグラフである。
なお、第4図において、縦軸は空気量、横軸はエンジン
冷却水温度Twを示している。
第3図との対比から明らかなように、アイドル目標回
転数Nrefが、エンジン冷却水温度にかかわらず一定とな
る温度Twaic(図示された例では、70度)以上では、要
求空気量Qaは一定であるが、Twaic以下の場合は、エン
ジン冷却水温度が低いほど増大する。
さて、前記要求空気量Qaは、バイパス通路31を通過す
る空気、全閉状態のスロットル弁32から漏れる空気、お
よびワックス弁通路61を通過する空気の総和である。
スロットル弁32は、全閉状態であっても、吸気通路33
を完全に閉塞することができないので、アイドル運転時
(すなわち、開度零状態)においては、第4図に破線B
で示すように、ほぼ一定量の漏れ空気が吸気通路33内に
流入する。
バイパス通路31は、おもに暖機中における、吸気通路
33内に流入する空気量を制御するものである。しかし、
エンジン温度が低くなるにつれて、該バイパス通路31が
制御することのできる最大の空気量よりも多くの空気量
が必要とされるため、当該エンジンでは、エンジン冷却
水温度が一定値(図示された例では、約20度)以下にな
ると、エンジン冷却水温度に応じて、さらにワックス弁
62が開くように構成されている。
前記ワックス弁通路61により供給される空気量は、第
4図においては、一点鎖線Cおよび破線Bで囲まれた領
域で示される。
さて、以上の説明から明らかなように、バイパス通路
31を通過すべき空気量は、要求空気量Qaから、開度零状
態のスロットル弁32から漏れる空気、およびワックス弁
通路61を通過する空気を差引いた空気量となる。すなわ
ち、バイパス通路31を通過すべき空気量は、第4図にお
いて、斜線で示された領域で表現されることになる。
第5図は、当該エンジンに負荷がかかっていない場合
において、第4図に斜線で示された、バイパス通路31を
通過すべき空気量、−換言すれば、制御弁30により制御
されるべき空気量を得るために必要な、リニアソレノイ
ド16の制御電流Icmdを算出する際の基準となる制御信号
と、エンジン冷却水温度Twとの関係を示すグラフであ
る。なお、第5図において、縦軸は前記制御信号を、横
軸はエンジン冷却水温度Twを示している。
つぎに、本発明の第1の実施例の動作を、第1図ない
し第5図を用いて詳細に説明する。
第1図は、本発明の第1の実施例における電子制御装
置40の内部動作を示すフローチャートである。
第1図に示された制御動作は、TDCセンサ5(第2
図)から出力されるTDCパルスに応じた割込みにより、
開始される。
まず、ステップS1では、当該エンジンが始動中である
か否かが判別される。始動中でないという判定は、例え
ば、スタータスイッチがオフで、エンジン回転数がアイ
ドル目標回転数の約1/2に達したという条件に基づいて
行なうことができる。
始動完了すると、ステップS2において、当該自動車の
自動変速装置がDレンジ(ドライブレンジ)に投入され
ているか否かが判別され、投入されていれば当該プログ
ラムはステップS8へ、投入されていなければステップS3
へ移行する。
なお、当該自動車が自動変速装置を備えていない場合
は、ステップS1から直接ステップS3へ移行する。
ステップS8においては、車速V1スイッチが投入されて
いるか否か−換言すれば、当該自動車の車速がある一定
速度(例えば、15km/h)を超えているか否かが判別され
る。車速V1スイッチが投入されていれば、当該プログラ
ムはステップS9へ移行し、投入されていなければ、ステ
ップS3へ移行する。
ステップS3においては、エンジン回転数カウンタ2
(第2図)で検出されるエンジン回転数Neの逆数(周期
Me)と、電子制御装置40内のメモリに記憶されたアイド
ル判別回転数Na(第3図)の逆数Maとが比較される。
前記MeがMaよりも大きければ−すなわち、エンジン回
転数Neがアイドル判別回転数Naよりも低ければ、プログ
ラムは、ステップS4へ移行する。Meが、Maと等しいか、
あるいはMaより小さければ、プログラムは前記ステップ
S9へ移行する。
ステップS4においては、スロットル弁32の開度θth
が、スロットル弁がほぼ全閉であると定義される角度θ
idlhよりも小さいか否かが判定される。θthがθidlhよ
りも小さければ、−すなわち、スロットル弁32がほぼ全
閉状態であれば、プログラムはステップS5へ移行し、全
閉でなければ、前記ステップS9へ移行する。
