JP2515379Y2 - 写真複写装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ネガフィルムあるいはポジフィルム等のフ
ィルム等からなる写真原稿をトナーを現像剤として複写
する写真複写装置に関する。

〔技術の背景〕

ネガフィルムあるいはポジフィルム等のフィルム等か
らなる写真原稿をトナーを現像剤として複写する写真複
写装置においては、通常、光源部をランプと反射鏡とを
組合せて構成するが、帯状で例えば30mm程度の有効露光
幅が要求される場合があり、特に以下の条件（１）乃至
（３）を満足することが強く要請されている。

（１）写真原稿の搬送路からのランプの離間距離を小さ
くして光源部の小型化を図る場合に、写真原稿を熱損傷
させないで露光ムラのない適正な露光が達成できるこ
と。

（２）光源部の小型化を図りながら光の有効利用率を高
めて十分な露光が達成できること。

（３）光源部が簡単な構造で部品の交換等を容易に行う
ことができること。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、従来においては、上記条件（１）乃至（３）
のすべてを満足する写真複写装置は未だ実用化されてい
ないのが実情である。

本考案は以上の如き事情に基づいてなされたものであ
って、その目的は、帯状で狭い有効露光幅が要求される
場合において、写真原稿を熱損傷させないで露光ムラの
ない適正な露光を達成でき、光の有効利用率を高めて十
分な露光を達成でき、簡単な構造で部品の交換等を容易
に行うことができる新規な構造の写真複写装置を提供す
ることにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案の写真複写装置にお
いては、写真原稿の搬送路を挟んで一方の側に光源部を
配設し、他方の側にレンズ系を介して感光体を配設して
なる写真複写装置であって、前記光源部は、樋状反射鏡
と、この樋状反射鏡に対向配置された棒状ランプと、こ
の棒状ランプの前方に配置された熱線吸収フィルター
と、この熱線吸収フィルターの前方に配置された光拡散
板とを備えてなり、前記樋状反射鏡は、２つの同一形態
の反射部材が互いに対向配置されて構成され、曲面とこ
れに続いて開口端部を絞込むよう伸びる平面とにより構
成された反射面と、当該開口端部に設けた、前記熱線吸
収フィルターおよび光拡散板の側縁とそれぞれ係合して
これらを保持する保持溝とを有してなる構成を採用す
る。

〔作用〕

光源部の棒状ランプおよび樋状反射鏡よりの光は光拡
散板を通過して写真原稿に照射される。従って、この照
射光は光拡散板により均一度の高い光となる。

樋状反射鏡の反射面が開口端部を絞込むように伸びる
平面を有しているので、有効露光幅を超えて広がろうと
する棒状ランプからの放射光を反射して、前記有効露光
幅への照射光として利用することができる。これによ
り、光の有効利用率が高められ、小出力の棒状ランプに
よっても十分な露光を達成することができる。

また、開口端部を絞込むよう伸びる反射面が「平面」
であるので、当該反射面による反射光は拡散されて散乱
することになる。これにより、光拡散板による散乱効果
とも相まって、開口端部から出射される光は、帯状で狭
い有効露光幅の露光領域全域に対してもきわめて均一に
照射される。そして、露光領域における照度の均一化が
図れる結果、露光ムラのない適正な露光を達成すること
ができる。

開口端部を絞込むよう伸びる反射面を「曲面」とする
場合には、当該反射面による反射光の一部が特定の方向
に集光するために、例えば有効露光幅の端部おける照度
が不足するなど、露光領域における照度の均一化を図る
ことができない。

さらに、開口端部を絞込むよう伸びる反射面を「平
面」とすることにより、当該反射面を「曲面」とする場
合よりも、樋状反射鏡を更に小さく達成することがで
き、光源部の一層の小型化を図ることができる。

光拡散板はその側縁が樋状反射鏡の保持溝に係合して
保持される。従って、光拡散板の取外しが容易である。

以下、本考案の実施例を説明する。

〔実施例〕

本実施例においては、第１図に示すように、基本的に
は、ネガフィルムあるいはポジフィルム等のフィルム等
からなる写真原稿を搬送するための写真原稿の搬送路50
を挟んで一方の側に光源部１を配設し、他方の側にレン
ズ系60を介して回転ドラム状の感光体70を配設してな
り、光源部１が、樋状反射鏡10と、この樋状反射鏡10に
対向配置された棒状ランプ20と、この棒状ランプ20の前
方に配置された熱線吸収フィルター30と、この熱線吸収
フィルター30の前方に配置された光拡散板40とを備えて
なる。

樋状反射鏡10は、２つの同一形態の金属製の反射部材
10A,10Bが互いに対向配置されて構成されている。従っ
て、同一の小型の金型により例えば押出し成形により簡
単に製造することができる。17はこれらの反射部材10A,
10Bを固定するための側板であり、樋状反射鏡10の両側
に配置され、ねじ等の連結部材18（第２図参照）により
反射部材10A,10Bと脱着可能に連結されている。19は連
結部材18の連結用穴である。

樋状反射鏡10の反射面11は、例えば放物柱面よりなる
曲面12とこれに続いて開口端部14を段階的に絞込むよう
伸びる例えば３つの平面13A,13B,13Cとにより構成され
ている。そして、棒状ランプ20は、例えばハロゲン電球
よりなり、この例においては放物柱面よりなる曲面12の
焦線に沿って伸びるよう配置されている。従って、帯状
で例えば30mm程度の有効露光幅Ｗが要求される場合に樋
状反射鏡10を小型化しながら光の有効利用率を高めて小
出力の棒状ランプ20により十分な露光を構成できる。ま
た、棒状ランプ20からの光は、樋状反射鏡10の反射面11
を構成する平面13A,13B,13Cによって反射されるととも
に拡散される。これにより、光拡散板40による散乱効果
とも相まって、開口端部14から出射される光は、露光領
域全域に対してきわめて均一に照射されることになる。
21は棒状ランプ20の挿通用切欠部、22はランプホルダー
である。