前記ステップS2ないしS4およびS8は、当該エンジンが
始動完了後、アイドリング状態となってから、スロット
ル弁が開き、発進、加速、クルージング等を行なった
か、あるいはアイドリング状態を継続しているかを判別
するためのステップである。
なお、第3図に示されるアイドル判別回転数Naは、エ
ンジン冷却水温度Twが低いほど、アイドル目標回転数Nr
efとの差が大きくなるように設定されている。
これは、エンジンい冷却水温度Twが低いほど、アイド
ル運転時のエンジン回転が不安定となるために、エンジ
ン回転数Neが減少してアイドル目標回転数Nrefに接近す
る場合は、なるべく早く当該エンジンの状態をアイドル
運転状態であると判定して、エンジン回転数をフィード
バック制御により安定化させるようにするためである。
前記ステップS2ないしS4およびS8により、当該エンジ
ンがアイドル運転状態であると判定されると、ステップ
S5において、電子制御装置40(第2図)はクローズドル
ープモード制御となり、エンジン回転数Neは、フィード
バック制御される。このステップS5における動作は、第
7図によって後述する。
つぎに、当該プログラムはステップS7に移行する。こ
のステップS7における動作は、第8図によって後述す
る。
前記ステップS2ないしS4およびS8により、当該エンジ
ンがアイドル運転状態でないと判定されると、ステップ
S9において、電子制御装置40(第2図)はオープンルー
プモード制御となり、エンジン回転数Neは、オープンル
ープ制御される。このステップS9における動作は、第6
図によって後述する。
ステップS7もしくはステップS9を経た後、またはステ
ップS1で当該エンジンが始動中であると判定されると、
第1図の割込み処理は終了する。
つぎに、第1発明の特徴である、オープンループモー
ド制御の一実施態様を第6図を用いて説明する。
第6図は、前記ステップS9におけるオープンループモ
ード制御の詳細を示すフローチャートである。
第6図において、まず、ステップS56では、そのとき
のエンジン冷却水温度範囲に応じて、学習値Ixrが読み
出される。学習値Ixrは、当該エンジンがアイドリング
状態であり、かつ負荷がない場合に算出される値であ
り、リニアソレノイド16の制御信号、あるいは該制御信
号に対応する値である。学習値Ixrについては、第9図
によって後述する。
本発明の第1の実施例において、リニアソレノイド16
の制御信号Icmdは、電子制御装置40がオープンループモ
ード制御状態であるか、クローズドループモード制御状
態であるにかかわらず、次式により算出される。
Icmd=(Ifb(n)+Ie+Ips+Iat+Iac) ×Kpad …(第1式) なお、前記第1式中のIeは、バッテリに接続される電
気負荷の大小に応じて決定される電気負荷補正値、Ips
はパワーステアリングのスイッチが投入されているか否
か応じて決定されるパワーステアリング補正値、Iatは
自動変速装置がDレンジに投入されているか否かに応じ
て決定されるDレンジ補正値、Iacエアコンのスイッチ
が投入されているか否かに応じて決定されるエアコン補
正値、そしてKpadは、大気圧に応じて決定される大気圧
補正値である。
第1式のIfb(n)は、電子制御装置40が、オープン
ループモード制御状態であるときは、ステップS57およ
びS58において、定義される。
すなわち、ステップS57では、学習値Ixr(i)がIai
(n)として定義され、さらにステップ58では、前記Ia
i(n)がIfb(n)として定義される。
そして、ステップ59において、前記第1式から制御電
流Icmdが算出され、ステップS60において、該制御電流I
cmdにより、リニアソレノイド16が制御される。
つぎに、第2発明の特徴である、前記第1図のステッ
プS5におけるクローズドループモード制御の一実施態様
を、第7図のフローチャートを用いて説明する。
クローズドループモード制御に入れると、まず、ステ
ップS23において、TDCセンサ5(第2図)から出力され
るTDCパルスが、当該エンジンがアイドル運転状態とな
ってから、最初の、すなわち第1番目のパルスであるか
どうかが判断される。
第1番目のTDCパルスであるときは、プログラムはス
テップS25へ移行する。ステップS25においては、第6図
のステップS56に関して前述したのと同様に、そのとき
のエンジン冷却水温度範囲iに応じて、学習値Ixr
(i)読出される。
そして、プログラムはステップS27に移行し、前記学
習値Ixr(i)がIai(n−1)として定義される。その
後プログラムはステップS14に移行する。
前記ステップS23において、TDCセンサ5から出力され
るTDCパルスが、アイドリング後、第1番目のパルスで
ないことが判別されると、プログラムは、ステップS25
およびS27を経ないで、直接ステップS14に移行する。
つぎに、ステップS14においては、エンジン回転数カ
ウンタ2(第2図)で検知されるエンジン回転数の逆数
(周期)、またはそれに相当する量Me(n)が読込まれ
る。
ステップS15においては、読込まれたMe(n)と目標
回転数Nref(Tw)の逆数またはそれに相当する量Mref
(Tw)との偏差ΔMefが算出される。
ステップS16においては、前記Me(n)、および該Me
(n)と同一のシリンダにおける、前回計測値Me(当該
エンジンが6気筒エンジンの場合ではMe(n−6)の差
−すなわち、周期の変化率ΔMeが算出される。
ステップS17においては、前記ΔMeおよびΔMef、なら
びにあらかじめ設定された制御ゲイン(積分項制御ゲイ
ンKim、比例項制御ゲインKpm、および微分項制御ゲイン
Kdm)を用いて、積分項Ii、比例項Ip、および微分項Id
が、それぞれ図中に示す演算式にしたがって算出され
る。
ステップS18においては、Iai(n)が、Iai(n−
1)に前記積分項Iiを加算した値として定義される。な
お、符号nは、TDCパルスが出力される毎に、1つずつ
加算されるものとする。
ステップS19においては、ステップS18で算出されたIa
i(n)に、ステップS17で算出されたIpおよびIdがそれ
ぞれ加算され、Ifb(n)として定義される。
そして、プログラムはステップS20に移行し、前記Ifb
(n)および第1式を用いて、リニアソレノイド16の制
御電流Icmdが算出され、さらにステップS21において、
前記制御電流Icmdにより、リニアソレノイド16が制御さ
れる。
さて、第7図に示したフローチャートに基づいて、リ
ニアソレノイド16に供給される電流がフィードバック制
御されている間は、TDCセンサ5(第2図)からTDCパル
スが出力されるたびに、リニアソレノイド16の制御電流
Icmdの学習が行なわれる。すなわち、TDCパルスによる
割込みがかけられるたびに、後述する学習のサブルーチ
ンが実行される。
第8図は、第1図のステップS7に示された学習のサブ
ルーチンの詳細を示すフローチャートである。
第8図において、まずステップS32ないしステップS34
では、当該エンジンあるいはバッテリに、負荷がかかっ
ているか否かが判定される。
すなわち、ステップS32では、パワーステアリングの
スイッチがオンか否かが、ステップS33では、車速V1
イッチがオンか否かが−すなわち、車速がある一定値を
超えているか否かが、そして、ステップS34では、ACス
イッチ(エアコンスイッチ)がオンか否かが、それぞれ
判定される。
そして、それぞれ、当該エンジンあるいはバッテリに
負荷がかかっている状態であれば、当該サブルーチンの
プログラムは終了し、負荷が全くかかっていない状態で
あれば、プログラムはステップS35へ移行する。
ステップS35では、エンジン回転数カウンタ2(第2
図)で検知されるエンジン回転数の逆数(周期)または
それに相当する量Me(n)と、目標回転数Nref(Tw)の
逆数またはそれに相当する量Mref(Tw)との差が算出さ
れ、そして、該差が零になったか、あるいは該差の符号
が前回のTDCパルスによる割込みが行なわれた時の差の
符号に比べて反転したか否かが判定される。
換言すれば、エンジン回転数Neが目標回転数Nrefと等
しくなったか否か、あるいは前記TDCパルスによる割込
みが、NeとNrefとが等しくなった後に行なわれたかどう
かが判定される。
前記差が零になっているか、あるいは前記差の符号が
反転していれば、当該プログラムはステップS37へ移行
し、そうでなければ、プログラムは終了する。
学習値は、あらかじめ設定されたエンジン冷却水温度
範囲ごとに算出される。
ステップS37,S41,S43,およびS45は、前記エンジン冷
却水温度範囲を決定するためのプログラムである。
学習値とエンジ冷却水温度範囲との関係については、
第9図に関して後述するが、該第9図に示された例で
は、エンジン冷却水温度Twは、零度未満、零度以上5度
未満、5度以上10度未満、……、65度以上70度未満、お
よび70度以上のm種類(この場合は16種類)の温度範囲