樋状反射鏡10の開口端部14には、熱線吸収フィルター
30および光拡散板40の側縁とそれぞれ係合してこれらを
保持する保持溝15および16が設けられている。これらの
保持溝15および16は、樋状反射鏡10の長手方向に沿って
伸びている。従って、一方の側板17を取外した状態で、
樋状反射鏡10の一側から熱線吸収フィルター30および光
拡散板40をそれぞれ保持溝15および16に係合させて挿入
することにより装着することができる。これらの保持溝
15および16によれば、保持構造が簡単でしかも熱線吸収
フィルター30および光拡散板40の交換を容易に行うこと
ができる。

また、熱線吸収フィルター30および光拡散板40の保持
をさらに強固なものとするために、第２図および第３図
に示すように、一方の側板17に２個のバネ片25A,25Bを
有する板バネ25を固定して、これらのバネ片25A,25Bの
弾性力によりそれぞれ熱線吸収フィルター30および光拡
散板40の一端部を押圧してこれらを他方の側板17との間
で挟圧している。

熱線吸収フィルター30は棒状ランプ20の熱線を効率的
に吸収して透過させないものである。また、光拡散板40
は棒状ランプ20の光を散乱させて照度の均一化を図るも
のである。従って、両者を組合せたことにより、棒状ラ
ンプ20と写真原稿の搬送路50との離間距離を小さくして
小型化を図りながらフィルム等からなる写真原稿を熱損
傷させないで露光ムラのない適正な露光を達成すること
ができる。

斯かる写真複写装置においては、光源部１の棒状ラン
プ20および樋状反射鏡10よりの光が、熱線吸収フィルタ
ー30および光拡散板40を介して搬送路50を通過する写真
原稿に照射され、そして、写真原稿の透過光が、レンズ
系60を介して感光体70に投影されて露光が行われる。

以上、一実施例について説明したが、本考案において
は、樋状反射鏡の反射面を構成する平面の数は特に限定
されない。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案に係る写真複写装置によ
れば、以下の効果が発揮される。

（１）光源部において熱線吸収フィルターおよび光拡散
板を棒状ランプの前方に配置したので、棒状ランプと写
真原稿の搬送路との離間距離を小さくして全体の小型化
を図りながら写真原稿を熱損傷させないで露光ムラのな
い適正な露光を達成することができる。

（２）樋状反射鏡の反射面を曲面とこれに続いて開口端
部を絞込むよう伸びる平面とにより構成したので、帯状
で狭い有効露光幅が要求される場合に樋状反射鏡を小型
化しながら光の有効利用率を高めて十分な露光を達成す
ることができる。

（３）樋状反射鏡の開口端部にそれぞれ保持溝を設けて
これらに熱線吸収フィルターおよび光拡散板の側縁を係
合させて保持させたので、保持構造が簡単でしかも熱線
吸収フィルターおよび光拡散板の交換を容易に行うこと
ができる。

（４）樋状反射鏡が２つの同一形態の反射部材が互いに
対向配置されて構成されているので、各反射部材を例え
ば小型の同一の金型により押出し成形して製造すること
ができ、製造が簡単で製造コストの低減を図ることがで
きる。

（５）開口端部を絞込むよう伸びる反射面が「平面」で
あるので、当該反射面による反射光は拡散されて散乱す
ることになる。これにより、光拡散板による散乱効果と
も相まって、開口端部から出射される光は、帯状で狭い
有効露光幅の露光領域全域に対してもきわめて均一に照
射される。そして、露光領域における照度の均一化が図
れる結果、露光ムラのない適正な露光を達成することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は写真複写装置の説明用縦断正面図、第２図は写
真複写装置の説明用底面図、第３図は板バネの説明図で
ある。 １……光源部、10……樋状反射鏡 10A,10B……反射部材、11……反射面 12……曲面、13A,13B,13C……平面 14……開口端部、15,16……保持溝 17……側板、18……連結部材 19……連結用穴、20……棒状ランプ 21……挿通用切欠部、22……ランプホルダー 25……板バネ、25A,25B……バネ片 30……熱線吸収フィルター 40……光拡散板、50……写真原稿の搬送路 60……レンズ系、70……感光体 Ｗ……有効露光幅

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】写真原稿の搬送路を挟んで一方の側に光源
   部を配設し、他方の側にレンズ系を介して感光体を配設
   してなる写真複写装置であって、 前記光源部は、樋状反射鏡と、この樋状反射鏡に対向配
   置された棒状ランプと、この棒状ランプの前方に配置さ
   れた熱線吸収フィルターと、この熱線吸収フィルターの
   前方に配置された光拡散板とを備えてなり、 前記樋状反射鏡は、２つの同一形態の反射部材が互いに
   対向配置されて構成され、曲面とこれに続いて開口端部
   を絞込むよう伸びる平面とにより構成された反射面と、
   当該開口端部に設けた、前記熱線吸収フィルターおよび
   光拡散板の側縁とそれぞれ係合してこれらを保持する保
   持溝とを有してなることを特徴とする写真複写装置。