に分類される。
なお、第8図においては、ステップS43からステップS
45へ移行するまでの間に、エンジン冷却水温度が10度以
上65度未満の間を、5度毎に分類するためのブロックが
省略されている。
つぎにステップS38,S42,S44,S46,またはS47におい
て、前述のようにして分類された各エンジン冷却水温度
範囲を指定するiの値が設定される。なお、ステップS4
3からステップS45間に省略されたブロックに対応する、
iを設定するためのブロックも、第8図においては省略
されている。
続いて、ステップS39においては、次の第2式ないし
第6式により定義された学習値Ixrが、各エンジン冷却
水温度範囲ごとに算出される。
Ixr(n,i) =Iai(n)×Cxr/256 +Ixr(n−1,i) ×(256−Cxr)/256 =Ixr(n−1,i) +{Iai(n)−Ixr(n−1,i)} ×Cxr/256 …(第2式) Ixr(n,i−1) =Ixr(n−1,i−1) +{Iai(n)−Ixr(n−1,i−1)} ×Cxr/(256×2) …(第3式) Ixr(n,i+1) =Ixr(n−1,i+1) +{Iai(n)−Ixr(n−1,i+1)} ×Cxr/(256×2) …(第4式) Ixr(n,i−2) =Ixr(n−1,i−2) Cxr/(256×4) …(第5式) Ixr(n,i+2) =Ixr(n−1,i+2) +{Iai(n)−Ixr(n−1,i+2)} ×Cxr/(256×4) …(第6式) なお、前記第2式ないし第6式におけるIai(n)
は、第7図のステップS18で算出される数値、そしてCxr
は任意に設定される正の数(ただし、256以下)であ
る。
また、Ixr(n,i)はIai(n)が算出されたときのエ
ンジン冷却水温度を含むエンジン冷却水温度範囲iを学
習値、Ixr(n,i−1)は前記エンジン冷却水温度範囲i
の温度が低い側に隣接するエンジン冷却水温度範囲(i
−1)の学習値、Ixr(n,i+1)は前記エンジン冷却水
温度範囲iの温度が高い側に隣接するエンジン冷却水温
度範囲(i+1)の学習値である。
同様に、Ixr(n,i−2)は前記エンジン冷却水温度範
囲(i−1)の温度が低い側に隣接するエンジン冷却水
温度範囲(i−2)の学習値、Ixr(n,i+2)は前記エ
ンジン冷却水温度範囲(i+1)の温度が高い側に隣接
するエンジン冷却水温度範囲(i+2)の学習値を示し
ている。
前記第2式ないし第6式から明らかなように、本発明
の第1の実施例においては、第7図のステップS18にお
いて、Iai(n)が算出されると、そのときのエンジン
冷却水温度に対応するエンジン冷却水温度範囲iの学習
値が、前記第2式より算出される。
そして、前記温度範囲iの、温度が低い側および高い
側に隣接するエンジン冷却水温度範囲(i−1)および
(i+1)、さらに、該温度範囲(i−1)および(i
+1)に隣接するエンジン冷却水温度範囲(i−2)お
よび(i+2)の学習値も、各々、Iai(n)を用い
て、前記第3式ないし第6式より算出される。
この場合、エンジン冷却水温度範囲i以外の温度範囲
の学習値の演算は、その温度範囲が前記エンジン冷却水
温度範囲iから遠ざかるほど、その学習の重み付けが、
小さくなるように行なわれている。
すなわち、エンジン冷却水温度範囲iの学習値は、Ia
i(n)のCxr/256の影響を受けるのに対し、エンジン冷
却水温度(i−1)および(i+1)の学習値はCxr/
(256×2)だけしか影響を受けず、またエンジン冷却
水温度(i−2)および(i+2)の学習値はCxr/(25
6×4)だけしか影響を受けない。
なお、学習値Ixrが、まだ電子制御装置40内のメモリ
に記憶されていない場合は、前記学習値に類似するよう
な数値を、あらかじめ前記メモリ内に記憶させておい
て、該数値を学習値Ixr(n−1)として読み出せば良
い。
このようにして算出された各学習値Ixrは、ステップS
40において、電子制御装置40内のメモリに記憶され、そ
の後、当該サブルーチンのプログラムは終了する。
第9図は、本発明の第1の実施例による学習値算出を
説明するための、学習値と各エンジン冷却水温度範囲と
の関係を示すグラフである。第9図において、縦軸は学
習値を、横軸はエンジン冷却水温度をTwを示している。
第9図において、まず、各エンジン冷却水温度範囲に
対応して、実線で示されるような学習値がすでに演算、
記憶されているものとする。
ここで、TDCパルスの割込みにより、第1図に示され
た処理が実行され、ステップS7の学習が開始されると、
まず、そのときのエンジン冷却水温度範囲i(第9図に
おいては、エンジン冷却水温度が30度以上35度未満)の
学習値Ixr(n,i)が、Iai(n)を用いて、第2式によ
り算出される。前記学習値Ixr(n,i)は、第9図におい
ては、破線で示されている。
そして、前記エンジン冷却水温度範囲iに隣接する温
度範囲(i−1)、および(i+2)、ならびに該温度
範囲に隣接する温度範囲(i−2)、および(i+2)
の各学習値が、前記Iai(n)を用いて、第3式ないし
第6式により算出される。この各学習値は、二点鎖線で
示されている。
第2式ないし第6式、および第9図から明らかなよう
に、エンジン冷却水温度範囲(i−1)および(i+
1)における学習値は、温度範囲iにおける学習値より
も、その学習の重み付けが小さい。
また、エンジン冷却水温度範囲(i−2)および(i
+2)における学習値は、温度範囲(i−1)および
(i+1)における学習値よりも、その学習の重み付け
がさらに小さい。
一般に、エンジンの特性、エンジンオイルの粘性特
性、リニアソレノイド16の特性等の変化は、ある特定の
エンジン温度またはエンジン温度範囲についてのみ変化
するのではなく、少なくともそのエンジン温度範囲近傍
における温度範囲についても同様な傾向で変化すると考
えられる。
したがって、本発明の第1の実施例のように、ある特
定のエンジン温度範囲iについて学習値を算出し、さら
にその温度範囲iの近傍の温度範囲について、温度範囲
iから遠ざかるほど、その学習の重み付けが軽くなるよ
うに学習値を算出すれば、エンジン、リニアソレノイド
等の特性変化の影響を、より良く各学習値に影響させる
ことができる。
さて、以上の説明から明らかなように、本発明の第1
の実施例においては、当該エンジンの回転数がクローズ
ドループ制御されている間に、エンジン回転数Neが目標
回転数Nrefに一致し、あるいはほぼ一致した状態で、か
つ、TDCパルスが出力されたときに、まずリニアソレノ
イド16の制御電流Icmdに対応する値を、そのときのエン
ジン冷却水温度範囲iの学習値Ixr(i)として処理、
記憶する。
また、さらに前記エンジン冷却水温度範囲iに隣接す
る温度範囲についても、その学習の重み付けを小さくし
て、学習値を算出する。
そして、次回のエンジン起動の際に、当該エンジン
が、アイドル運転状態からアイドル運動でない状態に移
行したとき、すなわち、エンジン回転数制御がクローズ
ドループモード制御状態からオープンループモード制御
状態に移行したとき、リニアソレノイド16の制御電流Ic
mdを、そのときのエンジン冷却水温度範囲iにおける学
習値Ixr(i)から求めるようにしている。
そしてさらに、当該エンジンがアイドル運転状態に復
帰したとき、すなわち再びクローズドループモード制御
状態に移行したときの、リニアソレノイド16の制御電流
Icmdの初期値を、同様に、そのときのエンジン冷却水温
度範囲に該当する暖機信号ITwから求めるようにしてい
る。
一般に、自動車の運転者は、当該エンジンの暖機が完
了する前に、自動車を発進させることが多い。したがっ
て、暖機中におけるアイドル運転時の、リニアソレノイ
ド16の制御電流Icmd、あるいは該制御電流に対応する値
を、そのときのエンジン冷却水温度範囲に応じて学習す
る場合、前記各温度範囲に対応する学習値の演算の機会
が少なくなり、該学習値の精度が悪くなる。
しかしながら、前記第1の実施例においては、あるエ
ンジン冷却水温度範囲について学習を行なったならば、
その温度範囲に隣接する温度範囲における学習値に対し
ても、その重み付けを小さくして学習を行なうので、実
質的に学習値の精度を上げることができる。
この結果、当該エンジンが、アイドル運転でない状態
からアイドル運転状態に復帰する際の、リニアソレノイ
ド16の制御電流の変動が少なくなり、前記エンジンのア
イドリング回転数を目標回転数にいち速く接近させるこ
とができる。
つぎに、本発明の第2の実施例について説明する。第
2の実施例は、前記第1の実施例の、第8図に示された
学習のサブルーチンにおけるステップS39の学習値の算
出を、第2式、第4式、および第6式、ならびに下記の
第7式および第8式により行なうこととしたものであ
る。
Ixr(n,i−1) =Ixr(n−1,i−1) +{Iai(n)−Ixr(n−1,i−1)} ×3Cxr/256×4) …(第7式) Ixr(n,i−2) =Ixr(n−1,i−2) +{Iai(n)−Ixr(n−1,i−2)} ×Cxr/(256×2) …(第8式) 前記第2,4,6,7、および8式より明らかなように、本
発明の第2の実施例も、前記第1の実施例と同様に、Ia
i(n)が算出されたときのエンジン冷却水温度範囲i
について学習値を算出し、さらに前記温度範囲iの近傍
における温度範囲についても、温度範囲iから遠ざかる
ほどその学習の重み付けが軽くなるようにして、その学
習値を算出するものである。
しかしながら、この第2の実施例では、前記学習の重
み付けは、エンジン冷却水温度範囲が前記温度範囲iよ
り高い側における学習の場合よりも、低い側における学
習の場合の方が大きい。
すなわち、エンジン冷却水温度範囲(i+1)の学習
値がIai(n)のCxr/(256×2)の影響を受けるのに対
し、エンジン冷却水温度範囲(i−1)の学習値は3Cxr
/(256×4)の影響を受ける。
また、エンジン冷却水温度範囲(i+2)の学習値
が、Iai(n)のCxr/(256×4)の影響を受けるのに対
し、エンジン冷却水温度範囲(i−2)の学習値はCxr/
(256×2)の影響を受ける。
第10図は、本発明の第2の実施例による学習値算出を
説明するための、学習値と各エンジン冷却水温度範囲と
の関係を示すグラフである。第10図において、縦軸は学
習値を、横軸はエンジン冷却水温度をTwを示している。
第10図において、まず、各エンジン冷却水温度範囲に
対応して、実線で示されるような学習値がすでに演算、
記憶されているものとする。
ここで、TDCパルスの割込みにより、学習が開始され
ると、まず、そのときのエンジン冷却水温度範囲i(第
10図においては、エンジン冷却水温度が30度以上35度未
満)の学習値Ixr(n,i)が、Iai(n)を用いて、第2
式により算出される。前記学習値Ixr(n,i)は、第10図
においては、破線で示されている。
そして、前記エンジン冷却水温度範囲iに隣接する温
度範囲(i−1)、および(i+1)、ならびに該各温
度範囲に隣接する温度範囲(i−2)および(i+2)
の各学習値が、前記Iai(n)を用いて、第7式、第4
式、第8式、および第6式により算出される。この各学
習値は、二点鎖線で示されている。
さて、一般に、エンジンは、少なくとも暖機が完了す
るまでは、エンジン温度が高い程、その回転の安定性が
高まる。したがって、各エンジン冷却水温度範囲におけ
る学習の頻度が各々同じである場合、その学習値の精度
は、エンジン冷却水温度範囲が高い程良い。
本発明の第2の実施例は、このような事実を踏まえて
創作されたものである。すなわち、ある特定のエンジン
冷却水温度範囲iについて、Iai(n)を用いて学習値I
xr(i)を算出したら、該温度範囲iよりも低温側の温
度範囲の学習を、高温側の温度範囲の学習よりも高い重
み付けで、かつ、いずれの学習も温度範囲iにおける学
習よりも軽い重み付けで行なうのである。
この結果、あるエンジン冷却水温度範囲で学習が行な
われると、該温度範囲よりも低い側の温度範囲の学習値
に対してより大きな影響を与えることができるので、各
温度範囲における学習値の精度を、さらに効果的に上げ
ることができる。
(変形例) 前述した本発明の前記実施例は、つぎのように変形す
ることが可能である。
(1)本発明の前記実施例は、当該エンジンが、アイド
ル運転状態からアイドル運転でない状態に移行したとき
のリニアソレノイド16の制御電流Icmd、およびその状態
から、アイドル運転状態に復帰したときのリニアソレノ
イド16の制御電流Icmdの初期値を、そのときのエンジン
冷却水温度範囲における学習値から算出するものとして
説明したが、本発明は特にそれのみに限定されることは
なく、そのどちらか一方のみが前述した手法により算出
されるものであっても良い。
前記いずれの場合でも、アイドル運転でない状態から
アイドル運転状態に復帰する際、特に暖機が完了する前
の、リニアソレノイド16の制御電流Icmdの変動を抑える
ことができる。
(2)前述の説明では、フィードバックモードにおいて
は、PID動作によりフィードバック制御がなされるもの
としたが、特にこれのみに限定されず、P動作、I動
作、PD動作等によりフィードバック制御がなされるもの
であっても良い。
(3)前記第1および第2の実施例は、Iai(n)が算
出されたときのエンジン冷却水温度を含むエンジン冷却
水温度範囲iの高温側および低温側に隣接する各々2か
所ずつの温度範囲の学習値を算出するものとして説明し
たが、その温度範囲は特に2か所ずつに限定されること
はなく、何か所であっても良い。
また、前記各学習値は、エンジン冷却水温度範囲iの
高温側および低温側の各々同数の温度範囲領域について
算出されるものとして説明したが、特に同数である必要
はないことも当然である。
さらに、前記高温側および低温側のいずれか一方の温
度範囲についてのみ学習値を算出しても良いことは当然
である。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、つ
ぎのような効果が達成される。
(1)アイドリング状態におけるリニアソレノイドの制
御電流からあらかじめ分類された各エンジン温度範囲に
おける学習値を算出し、かつ、算出された学習値に対応
するエンジン温度範囲に隣接する温度範囲における学習
値を、その学習の重み付けを小さくして算出し、第1発
明においては、特に暖機中に、当該エンジンがアイドル
運転状態からアイドル状態でない状態に移行したときの
リニアソレノイド16の制御電流を、また第2発明におい
ては、特に暖機完了前にアイドル運転状態に復帰したと
きにおけるリニアソレノイド16の制御電流の初期値は、
そのときのエンジン温度範囲における学習値から決定す
るので、特に暖機中における学習値の精度を実質的に高
めることができ、エンジン冷却水温度、内燃機関の特性
変化等に応じて、前記制御電流および初期値をほぼ最適
な値に設定することができる。また、第2発明において
は、当該エンジンがアイドル運転でない状態からアイド
ル運転の状態に移行する際の、リニアソレノイドの制御
電流の変動、すなわちエンジン回転数の変動を極力抑え
ることができる。
(2)第1発明においては、当該エンジンをアイドル運
転状態から、アイドル運転でない状態に移行させるとき
に、バイパス通路を通過する空気量が減少しないので、
アクセルの踏み具合に応じて良好にエンジン回転数を上
昇させることができる。したがって、当該エンジンを搭
載した自動車の発進、加速等のスムーズに行なうことが
できる。
(3)一般にエンジンは、少なくとも暖機が完了するま
では、エンジン温度が高いほどその回転の安定性が高ま
る。従って、各エンジン冷却水温度範囲における学習値
の頻度がそれぞれ同じである場合、その学習値の頻度は
エンジン冷却水温度範囲が高いほどよい。よって、第
1、第2発明において、学習値を算出した温度範囲より
も低温側の温度範囲の学習を高温側の温度範囲の学習よ
りも高い重みづけで行えば、運転状態が比較的に不安定
である上に学習の機会も少ない暖機中における学習値の
精度をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例における電子制御装置の
内部動作を示すフローチャート、第2図は本発明の基本
的構成を示す概略図、第3図はアイドル目標回転数Nref
およびアイドル判定回転数Naとエンジン冷却水温度Twと
の関係を示すグラフ、第4図はアイドル目標回転数Nref
を維持するに必要な要求空気量Qaとエンジン冷却水温度
Twとの関係を示すグラフ、第5図は要求空気量Qaを得る
ために必要なリニアソレノイドの制御信号とエンジン冷
却水温度Twとの関係を示すグラフ、第6図は第1図のス
テップS9で示されたオープンループモード制御のサブル
ーチンを示すフローチャート、第7図は第1図のステッ
プS5で示されたクローズドループモード制御のサブルー
チンを示すフローチャート、第8図は第1図のステップ
S7で示された学習のサブルーチンを示すフローチャー
ト、第9図は本発明の第1の実施例による学習値算出を
説明するための、学習値と各エンジン冷却水温度範囲と
の関係を示すグラフ、第10図は本発明の第2の実施例に
よる学習値算出を説明するための、学習値の各エンジン
冷却水温度範囲との関係を示すグラフである。 1……スロットル弁開度センサ、2……エンジン回転数
カウンタ、4……エンジン温度センサ、5……TDCセン
サ、16……リニアソレノイド、30……制御弁、31……バ
イパス通路、32……スロットル弁、33……吸気通路、36
……クランク軸、40……電子制御装置、61……ワックス
弁通路、62……ワックス弁

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気通路の空気流量を調整する制御弁、お
    よび前記制御弁を駆動させる制御弁駆動手段を有する内
    燃機関の回転数制御方法であって、 内燃機関の温度および回転数を検知し、 内燃機関がアイドリング状態であるか否かを判別し、 内燃機関がアイドリング状態であると判別されたとき
    は、 内燃機関の温度に応じて、アイドル目標回転数を設定
    し、 内燃機関の回転数の、前記アイドル目標回転数に対する
    偏差を検出し、 前記偏差に応じて制御量を演算して、前記制御弁駆動手
    段に制御信号を供給し、かつ、 前記制御量に基づいて、内燃機関の現在の温度が含まれ
    る所定の温度範囲に対応する学習値を演算し、 前記学習値が演算された温度範囲から遠ざかるにつれ
    て、その学習の重み付けが小さくなるように、前記学習
    値が演算された温度範囲の高温側および低温側の少なく
    とも一方の温度範囲について新たな学習値を演算し、 また、少なくとも内燃機関暖機中に内燃機関がアイドリ
    ング状態でないと判別されたときは、 内燃機関の現在の温度が含まれる温度範囲における学習
    値に応じて、前記制御弁駆動手段に制御信号を供給する
    ことを特徴とする内燃機関の回転数制御方法。
  2. 【請求項2】前記高温側および低温側の温度範囲は、内
    燃機関の現在の温度が含まれる温度範囲に隣接する少な
    くとも一つの温度範囲であることを特徴とする前記特許
    請求の範囲第1項記載の内燃機関の回転数制御方法。
  3. 【請求項3】前記新たな学習値は、前記高温側および低
    温側の双方の温度範囲について算出され、前記低温側の
    温度範囲における新たな学習値は、前記高温側の温度範
    囲における新たな学習値よりもその学習の重み付けが大
    きくなるように算出されることを特徴とする前記特許請
    求の範囲第1項あるいは第2項記載の内燃機関の回転数
    制御方法。
  4. 【請求項4】前記学習値は、前記偏差がほぼ零となった
    ときに演算されることを特徴とする前記特許請求の範囲
    第1項ないし第3項のいずれかに記載の内燃機関の回転
    数制御方法。
  5. 【請求項5】吸気通路の空気流量を調整する制御弁、お
    よび前記制御弁を駆動させる制御弁駆動手段を有する内
    燃機関の回転数制御方法であって、 内燃機関の温度および回転数を検知し、 内燃機関がアイドリング状態であるか否かを判別し、 内燃機関がアイドリング状態であると判別されたとき
    は、 内燃機関の温度に応じて、アイドル目標回転数を設定
    し、 内燃機関の回転数の、前記アイドル目標回転数に対する
    偏差を検出し、 前記偏差に応じて制御量を演算して、前記制御弁駆動手
    段に制御信号を供給し、かつ、 前記制御量に基づいて、内燃機関の現在の温度が含まれ
    る所定の温度範囲に対応する学習値を演算し、 前記学習値が演算された温度範囲から遠ざかるにつれ
    て、その学習の重み付けが小さくなるように、前記学習
    値が演算された温度範囲の高温側および低温側の少なく
    とも一方の温度範囲について新たな学習値を演算し、 少なくとも内燃機関暖機中に、内燃機関がアイドリング
    でない状態からアイドリング状態に移行したときは、 内燃機関の現在の温度が含まれる温度範囲における学習
    値と前記偏差に応じて制御量を演算して、前記制御弁駆
    動手段に制御信号を供給することを特徴とする内燃機関
    の回転数制御方法。
  6. 【請求項6】前記高温側および低温側の温度範囲は、前
    記学習値が演算された温度範囲に隣接する少なくとも一
    つの温度範囲であることを特徴とする前記特許請求の範
    囲第5項記載の内燃機関の回転数制御方法。
  7. 【請求項7】前記新たな学習値は、前記高温側および低
    温側の双方の温度範囲について算出され、前記低温側の
    温度範囲における新たな学習値は、前記高温側の温度範
    囲における新たな学習値よりもその学習の重み付けが大
    きくなるように算出されることを特徴とする前記特許請
    求の範囲第5項あるいは第6項記載の内燃機関の回転数
    制御方法。
  8. 【請求項8】前記学習値は、前記偏差がほぼ零となった
    ときに演算されることを特徴とする前記特許請求の範囲
    第5項ないし第7項のいずれかに記載の内燃機関の回転
    数制御方法。
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